ゼロ時間へ
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
ゼロ時間への評価:
7.50/10点 レビュー 2件。 B ランク
ゼロ時間への総合評価:
8.97/10点 レビュー 59件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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多くのミステリーやサスペンスでは物語の序盤で「殺人事件」が起きますが、この物語では「殺人事件」へ向かう物語が半分を占める構成になっています。それこそがこの「ゼロ時間」という物語の革新的な真髄でもあります。つまり”起こる以前から起こっていた”ということです。”今は過去であり未来でもある”ということでしょうか。それを知っていて読むとわくわくしながら読むことができます。事件が起こるまでの1つ1つの出来事に、登場人物の1つ1つの言動に、何か重要な意味があるのではないか…重要なヒントが隠れているのではないか…と猜疑心と洞察力が研ぎ澄まされた緊張感のある心理状態で読み進めることができます。この心理状態を好む人もいれば、少々疲れる人もいるかもしれません。
私がこの物語で好きなのは、序盤の”ある男と看護師”の会話です。
ー「あなたはそこにいるだけで、それだけで重要な役割を果たすかもしれない。あなた自身は気づかずに」ー
毎日、良いことなんか見つけられなくてもそこにいるだけで誰かや何かの役にたっているのかもしれない、と思えます。時代を超えてもこのなんとも言えないフワフワした不安って共通だったんだな、と感じます。
この作品はアガサ・クリスティーがミステリー小説の”お決まり事”を破った作品の1つだといえます。しかし私はこういった「過去に多くの人が通って道となった道、さらにそこに築かれた石畳を歩く」よりも「自身で、道を創造する」ことこそ希望ある未来への分岐点を作ることだと思っています。この「ゼロ時間」は物語ですから完結しますが、現実や歴史は完結せず、ゼロ時間は「分岐点」にしかなりません。彼女の書いたこの「ゼロ時間」が、まさに彼女が多くの読者をひきつけるような「今」へ導いている彼女自身の『ゼロ時間』だったのだと思うのです。