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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数199件
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久々に読んだガリレオ物ですが、思ったより面白かった。ドラマの設定を小説の方にも反映させているので、キャラクターをイメージ出来るのが良いですね。科学的、物理的トリックの実行性は知りませんが、それらしく感じられるのがやはり上手い所。作者の誠実な仕事振りを再確認した好編集。
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海外に逃げたい人を裏のルートを使って助ける「逃がし屋」。その主人公の元へ突然警察が現れます。逮捕するのでは無く、見逃す代わりにある仕事をする様依頼されます。それからの数日間の戦いを描いた作品です。
正直言えば少し期待外れでした。騙され裏切られで、人間関係が良く分からなくなりますし、それぞれの登場人物の命を懸ける理由が納得出来ない。乗りかかった船とか言うセリフが何度か出ますが、それではちょっとねぇ。 日本冒険小説協会大賞受賞作。ジャンルはハードボイルド。名前の無いザコキャラは一杯死んでしまいますが、ページをめくれば忘れられている。そう言うジャンルがお好きでしたら、どうぞ。色々文句言いましたが十分面白いんです。冒頭が良すぎて、大傑作と勘違いしたのがいけなかった。 |
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普段ホラーは読みません。また、綾辻作品も随分久しぶりなので、何かと比較しての感想は言えないのですが、高評価は上げられない微妙な作品でありました。
まず序盤が退屈。結局長すぎるのでしょうね。中学生の話し言葉にも違和感を感じましたし。中盤から終盤にかけてはかなり引き込まれましたが、とにかく最後の真相が知りたい一心からで、面白いと言うのとも違う様な気がします。 登場人物に感情移入出来なかった。世界観にはまれなかった。若者向けなのでしょう。眼帯の少女とか出てくるし、アニメ的な設定にも付いて行けませんでした。 |
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非常に有名な作品ですが、予備知識無く読む事が出来ました。メイントリックは途中で何となく分かりましたが、最後まで飽きる事はありませんでした。エンディングも素晴らしいです。
雪に閉じ込められたオリエント急行。乗客にはすべて完璧なアリバイが。犯人はどこへ消えたのか? 正にクローズドサークルの古典的傑作です。ポアロの名推理をお楽しみ下さい。 |
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主人公はある朝目覚めると女に変わっていた。しかも5年先にタイムスリップしている事が分かる。という出だしなのですが、これはSFなのか、論理的に説明されるミステリーなのか全然分からない。何が何だか分からないのは、主人公も読者も同じで序盤はかなり面白かったです。
しかし途中からはややこし過ぎて、付いて行けなくなって来ました。登場人物や事件が多すぎて、会話文も誰が話しているのか混乱するほど、ごちゃごちゃしてます。嫌な奴しか出て来ないし、誰も信じられない不安とストレスが伝わります。とにかく、何度もひっくり返る状況が気になり、最後まで一気に読めました。 詰め込み過ぎたデビュー作という事で大目に見て、まあ良くこんな事考えたもんだ、と感心するやらあきれるやら、そして最後はこれで良いのか? 埋もれてしまっていた力作です、見かける事があれば是非ご一読下さい。 |
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お笑い本格ミステリーというジャンルの作品です。題材が殺人事件ですから、さすがにあんまり茶化すと後味は悪いのですが、その辺は目をつむる事にします。また、メイントリックも警察の科学捜査を無視した内容で、とにかく固い事言わずに雰囲気を楽しむ、それで良いのだと思いました。
登場人物の会話も面白いですし、伏線が回収される最後の探偵の謎解き、犯人のトリックと動機、良く出来てますので、是非読んでみて下さい。オススメします。 |
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著者が乱歩賞を受賞したデビュー作。銀行内部を綿密に描写した企業ミステリーで、結構面白く読む事が出来ました。次々出て来る謎に引き込まれ、最後まで十分楽しめました。ただ残念な所も多くあります。
賞に応募するには派手にやらないといかん、と思ったのかとにかく人が死に過ぎる。一人一人の死が軽くなってしまい、真相と動機が明らかになるとかなり違和感を感じる。また、一人称一視点でハードボイルドタッチなのも、主人公の設定や作品テーマに合っているかはやや疑問。最初なのでやりたい事全部入れたのでしょうか。 文句はいいましたが、緊張感もあり、十分なレベルではあると思います。未読の方は是非どうぞ。 |
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非常に有名な古典作品ですが、先日まで内容は知りませんでした。普段翻訳ものは読まないのですが、メイントリックを先に人から教えられて、逆に読んでみる事にしました。
正直期待していなかったのですが、かなり面白かったです。書かれた時代を考えると画期的な作品で、賛否両論だったと言うのも良く分かりますね。出来れば犯人を知らずに読みたかったですが、興味の無かったクリスティに触れるきっかけにはなりました。ポアロ良いですね、他の作品も読んでみたいと思います。 |
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警察小説ですが、主人公は警務課など内勤の人達です。犯罪を捜査する訳ではなく、警察内部で起こる事件をどう解決して行くか、裏の真相は何か、という所に謎やサスペンスを感じる作品です。ある意味サラリーマン小説ですが、これを読んで警察官の特殊性に驚きました。もしかすると、公務員はみな同じ様な所が有るのかも知れませんが。
作りこまれたキャラクターと意外な真相が楽しめる短編集です。オススメします。 |
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本書は仕掛けに満ちた非常に凝った構成になっています。二人の視点から交互に描かれていますが、一方が作中作なので、何が真実なのか段々分からなくなってきます。基本的には犯人は早めに明かされるので、動機探しがメインの作品です。とても読み易く一気に読みましたが、最後のどんでん返しにより「悪意」というタイトルの本当の意味に何ともゾッとさせられました。倒叙トリック作がお好きな方にオススメです。
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各章が擬人化された財布の視点で語られており、それが10編集まって長編となる手法のミステリーです。完全な神の視点では無いので、一部の情報が見聞き出来無かったり、中々凝っています。面白かったのですが、10個の視点から語られるので展開が遅く、全貌が見えるまで時間がかかるのが欠点ですね。
ストーリーは保険金殺人で、特に複雑に絡み合ったと言う話ではありません。それぞれの登場人物は、犯人、被害者、その身内、捜査する側の人間などですが、この10人それぞれの人間ドラマを読ませるのが宮部作品の特長でしょう。必ず誰かに感情移入して、グッと入り込めると思います。 初期の作品ですので既読の方も多いでしょうが、未読の方には是非オススメします。余韻が素晴らしい。 |
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芸術ミステリーシリーズ第一作だそうで、エコール・ド・パリという時期の画家たちについて詳しく説明されています。今まで興味の無かった絵画についての記述が多いですが、読み易く面白かったです。
実際に起きた事件は画商殺人事件で、状況は密室。どうやって密室を作ったのか、その犯人は?その謎を解くのは素人探偵。ガチガチの本格推理ですが、意外とユーモアミステリー的な雰囲気で書かれており、サクサク進むので最後まで楽しめました。 マニアックで取っつきにくいイメージの作家でしたが、決してそんな事は無かったです。本格好きの方に是非オススメします。 |
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ブラックバスを釣りに来ていた男が殺害される。犯人は河童。年齢も境遇もバラバラな4人の男達が退治に乗り出す事になるが、はたして河童の正体は?作戦は成功するのか?と言うお話です。
良かった点は、文章が読み易く、また登場人物も好人物ばかりで感情移入しやすい所です。出て来るのは男ばかりで、それぞれ問題を抱えながら前へ進む為に戦う。クライマックスもなかなかの緊張感。 個人的な不満点は、自分が釣りをやらないので、細かく描写されても興味が出なかった所です。逆に釣り好きならプラス評価されるのかも知れませんが。 読後感はさわやかでした。あまりメジャーでは無い作品でしょうが、良作です。 |
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退職直前のサラリーマンが、恩義のある会長の死の謎を解明するべく奮闘する、という話です。ハードボイルドタッチで格好良いストーリーでありますが、不満点が少し。主人公の周りには魅力的な女性が複数出て来ますが、特定のヒロインがいないのです。自ら危険に飛び込むのは愛する女性のために、というのが動機に欲しかったですね。また生い立ちから現在までの背景が、この物語の為に都合が良過ぎる気がしまして、展開の割にハラハラしない感じがしました。大好きな作者の作品なので、かなりハードルを上げてしまいましたが、平均点以上の良作であることは間違いありません。特に中年男性にはオススメです。
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今回は警察が舞台ではない短編集です。最後に隠されていた真相が明らかになる、と言うお話になっていますが、それは結構重く救いがない感じの物もあり、後味は悪いです。ただ、真相が明かされる時、それはどんでん返しの瞬間でもあります。どれも息が詰まる様な展開ですが、ぐいぐい引き込まれる事は間違いなく、面白いのは保証します。
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建設コンサルタントの男が、なりゆきでヤクザの男とコンビを組む事になります。二人は産業廃棄物処理場建設をめぐるトラブルに飛び込み、一儲け企むと言う話です。とにかく出て来るのがワルばかりで、みんなキャラが濃い。物語もほんの数日とは思えないくらい濃密です。夜も寝ないですから。関西弁の会話もテンポ良くなかなか楽しめました。ただ登場人物が多く、関係が複雑で分かりづらかったのがマイナスです。しかし最近のヤクザは簡単に人は殺さないんですね。本格推理の方がよほどバタバタ死んでいきますよ。
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推理作家を主人公とした内幕物の短編集です。作家、編集者、評論家、読者すべてに対して、かなり自虐的なブラックジョークで書かれており、結構読者を選ぶかもしれません。しかし個人的には、著者の関西系の悪乗りと、小説に対する深い愛情を感じ、かなり面白かったです。ミステリ初心者にはオススメしませんが、マニアであれば必ず楽しめると思います。実績と能力がある東野圭吾だから許される佳作。
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