惑星カザンの桜
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| 「著者は作家業以外の生活で、自分と同じように組織人として正しくあろうとしながらもがき苦しんでいるのだろうか」と、余計な方向へ覆いをはせてしまうほど、特定方向への描写がリアルで物語の本筋から外れそうになってしまいました。 これは作品や著者のせいではなく、ひとえに自分の現環境のせいですね。 | ||||
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| ●著者のファースト・コンタクトテーマのSFにはいつも驚かされます。エイリアンの生態系はもちろん、 思考回路や行動原理など予測困難なものが多く、興味が尽きません。謎が解明される過程は、ミステリー の爽快感さえ覚えます。 本書に登場するカザン人の生態や思考回路もまた不思議。思考実験「テセウスの船」にも似た懊悩など 調査隊の動揺するシーンは、まさにファースト・コンタクトものの醍醐味でした。またシリーズものに多 くみられた、組織内外との軋轢などパターン化した挿話がなくほっと安心。 懐かしい日本の桜が咲き、亡くなった最愛の妻に再会できたら、もう一万光年の彼方の地球には帰りた くないだろうな・・・。胸を打つラストでした。 | ||||
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| 主人公にも他の登場人物にも感情移入できない。 普通そういう結論にすぐ辿り着くだろうという事柄でも、まわりくどい推論を長々としている文章が多い印象。無理やり尺を伸ばしているような。 | ||||
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| 昔はSFをよく読んでいたが、何十年かのブランクがあった。それが『三体』以降、『三体0』『アンドロメダ病原体』『新アンドロメダ病原体』等を読むなどしている。 そんな流れで本書を読んだ。 惑星カザンは地球から1万光年のところにある地球型惑星である。 そこに文明があることを無人探査機が発見して、地球から調査隊が送り込まれる。 すでにワープ航法が発明されていて、7年程度で到着できるという設定だ。 その第一次調査隊と地球とは通信できない。 電波はワープできないからだ。 調査隊が1年の活動を終えて、さらに7年かけて地球に帰還する、つまり送り出してから15年待たなければ第一次調査隊から何の情報も得られないのである。 論理的にはそうなるが、まるで大航海時代のようなところが面白い。 そして、要するに15年経っても第一次調査隊は帰還しなかった。 そこで、第一次調査隊を捜索・救出することも目的に含んだ第二次調査隊が派遣されることになる。 物語は、そこから始まるのである。 第二次調査隊が惑星カザン軌道に到着し、地球型の月を調べるとそこには核戦争の痕跡があった。そして、地球人とは異なる容貌のカザン人の記録が残されていた。 ところが、惑星カザンを調べると、地球の松や桜などの植物で構成された森があり、しかも小さな集落には第一次調査隊のメンバーとそっくりな「人間」が住んでいる。しかも、同じ人間が何人も居るのである。 一体何が起きたのか・・・。 ここからの展開はあまりのネタバレになるので書かないが、Keyとなっているナノマシーンという発想はよく考えられている。『三体』以降、こうした発想が組み込まれていないSFは受け入れられなくなっているのかしれない。しかも、地球人類の植民地主義、暴力志向をはじめとした価値観を相対化せざるを得ないストリー展開となっているのにも驚く。 著者の作品は初めて読むが、年齢は60代中盤とあるから円熟期の作品である。それも頷けるクオリティだ。 | ||||
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| これは自分がハードなSFが読みたいと思って本書を手に取ったのが間違いという話ではあるのですが・・。 異星人を交えたヒューマンドラマとして見れば美しい作品で、終わり方も綺麗。 ただ、このヒューマンドラマを描きたいがためにSFとしてのリアリティが損なわれているところが何より残念です。 科学的技術的な描写はとても面白く、緻密に書かれていて説得力があり読みごたえがあります。 ただ、使う人間側のリスク管理のちぐはぐさだとか、意思決定プロセスの不自然さだとか、未来の話なのに現代でもここまでお粗末なことないぞ?という違和感がすごいです。 「いや、そうはならんやろ」という展開が最初から最後まで延々続きます。 起こる出来事にもう少し説得力があればよかったのになと残念でなりません。 | ||||
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