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タッキー さんのレビュー一覧
タッキーさんのページへレビュー数28件
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4つの短編集でそれぞれに有名な画家が登場し、特に印象派と言われる画家を中心に、その周囲の人たちを取り上げています。まるで外国人作家が書いたかのような雰囲気と柔らかいタッチの文章で、なんとも言えない落ち着いた静寂とした余韻の残る物語ばかり。ここに出てくる全ての作品を見たくなり、思わずネットで調べてしまいます。どれも良かったのですが、強いて言えばやはり表題作!画家モネと助手を務めたブランシュ。そしてその家族。なんとも言えない関係で、すっごく温かい気持ちになります。もっと他の画家バージョンの作品が読みたいっ!て思いました。
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すっごく素晴らしく、あったかい物語。目も見えず、耳も聞こえず、言葉も話せない6歳のれんの家庭教師に選ばれた安。出会った当初は、獣同然。れんの無限の可能性を信じて必死に教える安の姿に胸を打たれるとともに、変貌を遂げていくれんの様子もまた素晴らしく、中でもれんと吉右衛門の出会いのシーンは特に感動的。一方で日本の古い田舎の体面を気にする家の制度や娘に対する家族の様子は読んでいて、なんだか身勝手に感じました。物語はれんが大きくなる姿までは書かれてなく、最後は飛んで、お婆ちゃんになっていたので、それが残念でもあり、なんとも感慨深くもあるところ。さすが原田さんの素晴らしい作品でした。
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今回もお約束のどんでん返しが全く予想もできない展開でありました!そうくるかぁと思わず唸らされます。二つの事件を取り扱いながら、一つ目の犯人逮捕も鮮やかな展開で、さらにその後に待っているもう一つの事件の結末という展開。あきることないストーリーでした。そしてさらにさらに、子どもの問題、そして最後にダンスの問題。まさに怒涛の終盤!ダンスの恋人のジョン、すっごくカッコいいです!こういうのはいかにもアメリカ的だなぁと思いました。まだまだ、このシリーズ書いて欲しいっ!
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騙す側、騙される側の心理描写が絶妙。二人の主人公にとって辛い内容が続きますが、とにかく面白い!騙されて気狂い病院に入れられたスー。ラント街に閉じ込められたモード。モードを憎むスーと、スーを助け出したいモード、この二人の描写はお見事!スーの脱走シーンはハラハラドキドキ。その後はもう面白くて面白くて途中で読むのがやめられません。なんとも切なくて味わい深い展開です。また訳が素晴らしい!こんなうまい訳はあまりないと思います。全編を通して19世紀のイギリスの退廃的な雰囲気が出ていてこれもいい。ほかのウォーターズ作品も要チェックです!
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予想外の展開の連続!まさにストーリーテラー。終盤100ページ残したとこで事件解決!?いえいえもちろんそんなことはありません。最後まで楽しくワクワク読ませてくれます。しかも次作が楽しみになる終わり方。最終章のパム、ライム、サックスのやり取りはなんだかすごくあったかくなる内容。巻を重ねるごとにみんな味が出て大満足の作品でしたっ!
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一つの出来事には、いろんな解釈ができますが、その典型例のようなミステリー。固定観念にとらわれずに読み進めないと騙されます。高い霊感力を持つ魅力的な女性が主人公で、この霊感力を使いながら、様々な事件を解決するワトソン役の素人探偵。ここまではよくあるミステリー。でもここから先がこの作品の真骨頂!この著者の作品『小説の神様』では、小説を書くことへの苦悩が書かれていましたが、今作品では小説の楽しさが前面に出ている作品と感じました。是非続編希望です。
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序盤は大きな動きもなく、前作からのそれぞれの活動を紹介するような内容。ただ、ところどころミレニアムにおけるハリエットの立場を巡るエピソード、リスベットとパルムグレンとの再会の場面など、感動的な場面も。事件が起こるのは中盤以降。リスベットが襲われ、そこからは怒涛の展開。そしてそこからは壮絶な内容。途中からはまさに目が話せない展開。そしてまさかの終わり方。元プロボクサーと金髪の巨人との死闘、リスベットが悪者をぶちかますシーン、そしてラストシーン。まるで映画を見ているような内容で、作者と訳者両方に拍手を送りたくなる内容でした。これはすぐに次も読まないと!
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意外性のあるミステリー要素とサスペンス要素に加え、重厚なストーリー。下巻中盤で連続殺人の犯人が判明。残り半分で何があるのか?とと思い、途中からは一気に読まされてしまいました。それにしてもリスベットがカッコいい!クールで強い!おまけに変装も出来るとは。一方、ミカエルは嫌いではないですが、モテまくり過ぎ、それをいいことに、この倫理感はちょっとどうかと思いました。特にラストシーン、ミカエルは気づいていなかったとしても、リスベットが可愛そう。次の第二部も楽しみです。
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このシリーズ、読むのがもったいなくて、いつも読むのに時間がかかります。相変わらずいい!今回は計4話。どれも良かったです!『姑の墓』はたぶんこうなるだろうなぁと読めますが、それであっても怖かった。『同行二人』はいい話で、最後はなぜか涙が出てきました。表題作は大作。『姑の墓』同様、怨念にまつわる話で、なんとも言えない迫力ある話。どうやったらこれだけの数のいろんな面白い物語が書けるのだろう?といつも思います。ただ、この百物語、最近は怖い系の話が以前より増えているかなぁと思います。もちろん個人的には大好きですが。
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感動の最終巻。これで終わらせるのは本当にもったいないくらいの世界観とキャラクターです。どうして人は自分と違うところを見つけて争うのか、違いという個性を大事にしないといけないという強烈なメッセージが、魔導士や師弟関係、友情を通じて伝わってくる話でした。また、全巻それぞれ主役が変わるのも飽きさせなくてすごく良かったです。これだけ広がった世界観なので、是非ぜひ更なる続編を期待したいと思いました。いい小説に出会えて幸せです^_^
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いやぁお見事!面白かったです。幼女殺害事件。犯人、刑事、母親のそれぞれの視点で物語が進行、犯人の名前は最初から分かっているのですが。終盤からは驚きの連続。最後の最後までどういうことか分からず、楽しめました!久々にもう一回、事実を知ったからこそ、読み直したいと思わせる作品でした。
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表紙の美しさに惹かれて購入。めっちゃ良かった!ミステリーですが、それはオマケ。フェルメールが生きた17世紀のオランダの街デルフト、顕微鏡の発明者で、微生物学の父、レーウェンフックとの交友、妻カタリーナの様子が生き生きとしていて、その時代のデルフトに行きたいと思いました。ところどころで絵の題材となったのでは?という場面が秀逸。【牛乳を注ぐ女】の場面。有名な【真珠の耳飾りの少女】など。天文学者、地理学者は、まさかモデルが顕微鏡の発明者レーウだったとは。読後またフェルメール展開催してほしいなぁと思いました。
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今、日韓の間で問題になっている徴用工問題。戦時下で炭鉱夫として従事させられていた労働者をテーマにしたミステリーです。炭坑でお弁当を食べていると白ごはんが、みるみる黒くなり、ふりかけをかけたようになるという程、過酷な労働環境。さて肝心のミステリーは、終盤の謎解きでは刀城言耶ばりに二転三転させる三津田ワールドは健在。オカルト的な謎は謎として残しつつも、犯人の意外性、また最後の1ページまで楽しめる仕掛けなど、見どころたっぷりの良質ミステリーでした。
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まるで玉手箱!次はどんなパターンで、騙してくるれるのか!これが16パターンもありますので、堪能できます!直球、チェンジアップ、フォーク、シュート、まるでなんでもありの投手に翻弄された感じのストーリー。特に第3話。ストーリーもさることながら、警官と思っていた人が実はあの御仁だったとは。ファンにはたまらない一作。とにかく次の作品はどうやって楽しませてくれるのかのワクワク感がたまらない一作でした。
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胸が熱くなるストーリーです。暴力団の上前をはねる悪徳刑事の大上。その下に配属される新人刑事の日岡。テーマが暴力団ということで、序盤から中盤にかけてはイマイチかなぁと思っていたのですが、中盤から俄然面白くなります。暴力団同士の抗争を止めるべく、奔走する大上と日岡のコンビ。そして意外な大上の過去のエピソード。そして日岡にも意外な側面が。更にはプロローグから繋がるエピローグには見事にやられました!ヤクザも悪徳刑事も共に人間味溢れた素晴らしい柚木さんの作品でした!
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佐方検事の職務に対するひたむきさとその周りの方の仕事に対する生真面目さが心地よい作品!『心を掬う』は『手紙には人の心が詰まっている。郵便職員は心を扱っている』ここにプロ意識の高さを感じます。メイン作品では、痴漢をテーマに、どこまで話の広がりを見せるのか疑問でしたが、いい意味で予想外の展開。警察の執念の捜査で絶対有罪かと思いきや、二転三転の展開。更にこのシリーズは米崎という場所にも惹かれます。美味しそうなお店、お酒と土地柄、この辺りの描写も情緒があっていいなぁと思い、やはり大好きなシリーズです。
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一冊で二度楽しめるというのもありますが、海外ミステリーの楽しさと面白さが凝縮された一冊に思いました。登場人物が出てくるごとに怪しげに見えてきて、誰を犯人にしてもおかしくなく、それでいて犯人が提示されると、ある程度の納得感もあり。強いて言えば、アラン殺害の動機がちょっとどうかなぁ、いろいろ怪しく見せた割にはややあっけなさを感じたくらい。訳も読みやすくて良かったです!あとは作中作とこちら側のストーリーのシンクロ感もうまく考えてるなぁと感心しました。
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前作『最後の証人』を読み、一気にファンになりました。その2作目。前作ではヤメ検弁護士として登場した佐方の検事時代の短編5作。どの作品も心にグッと来る内容で、読んでいて胸も目頭も熱くなるほど、素晴らしかったです。この作品を読めばますます佐方が好きになります。引き続き追っていきたい作家さんです!
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刀城言耶シリーズ第6弾の舞台は遊廓。戦前、戦中、戦後と3つの時代にわたり、3つずつ起こった合わせて9つの身投げの真相を追います。第1部の主人公は花魁。正直読んでいて辛くて可愛そうです。第2部は遊廓の女将が、第3部は作家が、それぞれ主人公。そして第4部で刀城言耶がようやく登場。身投げは呪いなのか、殺人なのか。たった一つの真実を起点に鮮やかに解決!実はシリーズで一番見事かも、と思うくらい、良かったです。
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作者がカー好きということで、これは読まないと、ということで読んだ一冊。ネタバレを恐れずにいうと、某我孫子さんの、とある一冊を彷彿とさせます。交霊とか、殺人のあった家の周りは真っ白で足跡のない雪が積もっていてとか、カー好きなら思わずニヤリとする部分も。しかも最後の最後まで楽しんで読める手法に脱帽。是非彼の作品をたくさん翻訳してほしいものです^_^
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