ある新人賞に驚異的な小説が応募されたことから物語は始まる。

土地の記憶を読み取る霊能力者・火明継比古により、秋田県鹿角市の大湯ストーンサークルに残された太古の記憶が解き放たれる表題作ほか、道に迷い母親が自殺した別荘に辿り着いてしまった男の恐怖を描いた「母の死んだ家」や、盛岡の裏長屋を舞台にした幽霊譚「玄関の人」など

季節外れの大雪に見舞われた盛岡で、夜間、7歳の少女がひき逃げに遭った。

岩手県盛岡市にある喫茶店、ドールズ。経営者の娘、月岡怜の身体には、江戸の名人形師・目吉で棲んでいる。

異界に漂う小説家の念が死者の魂を引き寄せる…… 締切りを数時間後に控えた私の周囲に、何者かの気配が……(『声にしてごらん』)。

盛岡で古書店を営む結城恒一郎の姪・怜の意識の中には、交通事故をきっかけに甦った江戸時代の天才人形師・泉目吉が棲んでいる。

仙台で個展を開いていた創作折り紙の第一人者・華村研は、何者かが江戸期の手法で見事に折り上げた“紙の蜻蛉”を会場で見つける。

からくり展のポスター制作を依頼するため、国際的デザイナー矢的遙を訪ねた広告代理店スタッフ池上佐和子。

織田信長が天下布武を掲げた頃、陸奥の南部家では内紛が続いていた。

謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。

明治18年(1885)、日本ブームに沸くロンドンで日本風俗博覧会が好評を博していた。

吉原近くの堀端で若い女の全裸死体が見つかった。首を切り落とされた上に、背中の皮が剥がされている。

出羽三山の一つ、湯殿山麓の映画ロケ現場から素性の知れないミイラが発見された。

民俗学者・蓮丈那智と助手の内藤三國は差出人不明のメールを受け取った。「鬼無里がなくなる……」と。

伝蔵こと、稀代の人気戯作者・山東京伝が、風来山人・平賀源内、安兵衛、蘭陽らの仲間とともに、奇怪な事件に挑む。

冥界を支配する怨魔王は地上世界の征服を目指して、怨魔として甦らせた厩戸、半人半獣の美女シバを内裏に送りこむ。

死者と生者のあわいを描く、幻想怪奇小説集。

昭和四十年代まで、「衛生博覧会」という見世物があった。ビーカー詰めの奇形動物の死体、さまざまな疾病の人体模型。

貸金庫に母が遺した謎のリストは何を意味するのか。

離婚した杉村三郎は私立探偵事務所を設立。

広重は幕府に暗殺された?若い浮世絵学者津田良平が“天童広重”発見をもとに立てた説は、ある画商を通して世に出た。

地球征服を狙う悪魔と超能力者との凄絶死闘東北でのUFO目撃事件を端緒に、超能力者霧神顕の活躍がはじまる。

著者“初”の自伝的連作集! 少年時代から作家デビューを果すまでの来し方を投影した自伝的連作集。

根来忍者の頭領・左甚五郎を追って鬼九郎たちは会津へと向かった。

ボストン美術館で殺された老日本人画家とは何者か。

歌麿の「幻の傑作」が発見された?美術界をゆるがすかもしれぬ事件に雑誌編集者の杉原は勇み立ち、研究家の塔馬双太郎の助力をたのむ。

遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きた。

自らの特殊能力―男をひと目で見抜く―を生かし、東京で女ひとり闇のコンサルタントとして、裏社会を生き抜く女性・水原。

やんちゃが少し過ぎた俺は、祖父の差し金でマンションの管理人見習いに。だがそこは、「なんでもアリ」の殺し屋専用住居だった。

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき―百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸太夫が詠んだ歌に秘められた謎。

タクシー運転手の久我は、血の匂いのする男性客を乗せた。 かつてアフリカの小国で傭兵として戦っていた久我の同僚らしい。

驍宗が玉座に就いて半年、戴国は疾風の勢いで再興に向かう。

藤堂率いる国際的犯罪組織と、日本最大の暴力組織“本社”の銃撃戦に巻きこまれ、消息を絶った藤堂の娘・カスミ。

撮影にはよくよく気をつけた方がいい。非写真はこの世ならぬ存在を写しだすことがある。

無残に踏み殺された聆雲の仇を討つべく、総門谷のある早池峰山に向かった和気諒たち。

妖狐オサキと古道具屋の手代・周吉が活躍する人気シリーズ第7弾です! 十郎まんじゅうが名物の本所深川の菓子屋「ゆきや」は、主の十郎が亡くなったことで娘の雪へと代替わりしたが、「味が変わった」と贔屓の客離れがおきて雪は悩んでいた。

龍神伝説を追うために津軽、信濃、出雲と列島縦断して調査を進める九鬼虹人たちアクト・ナインのメンバー。

若だんな、そんなに頑張ってだいじょうぶ?両国を仕切る親分の提案で、大店の跡取り息子三人が盛り場での稼ぎを競うことに。

「魔女の薬草」を探し求めていた生薬学者が失踪した。

王は夢を叶えてくれるはず。だが。

長崎屋へ舞い込んだ謎の木札。『お願いです、助けて下さい』と書かれているが、誰が書いたか分からない。

『黒死館殺人事件』で有名な博覧強記の名探偵・法水麟太郎。

「希望」を信じて、男は覚悟する。慶国に新王が登極した。

殺人の代償。それは、誰も愛さないことだった。

人は、自分の悲しみのために涙する。

恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。

急行する捜査車両、轟く銃声。過去の事件が次々と連鎖し、驚愕のクライマックスへ!比類なき疾走感で描く緊迫の40時間。

背中一面を覆う愛染明王の刺青。柳生新陰流を基に長くしなる剣を自在に操る、美貌の剣士舫九郎。

「刑事を辞めるか、人間を辞めるか」 新宿署の一匹狼刑事・佐江は法を捨て、日本最大の暴力団最高幹部・延井は、面子を捨てた。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

「……り……に、毒を」被害者は奇妙な言葉を遺して死んだ。毒物の正体は不明。

過去と決別すべく“地獄島”を壊滅させ、釜山に潜伏していた水原は、殺人事件に巻き込まれるが、危ういところを上海から来た女警官・白理に救われる。

日枝山王大学の民俗学研究室に所属する橘樹雅は、研究テーマ「出雲」についての見識のなさを担当教官・御子神伶二に指摘され、現地に旅立つ。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。

目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香。転校生の目童たかりは、謎めいた美少女だった。

ある夫婦が営む古書店がある。鎌倉の片隅にひっそりと佇む「ビブリア古書堂」。