聖者のかけら
- 歴史ミステリ (189)
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東大出版会の冊子である『UP』の原稿を楽しく読んでいたこともあり、著者の川添さんは 言語学系のAI研究者として長年認知していました。この方面の書籍は読みたいと思いながら 積読になっていて申し訳ないなと思っていたところ、文庫本を物色していたら小説を書いて いるではないですか。 しかも、やたら分厚いですし、中世のキリスト教修道会を舞台にしたミステリーですと?と 思い、迷いなく購入しました。で、読んでみたのですが、これが面白いんですよ。700頁ぐらい あるので、京極夏彦だと途中で無理になったりするわけですが、普通に読めてしまいました。 修道会と信仰とは何かがテーマにはなっているものの、一人の人間が一人の人間として向き合って 生きることの意味を考えさせられますし、(奥深いが)地味な世界を生きる修道士それぞれが、 深みを持って描かれており、いやー、私も小説も書いてみたいなあと思わされたりしたのでした。 良い読書経験で感謝しています。 | ||||
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著者の本は好きなので特に何も考えず本書も手に取りました。本書は小説形式ですが、これまでの小説ように、言語理論を小説仕立てにしているわけではなく(例:白と黒のとびら)、中世イタリアを舞台にした純粋小説のように見受けられました。ここで「見受けられた」と書いているのは、もしかすると1度読んだだけではなかなかわからない著者の真意があって、それは言語学とも関係しているのかな?と深読みしてしまいました。 ネタバレになりますのであまり書きませんが、本書の舞台は13世紀イタリアのキリスト教会にもかかわらず、私は本書の各所から何か日本的、仏教的なエッセンスを感じました。仏教においても仏舎利なるものがありますし、本書の各所に示される、「いま=ここ」を重視するような記述です(これは禅などに典型的に見られる特徴です)。本書を全て読み終わった後に、なにか仏教とキリスト教の融合的なイメージが頭の中に浮かび不思議な気持ちになりました(これは一般的な感想ではないと思いますが私はそう感じました)。また本書では、言語ではなくイメージ(映像)が非常に重要な役割を果たします。言語は所詮断片的な情報しか運んでおらず、イメージ(映像)は大量の情報を含んでいるわけですが、これも私の妄想でしかありませんが、言語コミュニケーションの次のテレパシーコミュニケーションのようなものを想像しました。 つまり本書の著者が言語学者である、ということを前提に読み進めると、ストーリー展開においていろいろな想像が湧いてくるわけです。なぜ言語学者が言語的な暗号ではなくイメージ(映像)を重要なモチーフにしているのか、といった具合です。そういった意味でも本書はミステリーな本でした。面白かったです。 | ||||
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小説としての面白さを味わう前提として、キリスト教における奇跡に対するリアリティを認識できること、そして描かれた時代のキリスト教の状況に関する知識が必要だと感じました。そして、やはり、ウンブリアという風土や聖フランチェスコ教会、聖キアラ(教会)のことなど、アッシジに関する知識や実感も欲しいところです。 その意味で、読み込むのにはハードルの高い小説と言えると思います。 第15章のピエトロとエリアのやり取りは、面白かったです。 ひとつ「なるほど」と思わせてもらえたのは、その時代、土地における教皇や枢機卿との距離感。確かに、こんなに近いものだったのでしょう。新たな気付きでした。 日本人で宗教をテーマに異国の歴史小説を描くにはとてつもない努力が必要なはず。敬意を表します。 | ||||
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「理論系言語学者による歴史ミステリ」ということで、重厚荘厳な作品かと身構えて読み始めたが、良い意味で予想を裏切られた。いたずらに難解な表現や抽象的な議論も無く、ストーリーに引き込まれた。ラストは「ちょっと飛躍したかな」と感じたものの、最後まで興味深く読み通せた。 会話文が多く、年少の人物も登場するので、荘重な作品を期待する向きには少し物足りないかもしれない。しかし歴史や宗教の知識が無くても楽しめるし、本作は中高生が少し背伸びして読んで、西洋史やキリスト教に興味を持ってくれたら良いようにも感じた。単行本はお手軽価格ではないので図書館で、かな? | ||||
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期待したほどでは。 | ||||
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