邪行のビビウ
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絶対的な敵などいない。いるのはいつも相対的な敵だ。 とMGS3のザボスが言ったように、この戦争も結局、同じような奴らが同じような奴らを殺し合っているだけで、真の敵なんていないんだ。それでも革命のために反乱軍は戦い、政府軍は対抗し大勢が死ぬ。 たとえ革命が成功しようが、新しい権力者が生まれるだけにすぎない。 不毛じゃないか! ラストも良かった。ずっとビビウの回想と一人語りなのに、ちょっとキュンとしてしまった。 あと、やっぱ文章がいいんだよな東山彰良は。シルエット(ストーリー)よりディテール(文章)が強い作家だ。 もちろん話も面白いんだが、圧倒的に文章が上手い。時折本を伏せて読んだ余韻に浸るほどだ。 次回作も期待してる | ||||
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東山彰良が2014年に発表した『ブラックライダー』は、コリャスゲー!と叫びながら畳の上を転げ回るほどの衝撃を受けた超傑作で、あらすじからは本作も『ブラックライダー』のようなSFっぽい設定ということで、かなりの期待感でハードルを上げすぎてしまったのでしょう、さすがに『ブラックライダー』のような興奮・感動が得られず、ちょっと物足りません。 戦争につぐ戦争で領土拡大を図る独裁者が治める政府軍とそれに反抗し自自区の独立を目指す反乱軍、そして殺人テロ集団ヴォルグもからむ三つ巴の紛争が続く架空の国が舞台 あの世から死者の霊魂を一時的に呼び出し、複雑な術式や呪文によって骸が己が足で歩行するのを助ける邪行術を生業とする邪行師が、戦争にどのようにかかわってくるのか、これが本書の物語の中骨になります。 わずか数十人しか存在しない邪行師の中、唯一の女性邪行師である17歳のビビウ・ニエ 本作は、そのビビウ・ニエの視点、政府軍中尉のケーリン・バイの視点、ビビウの大叔父ワンダ・ニエの視点、ワンダの幼馴染ナタ・ヘイの視点、政府軍務大臣クエイ・リーの視点、一政府側兵士の視点などなど視点がいくつもかわることで、もうひとつ感情移入しにくく感じてしまうのかもしれません。 それでも、ロシアによるウクライナ侵攻、パレスチナとイスラエルを巡る悲惨な状況が日々報道される現在の世界情勢のもと、本作のようなテーマに取り組んだ姿勢は評価されるべきでしょう。 ルール作りは勝者の特権、戦争に勝てば自分のルールを作れる 歴史とは勝者の残した記録 勝者は自分たちにとって都合の悪い事実をなかったことにし歴史を捏造する この理不尽さが歴史の現実 そういったことが本書からは伝わってきます。 本書を読み終えて、ふと、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』との類似点に気づきました。 紛争続く世界を舞台に、戦争に利用されたオーム(蟲)の暴走を止めようとする少女ナウシカ、と同じく紛争続く世界において戦争に利用された死人を操るビビウ・ニエ やはり似ています。 | ||||
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