黒揚羽の夏
- 処女作 (383)
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最後まで読まないのが許せない性格をしているのですが、これは駄目でした。 本の途中で挫折したのは三年ぶりくらいです。 登場人物が死んでます。生きてません。大して個性が感じられず、登場人物の後ろに著者がいるのを常に意識させられて苦痛でした。 また、もっと簡単な表現を使えば良いのにと思ってしまうような、やや読みにくい箇所が多々ありそれも気になります。 それに美和が男にタックルするシーンなど、動きのある場面で臨場感がなくて退屈に感じた。 巻末の解説や他の方のレビューを見る限り読み進めれば面白くなるのかもしれないけれど、自分には耐えられません。 本当は星一つにしたいけど、途中で止めてしまったので星二つ。 | ||||
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父と母の不仲を契機に、主人公の少年と妹弟が祖父の住む東北地方のかつての炭鉱の町でひと夏を過ごす。 町で過去にあった忌まわしい少女殺人事件と現在の事件がリンクし、 炭鉱の町に眠っていた記憶が徐々に紐解かれていく。 この作品の秀逸は単なる謎解きミステリーにとどまらず、 東北地方のさびれた炭鉱の町と田舎の夏の風景描写を丁寧に書き上げている点だ。 眼を閉じると、アスファルトの照り返しと草いきれの匂い、熱気の中に立つ廃工場、夕立、夜の田園に響く蛙の音…、夏の風景をありありと作中に感じ取ることができる。 そして思春期の少年の悩みや 長く疎遠だった祖父と孫の距離感、 地元の子たちや妹弟との関係、 14歳の大人でも子供でもない視点。 この時期にしか体験できない夏がどこかS.キングの「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせる。 | ||||
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解説の金原瑞人さんが書いているように、幻想小説でもあり、ミステリでもあり、ジュブナイルでもあり、という万華鏡のような作品です。 ジュブナイル部分は、アーサー・ランサムの影響が大きく、夏休みの田舎の冒険で土地の姉妹と共闘したり張り合ったり、という愉しさがあります。 またYA文学としては両親が離婚しそうで、田舎に一時避難というケースです。 ミステリとしては、断続的な少女殺人事件から、土地の因縁を調べてゆく少年探偵団ものです。 けれども一番印象に残るのは、三兄妹の長男千秋が、この土地と季節を膚で体験する描写です。同性愛ではないかと悩む中学生の少年に、かつてこの土地で起きた戦時中の残酷な炭鉱争議の記憶が、夏の風土とともに繊細に触れてきます。 作者はこの炭鉱問題などの歴史の専門家らしく、炭鉱の建物や廃坑や村の自然の描写は迫真的です。しっかりと構築された〈場〉で起きた悪夢の記憶が、いわばヒトからヒトへ、不可思議に転写されてゆくのですが、単なるホラー幻想小説ではなく、最後に鉱山という神話の古層に触れてゆく美しい文学になっています。 (上橋菜穂子さんの『闇の守り人』を連想させるところもあります) 妹たちを含めた少女のキャラは特に作り込んでいないので、コージーミステリの方角に行く人ではないと思いますが、処女作として多面的なカットを見せたダイヤモンドのような、というか、夏の空気感やものうい風の輝きが香ってくる忘れがたい作品。久々によい「夏文学」を読みました。 | ||||
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離婚の危機を迎えた夫婦の子供たち三人は両親の話し合いが終わる迄の間、母親の実家に預けられる。そこは廃鉱のある土地で、かつては地下の坑道でニオヅヒメを祀っていたらしい。 そこで起きる少女の殺人事件、自動車泥棒・・・ ミステリータッチなのだが、ミステリーとは云い切れない。 ではジュヴナイルかどうかと云うと・・・ 母親のキャラクターが僅かに判る程度で父親のキャラクターに至っては一切不明・・・つまり読者にとっては子供達の両親自体が謎の人物になってしまっていて、一応、14歳になる長男の精神的成長について少しは触れられているものの、本作は子供達の成長を描いてはおらず、又、子供達の世界を描こうとしているのでもなく、その点でジュヴナイルではない。 それに何処迄が本当の事なのか判らない幻想シーン・・・ 主人公の少年とヒロインである武闘派シスターズの姉とが出会い仲好くなる話でもあるのだが、一見ボーイミーツガールものの様でも主人公の少年がゲイであるのでラヴコメにもならないし、かと云って、ゲイに悩む少年を描くでもなく・・・ 結局のところ、エンターテイメントとして楽しめる幻想小説と云ったところか。 | ||||
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