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一千兆円の身代金



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一千兆円の身代金の評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

アイディアが秀逸!

第12回「このミス」大賞の受賞作。「一千兆円の身代金」という、目を引くタイトルが中味をすべて表している通り、意表をつくアイディアが光る作品である。
政治家の家系の男児を誘拐し、日本政府に一千兆円という法外な身代金を要求してきた犯人、その真の狙いはどこにあるのか? 次世代のことを考慮せず、財政赤字という当座凌ぎの借金を膨らませ続ける旧世代に対する犯人の怒りは、多くの国民の共感を得るが、誘拐は凶悪犯罪であり、警察は全力を挙げて事件解決をめざして奮闘する。人質の少年は、無事に解放されるのだろうか?
犯人側、被害者側、捜査側と視点を交替させながらのストーリー展開もスムーズで、登場人部のキャラクターも巧く設定されている。突き抜けた面白さは無いものの、デビュー作としては非常に高く評価出来る。文句なしにオススメです。

iisan
927253Y1
No.1:
(7pt)

一千兆円の身代金の感想

現実的なテーマを扱った誘拐事件のお話。リアルな問題に絡めて起きる誘拐事件を追う警視庁特殊班の刑事や各人の視点で進む展開だけれど、そのリアルな内容に囚われすぎて人物が少し掘り下げ方が弱いと云うか通り一遍の
描写に感じられて共感度は低い。圧倒的なボリュームで今の日本の現実を書き表しているが、こういったテーマのものには必ず参考資料が偏っているとか、一面しか見ずに取り上げているとかの批判が出てくるが
それは違うと思う。その問題だけを論じるのならともかくフィクションの物語のバックボーンであり人物を動かす材料なわけで、有る程度の部分を取り上げて背景として書いているだけだからそう神経質になる必要はないと思う。
個人的に興味があるのは、今は選挙権のない十代の人がこれを読んだらどの様な感想を持つだろうかと云う事。肝心のミステリとしての部分はそう謎解きもサスペンスも感じられず経済小説のような雰囲気だけれど警察内部の
動きや捜査のあり方はキッチリ書き込まれていて読ませる。ラストにどれだけの共感を得られるかが少し心配。女刑事も初めだけであまり目立たずに脇役どまりの感じで、どうもこういった点からも登場人物の配置とか動かし方が
中途半端に感じる。経済問題の資料にエネルギーを使い過ぎたのかな。個人的におススメは三好徹の「コンピューターの身代金」「モナ・リザの身代金」「オリンピックの身代金」と本田靖春「誘拐」天藤 真「大誘拐」ってところです。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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