青銅の悲劇 瀕死の王
評判
青銅の悲劇 瀕死の王の評価:
3.00/5点 レビュー 14件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全12件 1〜12 1/1ページ
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青銅の悲劇 瀕死の王の評価:
3.00/5点 レビュー 14件。 B ランク
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700ページくらいだろうか。
前作の「哲学者の密室」も同じくらいだったような気がする。
知っている人は知っているが、知らない人は知らない「矢吹駆」シリーズの、日本バージョン第一作に位置付けられている。
矢吹駆シリーズは、第一作の「バイバイエンジェル」、第二作の「サマーアポカリプス」以来、すべて読んでいる。
第一作が1980年代初期であったことを考えれば、このシリーズもすでに30年近く続いているいことになる。
この小説は、いわゆる「本格派」に属する。
本格的とは何かといえば、本格派の探偵小説ということである。
本格派とは、いわゆるトリックなどを駆使した謎解き型の探偵小説のことで、最近の宮部みゆきや大沢在昌などのいわゆるミステリーとはことなるジャンルに属する。
コナン・ドイルのシャーロックホームズや、エラリー・クインの作品、そしてアガサ・クリスティなどの作品が古典とされる。
ぼくも中学生から高校生までは夢中に読んだ。
ただ、成人するに従い、あまり本格派は読まなくなった、
緻密で論理を駆使したトリックとその謎解きよりも、人の世の現実を描いた方が謎が多い、という現代ミステリーの立場に惹かれたからに他ならない。
けれども、唯一、読み続けてきたのが、この笠井潔の矢吹駆シリーズなのである。
理由は、さて、何だろう。
そこで展開される観念劇に、同じ元左翼として何かしら共感というか、引き込まれるものがあったのかもしれない。
それはともかく、本作品は矢吹駆シリーズと銘打ちながら、矢吹本人はまったく登場しない。
思わせぶりな、巻頭言とともに、この分厚い著作が、さらに大きな物語の一部であることが示唆されている。
そして、この作品の中で、探偵小説論が語られているのが興味深い。
というか、もともと、矢吹駆は、現象学的本質直観で、謎の多い殺人事件を解決してきたということになっている。
それらの作品群を読み続けながら、現象学的本質直観が、推理の手法として有効というのは、どうしても理解できなかったのだけれども、それ自体が小説的手法にしかすぎなったと思わせるような記述も見られ、そこが興味深かった。
種明かしを少し、という感じだろうか?
ただ、この種明かしが、また次の大きな物語の伏線になっている可能性もあって、そこがこの作者の油断ならない性格でもあるのだけれど。
この作品、以前の作品を読んでいなければ、面白さは半減以下。
何とも因果な小説であることだけは間違いない。