騎士階級に昇格したファルコにもちかけられたのは、風刺詩集の出版話。

―イタリア全土、イギリス、フランス、スペイン、北アフリカから小アジア地域まで版図を拡大したさしものローマ帝国も、ライン河を渡ることには難儀した。

ウェスタ神殿の聖火を守る巫女は、十歳未満の少女から選ばれる。

時は紀元70年のローマ。

ブリタニアの王宮建設に絡む殺人罪でガリアへ追放されたはずの王の元側近が、ロンディニウム(現ロンドン)の場末で殺された。

―紀元72年。

―ファルコの親友、警備隊長ペトロの執念が実を結び、暗黒街のボスをローマから追放する日が来た。

ヘレナが無事に次女を出産。いっぽう未亡人となった妹マイアには、いやな男がつきまとう。

偉大なる政治家フロンティヌスが喝破したごとく、ローマの水道網の実用性に比べたら、エジプトのピラミッドもギリシアの観光名所も、まったくの役立たずだ―そんな市民の誇りと繁栄を支える水路から、バラバラ死体が相次いで発見された!生まれたばかりの赤ん坊と愛するヘレナ

七名所旅行社が主催するギリシア「神殿巡り」の団体旅行中に、新婚の若妻が変死体で発見された。

収賄事件で有罪宣告を受けた元老院議員が死んだ。どうやら自殺だったらしい。

ローマ「日報」の特ダネ記者が、交易の中心地オスティアで消息を絶った。

ローマ皇帝ウェスパシアヌスは権力固めを税収においていた。

―紀元71年のローマ。

―紀元72年冬。ファルコとヘレナは北方での冒険からようやくローマに帰還した。

―自らの土地を教会に寄進することで楽隠居を考えた荘園主が、食事中に悶死する。

紀元70年のローマ。内乱を制したウェスパシアヌス帝だが、なお各地に潜伏する謀反の残党がいた。

シュルーズベリの人々が楽しみにしている聖ペテロ祭。ところが祭りの前日に町の若者と商人・トマスが思わぬ諍いを起こす。

―12世紀も半ばに差しかかろうというイングランド。

――12世紀、イングランドはシュロップシャ、シュルーズベリ大修道院の修道士達は、副院長・ロバートを先頭にウェールズに向かった。

―四十歳以上も年下の花嫁を連れて、シュルーズベリに華燭の典を挙げに来たドンヴィル。

騎士階級の男が殺される事件が続発していた。

時は紀元前70年。ローマ警備隊を率いる若き貴族デキウスは、元剣闘士が殺された事件を捜査中、新たな任務を命ぜられた。

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマ。

――シュルーズベリは混乱の極みにあった。

法廷弁護士にして裁判官である美貌の修道女フィデルマが、鋭い推理で数々の難事件を解決する。

絢爛豪華な謎を彩るパリの歌姫、イタリアから来たカストラート、怪しげな貴族……。

教会会議を前にアイオナ派の有力な修道院長が殺害された。

―リンカーンの戦いで女帝モード軍に敗れたスティーブン王は、ブリストル城に幽閉されていた。

―アダム神父の後任として門前通り教区の新任司祭となったエイルノス。

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが、もつれた事件の謎を痛快に解き明かす傑作短編集。

1514年夏。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

毎週金曜の夜、刑事のデイビッドは妻を連れ、ブロンクスの実家へママを訪れる。

疫病が国土に蔓延するなか、王の後継者である兄に呼ばれ故郷に戻ったフィデルマは、驚くべき事件を耳にする。

砦に滞在していたローマ派の修道士が殺され、第一発見者のフィデルマは容疑者として拘束されてしまう。

敵対していた小国の族長がモアン王国を訪れたそのとき、族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが解き明かす事件の数々。

16世紀イングランド。

16世紀ロンドン。法廷弁護士シャードレイクのもとに、従弟殺害の罪を問われている少女エリザベスの弁護依頼が舞い込む。

「オリヴィエ・ド・ブルターニュはわたくしの息子なのです」。

聖ウィニフレッド移送祭を三日後に控えた修道院の広場に巡礼先で亡くなった羊毛商の柩を徒弟が運んできた。

―略奪者ジェフロワによってラムゼー修道院は廃墟と化していた。

女子修道院で、頭部のない若い女性の死体が見つかった。