陸橋殺人事件
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ノックスが物した長編推理小説の第一作目が本書。 鉄道の陸橋のそばのゴルフ場で、プレイ中の四人が死体を発見したことから、素人探偵よろしく真相究明に乗り出すというストーリー。 なかなか捻りの利いた皮肉なプロットで、本格推理小説のパロディと感じる方もおられるかもしれない。 だが、後年のマイルズ・ブリードンを探偵役としたガチガチの本格推理ほどではないにしろ、様々に配置された手がかりを基にあれこれと試行錯誤を繰り返す推理という行為への並々ならぬこだわりはすでに顕著である。 よって、「推理小説を茶化している」というよりは、「真面目にふざけている」といったニュアンスが適当だろう。 アントニイ・バークリーの諸作でも味わえるような、ユーモアとミステリーのプロットが巧みにかみ合った作品なのである。 そして、前述のとおり推理へのこだわりが強いゆえに行きついた結論ではないかと推察するが、従来の推理小説への懐疑的批評的な視点もまた顕著であり、「推理小説が提示する真相は所詮ひとりよがりの仮説にすぎない」と考えているのだろう。 そんな作者の姿勢からは、世界に対する虚しさや諦念をひしひしと感じるのではあるが、しかしながら、それらの感情をすべてひっくるめた作者の想いは、ある登場人物のセリフに込められているのではないだろうか。 「ゲーム、ゲーム、ゲームばかり、ゲームのほかには何もなしだ」 ニヒリズムを自覚しながらもユーモアを忘れず、あえてゲーム性に徹する作品群を著したノックスを好ましく思う次第である。 | ||||
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ゴルフのプレー中に発見された、顔のつぶれた謎の死体。ゴルフ仲間4人が、自殺として処理した警察に不信を抱き、素人探偵よろしく調査に乗り出す話。 自殺・他殺・事故死のいずれか、死人は誰か、被害者の殺された場所はどこか、被害者はどの列車に乗っていたのか、動機、被害者のポケットに入っていた手紙に書かれていた2つの暗号の謎、腕時計と懐中時計の指示時刻の食い違いの謎、定期券を持っているはずなのに三等乗車券を買っていた謎、別人のハンカチを持っていた謎、現場近くで見つかったゴルフボールの謎、暗号文がいったん盗まれて戻された謎、女性の写真が入れ替わった謎等々、様々な謎が示され、4人の間で推理が戦わされ、仮説が示され、それを調査する課程が丁寧に描かれており、好感が持てる。 推理の中身は思い込みによる仮説にすぎないのだが、途中でカーマイクルが示した仮説は意表を突くものであり、驚かされた。 また、最後の方で示されたリーヴズの推理に対するゴードンの反証は論理的で、的を射たもの。 暗号の謎の真相は、当時の英国でこのようなことが流行していたのだろうか、日本人には到底推理できるものではないのが残念。 本格ガチガチの進行の中で、うっちゃった真相には賛否両論ありそうだが、個人的には支持したい。 最後のカーマイクルの手紙の中で示唆されている、ある人物の役割が意味深。私は、3分の2まで読んだ時点で、この人が犯人だと予想していた。 | ||||
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少年探偵団ならぬ素人中高年探偵団が殺人事件に(自主的に)挑みます! そこはやっぱり素人、深読み・妄想・空回りでバタバタですwww ちょっと古めの文体が読みにくいんですが、ミステリーならではのお約束を逆手にとる面白さは共感できるはず! ちょっとひと味違う推理小説を読みたいときにお薦めです♪ | ||||
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「ノックスの十戒」で有名な作者のアンチ・ミステリの傑作。タイトル通り陸橋の近くで男の死体が見つかり、近くで推理談義をしていた男達に若い女性が助けを求めて来るのだが...。 本格ミステリの体裁をしていながら、ミステリの"掟"をことごとく破っていく様は痛快でさえある。そして、全篇に渡って、善意ある人々が取る行動がユーモア溢れる筆致で描かれ、ヒッチコックの映画「ハリーの災難」を連想させる程。 ミステリ黄金時代に書かれた、芳醇なアンチ・ミステリの傑作。 | ||||
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「ノックスの十戒」で有名な作者のアンチ・ミステリの傑作。タイトル通り陸橋の近くで男の死体が見つかり、近くで推理談義をしていた男達に若い女性が助けを求めて来るのだが...。 本格ミステリの体裁をしていながら、ミステリの"掟"をことごとく破っていく様は痛快でさえある。そして、全篇に渡って、善意ある人々が取る行動がユーモア溢れる筆致で描かれ、ヒッチコックの映画「ハリーの災難」を連想させる程。 ミステリ黄金時代に書かれた、芳醇なアンチ・ミステリの傑作。 | ||||
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