「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」 今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。

ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。

ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。

結婚を控えたさくらの前に、兄を名乗る青年が突然現れた。どう見ても一回りは年下の彼は、さくらのことをよく知っている。

仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。２３歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。

本屋大賞ノミネート作家、瀬尾まいこのデビュー直後から3年半の日常をつづるほのぼのエッセイ。

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。

「永原智です。はじめまして」。

中学２年生の隼太は、この春に名字が変わった。シングルマザーだった母が、町で人気の歯医者と結婚したのだ。

思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。

両親の離婚以降、月に一度祖父と会うようになった彗子。母の再婚を機に会うことをやめる二人だったが……。

「ごめんください。どなたですか?戸村飯店の兄弟、ヘイスケとコウスケです。

中学校教師として多忙な生活を送っていた著者。

あなたと生きる、その痛みごと。

元ＯＬが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。

本屋大賞ノミネート作、待望の文庫化！ 宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。

『鍵のない夢を見る』から10年、辻村深月が詐欺を描く。幸せが欲しくて嘘にすがりついてしまう人間の哀しみが、心に迫る3篇。

混雑した駅中、彼女は驚いた様子でまっすぐ僕の方へ歩いてきた。それが僕たちの出逢いであり、恋人同士になるきっかけだった。

みちると優子は中学３年生。２人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。

ほどいてつないで私はもう一度踏み出せる。

町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。 小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。

「お探し物は、本ですか？仕事ですか？人生ですか？」。仕事や人生に行き詰まりを感じている５人が訪れた、町の小さな図書室。

一人でだって生きてはいける。

地方都市の寂れた町にある葬儀社「芥子実庵」。

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。

――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった―― 古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇。

児童養護施設で暮らす高校生のななみ。 「馬鹿にされるな」という祖母の言葉を胸に、医学部進学を目指し受験勉強に励む日々。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画」。日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。

小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。

「春に翔ぶ」瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原の秘められた過去。

東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。

古ぼけた時計店の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。そこには、双子のおじいさんとなぜかアンモナイトが待っていて…。

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。

『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。

写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。

ある朝目を覚ますと、腕に大きく「神様当番」という文字が！突然現れた神様のお願いを叶えないと、その文字は消えないようで…？幸せの順番待ちに疲れたＯＬ、弟にうんざりしている小学生の女の子、リア充と思われたい男子高校生、乱れた日本語に悩まされる外国人教師、部下が

犬の最期を看取る「老犬ホーム」で働くことになった智美。

書下ろし短編収録! 辻村深月作品を生み出す裏側、教えます。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

あの手の指す方へ行けば間違いないと思っていた―― 1996年、横浜市内で塾の経営者が殺害された。

本を愛する人々が興奮し感動にふるえ、２０２０年度の本屋大賞にもノミネートされた『店長がバカすぎて』。

一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。

築21年の三階建て一軒家を購入し、一階部分を店舗用に改築。

ひとりでも寂しくない。 私はもっと、強くなれる。