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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数318件
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隠蔽捜査シリーズの短編集。長編シリーズでは脇役の伊丹刑事部長が主人公であります。シリーズ各作の裏側や側面に肉付けした様な感じであり、ファンにはたまらない面白さでした。竜崎の安楽椅子探偵振りが頼もしい所ですが、伊丹の人間味もとても好ましい。この二人の関係を友達と呼ぶかどうかは微妙ですが(笑)。
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80年代の東京を舞台に、私立探偵沢崎が不眠不休で働くハードボイルド。30年前に書かれた作品ですが、携帯電話が無い事や喫煙者が多い事に少々違和感は有る物の、それ以上には古臭さは感じ無かった。もっとも自分も経験した時代なので、懐かしさが上回るんですけどね。20年振りの再読でしたが、内容全部忘れてたんで初読と同じでした。今回改めて感じたのは、プロットが複雑、かつ登場人物が多くて分かり辛い話と言う事。まあ、タフで優しい、頭が切れるが皮肉屋、そして格好良くて女性にもてる、主人公沢崎の活躍を楽しむ事が目的の作品です。
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前作を読んだ時点では、私は葉村の良い読者では無かった。正直微妙な評価で、それほどのもんかな?と言う感じ。しかし本作はすこぶる面白かった。各話は結構短めで、それぞれ最後は突き放される様に、ぶった切られる様に唐突に終わる。しかも後味は悪く、嫌な気分になる。なのに、何故かそれが癖になる。事件の内容はやり切れない物が多いのですが、葉村のキャラクターに寄る物か、作者の文体に寄る物か、クールでシニカル、そしてダークでビターな探偵物語になってると思います。次作もとても楽しみですね。
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村おこしのマラソン大会で13人の参加者が消えてしまう。マラソンコースは一種の密室であり、途中で抜け出る事は出来ないはず。その後も次々と事件が起きるが、それは全て150年前の古文書に書かれていた事だった。謎はかなり良い、トリックも綺麗に納得できて面白い、人物のキャラ付けも良く出来ている。ただ、探偵役が二人おり、それぞれバラバラに謎を解いて行くため、視点がぐしゃぐしゃで分かり辛い。これが結構致命的かも。しかし、東京で会社を辞め、この村に溶け込むしか無い、と思い詰める主人公は鬼気迫る物があり、読み応えが有った。
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凄く真面目な中年探偵を主人公としたハードボイルド。今まで知らなかった事を後悔するほど面白かった。周りにいる沢山の協力者たちも皆魅力的だが、なんと言っても健気な娘が可愛い過ぎる!。信じては裏切られ、真実は隠され、誰が本当の味方なのか分からない。自分の眼で見える範囲以外には確信が持てず、疑心暗鬼と不安を強がりと軽口で吹き飛ばす。ハードボイルドのストーリーはそうやって展開して行くと思うんですが、本作はそこで娘の存在が効いてくる。絶対に捨て身には成れない探偵、シリーズの今後も読んで見たい。私も娘が欲しかったなぁ。
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著者の初短編集。「大阪府警捜査一課シリーズ」で、色々な刑事が出て来ますが、かなり面白かったです。30年くらい前の作品ですので、科学捜査の部分では時代を感じる。今では成立しないトリックも有るし。しかしそれは仕方ない所なので、大阪弁の軽快な掛け合いを楽しみながら、捻りの効いたオチで更に楽しむ、おススメです。
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【ネタバレかも!?】
(4件の連絡あり)[?]
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【ネタバレかも!?】
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第41回乱歩賞と第114回直木賞をW受賞し、文春ミステリー1位、このミス6位と言う掛け値無しの傑作。十数年振りの再読だが初読の記憶は全く無し。ハードボイルドの王道を征く主人公のキャラには痺れたが、浅井が更に格好良い。いずれにしてもこの手の作品は文体とキャラで読ませる物なので、ミステリーとしての完成度は二の次。主人公、相棒、ヒロインまでは気に入ったが、敵役が少々私好みでは無かったかな。作中では全共闘世代は40才過ぎだが、今では自分の歳が追い越してしまった。作品は面白いのだが、それが読んでる間切なくて参った。
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著者初読み。文春ミステリー1位、このミス2位の作品ですので、期待値はかなり高かったですが、流石の面白さでした。高評価の理由には、警察学校と言う馴染みの薄い題材を取り上げた点が大きいのでしょうが。実際にこんな犯罪者集団では無いと思いますが、あまりに強いストレスの中で生活していると歪は出て来るのかも、と思わされるのが上手い所。警察官には高いモラルや強い精神力が求められる、様々な技術や体の強さも。本作には結構批判的な感想も見かけますが、私は警察官に対する見方が多少変わったかな、と思わされた良書でした。おススメ。350冊目。
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著者初読み。幕末の二大ヒーロー、土方歳三と坂本龍馬を「相棒」とさせる為に、事件は後付けで考えたんでしょうね。良く出来た設定で、西郷、桂、岩倉等々オールスターが集合し、中々楽しめました。ただ、事件解決の為に出来る事は聞き込みだけなので、中盤まではやや単調だったかも。敵対する二人が、二日間と言う限られた時間の中で徐々に認め合う関係になる、その会話の変化なんかが面白かった。物語の始まりは龍馬暗殺直前の時期、新選組も終焉に向かい出す時期。幕末は切ない。敵も味方も文字通り命を懸けている。なので、ラストは蛇足だよな。
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先日「坊ちゃん」を読んだので、内容忘れないうちに本作を続けて読了。前半は文章といい、登場人物の行動といい、まんま続編を読んでいるかの様に楽しめました。中盤から後半はミステリー色が濃くなりますが、段々つじつま合わせが苦しくなったかな?。しかしながら、本家をかなり気に入った私としては、あの世界にもう一度帰れた気分だけで、かなり満足しました。ただミステリーとしては、ラストはあまり好みじゃ無いねぇ。途中の伏線も、回収仕切ったかどうか微妙だし。いっその事ミステリーにせず、作者には「続坊ちゃん」書いて欲しいなぁ。
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医療系ミステリーの短編集。前半の2篇は事件自体がいまいちで、デフォルメされたキャラクターのドタバタに醒めてしまった。27歳で600床ある病院の副院長?こんな病院無いだろうって。しかし後半の2篇は中々緊迫感があり、引き付けられましたね。全体を通して、事前に思ったより面白かったです。設定がかなり強引なので、今後のシリーズ展開がどうなるのか、続けて読んで見たいですね。ただ、一つ気に入らないのは、主人公の医師が誰でも「お前」呼ばわりする事。患者やその家族に対して言うのは、違和感では無く不快感を感じた。そこは残念。
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著者初読み。第12回日本ホラー小説大賞受賞作。ホラーと言うよりは、異世界迷い込み系のファンタジーでした。シンプルな文章で淡々と物語は進むのですが、途中で大きく事情が変わる出来事があり、急に先が見えなくなってしまう。そしてラストにたどり着いた私達は、切なさに胸を締め付けられる事になるのです。迷い込み系+切ない系ファンタジーでした。主人公があんまり怖がらないから、何か安心感は感じるんですがね。それと、異世界なのに、現世の現金を要求されるシーンがあるのが、妙に印象に残ったな。2編共、しんみりしたけど面白かった。
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著者初読み。第62回日本推理作家協会賞受賞作。読友さんからのおススメで探していたところ発見、即購入、即読了。凄いね、この人。始まりからは全く予想出来ない所へ進む展開ですが、解説にも有った様に、とにかく底意地が悪い。途中はブラックユーモアに溢れているが、ラストは救いの無い残酷さ。最後にひっくり返す為にコツコツエピソードを積み上げる手腕には、技術と情念を感じた。叙述的な記述やどんでん返し等、ミステリーの素養もありますよね。と言う事で、ホラー苦手ミステリー好きの私のベストは「熱帯夜」。薄いけど、濃い本だった。
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