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薔薇の名前



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【この小説が収録されている参考書籍】
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薔薇の名前〈下〉

薔薇の名前の評価: 6.75/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.75pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

映画→本書の順序がオススメ

凄い書物に触れてしまいました。内容の密度がとても濃く読み終わるまで1か月要しました。ただ、この期間は難しくて挫折の意味ではなく、数多く現れる内容から興味を持ったものを脱線して調べながらの読書だったためです。それでも正直わからない事だらけで、拾えるものが微々たるものでした。本書の凄まじさは読者が持っている知識に呼応して魅力が増す作品になっている所です。

いきなり本書に触れると返り討ちに合いそうなので、先人に習って以下の手順で自分は触れました。

■個人的なオススメの作品の触れ方
▽映画を見る(ショーン・コネリー主演、ジャン=ジャック・アノー監督)

▽下巻の解説を読む

▽本書を読む。

まず映画の出来がとてもよいです。本書のミステリ部分が強調された作品となっており、難しい知識が必要なく楽しめます。
1327年の修道院で発生した連続怪死事件をバスカヴィルのウィリアムとメルクのアドソの探偵&助手(書記)の2人が体験します。ピンと来ると思いますが、シャーロックホームズの設定を活用しています。ウィリアムの圧倒的な知識と洞察力で、修道士達の発言や行動、黙示録に見立てられたような事件現場や占星術や神学等、見習いアドソ&読者に教える先生のように推理と解説をしていきます。ミステリの面白さを十分に楽しみながら全体像を映像として把握できるので映画はオススメです。
次に下巻の解説を読みました。ストーリーは映画で把握済みなので、ネタバレ気にせず翻訳者の解説にて本書の背景がどういうもので、歴史や書物、著者専門の記号論がどのように扱われているかが感じ取れます。

この手順であれば、登場人物のカタカナ名に悩まされる事も場面混乱も回避でき、最大の魅力であるミステリを模した書物の迷宮を集中して体験できるでしょう。

個人的な感覚ですが、昔に体験した三大奇書の黒死館の衒学やドグラマグラの作中作の面白い意味でのパニック感を、数年経った今、学術的な要素で再体験した気持ちです。難しくて好みが分かれるかもしれないですが、そういう圧倒的なものに触れるのが好きな方にはささる作品です。

拙い知識でどう書いたらよいか悩むのですが、設定の数々である、時代や現場や言語体系やミステリ要素や書物に関する事、どれもこれもが外せずに絡んでいて、こうじゃなきゃ成立しない凄まじいバランスの妙の作品ですね。何かに気付いてもそれが必然になっている事に気づかされる。。。。うーむ、、、すごい。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
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