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マリオネットK さんのレビュー一覧
マリオネットKさんのページへレビュー数144件
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ライブチャットで推理ゲームを楽しむメンバー達。
……しかしそれはメンバー達が実際に人を殺して行っている、まさにリアル推理ゲームで…… というまず発想からして惹きつけられずにはいられないアイディアの勝利と言える作品ですが、単に面白い発想というだけで終わらない、数々の趣向が凝らされた力作です。 恨みも罪もない人を自分達のゲームのために殺すメイン登場人物達はまさに「最低最悪」なのですが、なぜか憎めません。 しかし、倫理的にここを受け付けられないという人には辛いかもしれません。 自分はそういう所は割り切って、まるでメンバー達と一緒に参加しているように一緒に推理を楽しんだり、「もし自分がメンバーだったらどんな殺人にするかな~」などと考えてしまいました。 ……もちろん、実際にそんなことは絶対しないですけどね、念のため(汗) 連作短編のような形でメンバーごとにいろんな切り口の「出題」がなされる作風が面白かったです。 ある意味「作中作」の連続のような作品でしょうか? ▼以下、ネタバレ感想 |
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約50年前の作品ですが凄く読みやすく、本格好きの自分にとっては大変好みで面白かったです。
全体を通して一つ一つは小粒ながら非常に多くのトリックや謎解きロジックが盛り込まれていて、本格推理小説のお手本、教科書のような作品だと思いました。 舞台はクローズドサークルというわけではないのですが、作中の警察があまりに無能なので人が次から次へと殺されていって、実質クローズドサークル作品として楽しめました。折角のクローズドサークルシチュなのに、1,2人しか殺されない作品に見習って欲しいです(笑) 作中に出てくる20代の若者達は、現在生きていれば80歳過ぎのご年配になるのですが、作中で「最近の若者はみんな字が下手」などと言われているのになんか笑いました。 あと現在でもごく普通に使われている「不倫」という言葉が作中で逆に「古い言葉」と表現されていたのが興味深かったです。 こういう現代とのギャップを楽しむのも古い作品を読む際の醍醐味の一つですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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道化師の格好をした殺人鬼が女性を狙うという、10歳ぐらいの頃に学校の図書館で読んで凄い怖かった話。
最近読み返してみましたが大人になった今でもやはり怖かったです…… ピエロの恐怖を書いた話といえばスティーブンキングの『IT』が有名ですがこれはその40年以上も前、その『IT』のモデルとなったキラークラウン、ジョン・ゲイシーが生まれるより前の作品です。 この時代にピエロを恐ろしい存在として書いた作品は日本はおろか、世界的にも稀だったのではないですかね? (道化師をそのユーモラスさを逆手にとった恐怖小説の始祖はおそらくポーの『ちんば蛙』でやはり乱歩の小説の『一寸法師』がその影響を受けていますね) ホラー小説としてはすばらしいと思うのですが推理小説としてみるとちょっと……と言いたい出来です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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雪に閉ざされた天文台を兼ねた館に集められた5人の探偵。
そしてそこで起こるバラバラ殺人事件。 ゲーム『ダンガンロンパシリーズ』のスピンオフ作品ですが、原作の予備知識は全く要りません。 むしろ完全に独立してるストーリーなので、そっちを期待した人の方が面食らうかもしれないです。 挿絵つき、美少女2人が主役、ラノベ・ティーン小説的な文章、2時間弱で読める中編といった文章量、と滅茶苦茶読みやすい作品です。 しかし、その内容は侮るなかれ最初に述べたあらすじの通り、極めて王道な本格推理小説で、「物理の北山」と称される北山氏に恥じない、理にかなったトリックも光る良作です。 この作品は推理ドラマや推理漫画などで、普段本とか殆ど読まないけど、推理小説にも興味を持った、という超ビギナーが身近にいた時、私は『十角館の殺人』よりも『そして誰もいなくなった』よりも、まず先にこれを薦めたい、と思うぐらい初心者におすすめの作品だと思います。 なので、有名作品というわけではないですが、「初心者におすすめ」タグをつけさせていただきました。(ついでに「クローズド・サークル」タグも) |
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名家の莫大な遺産相続をめぐり、一癖も二癖もある「犬神家の一族」たちによる骨肉の争い……そしてやがて発生する連続見立て殺人……
金田一耕助シリーズの中でも最も有名な代表作の一つですね。 特に全頭マスクのスケキヨさんは、実際に読んだ事のない人でもみんな知っている強烈・有名なキャラクターで今作品の主役と言っても過言でもないでしょう。 横溝御代の作品は、戦争からの復員など終戦直後の日本の当時の雰囲気を良く知れる「いい意味で」時代を感じる作風ながら、現代の読者の鑑賞にも十二分に堪える面白さが同居していて本当に凄いと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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劇団員の若者たちが吹雪に見舞われ、たまたま迷い込んだ幻想的な雰囲気を持つ豪邸。そしてそこで繰り広げられる連続見立て殺人。
……という非常に直球なクローズドサークル本格推理小説です。 700ページ超という読み応えのあるボリュームで、設定を見ただけで好きな人にはたまらないでしょう。 読み終えての印象としては、本当に終始まっとうな本格推理小説で、綾辻氏の作品としてはやや「大人しい」印象です。 ボリュームこそありますが、『館シリーズ』ほどの大掛かりな仕掛けやどんでん返しはなく、良くも悪くも無難にまとまっている作品だと思いました。 綾辻氏は普段の自分に求められているような全体に大きな仕掛けのある個性的な作品より、奇をてらわない、王道をつきつめたような作品を書きたかったのがこれなのかな、と感じました。 あるいは『館シリーズ』でやれないことをやった結果、極めてまっとうな推理小説となったのかもしれません。 率直な感想を言えば、出来は悪くないですが物足りなさを感じ、期待していたほどでは……といったところです。 好みのシチュエーション補正も含めて個人的評価は7ポイントとしました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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館シリーズ以外はいまひとつパッとしない評価(失礼!)だった綾辻氏の新たな代表作となった作品ですね。
学園青春ホラーミステリと言うべきか「こんな作品も書けるんだ!」と綾辻氏の新たな可能性を教えて貰った作品です。 それと同時に従来の彼の作品の魅力である、現実と幻想の狭間をつくようなホラー、極めて読みやすい文章、終盤の大どんでん返し、が遺憾なく発揮され まさにこの作者の新境地にして真骨頂と言える作品になっていると思いました。 作中で「酒鬼薔薇聖斗事件」や「ノストラダムスの予言」が言及された時、主人公達と自分が同年代ということが判明して、親近感が沸きました。 その反面、自分も中高生ぐらいの年齢の時に読めていればさらに楽しめた作品だったような気もします。 実際、アニメ化したり、スニーカー文庫版も出たり、ティーン向きの読み物としても優秀な作品となっていますね。 この作品を機会に館シリーズなどを読む中高生が増えてくれたら嬉しいと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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戦中の日本が部隊のスパイ養成機関を題材とした連作短編。
普段あまり読まない、興味を惹かれないジャンルなのですが非常に出来が良いと感じ、面白かったです。 収録された五編の短編はどれも違った切り口で、ハズレ無しと感じました。 ページ数はそれほど無く、実際2時間少々で読めたのですが、その内容の密度の濃さに大満足でした。 現実のスパイ事情や定石などわからないし、結城中佐やD機関のメンバーの超人っぷりには、作中でまさに言われてるとおり「現実にこんなヤツがいるわけないだろ」なんですが、それでも作中随所の台詞や説明に納得させられてしまう説得力がある作品でした。 しかし考えてみると日本は戦時中から今日にいたるまで、国家で「スパイ」という存在はとことん排除している国なんですね。 それより以前には「忍者」という世界的知名度を誇るスパイがいたのになぁ、なんてふと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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核ミサイルが落ちたと思しき世界で核シェルターの中に命からがら逃げ込み、外の世界の情勢不明、何時出ることができるかも判らない状況で起こる連続殺人事件という、まさに究極のクローズドサークル物。
この中では他にすることは無いとばかりに、閉じ込められたメンバー内の2人の探偵役(?)により繰り広げられる密室トリックの検証をはじめとする、推理論議の濃密さが半端ないです。 実際のページ数の印象を遥かに超えた読み応えを感じました。 一度読んだだけでは理解しきれていない部分が多々あると思わされたので、いつか再読したいとはずっと考えているのですが あまりにこってりした料理のように、良くも悪くもいつまで経ってもお腹一杯気分にされてしまっている作品です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(4件の連絡あり)[?]
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さまざまな特技や個性を持った大学サークルメンバーが力を合わせて事件を解決する青春ミステリ。
あかずの間研究会のメンバーが好きになれるかどうかで続編も読みたいと思うか、評価が変動しそうです。 他の人の感想を見ても肝心のヒロインが不評っぽいですね。 処女作でありながら膨大かつ緻密なロジックで真相を解明していく流れは感心しました。 ただ、作品そのもののノリがライトなだけに、もっと短い内容にまとめた方がよかったかなぁとも思うところです。 島田氏の『斜め屋敷の犯罪』をリスペクトしているだけに、建物を利用したメイントリックは現実的かはともかくスケールが大きく面白いです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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