嘘は刻む
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近年初期作品がまとめて紹介され日本でも評価が高い英国女流本格ミステリーの巨匠フェラーズが1954年に発表した15作目ノン・シリーズの代表作です。著者は1995年に88歳で亡くなられるまでに71冊もの長編小説を著され、作品リストを見ると最後の年にも2冊を出され現役バリバリであったと知り、その精力的な健筆振りに驚かされました。最近初期の秀作「トビー・ダイク&ジョージ」シリーズ5冊が紹介されたとは言え、本書でまだ翻訳9冊目と全体から見れば少なすぎますので、もっと多く紹介して頂きたいと望みます。 主人公ジャスティン・エマリーが久々にイギリスの田舎町に旧友グレースを訪ねた日に、彼女の知人の家具デザイナーが射殺される。殺害現場の部屋には複数の時計が溢れ返り、その全てが狂っていて犯行時間が特定出来ない。ジャスティンは事件に強く興味を惹かれ関係者への聞き込みを始めるが、誰もが言葉を濁し本音を明かさない。やがて近所の老人の目撃により緋色のコートと茶色のコートを着た二人の女の存在が浮上し事件が複雑化する中、再び不可解な殺人事件が起こる。 素人探偵ジャスティンは地元のターキス警部とは別に、被害者の妻へスター・友人グレース・家具職人ルイス・弟子ベン・客人ドリスとごく狭い範囲の人間関係の中で真犯人を絞り込もうと動機やアリバイを吟味しますが、人々の嘘に阻まれ単純な様でいて全く見当がつかず、決定的な決め手を欠いたままで終盤まで引き摺られます。やがて最後に明かされた真相は、プロでなく客観的な素人にしか到達し得ない類の常識破りの驚きの仕掛けで、推理作家というのは本当にとんでもない事を考える物だなあと驚嘆させられました。本書の謎解きはミステリーを読み慣れた通の方でも相当に頭を悩ませそうな難問ですが、貴方も心得として固定観念を完全に捨てて新たな視点で眺め直し、著者の仕掛けた巧妙な罠を見破って頂きたいと思います。 | ||||
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