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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数572件
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ST(警視庁科学特捜班)シリーズ三作目です。完全にシリーズファン向けではありますが、十分面白く読む事が出来ました。なぜロシア?しかも全員集合どうして出来るの?と考えてはいけません。それぞれのメンバーが持ち味を発揮して事件が解決出来ました、それで良いと思います。真面目な話、オススメですよ。
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ポアロに続いてミス・マープルに挑戦しました。マザー・グースになぞらえて起こる連続殺人を解決する、と言うお話です。色々な伏線や設定により、最後まで真相にはたどり着けませんでした。まずまず本格推理として、現代においても十分楽しめるのではないでしょうか。ただ、ラストシーンが非常に物悲しく素晴らしいのですが、それだけに最後の3行がどう考えても蛇足です。ほんとに最悪。2点減点。
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非常に有名な古典作品ですが、先日まで内容は知りませんでした。普段翻訳ものは読まないのですが、メイントリックを先に人から教えられて、逆に読んでみる事にしました。
正直期待していなかったのですが、かなり面白かったです。書かれた時代を考えると画期的な作品で、賛否両論だったと言うのも良く分かりますね。出来れば犯人を知らずに読みたかったですが、興味の無かったクリスティに触れるきっかけにはなりました。ポアロ良いですね、他の作品も読んでみたいと思います。 |
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県警警務課長の失踪事件が起きる。簡単に表ざたに出来ない事態に、県警幹部達がそれぞれの思惑や事情を抱えて暗躍する群像劇、となっています。そこに阪神大震災がどう話に絡んでくるのか、非常に興味深く読みました。
残念ですが、今作は正直期待外れでした。面白く無くは無いですが、震災と同時期に進行している所も生かされていないですし、事件の真相もいまいちで、幹部達の行動やその描写も感情移入出来ない。あえて喜劇的に揶揄したのでしょうが、緊張感が無く勿体ない作品という評価になりました。 いつもの短編では書ききれない群像劇は読みごたえ有りましたが、一ネタで引っ張るのは長編では厳しいかも知れませんね。カタルシスが不十分でした。 |
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タイトルの通り、密室事件が立て続けに起きます。そして最後に明かされる驚愕の真実とは?という事なのでしょうが、とにかく酷い作品です。もちろん個人的な好みの問題ですが、登場人物が全員気持ち悪く、誰にも共感出来ません。また密室の謎解きも内容、方法共に最悪で、これでは本格ミステリとはとても言えず、強いて言えば心理サスペンスかも知れません。評価する所の無い物を久しぶりに読んでしまいました。警察もそんなに馬鹿じゃないでしょう、見つけますよね。
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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4編が収められた作品集ですが、今作は警察官、殺人の前科者、新聞記者、裁判官とすべて設定が違う趣向になっています。好みの問題ですが、表題作の「動機」が良かったですね。相変わらずの緊張感と、最後のどんでん返し。最高です。ただ、作品世界の幅は拡がったのでしょうが、後半の2編はあまり好きではありませんので、現時点での横山作品では最低の評価となります。もちろんツマラナイ訳ではありません。発表当時の評価の高さが示す通りです。十分オススメですよ。
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船戸与一の作品は救いが無い。良い人はすぐ死んでしまうが、悪い奴も結局死ぬ。基本的に出て来るのは貧しい地域の人々なので、金ですぐ裏切るし、差別は酷いし、環境が過酷で読んでいて辛くなる。
本作は珍しく主人公が少年の成長物語で、13歳から15歳までの5月に起きた3つのエピソードが描かれています。やはりいつもとは少し感じが変わりますね。ただ、誇り高き気持ちの良い男も何人か出て来ますし、戦闘シーンはさすがの職人芸で、最高の緊張感を味わえました。そこはご心配なく。 とにかく、男も女も、子供も大人も次々死にますので、それだけは覚悟して下さい。船戸ファンには改めて言うまでも無い事ですが、直木賞受賞作の為、それ以外の方も読まれるかも知れませんので。 |
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探偵小説における三大奇書の一つであり、反推理小説(アンチミステリー)の傑作と呼ばれる古典作品です。どういった感じなのか興味深く読みましたが、想像以上に手ごわかったです。謎が解明されないまま次々と不可解な事件が重なり、登場人物達の語る蘊蓄の多さと会話の回りくどさに眩暈がします。面白いのかと聞かれれば評価は難しい。そして終章までたどり着き茫然としてしまう、これがアンチミステリーと言う意味なのか。この作品に何を求めるのかで、見方は変わるのでしょう。
万人にオススメはしませんが、このサイトに立ち寄られる方々なら、一読してみてはいかがでしょうか?他の方の感想も聞いてみたいです。 |
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ベテラン保険調査員が主人公で、列車事故で亡くなった老人が事故死だったのか、それとも自殺だったのか調査をして行くというお話です。保険業界の裏側は知らない部分で興味深く読めましたし、子供の臓器移植問題も含めて良く出来た社会派ミステリーと言えます。紆余曲折の末たどり着いた真相も説得力があり、なかなか良かったのではないでしょうか。著者の得意なジャンルで勝負した力作だと思います。
ただ個人的に全く好みでは無く、中盤までの退屈さに挫けそうでした。後半テンポアップして、どんでん返しや隠された真相で盛り上げますが、残念ながらトータル的な感想は、「地味でつまらない話」です。 |
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サイコサスペンスですが、警察小説でもあり、ハードボイルド小説でもあります。猟奇的殺人者、プロの殺し屋、警察官と3つの視点で物語は描かれますが、割と読み易く引き込まれてしまいました。
ストーリーも実際の事件を下敷きとしておりかなり面白いのですが、本作最大の魅力は登場人物達のキャラクターだと思いました。沢山死人が出るのが勿体なく感じます。 結構想像通りの展開で意外性はあまりありませんでしたが、逆に納得の進み方ではあり、エンディングまで間違いなく楽しめると思います。ぜひ多くの方に知って欲しい作品です。 |
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第二次大戦中の日本でスパイ養成学校が設立される。そこから生まれたスパイ達の活躍を描いた短編集。内容、文体共にハードでとても面白い。少し会話や行動が現代的に思え、本当に時代考証出来てるのかな?と感じる所と、スパイがあまりに超人的過ぎる部分はマイナス。しかし、各編に出て来る人々は魅力的で、ミステリーとしても謎とその解決は鮮やかで、十分満足できる物でした。すごく良かった。ぜひオススメします。
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雪の孤島に集められた8人の探偵。目的は「アリス・ミラー」を探す事だが、手に入れられるのは最後まで生き残った者のみ。そして一人づつ殺害され始め、その犯人は?密室、犯人消失の謎は?と言うお話です。
「アリス・ミラー」とは何か?なぜ命懸けでこの島へ来たのか?とにかくおかしな事ばかりで、普通に言えば、話す事は何も無いバカバカしい作品です。設定に無理があり、登場人物にリアリティが無く、何とも言えない。特に動機が一番酷い。ただ、最後まで真相には全く気付きませんでしたので、本格パズルと考え、人物を駒として深く考えなければいいと思います。そういう意味では不快感は感じませんでした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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自転車のロードレースを題材とした青春ミステリーです。ロードレースの魅力を伝える事は、出来ているのではないでしょうか。かなり面白かったです。ただ、登場人物のキャラクターは主人公を含めて独特で、取っつきにくい為、感情移入しきれなかったです。ミステリーとしても、事件(事故)の真相にはかなり驚かされましたが、少々突飛過ぎませんかね、若干マイナス。
しかし、若者の情熱や苦悩をスポーツを通して描き切った作品、と言えるでしょう。多少の不満はすべて吹っ飛び、とにかく切なくて気に入りました。青春好きの方、ぜひお読み逃しなく。 |
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警察小説ですが、主人公は警務課など内勤の人達です。犯罪を捜査する訳ではなく、警察内部で起こる事件をどう解決して行くか、裏の真相は何か、という所に謎やサスペンスを感じる作品です。ある意味サラリーマン小説ですが、これを読んで警察官の特殊性に驚きました。もしかすると、公務員はみな同じ様な所が有るのかも知れませんが。
作りこまれたキャラクターと意外な真相が楽しめる短編集です。オススメします。 |
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物語は、犯人の視点、被害者の友人の元警部の視点、息子を疑う母親の視点から描かれます。叙述トリックの傑作と呼ばれていますので、どこに仕掛けがあるのか、結構注意しながら読みました。
途中辛いのは、エログロ描写が凄くて自分には合わない所、また犯人の心理描写も気味が悪い事。しかしトリックは良く出来ており、最後の大オチまで真相は分かりませんでした。その後遡って読み返し、細かく整合性の取れた記述になんとも感心。解説にも有りますが、現代社会のある問題を扱っている面もある訳ですね。 結局、本作に何を求めるか?が問題で、驚愕、感服はしましたが、達成感、感動は無かった。とにかく気持ち悪いのを我慢して読んで、ただビックリしただけなので、個人的には評価は微妙です。 |
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作家を志す6人の男女が作る同人誌。そこに掲載された短編が並んでいるという構成で、最終章まで読めばすべて伏線が繋がって、一つの事件の真相が明らかになるというお話です。
あまり面白くなかったのですが、最大の理由は作中作の短編が読み辛い事です。素人の文章っぽくわざとしているらしいですが、内容も今一つでした。特に3話は辛かった。すべてが繋がる最終章は読みごたえがあり、良く考えられたどんでん返しの連続が楽しめます。 意欲作とは言えるでしょうが、名作、傑作とはとても言えません。 |
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本書は仕掛けに満ちた非常に凝った構成になっています。二人の視点から交互に描かれていますが、一方が作中作なので、何が真実なのか段々分からなくなってきます。基本的には犯人は早めに明かされるので、動機探しがメインの作品です。とても読み易く一気に読みましたが、最後のどんでん返しにより「悪意」というタイトルの本当の意味に何ともゾッとさせられました。倒叙トリック作がお好きな方にオススメです。
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本作で描かれるのは死刑制度、冤罪、殺人犯の出所後の人生や家族に与える影響、また遺族の感情などです。テーマは社会派ですが、テンポよく解けていく謎と、気になる伏線、魅力的なキャラクターのおかげで素晴らしいエンターテイメントに仕上がっています。難を言えば、デビュー作の気負いなのかラストのドタバタはサービス過剰で、少し唐突でバランスを欠く感じもしました。
しかし、303ページをめくった時は鳥肌が立ちました。間違いなくオススメ出来る傑作だと思います。 |
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高村薫の本を読むとすごく疲れる。李歐も買ってから10年くらい積んでありましたが、連休中なので気合を入れて読んでみました。
途中は機械や拳銃の描写に疲れ、主人公の狂人ぶりに疲れ、良く理解出来ない同性愛的設定(これは女性作家ならではの感覚でしょう。男性はキモチ悪いとしか多分思わない。)にぐったり疲れてしまいました。 しかし、引き込まれる。各章が数年間隔で飛んでいるのも上手くて、その間の変遷にいちいち驚く。 そして最終章。この凄み、悲しみ、そしてラストシーンに何も言えなくなりました。 評価は1点だと思ったり、10点だと思ったり、決められないので5点です。決してふつうと言う意味ではありません。 |
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企業からリストラを請け負う会社の社員が主人公のお話です。ミステリー的要素は全く無く、サラリーマン小説であり、主人公の恋愛小説(何度も性描写が出て来る)でもあります。
テーマは重いですが、書き方は軽く、非常に読み易く出来ています。 とは言いましても、やはりリストラの話は気分は暗くなるかも知れませんが。 |
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