黒い塔の恐怖
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初版刊行(参考)
種別
短編集
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あらすじ
評判
黒い塔の恐怖の評価:
7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク
黒い塔の恐怖の総合評価:
7.80/10点 レビュー 5件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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東京創元社が独自に編んだ短編集。構成はカーによるラジオドラマ脚本とノンシリーズの短編、エッセイと多岐に渡るが、なんと云っても本書ではミステリ書評家に今なお語られる江戸川乱歩によるエッセイ『カー問答』が収録されているのが目玉だろう。
さて独自に編んだ短編集というのはごった煮感が強く、マニアのためのコレクション・アイテムのような趣があるが本書もそうで、カーが世に発表した諸々の文章を完全網羅するという意義は買うが、作品としてどうかと問われれば、玉石混淆だろう。なぜならば今までの短編集でもそうだったが、カーは(というよりもほとんど昔の作家はそうなのだが)短編のアイデアを基にした長編作が多く、本書では「死を賭けるか?」や「あずまやの悪魔」がそれに当るし、また既出の短編の別ヴァージョンという作品もあり(「死んでいた男」、「黒い塔の恐怖」)、何度も同じ話を読まされているような感じがしてしまう。
さらに本書では当時のアメリカ推理作家協会の面々で催されたシャーロック・ホームズのパスティーシュを題材にした寸劇の脚本、そして乱歩によるエッセイ「カー問答」が収録されていることからも短編集というよりも彼の功績を残すための資料的価値の方が勝っている内容である。私にしてみればこの事に対して否定的な立場ではないが、では作品としてどうかと問われればやはり出来栄えは悪いとしか評することが出来ない。
しかしこの余分な収録物と思っていた「カー問答」が本書では最も面白かったのは確か。これが収録され、読むことが出来たことが評価を7点に上げている。つまり私もマニアということなのだ。
散文的になってしまったので纏めると、貴方がコレクターならば、もしくはミステリの求道者ならば本書は必携の書であろう。しかし単なるカーの、ミステリの一読者であるならば本書はお勧めできない。そういった意味で勉強のための1冊と云っておこう。