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タッキー さんのレビュー一覧

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レビュー数160

全160件 1~20 1/8ページ

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No.160: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

メリヴェール卿の魅力が詰まった一冊

探偵ヘンリーメリヴェール卿の魅力が詰まった一冊。冒頭から爬虫類館での冒頭のドタバタの様子は面白く、そこから流れるように密室殺人事件が発生。1940年代の作品ということで、戦時体制下で空爆をうけているため、作品の中でも灯りが漏れないよう灯火管制が敷かれているのが特徴的。トリックや犯人が誰かというよりも、メリヴェール卿の犯人への仕返しが痛快なストーリーでした。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫)
カーター・ディクスン爬虫類館の殺人 についてのレビュー
No.159: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

スリリングな展開の圧倒的な面白さ

下巻は最初からノンストップのスリリングな展開。未来を見ることができる能力を持つケインと、その力を解明して自分のものにしようとする研究者と追跡のプロ。ケインを守るナヴァ。このナヴァが本当にカッコいい!確率論の話はよくわかりませんが、それを置いておいても圧倒的な面白さで、息詰まるような展開に目が離せませんでした。ある行動の選択が引き起こす次の出来事。そしてその連鎖、未来を見ることができる能力が使えたら、と考えると楽しくもあり、怖くもあります。
数学的にありえない〈上〉 (文春文庫)
アダム・ファウアー数学的にありえない についてのレビュー
No.158: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

結末はどうでもいい作品

犯罪小説に似せた連続見立て殺人を追うカミーユのチーム。途中までは普通の展開。でもそれが逆に、このいかにも何かありそうなタイトルで、またこの作者なのできっと何かあるはずと思わせられ、早く読みたくなるという感じで読みました。そして終盤の第二部が始まって早々??という、たまにミステリーで得られるあの感覚。頭の中で理解できるまで少しかかりましたが、よくできているなぁと感心しました。この仕掛けを見れば、結末は最早どうでもいいんでしょうね。
悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)
ピエール・ルメートル悲しみのイレーヌ についてのレビュー
No.157: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

いつもながら圧巻の推理

国名シリーズ第二弾。読んでいてこれも全て伏線なんだろうなぁと楽しく読み進められます。全編伏線に満ちていて、エラリーの理詰めの推理が冴え渡ります。特に最後の60ページで犯人に対して有無を言わさず、論理的に迫っていくこの迫力は圧巻の一言!古典と言われながらも、現在の数多くの作家をも凌ぐ実力であることを痛感。ただこの作品で唯一、残念なのは犯人のインパクトが薄いこと。それ以外は満点の出来に感じました。
フランス白粉の謎【新訳版】 (創元推理文庫)
エラリー・クイーンフランス白粉の謎 についてのレビュー
No.156: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

緊迫の終盤戦

冷戦下でのアメリカとソヴィエトの両大国の意地の張り合いの攻防が、リアルによく表現されていて、なるほどベストセラー作家ということが、何となく分かりました。特に終盤は潜水艦同士の行き詰まる攻防。相手の潜水艦の居場所の探り合い、そして探知して魚雷まで発射するという、まさに緊迫の展開。でもやっぱり登場人物が多すぎて、最後まで何がなんだか分からない印象が残念に思いました。
レッド・オクトーバーを追え (上) (文春文庫 (275‐51))
No.155: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

パズルのようなミステリー

今年の一月か二月ごろの朝日新聞の書評欄で宮部みゆきさんが、早くも今年の最高傑作か、とまで評していた一冊。これは読まなければと思い購入。放火殺人で息子を殺したとして裁判にかけられた母親を巡る法廷ミステリー。一章ごとに、刑事、被告、友人など、視点となる登場人物が変わり、裁判などから、次々と当事者が隠していた秘密が判明していくストーリーは、まるでパズルが解き明かされていくよう。先がすごく気になり、500ページもあっという間でした。最後は、意外な犯人とともに、罪を犯す、そして償うということの重さを考えさせられました。
ミラクル・クリーク (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
アンジー・キムミラクル・クリーク についてのレビュー
No.154:
(7pt)

贅沢な6つの短編集

贅沢な6つのホラー短編集。全てではありませんが、誰かが体験した怖い話を紹介するという形式。当たり外れは感じたものの、いろんなバリエーションがあって楽しめました。雰囲気的な好みでいうと『湯治場の客』山奥深くの湯治場にやって来た主人公。旅館で偶然知り合った隣の部屋の客と一緒にいる時になぜかどこからか男性の声が聞こえるという体験をするというもの。怖っと思ったのは表題作と『ドールハウスの怪』、どちらも家の中を題材にしたものですが、得体の知れない怖さを堪能できました。
誰かの家 (講談社文庫)
三津田信三誰かの家 についてのレビュー
No.153:
(8pt)

音と人間に溢れたストーリー

昭和から平成に変わる時代。ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツを舞台にした物語を読むのは初めてですごく新鮮でした。全編にわたって音楽をキーにしていて、ストーリーは、単身東ドイツにピアノ留学にやってきた主人公と、そこで出会う友人との交流を中心に、秘密警察に監視されながらも希望を見出すため西への脱出あるいは革命を起こそうと試みる人、一方で退廃的な時代の中、音楽をこよなく愛する人たちという絶妙なバランスが印象的でした。ラストはなんとも余韻の残る終わり方。音と人間に溢れた上質な歴史ストーリーを読んだ気になりました。
革命前夜
須賀しのぶ革命前夜 についてのレビュー
No.152: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ホームズの発狂とワトソンの大活躍

島田さんによるホームズもののパスティーシュ。そんな面白くないだろうと、あまり期待せずブックオフで購入。意外と言っては失礼ながら、これが読みやすくて面白い!赤毛連盟から始まり、そこからホームズが麻薬のやりすぎで発狂して病院送りに。主役不在でどうなることかと思えばワトソンが大活躍。中盤からは赤毛連盟で、ホームズが捕まえた悪者三人が脱獄不可能と言われる刑務所から脱獄。脱獄の手法は?そのキーワードがこの本のタイトルで、今作の最大の謎。ホームズの扱いがちょっとかわいそうながらも最後は、やはり名探偵ぶりを発揮。大満足のホームズパスティーシュでした!
新しい十五匹のネズミのフライ :ジョン・H・ワトソンの冒険
No.151: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

シンプルながらも納得感の高い本格ミステリー

自宅の窓から、向かいの家の部屋で殺人が行われるのを目撃したイヴとその前夫。いろいろな経緯により、犯人に疑われることになったイヴ。怪奇的な要素もなく、また謎の魅力はカーにしては乏しいものの、事件解決に至る道筋はまさに正統派本格ミステリー。カギを握るのは被害者の側で粉々に壊されていた鍵タバコ入れ。犯人とそこに至る推理を聞けば至ってシンプルながらも納得感も高く、さすがカーと言われるできの良作に思いました。
皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)
No.150:
(7pt)

ほっこりとしたタイトル作

五つの短編集。前半の作品は、ホラー要素がありつつも、オチはブラック色の強い作品で、タイトル作は、最初はホラーと思いつつ、比較的ホラー要素は控えめ。タイトル作の琴子と真琴の姉妹がやっぱりいい!その前の赤い服の作品はホラー要素たっぷりでよかったですけど、タイトル作のような、ほっこりくる作品もいいなあと改めて思いました。
ぜんしゅの跫 (角川ホラー文庫)
澤村伊智ぜんしゅの跫 についてのレビュー
No.149:
(7pt)

仕掛けが秀逸

特徴的なのは最後の70ページが袋とじ。『この後意外な展開が待っています。ここまで読んで面白くなければ、開けずに返品してください』と、見るからに絶対に面白いと思わせる仕掛け。殺人罪の裁判を現在に据えて、章ごとに過去の経緯と現在の裁判に切り替えながら進んでいくストーリー。裁判では誰が被告になっているかが隠されているため、過去編が気になって読んでしまうという仕掛けが秀逸。袋とじは開けると早々に確かに意外な展開が!ただもう少し最後の捻りが欲しかったなぁと思いましたが、この作者の他の作品も読んでみたいと思いました。
歯と爪【新版】 (創元推理文庫)
ビル・S・バリンジャー歯と爪 についてのレビュー
No.148: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

あり得ないほどハズレなしの作家

大好きな柚月さんの作品。タイトルが面白くてどんな内容か全く知らないまま購入。あらすじを知らなくても、この人の作品というだけで買わされてしまう作家ってやっぱりすごい。あらゆるトラブルを解決する上水流事務所。詐欺や野球賭博、賭け将棋などで騙されたので助けて欲しいという依頼に対し、涼子とその助手の貴山が解決していく短編集。話のテンポもよく、また解決も実に鮮やか!読んでいてとにかくスカッとします。こういう本は、昔の必殺仕事人的な感じで、気軽に安心して読めます。また、貴山がクールでカッコいい。IQ140ってとにかく羨ましい。柚月作品にハズレなし!今回もその通りでした。
合理的にあり得ない 上水流涼子の解明 (講談社文庫)
No.147:
(8pt)

謎解きの楽しさが詰まった一冊

最終巻でも面白さは、いい意味で変わらず。謎を解くのがパズルのようで、黒幕の意外性、家族にまつわる謎、そして最後のエピローグと、最後の最後まで、飽きずに読むことができました。もっとキリスト教の歴史や基礎知識があればもっと楽しめたのでしょうが、知らなくても楽しめる本書のバランスは抜群のでき!最後のエピローグの場所は、昔行った場所ですが、実際にもう一度行きたくなりました。
ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)
ダン・ブラウンダ・ヴィンチ・コード についてのレビュー
No.146:
(7pt)

巧みな時間軸が際立つストーリー

いやぁ怖い。この作者の創造力と表現力。一つの家を巡って起こる怪異を取り上げた連作短編集かと思いきや、違いました。ひとつの章を読み終わると次の章はどうくる?あーそこに戻るかぁ、楽しみ♪と思いながら読んでいるうちに、だんだんと一つのストーリーに収斂されるというパターンの作品。時間軸が二つなのがミソ。そして解説はなんと?!三津田さん。文章の力でこれだけ目に浮かぶように表現されていて怖かったです。
ししりばの家 (角川ホラー文庫)
澤村伊智ししりばの家 についてのレビュー
No.145: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

名作ミステリーの実力を見た一冊

面白くて夢中で読みました!殺人の時刻に一緒に過ごしていた女性。自らのアリバイを証明してくれるはずなのに、何故か誰も見ていない。でも自分の記憶では一緒に過ごしていた記憶が。謎の掴みはバッチリ。この謎を作者はどうまとめるのか?ワクワクして読みました!訳も上手くすっごく引き込まれ、もう途中からはこの本の結末も知らないうちに、この作家の他の作品も読みたくなるほど。そしてこの犯人!凄い伏線の張り方です。さすが名作ミステリーと言われる実力の書でした。
幻の女〔新訳版〕
ウィリアム・アイリッシュ幻の女 についてのレビュー
No.144: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

多くの人に読んでもらいたい名作

クイーンの名作、耳の聞こえない元舞台俳優ドルリーレーンものの一作目、面白くて昔夢中になって読んだのを覚えてますが、内容は例によってすっかり忘れていますので、新作のように楽しめました。連続殺人事件ですが、一つ目の殺人から、レーンは犯人に当たりをつけつつも、第二、第三の犯行が。この辺りはわかっているなら早よ捕まえろよ、とツッコミたくなるところ。でも、最終幕のレーンが種明かしする『舞台裏』を読めばそれも納得。そこでの犯人に迫っていく論理は、全ての伏線が見事に回収される圧巻の推理。なぜ気づかなかったんだろうと自分で情けなくなるほど。『メインテーマは殺人』が本格ものと言われていて確かに面白いのですが、クイーンはそれ以上のものを連発している作家だということを改めて再認識させられた名作でした
Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)
エラリー・クイーンXの悲劇 についてのレビュー
No.143: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

怒涛の展開が待つ最終盤

『衝撃の大どんでん返し 恐ろしいほどの才能が放つデビュー作』と帯に書いていれば、これは『買い』ます!元恋人のルームメイトから頼まれて、その彼女を救おうと、とある辺境の村に乗り込んだ主人公。彼女はどうやら村の祭りの巫女に仕立てられ、終わるまで会わせてもらえず。しかし終盤で思わぬ展開が!?ミステリーを読み慣れていればあーそういうことか、と分かるのかもしれませんが、やられました。また最終盤のラスト数ページでは。そうきたかっ!まいりました。ある意味スッキリ、でも怖い。なかなかのストーリーでした。
ナキメサマ (角川ホラー文庫)
阿泉来堂ナキメサマ についてのレビュー
No.142:
(7pt)

衝撃の最終話

先日読んだ本格ミステリーを紹介する『本格力』で推薦されており、面白そうだったので購入。ちなみに、その本で紹介されていた本は残念ながら、面白そうでも絶版ものが多いのです。さてこの本の実力は?と期待大!舞台はカリブ海の西インド諸島。ここを舞台にした小説はおそらく初読み。なので、やっぱり雰囲気が違います。黒人と白人との差別など、文化や地域の特性がすごく出ています。短編集ですが、どのストーリーも、最後の展開で良くも悪くも、置いてけぼりを喰らうような意外なストーリーが多い気がしました。特に最終話。紹介通りの予想外の結末。これには脱帽!
カリブ諸島の手がかり (河出文庫)
No.141: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

よく練られた購入

おそらくミステリーを読む人なら誰でも知っている有名助手のワトソン。そのワトソン力って何?と思って購入。主人公が誘拐され、監禁されている場面から始まるストーリー。誰が監禁したのか?過去に自分が関わった事件から探ります。その事件が短編ストーリー。そこでは、事件の関係者たちが、これでもかとばかり推理をしまくり、いろいろな説を披露。それがなかなか面白い。一つの事件からこんないろんな考えがあるんだと感心。そして、最後に主人公が、誰が監禁したのかを推理。なかなかよく考えられた構成に思いました。また、最後の終わり方もgood!続編への期待も高まりました。
ワトソン力
大山誠一郎ワトソン力 についてのレビュー