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りーり さんのレビュー一覧

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レビュー数163

全163件 121~140 7/9ページ

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No.43:
(8pt)

凶器は蜂!?


 宗教法人「ギヤマンの鐘」の捜査を進める警視庁刑事部。 激しい交戦が続く中、捜査管理官が凶弾に倒れてしまう。 捜査一課が浮足立ち、色めきだった雰囲気が広がるも総務部の生き物係は蚊帳の外。 そんな中スズメバチを使った事件が相次ぎ捜査にあたる生き物係、蜂を扱う犯人の狙いは? 教団との関連性は?

総務部動植物管理係シリーズの2作目。 スズメバチを扱う犯人と怪しげな教団に総務部のコンビが立ちはだかります。
もう薄圭子ちゃんと須藤警部の仲が可愛すぎて面白すぎる!! 壮大な謀略と意外な犯人、薄圭子ちゃんの長所を生かした推理と見所多しです。 ★は8つ。

蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)
No.42: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

シンクロニシティ の感想

 
 法医昆虫学捜査官の二作目。 都内の倉庫に遺棄された死体、残された植物の種子と昆虫の痕跡から殺しの現場を突き詰めていく・・

昆虫学捜査をメインにしながらも、医療問題や地方問題を交え一筋縄ではいかない内容になっています。 今作はどちらかというと警察側を主人公格として描き、その他の人物も含め一話できっちり事件の一幕による成長物語を書ききっています。 それでも要所は昆虫と赤堀さんの活躍が光ります。 やっぱりいい性格してるわ赤堀さん!!★は8つ!!
シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
No.41:
(7pt)

 まだ遊べる!!

 
 八王子七色面妖館――
 東京都の西に位置するこの館で密室連続殺人が・・・、犯人の使ったトリックは?面妖館の正体は? そしてこの作品の書かれた理由は?

 もうバカミスであることを隠す気はないようです。 過去作より課せられたハードルは大きいですが、結構な無茶苦茶をして飛び越えていきました。 相変わらずストーリーは明確な意味を持っていますね、トリックがぶっ飛んでますけど。 ★は7つ!!
 

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八王子七色面妖館密室不可能殺人 (講談社ノベルス)
No.40:
(7pt)

秋期限定栗きんとん事件の感想


 <小市民>シリーズの3作目。 前回は一夏の苦い事件が描かれたけれど今作は秋冬春夏と季節を一周、時間的に大きく進んでゆく一方でなんと例の二人に恋人が!! <小市民>らしい高校生活を送っていたはずなのに巷で起こる連続放火事件に狼の影がチラつき、狐は首を突っ込んでしまう・・・。

 青春物語としてはシリーズでもっとも面白く、おそらく区切りを迎えるであろう次作への下地も整った感じです。 時折見えるユーモラスさも冴えてて青春ミステリとしては申し分ない一方で放火事件の謎が平易過ぎな気も・・・。 
自分も栗きんとんはお節のしか良く知らないです。冬の食べ物じゃんって思ったもの、★は7つ!! 
秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)
米澤穂信秋期限定栗きんとん事件 についてのレビュー
No.39:
(7pt)

獄門島の感想

 いつだったか映画かドラマは見た気がするのだが「犬神家」や「八つ墓村」程覚えていない。 何故だろうホラー的なインパクトが足りなかったからだろうか。 というわけで遅まきながら小説を手に取ってみた。 

 終戦の余燻が残る昭和中期、恐ろしい遺言を受けてしまった探偵金田一は単身獄門島なる海に浮かぶ集落に乗り込む。 狂気的に飾られた死体が出現し、斯くして孤島での殺人事件の幕が上がった・・・。

 やはり金田一の人間味感じるキャラクターに尽きます。 トリックも中々に多様ですし、書かれた時代がそのまま昭和時代なので設定も抜かりなしです。 ★は7つ
 



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獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
横溝正史獄門島 についてのレビュー
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(7pt)

私の嫌いな探偵の感想

 烏賊川市シリーズの7作品目にあたる短編集作品。 タイトルは朱美さんの心証だろうか、今作は助手役として戸村君より朱美さんが強調されています。つまり私好みです。
 トリックとしては今まで以上に論理よりも大胆さが目立つ出来になっているでしょうか、神社の話と204号室の話は特にそれが顕著だと感じます。 短編集なので精巧なロジックよりかは読者を驚かせるマジックのようなストーリーを狙って、推理小説よりかはキャラクターの掛け合いを楽しむライトミステリのような作品に仕上がっています。
 シリーズも大分円熟してきて探偵トリオの掛け合いがとても楽しい。大きな展開はないが息抜きに楽しく読める短編集になっております。

私の嫌いな探偵 (光文社文庫)
東川篤哉私の嫌いな探偵 についてのレビュー
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(7pt)

向日葵の咲かない夏の感想

 
陰湿な雰囲気と暗いストーリーで賛否が分かれながらもベストセラーとなった本作。 ミステリーと呼べるのかは人それぞれであろうが伏線の回収の素晴らしさはまさに一流のそれである。
 
読んだのは大分昔ですけど、やはり道尾秀介は素晴らしい。 時々読みたくなる独特な魅力を感じる。 ★は7つ

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
道尾秀介向日葵の咲かない夏 についてのレビュー
No.36:
(7pt)

奇面館の殺人の感想

 
 雪の山荘、招かれざる客、9作目にして王道に回帰したのかと思いきや、外れない仮面という面妖な設定が光る。

不可思議な舞台、大胆な犯行、既存のミステリのセオリーを裏切るトリック。 いや~見事に騙されました。 ラストに明かされる細やかな遊びも嫌いじゃないです。 前半部分の事件が起こるまでが結構長いのが瑕、★は7つ!!

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奇面館の殺人(上) (講談社文庫)
綾辻行人奇面館の殺人 についてのレビュー
No.35: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

不連続殺人事件の感想

 昭和も中頃、有数の名家歌川邸に集うは招かれた客、招かれざる客、使用人や医者等20数名。 各々の感情が渦巻く中、死体が一つ二つ・・・、事件解決は停滞を辿り一連の殺人は混沌を極めてゆく。 これは連続殺人なのか?犯人の狙いは?そして犯人が残してしまったミスとは・・?

 平成が終わりを告げる前には読んでおきたかった作品。 時代が時代なので飲み込みにくい文化性、晦渋な文章が目立ちます。 そして登場人物の多さがさらにハードルを上げています。 そこは想像力を逞しくしつつ、情報を取捨しながら読んでいただきたいですが、まぁ手軽に読める作品ではありません。 乗り越えた後の真実は格別、とくに犯人が残したミスの部分は感嘆致しました。

 複雑な様相を成した物語でありながらトリック・真相は簡潔で魅力的。 ★は7つ!!


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不連続殺人事件
坂口安吾不連続殺人事件 についてのレビュー
No.34: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

そして誰かいなくなったの感想

 
 クルーザーにて海の旅を楽しむ男女7人。 某小説をなぞった犯罪予告が行われ事態は急変、悪戯だと高を括るも翌日一人が死体となって発見される。 そして意味ありげな7つの置物が6つに減っていた・・・・。

 アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」のオマージュ。 原典と一文字違いなだけあってかなり設定は近しいです。 と言うのも今作の事件自体が「原典」を見立てたものとなっています。  原典について既知なのを前提としてそこから裏切るような作りですがむしろクリスティーを知らない人に読ませたいと思いました。 

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そして誰かいなくなった (徳間文庫)
夏樹静子そして誰かいなくなった についてのレビュー
No.33: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

かつて誰かが生きてた家

 幼少期の記憶を一切失っている沙也加は父の遺品から謎の地図と鍵を見つける。 
父が秘密裏に通っていたその場所に行けば自身の記憶が取り戻せる―――沙也加の元恋人である「私」は彼女と二人その家に足を踏み入れた・・・。

 流石東野圭吾と言いたくなるようなきっちりした構成です。 登場人物二人、舞台はむかし家だった場所、それ以外に範囲を広げることなく過去の事実を基に謎解きをしてゆきます。 無駄な展開がほぼ無く、異様な真実がいつ明かされるのだと読んでいて緊張感がすごかったです。 

 傑作とは呼べませんが特異な雰囲気には一読の価値あり。★は7つ!!


 

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むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)
東野圭吾むかし僕が死んだ家 についてのレビュー
No.32:
(7pt)

孤島パズルの感想

 タイトル通り孤島を舞台としたミステリー

やっぱり王道には王道たる所以あり、孤島のクローズドサークルって面白いです。 雪の山荘と違って暗澹としてなくて、海と太陽が清々しい。 本作はそんなムードに殺人事件の暗雲が垂れ込める話です。
 読者への挑戦、作者有栖川有栖ということで事件の凄惨な状況は最低限に止め、事件への手がかりの部分が分かりやすく子細に述べられます。 大学生の一夏の物語であると同時に作者が読者へ宛てた推理小説。登場人物を自然に動かしつつ読者に伏線を張り、孤島の活かし方も楽しいです。

 落ち着いた雰囲気で誰にでもおすすめですね!!

孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
有栖川有栖孤島パズル についてのレビュー
No.31: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

30頁でここまで魅せてくれるとは

 
 J・ディーヴァーの短編集。 16作品収録でページ数だけ見れば長編小説級。

 短編小説を真っ向から感情移入して読む人はいないでしょう。 どれだけドラマティックな結末を用意しても登場人物に思い入れようが無いのだから仕方ない。  ならばひたすらにエンターテイメント性、読者を驚かし裏切ることに傾倒してゆこう。 ただ短い話ではないです、予め短編とはどうあるべきかを作者なりに捉え定義して作られています。 本作はそんな短編集です。
 
 私は本作を一種のパズルクイズのように考え、直感的に誰が悪意を持っているのか答えるように読んでいきました。 当たれば喜び、外れれば驚く、そこには至極単純な感情しか湧き上がっていないのですが面白いのだから何の問題もないです。 大きな展開の起伏と複雑な感情が欲しいのなら大人しく長編を読めばいいのですよ。  
短編に求められてるものを見極め書かれた本書は「クリスマスプレゼント」程の一大イベントではないが大きなサプライズになりました。

 

クリスマス・プレゼント (文春文庫)
No.30:
(7pt)

幽霊の 正体見たり ……

 
 1988年に死んだはずの少女が1992年の写真に写りこんでいたら? 幽霊?いや、それとも―――

 写真の中の「幽霊?」を推理する異色作。 当時を知る三人による推理合戦のように作品は進んでいきます。 現在軸は2010年となっており事件自体は風化していて陰惨な雰囲気はほとんどないです。 推理する側は盃を交えつつですし、過去の描写も明るくてユーモラスミステリーに近いような軽快さが感じられます。 
 推理合戦だけあって情報の整理がしやすいですし、250頁の軽めのボリューム。 あっと言う間に読み終えてラストの写真の秘密にも満足です。 ★は7つ

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幻視時代 (中公文庫)
西澤保彦幻視時代 についてのレビュー
No.29: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ものすごく考えたい人向け

 
 ある殺人で無期懲役の判決を受け服役中の男がいた、主人公のライターはその男から自身の無実を証明してくれと頼まれる。 悩みそして怒る主人公・・・なぜならその男が殺したのは主人公の婚約者なのだから・・・。
事件は冤罪だったのか、新たに起こる犯罪は何を意味するのか、登場人物を複雑に書き分け真相に迫っていく。

ミステリとして極めて複雑だったと思います。 折原さんの作品でもトップレベルで登場人物多いんじゃないかな。 本シリーズ特色として実際の事件がモデルとして背景にあります。 冤罪、警察の応対、加害者の人権、そして遺族の憤慨、モデルとなった事件は存じなかったのですがどのような事件だったのか想像がつくようです。 でも社会派小説では全くないです。 社会制度について思案するのも悪くないですが作者は手加減なしで騙してくるのでご注意です。 ★は7つ!!

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冤罪者 (文春文庫)
折原一冤罪者 についてのレビュー
No.28: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

○○○○○○○○殺人事件の感想


タイトル当てです。 読者への挑戦です。 メフィスト賞です。

多くを語っても仕方ない、読んで然るべし。 ★は8つ。




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○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)
早坂吝○○○○○○○○殺人事件 についてのレビュー
No.27:
(8pt)

もう長編映画

 
 郊外の館に広がる非現実的な光景から俗世間で巻き起こる殺人事件、謎の組織、そして海外までも事件に内包されながら全てが風呂敷に収まっています。 ミステリーであると同時にサスペンスフルな映画を観ているようです。

 ミステリは展開を推理する、先読みしていくのが勿論一つの楽しみでありますが、今作はそんなことしていられませんでした。 章によって主人公が替わり、常に危険に満ちていて、気付いた時には解決編です。 ラストの解決も素晴らしいですがそこに至るまでの疾走感たるや、閉鎖的で荘厳なミステリでは中々味わえないでしょう。 ★は8つです。
マリオネットの罠 (文春文庫)
赤川次郎マリオネットの罠 についてのレビュー
No.26: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

素晴らしい決着


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新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)
我孫子武丸殺戮にいたる病 についてのレビュー
No.25: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

突拍子のない推理合戦だ!

 4年前の事件の真相を―― 思い当たる節がなく連続殺人鬼に襲われ、運良く助かった梢絵は<恋謎会>なる組織に自身の狙われた理由の解明を依頼します。 突拍子のない推理合戦の中、各人が持ち寄ったヒントを結び付け真相に辿り着くものは・・・・。

 自分も一員として推理合戦するぞ!という意気込みで読み始めた本作。 各々の推理はあまりに奇天烈、犯人はおそらく既に死亡しているのを良いことに想像力合戦が始まります。 しかし見落とせないのはいくつかの偶然では片付けられない被害者たちの繋がり、どうやら単なる無差別殺人ではないようです。 突拍子のない推理には自信があったけど登場人物がそれを上回ってきたのでびっくり、真相が明かされたときこの作品が読者も交えての推理合戦なんかじゃないことに気付かされました。

 大きな裏切りを以て終局に入るのですが、真相に対しての説明が多いです。 ★は7つ

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聯愁殺: 新装版 (中公文庫, に18-9)
西澤保彦聯愁殺 についてのレビュー
No.24: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

いまさら翼といわれてもの感想

 
 古典部シリーズの短編集。 これまでの作品では主人公折木は巻き込まれる形で事件を解決するに至ってきましたが、今作ではどこが自発的な思考が垣間見れます。 古典部を経て何かが変わってきたでしょうか。 その他部員面々の過去、未来に関わるストーリーが織り交ぜてあり、短編ながらシリーズに大きく響く一冊となっています。

 シリーズをここまで読み進めてきた方ならミステリーとしては勿論、青春小説としてキャラクターを楽しむことに重きを置いているでしょう。 シリーズファンなら間違いなく読むべき作品になってますね。
いまさら翼といわれても (角川文庫)
米澤穂信いまさら翼といわれても についてのレビュー