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りーり さんのレビュー一覧

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レビュー数163

全163件 41~60 3/9ページ

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No.123: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

叫びたくなる


 本庁キャリアの捜査一課長として世間を賑わす幼女連続誘拐事件に挑む佐伯。 事件解決への糸口は遠く世間に走る動揺、そして警察内に蟠る焦燥。  事件の停滞は確実に佐伯を追い込んでいく、冷徹ながら慧眼を持ち合わせた佐伯課長の行末は・・・。
 事件を仕掛ける松本なる人物。 男はある願いをかなえるために新興宗教に落ちてゆく、願いへの渇望はやがて実現への道を切り開くがそれは余りにも狂気的で・・・。 
 


二つのパートで構成され時間と共に奈落に落ちてゆくような、タイトルの「慟哭」へひたすら向かって行くようなストーリー展開。 二つの物語の驚愕の結末、代表作であり衝撃のデビュー作だ。
 
慟哭 (創元推理文庫)
貫井徳郎慟哭 についてのレビュー
No.122: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ナキメサマの感想

 舞台は北海道・稲守村。 かつての恋人を探しに彼女の故郷を訪れた倉坂尚人はそこで驚愕の光景を目撃する。 村を徘徊する白無垢の異形、人間業とは思えない死体、23年来の巫女の儀式、この村ではいったい何が祀られているのか・・・。 皆皆が口を閉ざす<ナキメサマ>の正体とは・・・。

 いい具合にホラーとミステリーが混合されている。 次作も決定している期待の作者の登場でした。 

 

▼以下、ネタバレ感想
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ナキメサマ (角川ホラー文庫)
阿泉来堂ナキメサマ についてのレビュー
No.121:
(7pt)

お隣さんが殺し屋さんの感想

 
 引っ越し先のお隣さんは殺し屋!?
進学を機に田舎から上京した美菜のお隣さんは高身長の雄也さん。 あわただしい学園生活の中、殺し屋の手は確実に学園内のターゲットに迫っていく・・・。 「神様の裏の顔」の著者が放つユーモラスミステリ!!

とぼけた女子学生とそのお隣さんが交互に織りなすテンポのいいユーモア、そしてその裏で確実に進行する作者の大仕掛け。  帯文通り302ページから始まりまっせ。
お隣さんが殺し屋さん (角川文庫)
藤崎翔お隣さんが殺し屋さん についてのレビュー

No.120:

螢 (幻冬舎文庫)

麻耶雄嵩

No.120:
(7pt)

綺麗な麻耶雄嵩 


 かつて演奏家6人を惨殺し謎の言葉を残し人生を終えた作曲家:加賀蛍司。 10年後、惨劇の痕の残る屋敷に肝試しに来た大学のサークルメンバー達。 世間を賑わす殺人鬼「ジョージ」。 雨の山荘での殺人から何かが始まる・・・。

 トリック自体は真新しさはないのだけれど使い方が非常に上手かったですね。 登場人物のまともさ、がっつり王道な館クローズドサークルものなのは麻耶雄嵩っぽくないなと思ったけれども最後の最後にやってくれます。 

▼以下、ネタバレ感想
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螢 (幻冬舎文庫)
麻耶雄嵩 についてのレビュー
No.119:
(7pt)

玩具修理者/酔歩する男の感想


ホラー小説大賞短編部門を受賞した「玩具修理者」と独特の視点からタイムトラベラーを描いたSF「酔歩する男」の二編。

・玩具修理者
ある夏、喫茶店にて、男女の会話は幼いころに出遭った「玩具修理者」の思い出に移る。 なんでも直してくれるという事で近所で評判だったその人物にあの夏転落死してしまった弟を預けたというのだが・・・。
 
・酔歩する男
飲み屋で出会った男は、大学の同窓生であり、昔は親友であり、今は無関係だという。 私は目の前の男に何の覚えもない。 それでいて相手は私のことをよく知っている。 大学時代の過去の話とその顛末を聞くうちに私の意識は揺らぎ始める・・・。
 
独特なSFじみた非現実的設定と小林氏のどろっとした描写で狂気的なホラーとして仕上がっている。 特に酔歩する男での時間遡行の斬新な捉え方には感嘆。
玩具修理者 (角川ホラー文庫)
小林泰三玩具修理者/酔歩する男 についてのレビュー
No.118:
(8pt)

この世があまりにカラフルだから

 目が覚めると僕は小林真だった。 
前世で大きな罪を犯した僕は自殺した冴えない中学生・小林真に乗り移り甦りの修行を行う。 他人の器で過ごしながらも次第に小林真という人生に戸惑い、怒り、そして楽しさを見出していく僕。 前世の罪に気付き人生を取り戻せるのか・・・。
 
 自殺してしまうような境遇の中学生を追体験し、青年特有の悩みを客観的に描いている。 いじめだとか絶望だとかはっきりとした言葉では表せない、誰にも相談出来ない自分でも分からないグレーな感情が他人である僕によってカラフルに変わっていく。 そして自分自身の犯した罪に向き合い、僕が前世で起こした罪を告白する、、 
 重たいテーマに対して、軽い掛け合い間延びしない展開、シャープな結末。 
 
カラフル (文春文庫)
森絵都カラフル についてのレビュー
No.117: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

神様の裏の顔の感想

神様の様に皆に慕われた坪井先生の葬儀には親族は勿論、教え子や元同僚、近所の人からアパートの店子までたくさんの人が集い涙を流していた。 ご焼香から通夜ぶるまいと進行していく葬儀の中、先生との思い出を回想していくと何か引っかかる点が・・・。 集まっていく先生への疑念の数々に裏の顔は犯罪者だったのではと話が持ち上がる。

 葬儀に集まった複数人の視点で描かれ、どのキャラも個性的に仕上がっている。 そして元お笑い芸人だけあって小気味よいユーモアセンスも光る。 最後の展開もさすが受賞作といえる出来。

神様の裏の顔 (角川文庫)
藤崎翔神様の裏の顔 についてのレビュー
No.116: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

0の殺人の感想


 物語冒頭に入る作者からの挑戦。 幕間に入る殺人者の独白。 あなたは4人の容疑者から真実を見抜けるか。

デビュー作から続きまして速水兄妹シリーズの2作目。 読者への挑戦ものだが一筋縄ではいかない感じがにじみ出ている。 200Pほどの短めの構成、分かりやすい章立て、幕間の遊び心、兄妹ならではの軽い掛け合いで非常に読みやすい作品になっている。 初心者におススメも納得の整った作品である。 ★は7つ。
0の殺人 (講談社文庫)
我孫子武丸0の殺人 についてのレビュー
No.115:
(7pt)

ししりばの家の感想


さああああああああああああああ

 頭を流れる砂の感覚、幽霊屋敷と呼ばれた邸宅には何が潜んでいたのか、、、小学生時代、琴子たちが出遭った「ししりば」なる怪異は今も尚その屋敷で、、、
 琴子の霊能者への始まりの物語。 まぎれもなくホラーとして書かれているのだけれど所々にドキッとするような仕掛けが見える。 シリーズ通して4文字の怪異が登場するわけだがどれも設定が非常に面白い。 ただ存在するのではなく何故、何の為に存在するのがあり、当然対処法もそこから見えてくる。 その部分は推理するために提供されているわけではないのだが物語の重要な謎として私たちの前に立ちはだかるのだ。
 そして解説の三津田氏のコメントも必見。
ししりばの家 (角川ホラー文庫)
澤村伊智ししりばの家 についてのレビュー
No.114: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ずうのめ人形の感想


 あるライターの死、傍らにあった原稿、それを読んだものもまた死に至り、読んだものだけ見える人形、迫る人形、残された時間は4日。

原稿に書かれた「ずうのめ人形」なる都市伝説を巡り、新人ライターの藤間と前作で結ばれた野﨑と真琴が奮闘していく。 物語の大部分が「ずうのめ人形」の書かれた過去の時間軸とそれを読み対策を練る現在の時間軸を交互に展開するという手法を取り、幕間的に挟まる謎の記述など随所にミステリ的な技巧が見て取れる。 呪いの源を叩くために人を殺すまでに膨張した悪意の出どころを探す彼ら、それは殺人事件の捜査のような論理性は無いにしろ一種の謎解きであることに変わりはない。 そして少なくとも読者に対しては数多の伏線が見え隠れしている。 終盤の展開に驚かされ途中に挟まった意味深な記述の意味を知る時の歓びはミステリそのもの、前作の「ぼぎわん」からホラー色を一切薄めることなくミステリ調の作品に昇華された一作。
ずうのめ人形 (角川ホラー文庫)
澤村伊智ずうのめ人形 についてのレビュー
No.113: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

人は信じたいものを信じる


 片目と片足と引き換えに妖たちの「知恵の神」となった岩永琴子、妖の肉を食らい異能力を身に着けた桜川九朗、人ならざる者通し共に行動する彼らと巷を騒がす死んだアイドルの都市伝説「鋼人七瀬」。 都市伝説を駆逐するために曖昧な伝説に合理的な虚構をぶつけろ!

  本作の主眼はおおよそ都市伝説として人の心に根付いてしまったアイドルの亡霊を滅ぼすために人々に合理的で納得のいく虚構を与えるというものだ。 人は信じたいものを信じる、魅力的な嘘を吐くには真実を追い求めるに等しいぐらい事件に対して齟齬なく挑まなくてはならない。  真実を暴くのと秀逸な偽物語を創るのではベクトルは正反対でも、事件を精査し隠されたストーリーを見つけ出すという点では一致していて、そこに既存のミステリとは違った論理性、整合性が生まれる。 このユニークな特殊設定ミステリを漫画経験が生きた可愛く魅力的なキャラクターで描いている、変な作品好きなので割と普通にミステリとして読んでましたね。 アニメの出来も上々、★は7つ。
虚構推理 (講談社タイガ)
城平京虚構推理 鋼人七瀬 についてのレビュー
No.112: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

来る

 第22回ホラー小説大賞を受賞し、「来る」というタイトルで映画化もされた本作。 澤村氏のデビュー作であり比嘉姉妹シリーズの一作目だ。 「ぼぎわん」と呼ばれる怪異から逃れようとする家族と霊媒師を描く、このぼぎわんという化け物は作者の創作であるのだが非常に設定や伝承が練られている本作の肝となっている。 そしてなにより恐ろしく強い、物語はぼぎわんからの逃行というホラーの側面と同時に何故この尋常じゃない化け物が呼ばれたのかという謎に直面する。
 割合で言うとホラー色の強い作品で少なくとも本格推理小説ではない。 しかし各章で語り手が替わり、伏せられた真実が明るみなっていく様や意外な登場人物が伏線を担っていたりと随所でミステリの一面を覗かせる。 三津田信三や京極夏彦に続く新たなホラー×ミステリの旗手の誕生として今後も気になるシリーズだ。
ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)
澤村伊智ぼぎわんが、来る についてのレビュー
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(8pt)

火の粉の感想

 裁判官の梶間勲は証拠不十分として死刑も視野に入る殺人容疑者に無罪判決を下す。 己の正義の下で揺るぎない判断をしたと自負する彼だったが二年後無罪を言い渡した男が隣家に越してきた。 じわじわと勲の周辺で何者かの悪意が迫る、、、安全圏から事件を判断してきた彼に降りかかる火の粉は如何に・・・。

 舞台は梶間家、勲の両親と息子夫婦の三世帯家族の隣家に元容疑者武内真伍が越してくるところから始まる。 善良な隣人なのか或いは殺人鬼なのか武内氏の正体を追っていく形で物語は進行していく、600ページ弱の分量ながら24に及ぶ細かい章立て息つかせない展開の連続は流石は高評価作品。

▼以下、ネタバレ感想
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火の粉 (幻冬舎文庫)
雫井脩介火の粉 についてのレビュー
No.110:
(7pt)

名探偵に薔薇をの感想


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名探偵に薔薇を (創元推理文庫)
城平京名探偵に薔薇を についてのレビュー
No.109:
(7pt)

空魚 対決の秋

 
 季節は秋。 裏世界探険にも快適さを求めるようになった二人は移動用に農耕機械を買ったり、お弁当を持ち込んでみたり。 しかし、裏世界からの脅威は確実に二人に接近していて・・・。 空魚と鳥子、対決の秋。

裏世界からの確実な攻撃を受ける第三作、二人の関係性が大きく動いていく。。
裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ (ハヤカワ文庫JA)
No.108: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

六人の赤ずきんは今夜食べられるの感想


赤ずきんをモチーフに未知の怪物から六人の少女を守り抜こうとする知略的パニックストーリーと少女の中の裏切り者を推理させるファンタジーミステリーを融合させた本作。 少女たちに割り振られた能力を駆使しての戦いとそれを用いた謎のロジック、その他細かく張られた伏線と疑心暗鬼を誘う展開はライトノベルとれ侮る勿れ。 なにより素晴らしいのが赤ずきん以外にもグリム童話のエッセンスをトリックや物語の演出に入れ込んでいる点で非常に作者の心意気を感じる一品になっている。
六人の赤ずきんは今夜食べられる (ガガガ文庫)
No.107:
(7pt)

「検索してはいけないもの」を探しにいこう。


 ややダウナーで人嫌いの紙越空魚と天真爛漫仁科鳥子の出会いは「検索してはいけないもの」が巣食う<裏側>の世界。 まだぎこちない関係性の二人が挑む怪異探険ファイル。

 怪異探険の命がけのサバイバル奇譚。 というよりかは鳥子ちゃんに振り回される空魚ちゃんの成長を百合百合しく楽しむ物語だと思う。 非現実の怪談の描写はもう少し頑張ってほしいと思う。
裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)
No.106:
(7pt)

赤字沿線大逆転計画

 
 廃線目前「もりやま鉄道」の未来を託されたのは経営のけの字も知らない女アテンダント!? 県庁と銀行に冷ややかな視線を向けられつつも地元第一、お客様目線に立った戦略で窮地を乗り切ってゆく。 しかし立て続けに起こるアクシデントに何者かの悪意を嗅ぎ取って
 ・・? 

赤字沿線大逆転計画!! 経営経験なしの女販売員と県庁から出向してきた左遷野郎がお先真っ暗お荷物沿線の復活に奔走する。 まぁ展開としては良くある企業経営の一点攻勢劇なのだがそこは流石人気作家、ミステリらしく要所要所に不安げな波を立てて読者を惹き込んでくる。 電車の旅はいいものですよ本当に。
ローカル線で行こう! (講談社文庫)
真保裕一ローカル線で行こう! についてのレビュー
No.105:
(7pt)

閻魔堂沙羅の推理奇譚 A+B+Cの殺人の感想


現世でショッピングを楽しんでいた沙羅の前に現れたのは二人の放浪兄妹。 酒に溺れて働かない父親と病床に臥せる母親、窮地に陥った兄妹には何故か殺意の眼が迫っていて・・・。 
 
 今までの安楽椅子裁判官とは打って変わって現世に遊びに来て帰れなくなってしまった沙羅ちゃん。 閻魔堂のデータも使えず自力で情報を集めて推理する。 ABC、事件の鍵が全て集まったとき今回は沙羅ちゃんお友達の為に自ら裁判しますよ!!
閻魔堂沙羅の推理奇譚 A+B+Cの殺人 (講談社タイガ)
No.104:
(7pt)

ブルーローズは眠らないの感想


 

▼以下、ネタバレ感想
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ブルーローズは眠らない (創元推理文庫)
市川憂人ブルーローズは眠らない についてのレビュー