名もなき王国
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執筆がうまくいかず焦っているときに倉数茂『名もなき王国』を読むと、一言一句が刺さりすぎて死んだあと、〈死に至る痕跡としての小説〉という新たな小説のありかたが見え、絶望そのものが一つのかすかな希望であるという逆説を悟ります。全ての作家に読んでほしい一冊です。 | ||||
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新聞の書評蘭で本書を知り、購入しました.作者自身の分身である49歳の作家、その若い友人である30代前後の作家、二人が共通して敬愛する過去のマイナーな幻想小説家.この三者が生み出すそれぞれ別個な物語、そこに埋め込まれた作者自身のリアルな実体験と思しき記述が複雑に組み合わさり、トータルとしてテクストを凌駕した得体の知れない巨大な何ものかが生み出されるダイナミズムに読んでて喜びを感じました.紹介文にある通り、「物語」という魔物に取り憑かれた人間による痛切な「愛」の喪失と創造の物語です.一度読み終えた後、また最初から読み直すと、同じテクストでありながら全く新しい物語が立ち上がるようにも思えます.夢見るもの/夢見られるもの、現実/虚構の無限の入れ子構造、幻想小説の描写に神林長平さん、押井守さん、野阿梓さん、山尾悠子さんその他の作家を想起しないでもないですが、それらの方々の作風を慎重に回避し、独自の個性を獲得しているように思えます.ただ、私個人的には遊び心やユーモアに少し欠けるかな、とは思いますが、そこは好みの問題なので作品の瑕疵ではないでしょう.興味を持たれた小説好きの方にお勧めします. | ||||
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語り手(序文によると著者自身)が吐露するとおり、これは、物語にとり憑かれた人たちの話である。 語り手とその友人の瞬、瞬の伯母の晶という三人の売れない作家たちの人生が綴られ、瞬や晶がものした短編や掌編もそのまま掲載するという構成となっている。 私小説の新しい試みかと思って読み進めたが、読んでいて心配になるほど赤裸々な告白が随所に出てくる。かと思えば、いつの間にか現実と虚構との境目をするりと超えていて、「さっきの生臭い逸話も創作だったのか?」と、いいように翻弄される。 そして、満を持しての最後の大仕掛け。ああ、かくも重層的に、かくも精緻に組み立てられていた世界だったのかと、驚嘆するほかない。 虚実の彼岸と此岸を自在に行き来するあたりは、読者によって好みが分かれそうだが、我慢して最後まで読み通したそのとき、誰もが驚かずにはいられないだろう。 | ||||
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ミステリーのようなSFのような、ファンタジーでもあるような、ジャンルの境目をすべて縫い付けたような作品。登場人物の視点から覗く世界に混乱することろもあるが、それが不思議な世界観を醸す要因でもある。最初は自分には合わない作品だと感じたが、ラストに近づくにつれて、どんどん霧が晴れるような感覚にになり、作品の世界での居心地がよくなってくる。SFが好きなら読む価値はあるかもしれない。 | ||||
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大森望氏の書評で関心を持ち読んだ。作り込んだ作品とは思うが、好き嫌いでいえば好きにはなれなかった。作中で中井英夫やボルヘス、(バラード)といった名前が出てくるが、この本とそういう作家が私には結び付かない。作中作を多彩と思うかバラバラと感じるかの好みの問題かもしれない。多彩と感じる人は私よりも深く楽しんで読めるだろう。 | ||||
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