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スリー・アゲーツ 二つの家族



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スリー・アゲーツ 二つの家族の評価: 4.38/5点 レビュー 16件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全15件 1~15 1/1ページ
No.15:
(5pt)

「命をかける」ことの重さ

第3回大藪春彦賞受賞作「スリー・アゲーツ―三つの瑪瑙(集英社)」が小学館より上下巻での復刊。
復刊はもちろん、kindleでも購入できるのはとてもありがたい。

上司から渡された紙屑のような『チョン文書』。主人公はその紙屑からも着実に輝く砂粒を拾い出し「父親を待ち続ける日本の母子」までたどり着く。
その裏でひっそりと動き出している「父親との約束の地へ向かう北朝鮮の母子」。平壌から豆満江へ、命をかけて子供を守る母親の最後で上巻は終わる。
プラチナ・ビーズから続くシリーズの主要人物たちの魅力はもちろん、それ以上にどうしても北朝鮮の母と娘に心を持って行かれる。
スリー・アゲーツ 上: 二つの家族 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 上: 二つの家族 (小学館文庫)より
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No.14:
(4pt)

最後の希望のさらに先へ

国に仕えたままでは家族を守れない。
この作品は1人の父親の葛藤と、その父親を信じる2組の母子。
そのまま主人公の父親(自殺している)の葛藤と、その父親を信じられなくなった主人公の物語とも読み取れる。
2つの家族の父親であるチョンは、最後に北朝鮮の母子との約束を守った。
母も亡くし一人で父親を待ち続ける絶望から救われた娘の言葉に感動する。
次の「パーフェクト・クオーツ」ではまた違う父子、そして主人公の父がもう少し見えてくる。
そのまた先の主人公が父の本当の気持ちがわかるときを早く知りたい。
(小学館文庫としては日本での母子の救いが見える集英社文庫からの掌編を削除してしまったのはマイナスです。)
スリー・アゲーツ 下: 二つの家族 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 下: 二つの家族 (小学館文庫)より
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No.13:
(5pt)

ドキドキがとまらない

はらはらがつづきます
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
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No.12:
(5pt)

ありがとう

大変満足しています
スリー・アゲーツ 上: 二つの家族 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 上: 二つの家族 (小学館文庫)より
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No.11:
(5pt)

ありがとう

大変満足しています
スリー・アゲーツ 下: 二つの家族 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 下: 二つの家族 (小学館文庫)より
409406432X
No.10:
(5pt)

待望の復刊

集英社文庫版の『スリー・アゲーツ』も持っていますが、何度も読み返してボロボロになっていたのでこちらも購入しました。
人生で一番泣いた本なので、小学館さんから復刊されて本当に嬉しいです!

北朝鮮と日本とにそれぞれ妻子を持つ工作員チョンの、双方の妻子への愛情と苦悩が胸を打ちます。また、チョンを追いながらも、日本にいるチョンの息子に過去の自分を重ねてしまう葉山の心情も切ないです。

スパイ小説を読んだことのない方にも取っつきやすいと思いますし、何より本当に感動する作品なので、是非色んな方に手に取って欲しいと思います。

そして、シリーズ第一作目である『プラチナ・ビーズ』も是非復刊して頂きたいです。小学館さん、よろしくお願いします!
スリー・アゲーツ 上: 二つの家族 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 上: 二つの家族 (小学館文庫)より
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No.9:
(4pt)

北朝鮮の工作員が命がけで守ろうとしたもの

北朝鮮の工作員チャンが最後の任務を遂行しながらも命がけで守ろうとしたのは家族だった。

前作「プラチナ・ビーズ」で活躍した葉山、坂下も登場し、北朝鮮、中国、日本の思惑や社会情勢に関する詳細の描画や、会社と工作員たちとの間で繰り広げられる情報戦も見所ではあるが、今回は葉山とチョンの人間性が際立っていたと感じた。

チョンの誠実さや家族を守るための苦悩が丁寧に描かれており、チョンの人間性は好感がもてた。一方の葉山も、前作ではエディや北朝鮮のスパイにいいようにやられていたが、その押しの弱い人間性はそのままで、今回はアナリストとして大きく成長していたように感じた。

葉山の家族に関する真実もまだ明かされていないので、次回作も期待したい。
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
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No.8:
(5pt)

工作員も人間

工作員はもう人間らしさをすべて捨ててしまっているのかと思っていた。でもこの本に出てくるエージェントたちは皆とても人間臭い。
チョンも、スーパーKを持ち込み経済をかく乱させようとする行為など、一面は厭うべき工作員ではあるが、家族を愛し、自分の責務を全うしようとする、そんなところに悲しさを感じた。
今この小説に描かれた国の様々な問題が指摘されている。
しかしその国に住む人がこのようにやりきれない思いをしているという事を読むと、この国の人を怨んだり、憎んだりするのではなく、この国の人も幸せになってほしいと思った。
チョンが決して祖国を嫌いではなく(むしろ好き)、工作員としての許されざる行為も全て家族への愛によるものだというところが涙をさそう。
作者の綿密な調査と知識、そして語り口によってぐんぐん惹きこまれてしまった。
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
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No.7:
(5pt)

工作員も人間

工作員はもう人間らしさをすべて捨ててしまっているのかと思っていた。でもこの本に出てくるエージェントたちは皆とても人間臭い。

チョンも、スーパーKを持ち込み経済をかく乱させようとする行為など、一面は厭うべき工作員ではあるが、家族を愛し、自分の責務を全うしようとする、そんなところに悲しさを感じた。

今この小説に描かれた国の様々な問題が指摘されている。

しかしその国に住む人がこのようにやりきれない思いをしているという事を読むと、この国の人を怨んだり、憎んだりするのではなく、この国の人も幸せになってほしいと思った。

チョンが決して祖国を嫌いではなく(むしろ好き)、工作員としての許されざる行為も全て家族への愛によるものだというところが涙をさそう。

作者の綿密な調査と知識、そして語り口によってぐんぐん惹きこまれてしまった。
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
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No.6:
(4pt)

面白くなってきた

シリーズ1作目「プラチナビーズ」は、登場人物のキャラが先にきて、物語がそのキャラにがんばって沿っている感じがして、さらに「え?本当に情報扱うプロがそんなこともわからないのか?」という部分もありましたが、この本はそういう部分がほとんど払拭されていました。
ひとりの男をはさんだ2つの家族、それを囲むいわゆる情報部関係者の思惑と見えない戦いが繰り広げられますが、いわゆるスパイ物語というよりは、人間の持つ複雑さや、無意識のうちに自分を支配している国や文化、習慣などの大きさを描いているように思いました。
中心にいるチャンが、いかに誠実で人間的に良い人格を持っていたとしても、彼が行ったものとその結果は、素晴らしいものでも明るいものでもなく、結局は人を利用し殺し、その幸福を踏みにじるものであるという悲劇が淡々と描かれていました。
何も知らずに犠牲になるのはいつも子供ですが、この話しの中では、かつて自分もその犠牲となった葉山が、想いをこめて彼らに語りかけ、手をさしのべています。
彼らの未来は決して明るいものではありませんが、希望がないわけではないのだ。
そういうふうに我々に思わせるEDは、感動的でした。
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
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No.5:
(4pt)

面白くなってきた

シリーズ1作目「プラチナビーズ」は、登場人物のキャラが先にきて、物語がそのキャラにがんばって沿っている感じがして、さらに「え?本当に情報扱うプロがそんなこともわからないのか?」という部分もありましたが、この本はそういう部分がほとんど払拭されていました。

ひとりの男をはさんだ2つの家族、それを囲むいわゆる情報部関係者の思惑と見えない戦いが繰り広げられますが、いわゆるスパイ物語というよりは、人間の持つ複雑さや、無意識のうちに自分を支配している国や文化、習慣などの大きさを描いているように思いました。

中心にいるチャンが、いかに誠実で人間的に良い人格を持っていたとしても、彼が行ったものとその結果は、素晴らしいものでも明るいものでもなく、結局は人を利用し殺し、その幸福を踏みにじるものであるという悲劇が淡々と描かれていました。

何も知らずに犠牲になるのはいつも子供ですが、この話しの中では、かつて自分もその犠牲となった葉山が、想いをこめて彼らに語りかけ、手をさしのべています。

彼らの未来は決して明るいものではありませんが、希望がないわけではないのだ。

そういうふうに我々に思わせるEDは、感動的でした。
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
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No.4:
(5pt)

最も泣いた本の1つ

北朝鮮の拉致被害者問題が今のように声高に叫ばれる前に発表され、のちに大薮賞を受賞した、いわゆる「鉱物シリーズ」の2作目にあたります。「プラチナ・ビーズ」の数カ月後なので、黒髪のフェロモンキングは海の向こうに行ってしまっていて、彼目当ての方には今回御期待に添えないでしょう。しかしなにより今作では葉山の目覚ましい成長ぶりが見られます。いい仕事をしています。…そして北と日本に2つの家族を持つ男の真実。謀略小説として素晴しい作品であるのは言うまでもありませんが、さらに家族とは、祖国とは、という精神性、人間性まで深く、しかし嫌味なく描かれているのはさすがの一言につきます。私が読んだ頃は、北朝鮮の映像というとTVでは総書記の顔とマスゲームくらいしか見ませんでしたが、今は貧しい農村地区や中国との国境の川などもよく放映されるようになりました。この本の情景が、より眼に浮かびやすくなったと思います。もしも「プラチナ・ビーズ」を手にとったなら「スリー・アゲーツ」もぜひ読んでほしい。むしろ「スリー・アゲーツ」を読むために「プラチナ・ビーズ」を読むのでもいい、とさえ思います。そして早くシリーズ3作目「パーフェクト・クォーツ」が世に出ることを切に望みます。
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
408747514X
No.3:
(5pt)

最も泣いた本の1つ

北朝鮮の拉致被害者問題が今のように声高に叫ばれる前に発表され、のちに大薮賞を受賞した、いわゆる「鉱物シリーズ」の2作目にあたります。
「プラチナ・ビーズ」の数カ月後なので、黒髪のフェロモンキングは海の向こうに行ってしまっていて、彼目当ての方には今回御期待に添えないでしょう。しかしなにより今作では葉山の目覚ましい成長ぶりが見られます。いい仕事をしています。…そして北と日本に2つの家族を持つ男の真実。謀略小説として素晴しい作品であるのは言うまでもありませんが、さらに家族とは、祖国とは、という精神性、人間性まで深く、しかし嫌味なく描かれているのはさすがの一言につきます。
私が読んだ頃は、北朝鮮の映像というとTVでは総書記の顔とマスゲームくらいしか見ませんでしたが、今は貧しい農村地区や中国との国境の川などもよく放映されるようになりました。この本の情景が、より眼に浮かびやすくなったと思います。
もしも「プラチナ・ビーズ」を手にとったなら「スリー・アゲーツ」もぜひ読んでほしい。むしろ「スリー・アゲーツ」を読むために「プラチナ・ビーズ」を読むのでもいい、とさえ思います。
そして早くシリーズ3作目「パーフェクト・クォーツ」が世に出ることを切に望みます。
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
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No.2:
(4pt)

人の良いテロリスト(補佐(;^^)。)。

 なんといっても上の印象につきますな……、良い人なんです良い人だ(汗)。一作目に引き続いて北朝鮮ねた、北朝鮮公式発行とまで囁かれる偽ドル札“スーパーK”の関係者ではないかと目されるチャン(仮名)という男の捕縛命令がぽしゃったところから話は始まります。何故かHumint(人情的情報収集活動)の葉山のところに、チャンの走り書き──というより文字の練習帳めいたメモ書きが分析に回ってきます。葉山の普段の主な役割は、情報価値がほとんどないと判断される人間その他の媒体を、本当に情報価値がないかどうかを判断するというようなもの(下っ端なんですね(笑)。)。 とにかくこのチャンが好人物なんだ、実に真っ当、実に当り前。もちろんその手を汚しているわけなのですが、どこがって言われると表現しづらいですが、あえて言えば自分の出来る範囲内の誠実さで人と対しているように見えます。 このチャンの最後の大仕事と、彼の国を違えたふたつの家族がストーリーの核です。タイトルはそれを象徴する印。有能なスパイである彼の足跡を追っていく内に、仄見えてくる情めいたものに、葉山は違和感を強めていきます。彼の感情がもうひとつの核。
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
408747514X
No.1:
(4pt)

人の良いテロリスト(補佐(;^^)。)。

なんといっても上の印象につきますな……、良い人なんです良い人だ(汗)。一作目に引き続いて北朝鮮ねた、北朝鮮公式発行とまで囁かれる偽ドル札“スーパーK”の関係者ではないかと目されるチャン(仮名)という男の捕縛命令がぽしゃったところから話は始まります。何故かHumint(人情的情報収集活動)の葉山のところに、チャンの走り書き──というより文字の練習帳めいたメモ書きが分析に回ってきます。葉山の普段の主な役割は、情報価値がほとんどないと判断される人間その他の媒体を、本当に情報価値がないかどうかを判断するというようなもの(下っ端なんですね(笑)。)。
 とにかくこのチャンが好人物なんだ、実に真っ当、実に当り前。もちろんその手を汚しているわけなのですが、どこがって言われると表現しづらいですが、あえて言えば自分の出来る範囲内の誠実さで人と対しているように見えます。
 このチャンの最後の大仕事と、彼の国を違えたふたつの家族がストーリーの核です。タイトルはそれを象徴する印。有能なスパイである彼の足跡を追っていく内に、仄見えてくる情めいたものに、葉山は違和感を強めていきます。彼の感情がもうひとつの核。
スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙 (集英社文庫)より
408747514X

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