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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数247件
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終盤まで何の本だか分からず、どこに落ち着くのかと思いながらの読書でした。
表紙からライトノベルの体裁ではありますが、軽くなく、一般書のような印象でテーマは重かったです。 小学校内で起きたとある事故。 クラスメートのN君は死に、主人公の僕は全身麻痺で瞼も指も何一つ体を動かす事ができない。 脳波から意識が正常なのは分かっているので、お見舞いで足を運ぶ母親や友人が語りかけてくる日々。 事件からたびたび訪れる、クラスメートだった菜々子さんもその一人。 3年経った今、菜々子さんは、身動きできない僕に、あれは、事故ではなく事件だったと語り出す。 まず、面白いと思うのはシチュエーションです。 全身麻痺の僕に、一方的に語られる事故の概要や思考の流れを話します。 僕は、語られてくる話に、正しいとも、違うとも、質問など、反応ができない。 ミステリ本で、読者が一方的に探偵の真相解説を読まされている印象と重なりました。 その時に起きる疑問、そうだっけ?そんな事あったかな。と、合間に起きる思考を主人公の僕が回想する構成です。 また、探偵は何故推理してそれを披露するのか?そんなテーマも感じた次第です。 事故で終結した出来事を掘り返し、別に犯人がいようがいまいが、何とも思っていない場の状況で何故語るのか。 ライトノベルで見られる、思考回路がちょっと捻くれたキャラクター達の心理が面白い所でした。 語り手と受け手の心理模様。何故語るのか。 ここら辺が私の面白かったポイントです。 好みに合わなかったのは、イジメ問題などの人間関係、小学校内のコミュニティでの陰鬱な所を強く読まされた所。 あまり心地よいものではなく、全体的に暗い感じなのが合わなかったです。 |
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何度も繰り返される世界でのタイムリープは好きなんですけど、本書は合わなかったです。
あらすじとタイトルから感じる期待とのズレが大きかったのかもしれません。 驚きのネタがいくつかありますが、本書に限っては、最初に明かしてしまってからの方が、登場人物達のセリフや行動が把握できて読みやすかったのではと思いました。 謎が謎のまま進行するのに対して、先が気になる魅力がありませんでした。先に設定を伝えてから読んだ方が、そういう本だと分かって楽しめそうです。 ただ、強烈に印象に残りました。 この手が好きな人が一度は考えそうなネタを商業紙でやっている本は、あまり知りません。独特で記憶に残る1冊ではあります。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ゴミの山からビニール袋などを漁り、売って生活する子供たち。場所の縄張りなど、普段感じた事がない価値観の違いをミステリを通して触れる事ができる読書でした。
ストリートチルドレンが街中で拳銃で殺されようが気にも留めないと警察が発言するシーンは気持ちに響く物がありました。そんな一般の人からは煙たがれ見向きもされない子供が、殺され、顔を赤く塗られる見立てが何故行われたのか。と言った謎が生まれます。 ただ、本書は謎解きよりも、貧困や人権問題などの影の部分を、詩的な文体で読めるのが魅力でした。 晴れているのに傘をさしているのは観光客だ。と言うのが印象的。小雨でも年中湿度が高い所では晴れの扱い。感覚の違いでハッとさせられるシーンが多かったです。 |
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前作の双頭悪魔を読んだのは10年以上前で久しぶりのシリーズ読書。
間が空きましたがアリスやマリアが属する推理小説研究会の面々は相変わらずで、懐かしさと嬉しさがこみ上げました。 前作はマリアが幽閉、今作は江神部長が幽閉された?と研究会のメンバーが宗教団体の本部へ向かいます。次回作はアリスが行方不明かな。なんて思いながら読みました。 宗教団体の本部という日常とは違った空間で、信仰心や宗教独特のルールを用いた事件は興味をそそります。 UFOネタは今の現代では非科学的でミステリの謎にもならないですが、宗教と合わせる事で不思議な舞台を作っていると感じました。 過去の密室事件との絡みや、終盤の『読者への挑戦』付きのロジックによる解決は楽しいのですが、 そこに至るまでの上下巻のボリュームが個人的に長かった気持ちでした。 なんとなく印象に残るトリックや犯人などの真相があるわけではなく、いろいろな要素がまとまった感じでした。推理小説研究会の面々の活動が見れたのが楽しかったので、本作単品で読むというより、シリーズを読んできた人が楽しめる作品となっている気がします。 ※余談ですが、作者がPSPゲーム「トリックxロジック」に参加した作品「Yの標的」も宗教団体が舞台ですが、 本作の宗教団体の構想が活かされたのかなと思いました。ゲームの「Yの標的」は好きな作品なので、ふと思い出しました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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クラスメイトと共に修学旅行に向かう途中、急に場面転換。謎の空間に閉じ込められる。
状況が分からない中、人工知能から指示されたルールに従い過ごし始める。 デスゲーム系の空間内にいる人々による頭脳戦やパニックを期待したのですが、それとはまったく違った内容でした。 そこに閉じ込められてしまった主人公が、ルールを無視して外れ者になり、タイトルの意味通り、物語の外側に属し、流れるままに過ごすクラスメイト達を皮肉に見つめていると感じました。 物語の人々と、それを見つめる読者の立ち位置の間に存在する、メタ視点の主人公。行われているゲームを無視して他の行動をしているのが斬新でした。 主人公の行動は、クラスの輪に入れない心理模様を感じさせたいのか、外れている自分カッコイイと自己陶酔させているのか、読んでて共感要素がなく、ダラダラとよくわからない読書でした。 アメリカ映画のような、災害時に勝手に行動した主人公が救われる。そんな印象を持った作品です。 人に言われた事に流され続けるのではなく、井の中の蛙、ゲームの舞台など、見えない外側の世界を想像し、見えてくる新しい世界の発見を感じよう。そんなテーマを感じてました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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今年の作品なのに読んだ気持ちは昔の古典作品を彷彿させます。
探偵学校の同窓会として集められた雪の山荘にて起きる連続殺人。クローズドサークルもの。 山荘の見取り図やメンバーの名前を見ながら状況を把握したりと、なんだか懐かしい気持ちで読みました。 なんというか、ド定番路線で、これといった個性を感じられず刺激がなかったのが残念。 この手の本格物は好みなのですが、古典以降いろいろなバリエーションが生まれた現代において、あまりにも直球だと物足りなくなった個人的な心情も感じました。 この本の立ち位置が難しい所で、ミステリを読み始めの人で、この手の本が読みたい場合は、既に存在する有名どころを先に読むでしょうし、ミステリを読み慣れた方だと可もなく不可もなく無難に終わってしまう気がしました。 そんな事を考えると、作者の本格が好きなんだろうな。という気持ちを強く感じ、自分で作品を作ってみた。と言う所に落ち着きました。 デビュー作との事で、この路線でまた2作目が出たら、なんだかんだでまた読むと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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脳死の病所や月明かりの夜のみに話せる死者の声、タイトルの水、と言った単語のインスピレーションが影響して物語は幻想的で不思議な読書でした。
ミステリとして見ると特出した好みがなかったのですが、文学的には読書中に感じる空気感が良かったのと、重いテーマなのに読後は悪い気持ちにならないのが良かったです。 本書はオスカー・ワイルド『幸福な王子』の体の一部を他人に与える様を、臓器提供として現代版の物語を作り上げている所が見事です。有名な童話なだけに、使用されているモチーフに気付きやすい点が読みやさに繋がりました。 序盤の暴走族の模様は正直、嫌な気分にさせられたのですが、ツバメの代用となる臓器を運ぶ為に警察の検問を掻い潜って滑走するバイクを演出して、アクション要素で物語の中に起伏を作る、必要な設定と感じて読後は個人的に納得しました。 |
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ハネムーン帰宅の飛行機内から夫が行方不明になってしまった。
仕方なしに帰宅して待つが夫の持ち物が消えている。警察に相談するも、虚言ではないかと疑われてしまう。 タイトルにある『存在しなかった男』と、夫がいなくなる導入は謎や葛藤が交差して面白いです。 実際問題、航空会社等で調べれば、席からいなくなったりする状況など調べてもらえそうだと想像しますが、 時系列のテンポもスピーディーなので、調査する余裕もなく焦る、主人公の奈々の行動がリアルに感じました。 ここからどんな事件への展望を遂げるかと期待したのですが、中盤からは社会派ミステリへ様変わりし、メッセージを帯びたものを読まされた印象です。 小説内でテーマを掲げそれを盛り込んだストーリーは好感触なのですが、訴え方が卑屈過ぎて、自業自得に思えてしまい共感できなくなってしまったのが個人的に好みに合わずでした。 初めて読んだ作家さんでしたが、社会的テーマ+ミステリを作る方なのですね。読みやすいので他の本も気になりました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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日本推理作家協会賞受賞作ではありますが、ミステリの要素は低いです。
絵画であれば、この絵にはどんな美が存在するのだろうか。と言った謎を提示するところが、 ミステリっぽいと言えばそうなのですが、本作は美に関わる人々の気持ちに触れて相手を思う。そんな作品でした。 芸術、音楽など、文章中に扱われる単語の多くが心地よいものなので、物語だけでなく文章作りの美も感じます。 頭を使わず雰囲気に触れている様な作品で、そこが求めている好みと違った点でした。 |
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バカミスから著者の本を読むようになった為、昔の本書を読むにあたってはその手の先入観を感じながら読みました。
シリーズ3作目ですが、本書が初めての読書です。 話は、死なない吸血鬼の主人公が時間を持て余しているので5万枚のミステリーを書こうと思い、何を書こうかと、つらつら述べていく所から始まります。 序盤から『この事件は時が解決してくれる!』それ、探偵の名前が(とき)さんって人じゃないですよね?とか、 『密室は嘆いていた』それ、(ひそかむろ)って名前の男がいる叙述じゃないですよね?とか、 ユーモアなやりとりでクスっとさせられながら、昔からこんな話を書いてたんだと感じていました。 ですが、作中作「青い館の追憶」が現れた辺りは、氷の館に住む女王と7色の氷人である賢者の幻想小説になり、その本を書いた人を調べていく中で、顔の溶けた幽霊が現れる現実のマンションに出くわし、ホラーテイストから話が繋がっていくミステリへ変容していきます。 吸血鬼が主人公なので、氷の女王やら幽霊やら不思議な現象も作品の設定として感じてしまう所ですが、結末へはそれらを必然的にうまく繋げていくんだなと思いました。 バカミスに特化、ホラーに特化。と、1ジャンルに洗練させているのではなく、色々な持ち味を混ぜ込んでいる所に今と昔の作風の変化を感じられました。 |
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いやはや。久々に頭使って読みました。かなり重厚です。
久々の翻訳物を読んだ為か名前や人物の把握に苦労しました。 中盤までは登場人物ページをいったりきたりしていました。 ピア警部に至っては、最初勝手に"警部"だからと、男の印象で読み進めてしまっていて、 女性警部と把握した時は、日本の警察小説で女性の階級が高いものって少ないな。と、国の違いを感じていました。 著者に関しても男性作家だと思っていたのですが、 読書後に著者を調べたら女性作家だった事に驚き、 それで、女性のキャラが生き生きしていたのかと合点。 などなど、名前に然り、ドイツの事をまったくもって把握していない自分を改めていました。 そんな自分に対して、本書がドイツのご当地物といいますか、情景・歴史がよく描かれているのでかなり学ばされた本でした。ミステリを通して他国を感じられるのは良いです。 かなり緻密な構成でストーリー展開は良い意味で混乱。 全容が分かる後半は、もうなんか凄い事になってるな。と感じるしかなかったです。 オリヴァー とピアの関係も素敵で好み。人物把握が慣れた所で、他のシリーズを読もうと思いました。 個人的には本書はシリーズの雰囲気・下地を把握する魅力的な体験版と言った感じでした。 |
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久々の大ボユームな本を読書しました。
1000年後を舞台に描くSF作品ですが呪力の存在が空想世界のファンタジーを醸し出し、普通ではない世界を体験できました。 新世界の未来においても止む事のない戦争と平和の模様が印象に残ります。 定番のSFなら人間vs宇宙人。ファンタジーならvsモンスター。 本作の1つのジャンルに属さない世界での表現に面白さを感じました。 ただ、個人的な問題でこの大ボリュームを読むタイミングが悪かったかもしれません。 どこも苦手だったり悪い所がないのですが、作品に没頭できない自分がいました。 世界観を把握したうえでもう一度読むと様々なテーマを考えながら感じられそうです。 |
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消失物のミステリ。
刊行後、出版社が倒産してしまって本書自体も消失しかねた面白い曰くがある作品。 読後に"バカミス"扱いになっている事を知りましたが、 列車消失、出現する奇妙な死体など、本格思考の魅力的な要素が いくつも散りばめられていて面白い作品でした。 ただ、文章内容や人のセリフ、事件が起きた時の感情や説明など総じて軽く、 笑いに変えているセンスなどが相まってバカミスとなっていると思います。 本書で扱われている事件や真相について、 例えば島田荘司が描いたら、かなりの作品になりそうな事を勝手に想像しました。 何故、島田荘司が浮かんだのかと言うと、似たようなトンデモトリックでも 事件背景が色濃く描かれ、不思議な納得と魅力で壮大に感じられるのですが、 本書の傾向はその反対側にあると思ったからでした。 ちょっとセンスが合わなかったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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TVで話題の人気霊媒師の仕組みは、裏で情報を収集する調査チームによるものだった。
この調査チームの人々を視点に依頼者の悩みや素性を調べるうちに意外な真実を発見していく短編集。 霊媒師として、人々を嘘や詐欺で騙してはいるものの、 依頼主達の悩みを解消する事で家族や人間関係に暖かさが宿り、 結果として幸せになる様子は気持ちがよいものでした。 謎や推理や意外な展開は見られなず、淡々と進みますが、 手軽に読む分には楽しめました。 |
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経済状況の悪化により、死者はそのまま火葬すべく直送が一般的となり、
葬式が行われなくなった世界を舞台にしている。 この導入は起こりえる未来を暗示していて面白いです。 また、葬式という舞台はよくあるミステリの事件のその後なので、 遺言の意味はなんだったのか?何故葬儀を行いたくないのか? と言った、あまり見られない謎が面白く読めました。 ただ、非常にあっさりに感じられたのと、 葬式が行われない世界が、社会的メッセージなだけで ミステリに活かせていなかったと思うのが残念です。 ミステリ作品としてインパクトを与えようとしたラストも正直な所、勿体ないと感じました。 好みによると思いますが。。 感情的に『父の葬式』。謎解きで『妻の葬式』が好みです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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終盤の真相の落とし所はとても気持ち良かったです。
ただ、作中のアニメキャラやそのネタ色が強すぎて意味が分からないのと、 過去作の「アムリタ」を読んでいる人への要素もあるので、 本作単品としてはちょっと辛い。 仕掛けを味わうなら「アムリタ」は必読。 未読の場合は本作の友達のテーマが楽しみ所と言った印象です。 学ぶ為に学校へ行く必要がないと述べる小学生の天才数学者が、 学校で経験する友達とはなんなのか?に興味を持ち学校へ通うようになる。 人をパラメータ化して解釈したり哲学チックに持論を述べる様は、 著者の描く天才の不気味さが、かもし出ていて面白い。 不安定な展開ながらも終盤の力技のようなまとめ方は好みが分かれる所。 著者の作品傾向を踏まえて読んでいるので、そんなに悪くはないと思う次第でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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