モンローが死んだ日

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種別
長編
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1
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あらすじ

2018年10月27日 モンローが死んだ日 (新潮文庫)

軽井沢にほど近い、別荘と住宅が混在する静かな森の一画。2匹の猫と暮らす59歳の幸村鏡子は、夫を亡くして以来、心身の不調に悩んでいた。意を決してクリニックを受診し、独身で年下の精神科医、高橋と出会う。少しずつ距離を縮め合い、幸福な時を紡ごうとしていた矢先、突然、高橋は鏡子の前から姿を消してしまった…。それぞれの孤独を生きる男女の心の揺れを描いた濃密な心理サスペンス。(「BOOK」データベースより)

評判

モンローが死んだ日の評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.00pt

モンローが死んだ日の総合評価:

8.73/10点 レビュー 26件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(7pt)

信じること、支えることの難しさ(非ミステリー)

「重要登場人物の正体は誰か?」という疑問を追い掛ける物語だが、小説のテーマは謎解きより心の揺れに置かれているため、ミステリーとは言い難い作品である。
8年前に夫を亡くしてから二匹の猫と一人暮らしを続けている鏡子は、軽井沢の隣町の個人文学記念館を一人で切り盛りし、判で押したような平凡な日々を送っていたが、精神的な不調が悪化し、近くのクリニックの精神科を受診した。担当した非常勤医の高橋医師の穏やかで丁寧な対応に心を癒され、回復した鏡子は、徐々に高橋医師との関係を深め、毎週水曜と土曜の夜は一緒に過ごすのが習慣になっていた。ところが、半年ほど経った水曜日、高橋医師が訪れることは無く、連絡も取れなくなってしまった。焦燥感にかられた鏡子は、高橋医師が勤務している横浜の病院を訪ねるのだが・・・。
59歳の女性が心を寄せた55歳の男は、実は高橋医師ではなかった? 信じていた男に裏切られた鏡子は激怒しながらその正体を暴こうとするのだが、そこで知った真実はあまりにも切なくてほろ苦かった。「ニセ医者」が本当の医者より親身になって患者を救うというのは、ままありがちな話だが、本作は精神科医という設定によって、非常に奥行きのある心理劇に仕上がっている。ミステリー風味を効かせたロマンス小説としてオススメだ。

iisan
927253Y1

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.25
(5pt)

端正な小池ワールド

直木賞を受賞した『恋』を読んで、いっときは彼女の作品はほぼすべて読んでいた。

が、10年ほど前からだろうか、ほとんど読まなくなった。

購入しても手が伸びず、積読になっている本も増えた。

そんな中で、久しぶりに書店で手に取ったのが本作。

読んでみるか、という気になって購入した。

なぜ、ぼくが彼女の作品を読まなくなっていたのか。

それは、おそらく、小池真理子の作品の多くが箱庭的に破綻のない、端正なラブラスペンスorミステリーであるからだ。

箱庭的だから、ハチャメチャな展開はない。

ある意味では読んでいて、先の展開も分かる。

予定調和の感じもある。

しかし、それでも読ませてしまう端正な美しさがある。

それが、小池作品の魅力である。

が、同時にぼくが飽きてしまった理由でもあるように思う。

で、本作である。

舞台はお決まりの軽井沢。

ただ、別荘ではなく住まいとしての軽井沢であるが、そこに住む還暦目前の未亡人が鬱に悩まされ、精神科に赴くところからストーリーは始まる。

もう、こう書いただけでその先は予測できてしまうw

ただ、久しぶりに触れた小池ワールドは、なかなかの吸引力があった。
モンローが死んだ日 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: モンローが死んだ日 (新潮文庫)より
410144028X
No.24
(5pt)

端正な小池ワールド

直木賞を受賞した『恋』を読んで、いっときは彼女の作品はほぼすべて読んでいた。

が、10年ほど前からだろうか、ほとんど読まなくなった。

購入しても手が伸びず、積読になっている本も増えた。

そんな中で、久しぶりに書店で手に取ったのが本作。

読んでみるか、という気になって購入した。

なぜ、ぼくが彼女の作品を読まなくなっていたのか。

それは、おそらく、小池真理子の作品の多くが箱庭的に破綻のない、端正なラブラスペンスorミステリーであるからだ。

箱庭的だから、ハチャメチャな展開はない。

ある意味では読んでいて、先の展開も分かる。

予定調和の感じもある。

しかし、それでも読ませてしまう端正な美しさがある。

それが、小池作品の魅力である。

が、同時にぼくが飽きてしまった理由でもあるように思う。

で、本作である。

舞台はお決まりの軽井沢。

ただ、別荘ではなく住まいとしての軽井沢であるが、そこに住む還暦目前の未亡人が鬱に悩まされ、精神科に赴くところからストーリーは始まる。

もう、こう書いただけでその先は予測できてしまうw

ただ、久しぶりに触れた小池ワールドは、なかなかの吸引力があった。
モンローが死んだ日 Amazon書評・レビュー: モンローが死んだ日より
4620108154
No.23
(4pt)

魅力ある題材

この作品が、2019年にNHK BSプレミアムでテレビドラマ化されたことを私が知ったのは、小説を読了した直後のことでした。幸村鏡子役を鈴木京香、高橋智之役が草刈正雄というキャストですが、やはり制作のプロは、きっちり合わせてくるなと感心しました。

『死の島』では「脱血死」が、『水の翼』では「木口木版」が、そしてこの作品では「マリリンモンローの専属精神分析医」が作品の重要ファクターになっています。
 著者本人が『水の翼』の「あとがき」で書かれていますが、NHKのテレビ番組「日曜美術館」で紹介されていた木口木版を偶々目にしたことから、一気に小説のイメージを膨らませたとのこと。おそらく、小池作品の多くは、このようにして魅力ある題材を自身の感性でキャッチし、それを小説という形で具体化させる手法が採られているように思います。
 願わくは、小池さんに、囲碁や将棋のプロ棋士を題材に小説を書いてもらえたら、とても面白いものが出来上がるのではないかと淡い期待をしています。

 ある日忽然と姿を消した先生。不条理な現実を突きつけられた鏡子の、戸惑う様子の描かれ方は秀逸です。がしかし、やはり最もスリリングなのは、鏡子が横浜みどり医療センターまで出向いて「高橋医師」と対面する場面です。この物語のハイライトシーンと言ってもいいと思います。こういった緊張感を前面に押し出した描写は、作者の一番の腕の見せ所ですが、ここは独自のテンポを色濃く出して見事に描かれています。
 川原まりりんの情報をネットサーフィンから得て、それを高橋医師に結び付け、解決の糸口をたぐり寄せる筋立ての箇所は、
「小池先生、ここの部分は少々無理がありませんか?」
と、若干意見を差し挟みたくなるところです。しかし、その後の物語の展開を巻き戻してみると、この仕上げ方が唯一無二のようにも思えてきます。おそらく、読者の間でも賛否が分かれる部分かと思われます。

 最後に、この小説の中の、私の好きな文を2つほど引用させていただきます。

・多くを考えず、雑念にふりまわされず、一日一日を丁寧に生きよう、と心に決めた。

・「原島の愛読者だったのかな」
「それほどたくさんは読んでいなかったようですけど、興味があったみたいで」 
 宇津木医師はにこりともせず、抑揚をつけずに言った。「それはただの口実で、診療所の外で幸村さんに会いたかったんでしょう、きっと」
 世辞でもなく、お愛想でもない、かといって嫌味や皮肉でもなさそうだった。宇津木医師はその言葉を、自らの忌ま忌ましい想いと共に口にしただけだった。だが、どういうわけか鏡子は、それを聞いて顔が急激に赤らんでくるのを覚えた。

 前者は物語の最初の方に、そして後者は物語の終わりの方に、何気ない一文として語られています。共に、作者の生き様や恋愛観が、作中の主人公に投影されていて印象深いです。
(了)
モンローが死んだ日 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: モンローが死んだ日 (新潮文庫)より
410144028X
No.22
(4pt)

魅力ある題材

この作品が、2019年にNHK BSプレミアムでテレビドラマ化されたことを私が知ったのは、小説を読了した直後のことでした。幸村鏡子役を鈴木京香、高橋智之役が草刈正雄というキャストですが、やはり制作のプロは、きっちり合わせてくるなと感心しました。

『死の島』では「脱血死」が、『水の翼』では「木口木版」が、そしてこの作品では「マリリンモンローの専属精神分析医」が作品の重要ファクターになっています。
 著者本人が『水の翼』の「あとがき」で書かれていますが、NHKのテレビ番組「日曜美術館」で紹介されていた木口木版を偶々目にしたことから、一気に小説のイメージを膨らませたとのこと。おそらく、小池作品の多くは、このようにして魅力ある題材を自身の感性でキャッチし、それを小説という形で具体化させる手法が採られているように思います。
 願わくは、小池さんに、囲碁や将棋のプロ棋士を題材に小説を書いてもらえたら、とても面白いものが出来上がるのではないかと淡い期待をしています。

 ある日忽然と姿を消した先生。不条理な現実を突きつけられた鏡子の、戸惑う様子の描かれ方は秀逸です。がしかし、やはり最もスリリングなのは、鏡子が横浜みどり医療センターまで出向いて「高橋医師」と対面する場面です。この物語のハイライトシーンと言ってもいいと思います。こういった緊張感を前面に押し出した描写は、作者の一番の腕の見せ所ですが、ここは独自のテンポを色濃く出して見事に描かれています。
 川原まりりんの情報をネットサーフィンから得て、それを高橋医師に結び付け、解決の糸口をたぐり寄せる筋立ての箇所は、
「小池先生、ここの部分は少々無理がありませんか?」
と、若干意見を差し挟みたくなるところです。しかし、その後の物語の展開を巻き戻してみると、この仕上げ方が唯一無二のようにも思えてきます。おそらく、読者の間でも賛否が分かれる部分かと思われます。

 最後に、この小説の中の、私の好きな文を2つほど引用させていただきます。

・多くを考えず、雑念にふりまわされず、一日一日を丁寧に生きよう、と心に決めた。

・「原島の愛読者だったのかな」
「それほどたくさんは読んでいなかったようですけど、興味があったみたいで」 
 宇津木医師はにこりともせず、抑揚をつけずに言った。「それはただの口実で、診療所の外で幸村さんに会いたかったんでしょう、きっと」
 世辞でもなく、お愛想でもない、かといって嫌味や皮肉でもなさそうだった。宇津木医師はその言葉を、自らの忌ま忌ましい想いと共に口にしただけだった。だが、どういうわけか鏡子は、それを聞いて顔が急激に赤らんでくるのを覚えた。

 前者は物語の最初の方に、そして後者は物語の終わりの方に、何気ない一文として語られています。共に、作者の生き様や恋愛観が、作中の主人公に投影されていて印象深いです。
(了)
モンローが死んだ日 Amazon書評・レビュー: モンローが死んだ日より
4620108154
No.21
(4pt)

静謐な大人の恋愛

プラトニックラブにも似た静謐な大人の恋愛だと感じました。
そんな中、一日一日を大切に生きようとしたヒロインにも感情移入しました。
心に残るお作です。
モンローが死んだ日 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: モンローが死んだ日 (新潮文庫)より
410144028X

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