駅前の商店街で紗江子に声をかけてきた女性は、中学時代、卒業を前に転校したクラスメートの美幸だった。

独り身で子供も持たなかった、仕事ひとすじの啓子は、病気のため五十四歳という若さで亡くなった。

人生は楽しく、充実していなければ。そこそこ出世した旦那に、健康な息子。

タワーマンションの最上階に暮らす売れっ子作家・珠美は人生の絶頂。一方、売れない作家桜子は安マンションで珠美を妬む日々。

色恋をめぐる狂気は、その女たちを少しずつ蝕み、少しずつ壊していった…。

人材派遣会社を営む紀ノ川由希子は42歳、独身。恋人には妻子がいる。

「頭がいい奴は金を持って生き延びる」が口癖で、詐欺紛いの金集めに執心していた祖母。

わたしの人生は充実する、あの夫、あの親族さえいなければ。

内見したマンションはおしゃれな街のおしゃれな造り、環境も間取りも条件も申し分ない。

生まれて初めて芽生えた殺意という名の感情。

わたしを裏切った男と侮辱したあの女は絶対に許せない!ふたり同時に復讐するには、あの方法しかない―男に妻も子どももいると知った愛人の心に燃えたぎった嫉妬と殺意。

理性で抑えようとしても、身体のどこかが疼くような感覚とともに深まっていく憎しみ―。

「ひとりの生活」をテーマにした6名の女性作家によるオール書き下ろし競作集。物騒なので番犬のレンタルサービスを始めた女性。

父親の秘密を見つけた女子高生の日記「トロフィー」、母の死を引きずる43歳独身男性の日記「道化師」、姉妹で同居している結婚を控えた姉の日記「サムシング・ブルー」、熟年夫婦の日常を記した夫の日記「夫婦」。

ペットの洋服作りの仕事が軌道に乗ってきた芭子と、パン職人の道を邁進する綾香。

読んでみたくありませんか?9つの「捨てる」物語。人気女性作家が初競演!書き下ろし短編集。

祖母と一緒に行くはずだったお伊勢参り。

この子と、幸せになりたいだけなのに―岸谷奈江と一人娘の真央は、入園を予定している有名幼稚園へ見学に向かう。

母の訃報に接しても祈子は動揺しなかった。生後まもなくの祈子を見捨て、連絡を絶っていた人だ。

心の奥底に封印した過去、口にできなかった一言、それが解き放たれるとき、普段の風景は恐怖の色に塗り替えられる…。

女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。

浅井久子は、12年前に夫をひき逃げで亡くした。犯人が分からないまま時効を迎えた今も、悲しみが癒されることはない。

たった一度の人生、失敗したくない。そう願ってきたのに「成功」できていない落合美緒。

優しい夫に白い猫―満ち足りた生活は、夫の溺死によりピリオドが打たれる。

身に覚えのない上司殺しの罪で刑に服した江木雅史。事件は彼から家族や恋人、日常生活の全てを奪った。

ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。

結婚おめでとう。大学時代、新婦とは一番の親友だった。

脚本家として順調に生活する鈴音(36歳)が、高校時代の友達・水絵に突然呼び出された。

仕事もしない無責任な夫と身勝手な息子にストレスを抱えていた芳恵。ついに我慢の限界に達し、取った行動は…(「崩れる」)。

男と女の愛憎を描く、直木賞作家のサスペンス傑作。

人気アイドル、謎の自殺――。彼女の親友である蓮美は呆然とするが、その死を悼む間もなく激動の渦に巻き込まれる。

幼い命の死。報われぬ悲しみ。

婚姻届を出すのは待ってほしい―彼が結婚を決断しない理由は、思いもよらぬものだった(「二年半待て」)。

どうしよう、お父さん、わたし、死んでしまう―。安藤の娘、加奈が学校で転落死した。

由美子たち四人には、強烈な同級生がいた。正義だけで動く女・範子だ。

連続結婚詐欺&不審死事件の容疑者―稀代の毒婦、佐竹純子。

文具メーカーで働く由紀江は耕次と付き合って半年。気分屋の彼は機嫌が悪くなると手がつけられない。

同日に同じマンションで、二人の独身キャリアウーマンが殺された。

郊外の町で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。

三姉妹の長女・百合が次女を殺した。

誰よりも美しくなりたい!と願う女性たちが集まる、青山の高級エステサロン『ヴィーナスの手』。

マンションで孤独死体となって発見された女性の名は、鈴木陽子。刑事の綾乃は彼女の足跡を追うほどにその壮絶な半生を知る。

この男に魅せられたら、もう逃げられない…… 生真面目な父を持つ志穂子は、その反動からか仕事に恋に奔放な日々を送っていた。

小学生の頃のクラスメイトからかかってきた一本の電話。「覚えている?会おうって約束したこと」。

同棲している彼女・桃里に、連続殺人犯と似ているといわれたことから、蒼太の日常に変化が訪れる。

大阪で相次いだ猟奇殺人。被害者はいずれも男性で、ホテルで血まみれになり死んでいた。

文芸誌編集長・三村は、高岡真紀と名乗る女性から投稿原稿を受け取る。

ロンドンのオークションでゴッホ作「医師ガシェの肖像」を日本人が競り落とした。落札価格は約百八十億円。

白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。

「仕事辞めちゃったのよ」―夫の姉・久里子がまた転がり込んできた。

以前生涯学習センターで男の料理講座の講師を務めた美由紀。

「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。

ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた三人の女性が、突然、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。

30年前に小樽で発生した母娘惨殺事件。死刑 がすでに執行済みにもかかわらず、被告の娘 が再審を請求した。

超合理的な性格の桜子准教授。ある朝、大学構内で田崎教授の死体が発見され、准教授たちに疑いの目が向けられる。

盲目の少女はなぜ二度も誘拐されたのか。