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りーり さんのレビュー一覧

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レビュー数121

全121件 61~80 4/7ページ

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No.61: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

人格転移の殺人の感想


 米国カリフォルニア州、辺鄙なファストフード店に集った面識なしの男女7人。 地震による倒壊で閉じ込められたのは人格を入れ替える地下施設だった! 1人が謎の死を遂げ、残された6人はいつ起こるか分からない人格の交換に慄く。 そこから起こる連続殺人は誰が何の為に行ったのか、ハウダニットとフーダニットが交差する長編SFパズラー。

西澤保彦氏の七回死んだ男に並ぶSFミステリですね。 中盤までは登場人物の多さと人格転移の回数にちょっと驚かされ物語に付いていけるか不安だったのですが、後半にかけては意外にスッキリとした解決編。 他の西澤氏SFに比べて装置の想像がしにくいのが難点か、★は7つ。
人格転移の殺人 (講談社文庫)
西澤保彦人格転移の殺人 についてのレビュー
No.60:
(7pt)

たまらないね


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誰も僕を裁けない (講談社文庫)
早坂吝誰も僕を裁けない についてのレビュー
No.59:
(7pt)

天啓の殺意(散歩する死者)の感想


 ミステリーの問題編と解答編とを別々の作家が描く。 推理作家・柳生照彦から提案された企画は順調に進んでいくかと思われたが提出された問題編は半年前の事件をそのまま告発したものだった。 そして失踪する柳生照彦と殺されてゆく事件関係者。 問題編から犯人は「あの人物」しか成しえないと結論づけられるが・・・。

 1982年出版、中町氏の模倣の殺意と並ぶ快作。 しかし旧題の「散歩する死者」は最後までよく分からなかったなぁ。 時代が時代なら超傑作として脚光を浴びれたであろう作品。 ★7つ。

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天啓の殺意 (創元推理文庫)
中町信天啓の殺意(散歩する死者) についてのレビュー
No.58:
(7pt)

嫌いじゃない

 山奥の村で起きた集団自殺。 唯一の生き残りの少女は自身の生存に死人が関与したと主張する。 神の起した奇蹟か或いは人の為した凶行か、探偵は奇蹟を証明するためにすべての可能性を否定しようとする・・・。

まぁ可能性全てを羅列して全てを否定するのは不可能に近いので、探偵に挑戦する者がもっともらしい推理を披露してそれを探偵が否定する流れを取っている。 なので真相を求めるというよりも最後までもっともらしいことを述べた方が勝ちになる。 屁理屈が好きなら読んでみる価値あり。 
その可能性はすでに考えた (講談社文庫)
井上真偽その可能性はすでに考えた についてのレビュー
No.57: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

メインテーマは殺人の感想

 作家である私「アンソニー・ホロヴィッツ」は紆余曲折を経て元刑事の「ダニエル・ホーソーン」と事件の調査を共にし、その顛末を小説として書き残すことになる。 自らの葬儀を手配したその日に殺害されてしまった老婦人、彼女は自分の死を予見していたのか? 取材を介して判明する被害者の過去。 フェアを追求した超本格。

 作者が主人公の犯人当てミステリ。 読者に誤解のないようにフェアな文体を意識した推理小説。 
メインテーマは殺人 (創元推理文庫)
No.56: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

チェーン・ポイズンの感想

 
 「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美を差し上げます」
無機質で孤独な日々を送ってきたOLはある日不思議な提案を受ける。 1年後に安らかな死を・・・、女は死地への旅支度を始めた。

三人の服毒自殺、何故彼らは絶望的状況から1年を待って自殺を選んだのか。 雑誌記者の原田は三人の自殺の奇妙な関連とその裏にいるであろう黒幕の存在を疑い始める・・・。

自殺へひた走るOLと一連の自殺の真相を追う記者の2人視点のストーリー。 人間の生きる意味と価値とは・・・。
チェーン・ポイズン (講談社文庫)
本多孝好チェーン・ポイズン についてのレビュー
No.55:
(7pt)

弁護側の証人の感想


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弁護側の証人 (集英社文庫)
小泉喜美子弁護側の証人 についてのレビュー
No.54:
(7pt)

リアリズム故の地味


 不況の煽りを受け経営者チャールズの工場は閉鎖寸前、頼みの綱は叔父の財産だったがあえなく断られる。 先の短い一人の老獪と将来のある従業員たちを天秤にかけたチャールズは・・・。

古典中の古典の倒叙ミステリです。 一章にて叔父が殺されます。 当然犯人はチャールズなのですが二章以降のチャールズの計画・行動・心理描写が素晴らしい。 人間の一喜一憂、警察の領分や法廷の様子を丁寧に描いている。 ミステリにありがちな過剰な装飾や目立ちたがりな探偵や警部は登場せず現実に則った警察と容疑者の攻勢が描かれる。 派手さを削いだリアル故の地味、解決に至るまで精緻を究めた一作。 ★は7つ。
クロイドン発12時30分【新訳版】 (創元推理文庫)
F.W.クロフツクロイドン発12時30分 についてのレビュー
No.53:
(7pt)

東京二十三区女の感想


 流石長江さん、人の負の側面の恐怖を描くのが上手い。 ただのホラーじゃ終わらない東京散策ミステリ。
東京二十三区女 (幻冬舎文庫)
長江俊和東京二十三区女 についてのレビュー
No.52:
(7pt)

これが50年前の作品か・・

 
 汝夜歩くなかれ――
三流推理作家の屋代寅太は腐れ縁の知人仙石直記から脅迫まがいの手紙の存在を打ち明けられる。 手紙が届いたのは土地の権力者古神家の娘八千代、奔放で不道徳な彼女は先日の銃撃事件の犯人なのだと仙石は語るが・・・。 そして彼女を狙う、同じ佝僂の症状を持つ二人の男、露骨なまでに身元隠蔽を狙った首なし死体が転がり連続殺人の幕が上がる。

これが50年前に出てるんだもん、現代の作家はネタ作りが大変だなって

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夜歩く (角川文庫―金田一耕助ファイル)
横溝正史夜歩く についてのレビュー
No.51:
(7pt)

撓田村事件 ―iの遠近法的倒錯の感想


 1997年、岡山県の小さな集落・撓田。 土地の旧権力者・朝霧家と遠縁の桑島家との古い派閥の残る村で中学生の阿久津智明はドライな学生生活を送っていた。 世の中を俯瞰したような思春期らしい壁に直面し悶悶とする一方で、村内で過去の伝説に見立てたような下半身切断死体が見つかる・・・。 横溝正史をリスペクトしつつ、そこに中学生の青春を織り込んだ挑戦作。

 非常にテンポは悪い。 青春小説らしく人物の描写に筆を傾けすぎた結果、事件の発生から解決までの道のりはスローペース。 しかし待つに値するぐらいのとんでもない真相はあるので一読の価値は多大にある。 タイトルと表紙のおどろおどろしさに対して結構青春してるのでそこは考慮されたし。 ★は7つ。

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撓田村事件―iの遠近法的倒錯 (新潮ミステリー倶楽部)
小川勝己撓田村事件 ―iの遠近法的倒錯 についてのレビュー
No.50: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

連続殺人鬼 カエル男の感想


初めての中山七里。 ただの食わず嫌いだけど流石有名作家なだけあって面白いわ。 珍しく推理が当たって楽しい、勿論深読みせずに読んでいっても面白い。 星は7つ!!

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連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)
中山七里連続殺人鬼 カエル男 についてのレビュー
No.49: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

生ける屍の死の感想


 アメリカ全土で起こる死者の甦り現象、生と死の境界が曖昧になり「死者」の定義が崩壊する中でパンク青年のグリンもまた屍の仲間入りをしてしまう。 なぜ自分は死ななければならなかったのか、死者が次々と甦る中で起きる連続殺人は何を意味するのか、あらゆる常識を覆した山口雅也氏の伝説的SFミステリ。

 設定は実にシンプル、死んだ人間が生き返ってしまうというただそれだけである。 しかしそれだけで動機、、証拠、あらゆる角度の事件の手掛かりが常識から逸脱してしまう。 そもそも死者が死んでいないような世界になった中で殺人を犯す意味は何なのか、逆説的な謎が立ちはだかる。 非現実的な世界に論理的な解決を、★は7つ。
生ける屍の死(上) (光文社文庫 や 26-3)
山口雅也生ける屍の死 についてのレビュー
No.48: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?の感想


 有能な書店員として過ごしてきた彼の裏の顔は86人もの人間を殺したシリアルキラーだった。 証拠も遺体も完璧に処理し、警察に事件とすら認識させない彼の仕事の中で、唯一異端とも言える事件が「遠海事件」。 遺体の首を切って持ち去るという謎の行動、殺人鬼佐藤誠はなぜ首を切断したのか? 直球なワイダニットがここに。

 ここまでワイダニットに凝った作品は珍しい、どうしてもハウやフーに比べると謎の大きさという点で劣りがちだが本作は申し分ない出来である。 何故か作者視点のメタフィクションの構成をとっているが、それがプラスに働いてるかは微妙である。★は7つ。

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遠海事件
No.47:
(7pt)

具合悪いときに発生したら嫌だね


同じ一日を九回繰り返してしまう高校生・大庭久太郎。 同じ行動を取れば同じ一日が繰り返されるはずだったが、二週目の一日から殺人事件が発生して・・・。 死者を出さずに明日を迎えることはできるのか・・?

 西澤保彦の日本SFミステリ界の胚胎的作品。 0時を起点に一日を何回も繰り返してしまい、九週目の一日の内容を引き継ぎ明日へ進むという特殊能力を持った主人公のお話。 SF世界に論理的解決を見出す挑戦的秀作、ラストの急転直下も良し、★は7つ。
新装版 七回死んだ男 (講談社文庫)
西澤保彦七回死んだ男 についてのレビュー
No.46:
(7pt)

略してボラバス


 東北で地震が発生した。 ボランティアバスに乗り込むは就活を控えた大学生、震災地に何かを想う会社員、一人でやって来た女子高生、何かから逃げる男、崩壊した都市で人々は何と出遭い何を想うのか、最終章に驚嘆すべき仕掛けが光る!!

なんてこった!! ボランティアをテーマにした被災地ミステリーと軽い気持ちで臨んだら・・・これは中々・・・。ミステリーとしても勿論面白いですし、被災地でのボランティア活動への考察・是非についても興味深いことが書かれています。 
 ボランティアは素晴らしいことだと思うし、被災地まで足を伸ばす行動力は中々真似できることじゃないです。 でも行動する前に少しだけでもいいから立ち止まって自身の行為が本当に必要なことなのか、勇み足ではないのか確認してほしい。 生半可な準備や気持ちでは逆に迷惑な存在になってしまうかもしれないのだから。 そしてミステリを読む時も・・・死なないミステリだ、ユーモアミステリだ、と慢心してはいけない、巧妙な仕掛けを乗り過ごしてしまうかもしれないから・・・。 ★は7つ。
ボランティアバスで行こう!
友井羊ボランティアバスで行こう! についてのレビュー
No.45: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ディクスン・カーに捧ぐ


 綾鹿科学大学助教授の"増田米尊"は女性に対して数学的解法を目指しフィールドワークと称して一人の女性をストーキングしていた。そう彼は“変態”だったのだ。 そんな彼の特殊能力は興奮するほどに天才へと“変態”を遂げること。 一見不可能な事件を超理論で解決に導く!!

 舞台は綾鹿市、言うまでもなくタイトルはカーの四つの凶器からとっていて、中身もカーに触れているが内容は全然関係ない・・・。と思いきや全く違う角度からなんかぶっこんで来た!! 増田教授は他の作品にも出てくるけどこのシュールさがいいですねぇ、悪人ではないんです変態なだけで。 ★は7つ。

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官能的――四つの狂気 (ミステリー・リーグ)
鳥飼否宇官能的 4つの狂気 についてのレビュー
No.44:
(7pt)

イン・ザ・プールの感想

 
 精神科医・伊良部シリーズの第一作。  ほんの些細な心の病から日常生活に大きな支障をきたした患者と破天荒な医師伊良部一郎の交流を描く。

 飄々としすぎてる医師とそれに縋るしかない患者のやり取りが楽しい。 おおよそ特効薬というものがない精神の世界において医師がうんうんと悩んでいたり、治療の手立てがないことをアピールしても仕方ない。 もしかしたらあれぐらいサバサバして行き当たりばったりの方がいい!? ★は7つ。

 

 
 
イン・ザ・プール (文春文庫)
奥田英朗イン・ザ・プール についてのレビュー
No.43:
(7pt)

<死者>は、誰――?

 
 夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、クラスの異様な雰囲気と一人の少女に戸惑う。 やがて始まる残酷な死の連鎖、この呪縛から逃れる術はあるのか、大いなる謎を最期に秘めたホラーミステリ。

 アニメの方を先に見てます(ついでに映画も見ちゃってるらしい)。 いくらか綾辻氏のホラー、スプラッターは読んできましたが、本作はそこにSFともとれる人智の及ばない領域を含めミステリーとして完成させています。 犯人を捜すわけでも事件を解決するわけでもない新感覚なミステリー、しかし伏線で使われる語句にはいまいち納得がいかないです。★は7つ。
Another
綾辻行人Another(アナザー) についてのレビュー
No.42:
(7pt)

流石ですね


 立場、年齢、性格を乗り越えた恋、時に不条理不整合な男女の恋愛の機微というものを描き切っています。 特に「紅き唇」が良かったなぁ、相手とひたすら近くに居たい想いと遠くに居ても幸せを願う気持ちの微妙な境目に心打たれた。 ★は7つ。
恋文 (新潮文庫)
連城三紀彦恋文 についてのレビュー