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初陣 隠蔽捜査3.5
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初陣 隠蔽捜査3.5の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全89件 81~89 5/5ページ
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隠蔽捜査1、2、3を読んで、ファンの方なら絶対におもしろい短編集です。 今回は、伊丹俊太郎の目線で書かれています。竜崎と伊丹それぞれの キャラクターの描き方、すっきりした文章に、エピソードの面白さ。 どれをとっても、文句なしですね。 いや、良かった〜、楽しめました。 | ||||
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人は共感する動物である。W杯で代表チームが勝利すれば、歓喜する選手を見てサポーターが感涙し、それを見ることでサッカーに縁もゆかりもない日本人も嬉しくなる。集団で感情を共有することを欲するのは、群居生物としての人類の本質である。 しかし、論理的判断を下さなければならない場面において、この本能は困った働きをする。集団の感情的満足を優先するために判断を誤るケースがしばしば起こるのである。グループシンク、集団愚考である。 グループシンクは結束の強い、閉じた集団において起こりやすい。警察組織は、まさにそれに当てはまる。閉じた集団の中でストレスにさらされたメンバー同士で議論をしていると、本質を見失い、とんでもなく愚かな結論になってしまうことがあるのだ。およそ組織で仕事をしている人間ならば、本書において伊丹が陥った「堂々巡り思考」=グループシンクを決して笑えない。程度の差こそあれ、日常茶飯に経験することだからだ。 その伊丹のグループシンクを見事に粉砕してくれるのが、「原理原則主義者」竜崎である。竜崎の明快なロジックを聞くと、原理原則というものが、混沌たる現実を整理するために生み出されたものであることがよく分かる。いわゆる「原理主義者」とは異なり、竜崎は決して現実を否認しない。「起きたことは仕方ない。これからどう対処するかだ」竜崎はいつもそう言う。そして現実における解決を探すために原理原則に還っていくのである。あたかも、工学者が適用する公式を探すかのように。竜崎の明晰さが総会である。(なお、仲間内の「真理」を守るために現実を否認することを躊躇わない、いわゆる「原理主義者」のビヘイビアは、典型的なグループシンクである。) | ||||
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8編の短編。ちょっと毛色の違う「試練」を除いたすべてに共通する面白さは ‘伊丹が窮地に立たされるまでの工程’にある気がする。 それぞれ巧く仕立てられていて、非常に段取りよく伊丹を窮地に追いやっている。 「休暇」と「病欠」なんて面白すぎ。 それに対する竜崎のアドバイスが、また全然奇をてらっていなくて竜崎らしい。 きっと自分が伊丹の立場でも、右往左往考えつくして悩み果てた揚句、竜崎に 電話してしまうだろうな(笑) 伊丹に対してものすごく親近感の湧く、シリーズを読む上でも欠かせない番外。 オススメです。 | ||||
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「隠蔽捜査」「果断」「疑心」の隠蔽捜査シリーズの番外編。 3.5となっているため、3の後の話なのかな?と思い読み始めましたが違いました。1〜3にわたる期間のちょっとした舞台裏小話のような短編が8編おさめられています。 この作品は伊丹俊太郎視点で書かれており、それが新鮮で大変面白かったです。伊丹のコンプレックスやら小心ぶりやら極度の心配性やら・・・いかに普段の「颯爽とした現場主義の刑事部長」が努力の末の演出なのかが、ひしひしと伝わってきて微笑ましかったです。伊丹の人間くささが非常によく出ており、頼りなかったり情けななかったりする姿に思わず苦笑いを誘われます。 あと、伊丹本人は無自覚なのかもしれませんが、竜崎に対する心酔ぶりは相当なもので、もうこれは男惚れの域に達する勢いなのでは?とニヤニヤ笑いが止まりませんでした。 とても楽しく読ませていただきましたが、この作品の性質上、本編の警察小説のような面白さや興奮はあまりありません。あとパターンとして・・・伊丹が悩んだり困ったりして→なにがなんだか分からなくなり→竜崎に相談し→竜崎の言葉で魔法のように目の前の霧が晴れ→万事めでたし!・・・というふうに要約できるものが多いので、変化には乏しいかもしれません。 ただ、この作品を読むことによって、伊丹&竜崎の魅力が増し次作品を楽しみにする気持ちが膨らむ、のは間違いないはず。隠蔽捜査シリーズのファンの方には是非ともお薦めです! | ||||
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竜崎伸也。この特異な警察官僚の姿が、幼馴染にしてキャリア同期、警視庁刑事部長伊丹俊太郎の眼を通して鮮やかに浮かび上がってくる。 「(略)どうしてみんな、ちゃんと原則どおり仕事をしないのか不思議だ」(P.147)。この一言に、竜崎の心情のすべてがある。 謎は、多くは、思い込みによって生ずる。思い込みが解けていくプロセスを描くことは、いわばミステリーの王道である。この短篇集は、まさに王道を歩いている。針の穴を通すようなトリックがあるわけではない。だが、社会に張り巡らされた、様々なレベルの通念の盲点を見事に突いている。見た目以上に知的な作品群である。 作品の一つ一つが、竜崎の言う「原則」の内実がどのようなものであるかを証する。同時に、作品の総体が、竜崎の意志の強固さを物語る。 ただ「試練」と題された一篇だけが他とは異なり、はっきりとした結論が導かれるような体裁をとっていない。どうなるかわからない人間の可塑性に向かって開かれている。読後全体を思い返せば、「試練」と同様の人間に対する眼差しが、そこかしこに注がれていたのに気づく。 知的な愉しみを味わいたい人、心あたたまる場所でくつろぎたいと思っている人、いずれの場合であっても、大きな満足が得られるだろう。 | ||||
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隠蔽捜査のサイドストーリー。 このシリーズのもう1人の重要登場人物である 幼馴染かつ、キャリア同期の伊丹刑事部長主体のストーリーです。 「なるほど、こういう手がありましたか。」と楽しく読みました。 竜崎の性格的な側面より、キャリアとしての有能さが際立ちます。 3作目で少し「残念な」キャラが出た竜崎を再び 2作目以前の竜崎に戻す意味にもなり、この3.5は良い企画であるように思いました。 面白いですが作品としては少々小粒かもしれません。 また、この作品だけだと、竜崎のキャラクターの味わいが偏るようにも思えます。 大ファンならハードカバーで即購入、そこそこファンならば文庫化を待ってもいいかもしれません。 | ||||
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いまや「隠蔽捜査」といえば今野敏の代名詞ともいえる作品だ。すでにシリーズ第3弾まで刊行され、現在は第4弾がとある小説で連載されているようである。読売新聞の本書の刊行記事を読んでまず驚いたのは、「3.5」という数字であった。ここが実に面白い。しかもこれは短編集だ。 いつもと異なり、本書は伊丹サイドからのストーリーであり、そこに東大法学部卒で「全く頭があがらない」(伊丹自身の言葉を借りれば、「あいつにはかなわない」)同期入庁の竜崎の援護射撃が本書への愛着を抱かせる。個人的には伊丹にはもっとしっかりしてほしい(?)のだが、警視庁刑事部長という重責ポストにいながらも、一人の警察官、人間としてタフに生きねばならないという気概はよく伝わってくる。当然のことだが、竜崎とは正反対の性格である二人であるからこそ魅力が湧くのだ。 いわば「合理性」を武器として「たてまえ」だけで突き進んで、結果的に大きな成果をおさめている竜崎に違和感をもつ人もいるだろう。「世の中、そんなにうまくできていない」と。むしろ伊丹のほうがずっと身近でリアルな存在だ。ただ著者は、だからこそ竜崎を「変人」として設定し、その変人ゆえに難事件をこなしてゆく<型破りな警察官僚>を投影しているのだろう。彼は「理想主義」者に違いないが、そこに伊丹は一種の憧憬の念を抱くのだ。二人の会話は読んでいて本当に愉快である。 本書を通じてファンになったかたは、「3冠」を受賞した第1弾と第2弾に手を伸ばすことだろう。第3弾ではあの竜崎が美人女性キャリアに○をしてしまう話だが、その裏話ともいうべき作品「試練」も本編に所収されている。ストーリーのテンポも軽快で、これまでの作品では十分に知られていない二人の内面をさりげなく描き出している。今後の「隠蔽捜査」シリーズにこれまで以上の期待感をもつ読者もきっと多いはず。他のレビュアー同様、是非とも推奨したい。 | ||||
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「隠蔽捜査」シリーズを楽しめた方はあっという間に読めてしまう一冊です。 本編の主人公は竜崎ですが、 伊丹視点で竜崎を見ると… という、スピンオフならではの楽しみがあります。 | ||||
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隠蔽捜査番外編。 警視庁刑事部長、伊丹の視点から描かれた短編集です。 純粋に面白いと思います。というより楽しく読めると言った方が正しいのかも。 伊丹の視点から見た今作の方がより本編の主人公、竜崎の特異なキャラクターがよりいっそう際立っていて、興味深いです。 シリーズを通して読んでいれば、思わず笑みがこぼれてくる、そんなコミカルさを持った作品です。 もちろん本編を読まれていない方はそちらからお読みにならないと面白さは半減してしまいますよ。 本編の新作が待ち遠しくなりました。 | ||||
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