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タッキー さんのレビュー一覧

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レビュー数61

全61件 1~20 1/4ページ

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No.61: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

メリヴェール卿の魅力が詰まった一冊

探偵ヘンリーメリヴェール卿の魅力が詰まった一冊。冒頭から爬虫類館での冒頭のドタバタの様子は面白く、そこから流れるように密室殺人事件が発生。1940年代の作品ということで、戦時体制下で空爆をうけているため、作品の中でも灯りが漏れないよう灯火管制が敷かれているのが特徴的。トリックや犯人が誰かというよりも、メリヴェール卿の犯人への仕返しが痛快なストーリーでした。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫)
カーター・ディクスン爬虫類館の殺人 についてのレビュー
No.60: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

スリリングな展開の圧倒的な面白さ

下巻は最初からノンストップのスリリングな展開。未来を見ることができる能力を持つケインと、その力を解明して自分のものにしようとする研究者と追跡のプロ。ケインを守るナヴァ。このナヴァが本当にカッコいい!確率論の話はよくわかりませんが、それを置いておいても圧倒的な面白さで、息詰まるような展開に目が離せませんでした。ある行動の選択が引き起こす次の出来事。そしてその連鎖、未来を見ることができる能力が使えたら、と考えると楽しくもあり、怖くもあります。
数学的にありえない〈上〉 (文春文庫)
アダム・ファウアー数学的にありえない についてのレビュー
No.59: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

結末はどうでもいい作品

犯罪小説に似せた連続見立て殺人を追うカミーユのチーム。途中までは普通の展開。でもそれが逆に、このいかにも何かありそうなタイトルで、またこの作者なのできっと何かあるはずと思わせられ、早く読みたくなるという感じで読みました。そして終盤の第二部が始まって早々??という、たまにミステリーで得られるあの感覚。頭の中で理解できるまで少しかかりましたが、よくできているなぁと感心しました。この仕掛けを見れば、結末は最早どうでもいいんでしょうね。
悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)
ピエール・ルメートル悲しみのイレーヌ についてのレビュー
No.58: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

いつもながら圧巻の推理

国名シリーズ第二弾。読んでいてこれも全て伏線なんだろうなぁと楽しく読み進められます。全編伏線に満ちていて、エラリーの理詰めの推理が冴え渡ります。特に最後の60ページで犯人に対して有無を言わさず、論理的に迫っていくこの迫力は圧巻の一言!古典と言われながらも、現在の数多くの作家をも凌ぐ実力であることを痛感。ただこの作品で唯一、残念なのは犯人のインパクトが薄いこと。それ以外は満点の出来に感じました。
フランス白粉の謎【新訳版】 (創元推理文庫)
エラリー・クイーンフランス白粉の謎 についてのレビュー
No.57:
(8pt)

音と人間に溢れたストーリー

昭和から平成に変わる時代。ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツを舞台にした物語を読むのは初めてですごく新鮮でした。全編にわたって音楽をキーにしていて、ストーリーは、単身東ドイツにピアノ留学にやってきた主人公と、そこで出会う友人との交流を中心に、秘密警察に監視されながらも希望を見出すため西への脱出あるいは革命を起こそうと試みる人、一方で退廃的な時代の中、音楽をこよなく愛する人たちという絶妙なバランスが印象的でした。ラストはなんとも余韻の残る終わり方。音と人間に溢れた上質な歴史ストーリーを読んだ気になりました。
革命前夜
須賀しのぶ革命前夜 についてのレビュー
No.56: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

シンプルながらも納得感の高い本格ミステリー

自宅の窓から、向かいの家の部屋で殺人が行われるのを目撃したイヴとその前夫。いろいろな経緯により、犯人に疑われることになったイヴ。怪奇的な要素もなく、また謎の魅力はカーにしては乏しいものの、事件解決に至る道筋はまさに正統派本格ミステリー。カギを握るのは被害者の側で粉々に壊されていた鍵タバコ入れ。犯人とそこに至る推理を聞けば至ってシンプルながらも納得感も高く、さすがカーと言われるできの良作に思いました。
皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)
No.55: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

あり得ないほどハズレなしの作家

大好きな柚月さんの作品。タイトルが面白くてどんな内容か全く知らないまま購入。あらすじを知らなくても、この人の作品というだけで買わされてしまう作家ってやっぱりすごい。あらゆるトラブルを解決する上水流事務所。詐欺や野球賭博、賭け将棋などで騙されたので助けて欲しいという依頼に対し、涼子とその助手の貴山が解決していく短編集。話のテンポもよく、また解決も実に鮮やか!読んでいてとにかくスカッとします。こういう本は、昔の必殺仕事人的な感じで、気軽に安心して読めます。また、貴山がクールでカッコいい。IQ140ってとにかく羨ましい。柚月作品にハズレなし!今回もその通りでした。
合理的にあり得ない 上水流涼子の解明 (講談社文庫)
No.54:
(8pt)

謎解きの楽しさが詰まった一冊

最終巻でも面白さは、いい意味で変わらず。謎を解くのがパズルのようで、黒幕の意外性、家族にまつわる謎、そして最後のエピローグと、最後の最後まで、飽きずに読むことができました。もっとキリスト教の歴史や基礎知識があればもっと楽しめたのでしょうが、知らなくても楽しめる本書のバランスは抜群のでき!最後のエピローグの場所は、昔行った場所ですが、実際にもう一度行きたくなりました。
ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)
ダン・ブラウンダ・ヴィンチ・コード についてのレビュー
No.53: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

名作ミステリーの実力を見た一冊

面白くて夢中で読みました!殺人の時刻に一緒に過ごしていた女性。自らのアリバイを証明してくれるはずなのに、何故か誰も見ていない。でも自分の記憶では一緒に過ごしていた記憶が。謎の掴みはバッチリ。この謎を作者はどうまとめるのか?ワクワクして読みました!訳も上手くすっごく引き込まれ、もう途中からはこの本の結末も知らないうちに、この作家の他の作品も読みたくなるほど。そしてこの犯人!凄い伏線の張り方です。さすが名作ミステリーと言われる実力の書でした。
幻の女〔新訳版〕
ウィリアム・アイリッシュ幻の女 についてのレビュー
No.52: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

多くの人に読んでもらいたい名作

クイーンの名作、耳の聞こえない元舞台俳優ドルリーレーンものの一作目、面白くて昔夢中になって読んだのを覚えてますが、内容は例によってすっかり忘れていますので、新作のように楽しめました。連続殺人事件ですが、一つ目の殺人から、レーンは犯人に当たりをつけつつも、第二、第三の犯行が。この辺りはわかっているなら早よ捕まえろよ、とツッコミたくなるところ。でも、最終幕のレーンが種明かしする『舞台裏』を読めばそれも納得。そこでの犯人に迫っていく論理は、全ての伏線が見事に回収される圧巻の推理。なぜ気づかなかったんだろうと自分で情けなくなるほど。『メインテーマは殺人』が本格ものと言われていて確かに面白いのですが、クイーンはそれ以上のものを連発している作家だということを改めて再認識させられた名作でした
Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)
エラリー・クイーンXの悲劇 についてのレビュー
No.51: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

よく練られた購入

おそらくミステリーを読む人なら誰でも知っている有名助手のワトソン。そのワトソン力って何?と思って購入。主人公が誘拐され、監禁されている場面から始まるストーリー。誰が監禁したのか?過去に自分が関わった事件から探ります。その事件が短編ストーリー。そこでは、事件の関係者たちが、これでもかとばかり推理をしまくり、いろいろな説を披露。それがなかなか面白い。一つの事件からこんないろんな考えがあるんだと感心。そして、最後に主人公が、誰が監禁したのかを推理。なかなかよく考えられた構成に思いました。また、最後の終わり方もgood!続編への期待も高まりました。
ワトソン力
大山誠一郎ワトソン力 についてのレビュー
No.50: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魅力的なヤクザたち

極道の話はあまり好きではないのに、柚木さんのこのシリーズは別格!今回は仁義に篤いヤクザから、料理のうまいヤクザと、沢山の魅力あるヤクザが登場。おかしな話ですけど、それが皆、妙に礼義正しい!そして前回同様、小料理屋志乃の料理も思わず食べたくなり、蛸飯が食べたいっ!と強く思います。こんな魅力的な設定がストーリーに色を添えていて、最後まで面白く読みました。いよいよ決断した日岡、次作が本当に楽しみです!
凶犬の眼
柚月裕子凶犬の眼 についてのレビュー
No.49: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

心に沁みる温かいストーリー

目の見えない中、一人で住むミチル。そんな中、殺人容疑で追われるカズヒロが家の中に侵入。ミチルはなんとなく存在に気づきながらも怖くて言い出せず、お互いに息を潜めて数日過ごすというストーリー。両方の立場から交互に語られるところが、それぞれの相手に対する気持ちがよく分かり、面白かったです。ミチルは自分のことを『世界という名前のシチューの中で溶けずに残った固形スープ』と表現する程孤独な人間。目が見えないって想像以上に孤独なんだと思いました。ストーリーは予想外の展開。温かく心に沁みる話でした。
暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)
乙一暗いところで待ち合わせ についてのレビュー
No.48: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

執念と感動と!

おもたい話なのに、先がどうなるか知りたくて、ついつい読んでしまう話でした。幼児殺害事件で逮捕した犯人が、実は冤罪であることを知りながら、定年退職をした刑事。四国巡礼の旅に出ている最中、奇しくもまた幼児殺害事件が。終盤は、警察上層部の意向で、過去に見過ごしにした真犯人を、自らが非難されることになるにもかかわらず、捕まえようとする姿に熱くなります。終盤は刑事と共に早く犯人逮捕の瞬間が見たくて一気に読み進められます。この辺りの筆力はさすが柚月さん。最後は夫婦の絆、家族の絆に感動させられ、犯人などどうでもよくなる展開。本当に感動しました。
慈雨 (集英社文庫)
柚月裕子慈雨 についてのレビュー
No.47:
(8pt)

テンポよく痛快なストーリー

テーマは報道の自由といったところ。報道の怖さと大切さを知らしめるために、戦時中の話まで遡るとは。さすかです。これまでうっすらとしか知らなかった戦時の報道規制。国民に真実が知らされないまま、敗戦へと突き進んだ当時の様子がなんとなく分かりました。ストーリーの終盤は相変わらずテンポもよくて痛快。読ませます。そしてラストの手紙ではちょっと切なくて感動。
天上の葦 上 (角川文庫)
太田愛天上の葦 についてのレビュー
No.46:
(8pt)

相手を想う気持ちが集まった短編集

若い人に人気があると言われる乙一作品。表面的には辛い話が多いのですが、実は相手を想う気持ちが強いストーリーが多い短編集。良かったのは『手を握る泥棒の物語』これはいいっ!後に残る余韻が清々しく、これを読むだけでも、この短編集を読む価値があると思いました!それに続く『しあわせは子猫の形』も、なんとも言えない綺麗な話で、最後はちょっと切なくて寂しい気持ちになりますが、心に残る温かい作品。そんないい話が続くのは『パンツくん』かぁ。ちょっとした著者のアソビですね。どの作品も楽しめました!
失はれる物語 (角川文庫)
乙一失はれる物語 についてのレビュー
No.45: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

何でもありのスリリングな展開

中盤からは緊迫した展開の連続。誘拐犯との交渉あり、人質の脱出劇あり、裏切りありとなんでもありの展開。人質が一人また一人と解放される度ごとに緊張感が高まっていく展開がスリリングです。ラスト100ページほど残しながら、人質事件は解決し、一件落着に見えますが、残りページから考えてそんな訳もなく。ここからがこの著者の本領発揮!一気読み必然の更にスリリングな展開でした。最後の展開はやや疑問を感じましたが、面白かったです。
静寂の叫び〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジェフリー・ディーヴァー静寂の叫び についてのレビュー
No.44: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

最後はスッキリ

バラバラにされた死者が蘇って復讐をするという謎が。これは何かのトリックなのか、それとも伝説通りの出来事なのか?興味深く読めました。また、どうやって一人の人間をセメントで覆われている地面に一瞬で埋めることができるのか、についてもスッキリ解明!出てきた人たちも皆魅力的でしたが、最後に残された育子がかわいそうに感じました。龍臥亭事件も良かったけど、こちらも負けずに良かったです。
龍臥亭幻想(上) (光文社文庫)
島田荘司龍臥亭幻想 についてのレビュー
No.43: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

シンプルかつコンパクトな本格ミステリー

最近ミステリーを読んでいて、ページ数が多く、結構内容が凝っていて、難しいなぁと思っていましたが、こちらはいろんなことを詰め込むのではなく、シンプルかつ合理的にコンパクトにまとめ切った本格ミステリー。クイーン後期の作品。クイーンは確かに短編も面白いとは思いますが、圧倒的に長編が好き。なんといっても長編はエラリーとリチャードの親子クイーンが活躍!父親の愛人を殺したのは誰か?まず父親に容疑かかけられ、次に母親に、そして最後に自分である息子に。エラリーが出した結論とは。最後のひっくり返し方は意外。でもこれはあり?と思わせられました。
三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)
エラリー・クイーン三角形の第四辺 についてのレビュー
No.42: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

原点はここにあり!

ホームズといえば、ワトスン、レストレードという印象でしたが。アイリーンアドラーなど、魅力的なキャラが多数登場!読み直して今更気づきました!また、19世紀のロンドンを舞台とした格調高い雰囲気が素晴らしく、大好きです。内容はほとんど忘れていましたが、読んでいくと多分こうなるのかなあと推測できます。それもそのはず、結構今使われているトリックが多数。原点はここにあり!といったところ。赤毛連盟はルパンチック、ボヘミア王は女性などの人間の心理を使ったものとして今や定番、花婿失踪は叙述トリックなどなど。やはり素晴らしい
シャーロック・ホームズの冒険―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)