青銅の悲劇 瀕死の王

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評判

青銅の悲劇 瀕死の王の評価:

3.00/5点 レビュー 14件。 B ランク

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平均点3.00pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21〜26 2/2ページ
No.6
(2pt)

日本篇の魅力はロジック?

『バイバイ、エンジェル』から始まる矢吹駆シリーズ、日本篇の第一弾。
駆シリーズといえば本質直感による推理と思想対決がウリだ。
だがそれもフランス編のみで、日本編ではそうでもないらしい。
約770ページにわたる巨編だが、事件はいたってシンプル。
誰が毒薬を入れたか、それにひたすらこだわっている。
帯に「論理小説の臨界!」とあるが、ロジック好きの方には向いているが、
そうでない読者には、長さの割りには楽しめないかもしれない。

とはいえ、主人公が作者自身をモデルにした宗像なので、
作中で自身の作への指摘などがあり、そういった面では楽しめるし、
駆の過去なども見えてくるのは面白い。
が、ロジック重視の内容は、個人的には淡々としすぎていて辛い。
エンターテイメントとしては、魅力が薄い。
これだけの巨編でメインの事件が2つというのは、どうかと。
今後の日本篇も、ロジックに重点を置いて展開していくのだろうか。

細かいことだが、アリバイ表の漢字で使われているゴシック体は、
ひらがなの明朝とマッチしておらず、非常に見づらい。
青銅の悲劇 瀕死の王 (講談社ノベルス カH- 3) Amazon書評・レビュー: 青銅の悲劇 瀕死の王 (講談社ノベルス カH- 3)より
4061827251
No.5
(2pt)

日本篇の魅力はロジック?

『バイバイ、エンジェル』から始まる矢吹駆シリーズ、日本篇の第一弾。
駆シリーズといえば本質直感による推理と思想対決がウリだ。
だがそれもフランス編のみで、日本編ではそうでもないらしい。
約770ページにわたる巨編だが、事件はいたってシンプル。
誰が毒薬を入れたか、それにひたすらこだわっている。
帯に「論理小説の臨界!」とあるが、ロジック好きの方には向いているが、
そうでない読者には、長さの割りには楽しめないかもしれない。

とはいえ、主人公が作者自身をモデルにした宗像なので、
作中で自身の作への指摘などがあり、そういった面では楽しめるし、
駆の過去なども見えてくるのは面白い。
が、ロジック重視の内容は、個人的には淡々としすぎていて辛い。
エンターテイメントとしては、魅力が薄い。
これだけの巨編でメインの事件が2つというのは、どうかと。
今後の日本篇も、ロジックに重点を置いて展開していくのだろうか。

細かいことだが、アリバイ表の漢字で使われているゴシック体は、
ひらがなの明朝とマッチしておらず、非常に見づらい。
青銅の悲劇 瀕死の王 Amazon書評・レビュー: 青銅の悲劇 瀕死の王より
4062148064
No.4
(2pt)

見かけ倒し。残念ながら。

あの矢吹駆シリーズの新展開。1988年暮れ(昭和の終わり)という特別の時間を
背景に、今度はパリでなく日本を舞台にしている。第一作『バイバイ・エンジェル』
からのファンである私などにとっては、たまらない設定である。
出だしは快調である。作者の直接的な分身といえる探偵小説家兼評論家の宗像冬樹を
語り手に、60年代末の学生叛乱の(祝祭的な)時代から、停滞と後退戦の70年代、
そしてバブル景気を謳歌するポストモダンの80年代までを手際よく要約しながら、
作品の舞台を準備していく。
シリーズ前半のナレーターであったナディア・モガールもきちんと登場するし、要所
要所で、形而上学的議論やポップカルチャー評論を取り入れることも忘れない。自ら
の80年代作品である『ヴァンパイヤー・ウォーズ』に関する自己批評も面白い。
しかし、肝心の「高見澤家事件」が起こってからが、正直言ってぱっとしない。何度
も挟まれる推理合戦も冗長なだけで、盛り上がりを欠くし、このシリーズの売り物で
ある思想的な論戦も新しい水準を見せることがない。まあ、蓮實重彦に対するイヤミ
とか、吉本隆明へのシンパシーの再表明などはあるけれど、これは古くからの笠井潔
読者には周知の事柄である。
たとえ、繰り返しであっても、そこに少し新しい意匠をこらして、キャラクター小説
として楽しませてもらえれば、読者としては満足なのだが、その一番の楽しみが結局
与えられないことが、最もよくない。
500頁以上つきあって、第8章に至ったときに「おお、いよいよこれは」と大いに期
待したのだが、結局イントロだけで終わってしまった感じである。再結成コンサート
の楽しみはかつてのヒット曲を唄ってくれることなのだから、”現象学的還元”をキー
にした、あの決めの台詞を楽しませて欲しかった。
「いつだって真実は見る人の前にある。しかしこの場合には君が期待するような形で
は存在しない…あのパリの事件の発端で私が言ったようにね」
とカケル本人が述べるところを読みたかった。しかし、その期待は残念ながら、果た
されません。意味ありげなエピグラフが巻頭にあるのに。
初期三部作+『哲学者の密室』が圧倒的な水準を誇るだけに、本作の展開は残念です。
青銅の悲劇 瀕死の王 (講談社ノベルス カH- 3) Amazon書評・レビュー: 青銅の悲劇 瀕死の王 (講談社ノベルス カH- 3)より
4061827251
No.3
(2pt)

見かけ倒し。残念ながら。

あの矢吹駆シリーズの新展開。1988年暮れ(昭和の終わり)という特別の時間を
背景に、今度はパリでなく日本を舞台にしている。第一作『バイバイ・エンジェル』
からのファンである私などにとっては、たまらない設定である。
出だしは快調である。作者の直接的な分身といえる探偵小説家兼評論家の宗像冬樹を
語り手に、60年代末の学生叛乱の(祝祭的な)時代から、停滞と後退戦の70年代、
そしてバブル景気を謳歌するポストモダンの80年代までを手際よく要約しながら、
作品の舞台を準備していく。
シリーズ前半のナレーターであったナディア・モガールもきちんと登場するし、要所
要所で、形而上学的議論やポップカルチャー評論を取り入れることも忘れない。自ら
の80年代作品である『ヴァンパイヤー・ウォーズ』に関する自己批評も面白い。
しかし、肝心の「高見澤家事件」が起こってからが、正直言ってぱっとしない。何度
も挟まれる推理合戦も冗長なだけで、盛り上がりを欠くし、このシリーズの売り物で
ある思想的な論戦も新しい水準を見せることがない。まあ、蓮實重彦に対するイヤミ
とか、吉本隆明へのシンパシーの再表明などはあるけれど、これは古くからの笠井潔
読者には周知の事柄である。
たとえ、繰り返しであっても、そこに少し新しい意匠をこらして、キャラクター小説
として楽しませてもらえれば、読者としては満足なのだが、その一番の楽しみが結局
与えられないことが、最もよくない。
500頁以上つきあって、第8章に至ったときに「おお、いよいよこれは」と大いに期
待したのだが、結局イントロだけで終わってしまった感じである。再結成コンサート
の楽しみはかつてのヒット曲を唄ってくれることなのだから、”現象学的還元”をキー
にした、あの決めの台詞を楽しませて欲しかった。
「いつだって真実は見る人の前にある。しかしこの場合には君が期待するような形で
は存在しない…あのパリの事件の発端で私が言ったようにね」
とカケル本人が述べるところを読みたかった。しかし、その期待は残念ながら、果た
されません。意味ありげなエピグラフが巻頭にあるのに。
初期三部作+『哲学者の密室』が圧倒的な水準を誇るだけに、本作の展開は残念です。
青銅の悲劇 瀕死の王 Amazon書評・レビュー: 青銅の悲劇 瀕死の王より
4062148064
No.2
(5pt)

哲学者の密室シリーズ

ほとんど推理小説を読まない僕に、とある芥川賞作家が、
「重厚な重みと面白さが両方あるすごい本」といって紹介してくれたのが
「哲学者の密室」という作品。
これは「オイディプス症候群」という作品を挟んだ、その続編です。
哲学、テロルについての考察、観念論などいろいろがバックにしかれるのだが、
(哲学者の密室では鋭いハイデガー批判を繰り広げる)
あくまで登場人物に血が通っている小説たちです。

すごいですよ。
青銅の悲劇 瀕死の王 (講談社ノベルス カH- 3) Amazon書評・レビュー: 青銅の悲劇 瀕死の王 (講談社ノベルス カH- 3)より
4061827251
No.1
(5pt)

哲学者の密室シリーズ

ほとんど推理小説を読まない僕に、とある芥川賞作家が、
「重厚な重みと面白さが両方あるすごい本」といって紹介してくれたのが
「哲学者の密室」という作品。
これは「オイディプス症候群」という作品を挟んだ、その続編です。
哲学、テロルについての考察、観念論などいろいろがバックにしかれるのだが、
(哲学者の密室では鋭いハイデガー批判を繰り広げる)
あくまで登場人物に血が通っている小説たちです。

すごいですよ。
青銅の悲劇 瀕死の王 Amazon書評・レビュー: 青銅の悲劇 瀕死の王より
4062148064