佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。

思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。

ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。

ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。

武蔵を心の師とする剣道エリートの香織は、中学最後の大会で、無名選手の早苗に負けてしまう。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。

中学校にはいろいろな生徒がいる。

本屋大賞ノミネート作家、瀬尾まいこのデビュー直後から3年半の日常をつづるほのぼのエッセイ。

ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

「永原智です。はじめまして」。

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。

ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。

定年退職をむかえた元・小学校の先生が、子どもたちとの日々を小さな謎をひそませながら、奥さんに語ります。

仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。２３歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。

八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。

中古車店に毎晩クレームをつけに通う3人組、麻雀に明け暮れるしがないサラリーマン、パチンコで時間をつぶす失業保険受給中の女、寺への寄進に文句たらたらの檀家たち―。

結婚を控えたさくらの前に、兄を名乗る青年が突然現れた。どう見ても一回りは年下の彼は、さくらのことをよく知っている。

中学校教師として多忙な生活を送っていた著者。

高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。

「ごめんください。どなたですか?戸村飯店の兄弟、ヘイスケとコウスケです。

ご近所限定正義の味方、見参!武闘派二匹&頭脳派一匹が町のトラブルに立ち向かう還歴ヒーロー活劇シリーズ最新刊。

とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

成南電気工科大学機械制御研究部略称「機研」。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」 今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。

両親の離婚以降、月に一度祖父と会うようになった彗子。母の再婚を機に会うことをやめる二人だったが……。

正義の味方、図書館を駆ける!―公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。

恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。

大学陸上部で同級生だった三人が、オリンピック男子マラソン代表・最後の一枠の選考レースに出場する。

元ＯＬが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。

新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。

真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。不登校の陽子と誰にでも優しいリン。

就職先を3カ月で辞めて以来、自堕落気侭に親の臑を齧って暮らす“甘ったれ”25歳が、母親の病を機に一念発起。

出産を控えた姉に毒薬の染まったジャムを食べさせる妹…。

ちょっぴりつらい今日の向こうは、光と音があふれてる。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。

「小国ナスミ、享年43。」宿り、去って、やがてまたやって来る―感動と祝福の物語。

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。