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陰気な私は地球を回さない さんのレビュー一覧
陰気な私は地球を回さないさんのページへレビュー数87件
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ノルウェーの森に住む女性の目には鍬が刺されて殺害されていた。精神病院に入院している青年エリケは、殺人事件現場で目撃されていた。その後、彼は銀行強盗の人質として捕らわれていることが判明する。このあらすじに惹かれて購入しました。
結論から言うとミステリの色は少し弱い気がします。大きな山場や波がなく、平坦なストーリーです。所々意味がわからず、そのまま説明もなく終わってしまう内容がいくつかあったり、これはなんなんだと。しかしそれを批判するような作品でもないように思います。不気味?不可思議?な雰囲気の作品で、謎を謎のまま残しても味があるというかなんというか。とにかく他の作品にはない雰囲気でした。 わかりにくかったので、この作品の細かい解説とかあったらなぁなんて思ってます。 |
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まず始めに断っておきたいのが、この作品自体がミステリ作品ではなく、あくまで純文学であり本来の評価が話の面白さによるものであるべきではないということです。自然を見事に描写した美しい文体で情景を豊かに描いており、私自身全く鳥や自然については詳しくないですが、それでも情景がしっかりと浮かびました。
この作品には作者の人柄がよく表れていると思います。短編集として一貫されているのは鳥が出てくること。自然に触れることやその美しさに著者が深い関心を持っていることがわかりました。対して完全にインドアな私としてはあまり興味を持てず、結果としてうわの空になりながら読んでしまいがちでした。 個人的には、第四話の「ホイッパーウィル」が印象に残りました。もと軍人の日系アメリカ人であるケンが警察と共に脱獄囚を追という話。日系であるがゆえに人種差別を受け、インディアンに間違われるといった心情が精緻に描かれています。 |
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読んでいるときは確かに面白く、ストーリーにのめり込みました。だけれども、結末を読んでからは喪失感が漂っています。いろんな伏線を張り巡らせながら事件を複雑にしてあり、何がどうなっているのかハテナマークだらけだったのが、ポンとこれが結末ですと与えられたら最後何も思うことはない、そんな作品でした。
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天藤真氏の長編デビュー作である「陽気な容疑者たち」。倒叙作品かと勘違いしていましたが全く違いました。
この作品は被害者の悪党っぷりを描くことに情熱を注いでいるので、被害者の辰造に殺人の動機を持つ可能性のある人々に感情移入させられました。 非道な人物描写もありながらも、天藤作品らしいユーモア溢れる軽やかさも兼ね備えていました。 本格ミステリの作品であると著者自身が明言している作品でもありますが、問題の屋敷がイメージしにくい。トリックもあまり現実的でないようにも思います。 本格派というよりは、人情物では一級の作品であり、そのように楽しむのがオススメです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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掏摸を生業とする主人公が、腐れ縁から裏社会に加担させられる様子を描いた作品です。タイトルからは社会で落ちぶれた人間が必死に生きる姿を描いてでもいるのかと想像しましたが、もっと遥かに暗い話でした。ただなんともいいところで終わってしまい、これからどうなるの?と続きが気になりました。200ページ弱と短く、書ききっていないところは読者各々で補完して読めば良いのでしょうが、あれは何だったの??ともやもやすることが多々ある終わり方でスッキリとしなく、後味は悪いです。
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この「THE BENSON MURDER CASE」を契機とし、世界中に本格ミステリが広がっていったとされる歴史的一冊を読みました。なるほど、たしかに多くの本格ミステリ作家がこのS.S.ヴァン・ダインから影響を受けていることは明らかであると、本作品を読めばそう思わずにはいられません。ファイロ・ヴァンスの博識で嫌味な話し口調は、日本の本格ミステリの大家である島田荘司氏の描く御手洗潔のペダントぶりにも表れています。
ではでは、その作品がどれほどの面白さであったのか?は別として、他の本格派作品とは一線を画していると思いました。あくまで心理的な手がかりに重きを置き、アリバイや物的証拠なんて糞食らえといったところが特徴的です。 マイナスポイントが2つ。1つは本作品に登場する作家で視点役のヴァン・ダインが全くの空気なことです。いることを度々忘れてしまう、というより読み終わって存在していなかったという方が適切ではないかと感じてしまうほどです。もう1つはファイロ・ヴァンスの度を越した鹿爪っぷりです。事件現場を見て5分で犯人が分かったと言うが、勿体ぶって400ページ余り引っ張るのは如何なものかと… ヴァン・ダインと同時代(若干後年)で同じく米国人の本格ミステリ作家であるエラリー・クイーンのような、与えられた証拠から論理的な判断によって容疑者を絞り込むのとはまた違った面白さが楽しめ、読む価値があることは否めないと思います。 |
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各々それぞれの孤独を抱えた人々にまつわる短編集です。さすがは直木賞作家の桜木紫乃氏、綺麗な文体で魅せてくれました。あまり多くを語らず、読み方によってどのようにも捉えることができるので少しわかりにくいです。結局何を思っているのだろうか、登場人物の心理がわからないことが多々ありました。
「潮風の家」が好みでした。家族のありがたみなど心に突き刺さります。 本作はミステリではありませんでしたが、彼女の書くミステリにも触れてみたいと思わせてくれました。 |
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【ネタバレかも!?】
(2件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
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これは評価が大きく分かれることも納得です。ミステリに何を求めるか、各人の好みの問題だと思いますが、私は読み終わって…どうでもいいわという感想しかありません。理解し難い結末と幻想的な話が絡み合って呆然としました。
著者の奇想は天外から来ていますし、力量は凄いなと思わずにはいられません。とはいえ読み物としては退屈です。嘘の自白をする容疑者や、他の人を犯人として陥れるトリックを何度も考察することには飽き飽きしました。 極め付けは、また一卵性の三つ子!?ということです。ロジャー・フェデラーの子供は二組の双子であることにもビックリしましたがそれ以上です笑。 |
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事件が起きて犯人確保!ここまでが前半で、続きはがらっと変わります。舞台はロンドンからアメリカへ。事件が起きたその背景が明かされます。正直後半の方が読み物としては面白かったです。物語の雰囲気も全く違っていて、とても同じ作品とは思えないぐらい印象が違います。短いながらも濃密な一冊です。
大西洋を横断してしまうことやいろんな国の人々が混ざり合って登場することは欧米では普通のことですが、そういったところに洋書を読む楽しさがありました。100年以上前に書かれているので、古典としての良さもありました、まだ西部開拓してるんだとか。 |
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なんだか魅力的なタイトルですね。「神のロジック 人間のマジック」リズムが良くて印象に残りますし、是非とも読んでみたい!となりました。結論から言うと、このタイトルと文庫本の表紙は内容と結び付けられません。良くも悪くも誰が読んでも、想像していたのとは違った!となること間違いなしでしょう。
読み始めてすぐに奇妙な世界感を味わうことができます。学校に連れて来られた時の記憶が曖昧な人々が謎解きの授業を受け、この学校の真実を探ろうとする、かなり独特です。 読んでいてモヤモヤするので早く結末が知りたい思いに任せて一気読みできましたが、結末にはちょっとガッカリです。悲劇の謎解きも合わせて収録されていますが、そこまでかなと。 |
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探偵が登場する本格ミステリはあまり好みでないですが、これは良かった。本格物は謎解きにばかり主眼が置かれるために、物語の背景や登場人物の心理がお座なりにされている傾向を感じずにはいられませんし、どうしても探偵はハードボイルドなイメージが拭えません。
ですが本作は本格ミステリであるにも関わらず、温かみのあるキャラクターが魅力的でした。一つマイナスなのが禅問答のような会話で、最後の解決の場面を読んでもわかりにくいです。はっきり言えよって思うはずです。 短編集ですが、短い中で二転三転し、どの作品も普通には終わりません。ありふれたトリックもありますが、2話目の「宙を飛ぶ死」には驚嘆しました。 |
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ベル・エポックと呼ばれた時代のアンリ・ルソーをめぐった作品です。アンリ・マティスやピカソは多くの人が作品を見たことがある王道画家かなと思いますが、ルソーは少し変化球でしょうか。前衛的な作品は才能ある人間にしか響かなそうな印象があり、どうも食わず嫌いをしていましたが、この作品を読んで少しはアバンギャルドと呼ばれる絵画に関心が湧きました。
余談ですが、何年か前にパリに行った時に、オルセー美術館やルーヴル美術館に行ったり、ピカソ美術館が改装工事中だったりしたことを懐かしく思い出させてくれました。 絵画は正解のあるものではないため、人それぞれ異なった解釈をするものだと思います。1つの絵画に対する受け取り方を視点の人物から押し付けられるように感じてしまうので小説で読むものでもないなぁと…綺麗にまとめられた結末はとても良かったのですが、終盤までは退屈すぎたので普通の評価です。 |
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序盤は話の筋が見え来ないまま、どんどん話が進んでいきます。この人達は何をしているの?と、そもそもストーリーに意味などないのだとしても、何も掴むことができないので退屈です。霧の中を進んで行くかのような感じでしょうか。
違和感のある文章や雰囲気から何か隠していることは明らかであり、モヤモヤとさせてくれるのに何も教えてはくれないといった、ミステリ色の強さが裏目に出たような作品でした。 いい話だとは思うんですが、終盤までは面白みが無かったのが残念… |
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短編集の本作は3つのミステリーが収録され、「近況報告」は島田氏が自分の思うことを書きたかったのだろうといったエッセイ程度に捉えました。ここが意外と面白かったです。
3つのミステリーに関しては2作目の「ある騎士の物語」が良かったです。あっと驚くアリバイトリックではないですが、なるほどと思わざるを得ない爽快感のあるトリックでした。しかし他の2作品に関しては、推理の域を超えており半ば想像でしかないところから事件が解決されてしまうので、事件の真相を見破りたいという読者からすると面白くはないでしょう。 |
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これだけ爽やかな青春ストーリーにおいて、ここまでミステリー色を出せるだけで充分楽しい作品だと思います。2章目の六本木での話がどのように絡んでくるのか全く想像もできませんでした。
ページ数も少ないので、軽めのミステリーとしてサクッと読むのがオススメです。 |
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いかにも道尾秀介氏らしい作品でしょう。物語の中で並行する様々な対比関係を浮き彫りにしながら、その中で起こるすれ違いを描いているのは他の作品でも見受けられます。
現実?の話が進む中で、各章の終わりにおそらく夢であろう内容が挿入されています。ここが何ともわかりにくい。人によって読み方が大きく異なるでしょうし、ここの読み方で物語全体の受け取り方も変わってくると思います。難解な印象は拭えません。 物語の退屈さをフォローするような解説が巻末に載っていますが、この良さがわかる人にはわかるということなんでしょう。好みは分かれると思います。 |
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