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永遠の0
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永遠の0の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2076件 1901~1920 96/104ページ
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もともと戦争に関連した物語が好きな私ですのでこの作品にもかなり期待して読みました。 しかし読んでいくとこれは文献の寄せ集めのようなもの。 それを一応、一人の人物に語らせているように書いているが、残念ながらその書き方がかなり雑。 文献をひっぱってきて、それを人が話しているように連ねているだけです。 最後にちょっと、おおっと思わせることがありましたが、それだけです。 大して感動もなく、すごく物足りない作品でした。 残念です。 | ||||
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はじまりの舞台は現在。 ジャーナリストである姉と、 弁護士を目指して勉強中だったが目標を見失っている弟が ひょんなことから「神風特攻隊でなくなった本当の祖父」のことを 調べていくお話です。 姉弟の現在の祖父は、 祖母が戦争で夫を亡くした後に再婚した相手だったということがわかり、 二人は家族には内緒で、本当の祖父・宮部について調べていく。 すると、ある人は「優秀な飛行機乗りだった」と言い、 ある人は「あんなに卑怯なやつはいない」という。 何が本当なのか? それを調べていくうちに、 祖父・宮部が持ち続けた信念にたどり着き…。 作中では、非常に詳しく飛行機の特長やそれに乗っていた人たちの 能力、技術、精神力などについても語られています。 特に印象的だったのは、 「零戦は非常に優秀な飛行機。7時間もの長距離飛行を可能にした。 でも、パイロットは人間だ。いつ、敵に襲われるかわからない中、 7時間もの長時間の緊張に人は耐えられない」 という宮部のセリフ。 このセリフを読むまで、そんなことを考えたことはありませんでした。 どちらかというと、特攻隊の方々は、ただただ突撃していった悲しい人たち。 そう思っていたのですが、突撃するにもそれはそれは難しい状況があったのだとか。 そういったことは、この小説を読むまで恥ずかしながら全く知らなかったので、 ただ突撃していく以上の恐怖や悲しみをしみじみと感じました。 また、神風特攻隊をテロだという人が、現在いるということも非常に衝撃でした。 これを読んだらそんなことは、絶対に言えなくなる。 彼らは別に、狂信的にに神風特攻隊を信じていたわけじゃない。 死んで行く仲間を送り、気が狂いそうな死への恐怖と戦い、 心の中では「嫌だ、死にたくない」と叫びながらも、 それが許されない状況の中、飛び立っていった。 こんなに悲しいこと、ない。 最後には祖母や現在の祖父の過去についても触れられ、 戦争での被害の別の側面についても考えさせられました。 久しぶりに号泣して、戦争の話はちゃんと語りついていかなければいけないなと 真剣に思いました。 すごく、すごく勉強になったなと思った一冊。 読みやすいので、ぜひどうぞ。 | ||||
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文庫でも580ページ近くあるので読みごたえたっぷりです。しかし、会話形式で書かれているため非常に読みやすく、活字離れの象徴みたいな私でも、「続きが気になってつい読んでしまう」という体験を初めてしました。戦争モノにありがちな「戦争はどうの」といった説教じみた内容ではなく、話の中で自然と戦争についての考え方を読者の心に生み出させる内容です。老若男女問わず、日本人なら読むべきです。後悔しない1冊です。 | ||||
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分厚い本を読むのはあまり得意ではないので、 全部読みきるのにどのくらいかかるかなぁと心配していました。 ところがその心配は全くなく、楽しく読みすすめることができて、思ったよりも時間かからずに読めました。 話の内容としては、戦争で亡くなったおじいさんがどのような人だったのかというのを 孫がかつての隊員達に話を聞きに行くというスタンスですすみます。 様々な人からみたおじいさんの人物像にわくわくしながら、 戦争の残酷さ、特攻隊の本当の心境などにも触れていきます。 | ||||
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この本は百田尚樹さんのデビュー作です。もともと放送作家という立場であった方ということは後で知りましたが、この本がデビュー作というのはかなり驚きです。何冊かの本を既に出版された熟練作家という印象を持ちました。 さて、話の内容はゼロについてです。 知り合いから頂いた本でしたので、読み始めるまではどういう内容か全く知りませんでしたが、ゼロの意味するものは太平洋戦争で活躍した日本の零戦のことでした。 特攻で命を失った祖父の最後の真実の姿を孫達が明らかにしていくというストーリーです。具体的には生き残った人たちに手紙を書き、祖父を知っているという方々に取材をしていくという形式を取ります。その中で少しずつ、祖父の本当の姿が描き出されます。 それと同時にこの戦争の経過が大変よくわかるようにもなっている一冊でした。フィクションだということですが、私にはそれが信じられません。あまりにもリアルな内容にノンフィクションだと思い込んでいました。 私は勉強不足もあり、もちろん戦争のことはよく知りません。1941年12月8日に真珠湾を攻撃し、その後の戦いがどんどん不利に展開し、そして原爆が落とされて終戦を迎えるというくらいの知識です。 他には小さい時に大阪の天王寺の陸橋で片足のない傷痍軍人が募金を募っている姿がかすかに記憶の中にあります。それから小学生の時に空を飛んでいる飛行機を見ていたら、横にいた知らないおばあさんが「あれがB29だったらどうする?」と私に話しかけてきた思い出もあります。 社会人になり、ミクロネシアのパラオの最南端に位置するペリリュー島(当時は天皇の島と呼ばれたそうです)で中川さんというご年配の方が経営する民宿に泊まった経験があります。この方はやはり戦争の時にこの島を脱出したそうですが、民宿の壁という壁には軍艦や戦闘機の写真が張り巡らされていました。夜遅くまで昨日のことのようにその島での戦争の様子を事細かく私に説明してくれました。アメリカ兵、日本兵がおよそ2万人も死んだということで、毎年来る遺族の方を迎えるために私はこの島に住んでいますとおっしゃっていたことが印象的でした。 ちょうどこの島の南部には今も零戦が落ちています。その零戦を見た時の感想は「零戦とはこんなにも小さい飛行機だったのか」というものでした。 戦争が終了し、日本という国がここまで復興し、発展したのはこういう戦争で犠牲になった方々があるからだと思いました。まただからこそ、戦争を2度と起こしてはいけないし、今自分が生かされていることを肝に銘じ、無駄な人生を歩んではいけないということを再認識させられた、そんな本でした。 興味のある方は是非一度ご覧ください。 傑作です。 | ||||
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私は昔から戦記物が好きで、この手の本はたくさん読んでいます。特攻隊の話は殆ど涙なしには読めません。しかし、この本はフィクションとはいえ話の世界に入れませんでした。私にとってこれは珍しいことです。 まず出版社の人物が特攻隊をテロと同じに考えているところで違和感を感じました。確かにそのような誤解はあるようです。しかし後に後悔して号泣したとは出来過ぎです。そもそも特攻隊員の遺書が報国、忠孝ばかりというのは間違いです。知覧の特攻平和記念館へ行ってみて下さい。確かに「天皇陛下万歳」という遺書もあります。しかし多くが自分の親兄弟、自分たちより若い子どもたちを相手にした内容です。軍部批判ととれる遺書もたくさんあります。見学者に説明している人たちも、「このように俺たちは軍部や政治家の偉い人たちのために死ぬのではない。自分たちより若い世代の命を守る為に死ぬんだ、という遺書がたくさんあります」と話していました。ですから「男が守るのは家族というのはおかしい」というのもどうかと思います。それでいて関大尉が「国のためでなく妻のために死ぬ」と言ったのがおかしいとは述べていません。 また、艦上爆撃機や艦上攻撃機の説明、太平洋戦争の作戦など、当時のミリタリー用語の説明が冗長に感じます。NHKの元兵士のインタビューを放映した「証言記録 兵士たちの戦争」を見た事があればわかると思いますが、実際のインタビューではあれほど詳しく解説しながら話す方は少ないです。祖父の話の理解を深める為になのでしょうが、やり過ぎだと感じました。これも現実感を減じさせました。 機銃の故障で引き返した話がありました。一緒に飛ぶだけでいいのにということでしたが、これはいくらなんでもないでしょう。 真珠湾で一緒だった元海軍中尉の話で山本長官は「アメリカ人は天皇陛下に命を捧げるような気持ちはないから緒戦でたたいて意気を阻喪させようとした」とも読める内容ですが、全くの間違いです。むしろ駐米武官の経験のある山本長官はアメリカ人は戦意も旺盛で侮ってはならない。だからこそ緒戦で意気を阻喪させようと真珠湾攻撃を考えたのです。 宣戦布告が遅れたのは私の知識では機密を保つ為にタイピストを使わずに書類を作成したためというのが通説だと思うのですが。また、大使館といえども開戦のことはごく一部しか知らないし、パーティをやめたら怪しまれますからわかっていてもパーティをしたと思います。 海の主役が戦艦でなく航空機だという象徴的な戦いになぜイギリス軍のイタリア・タラント空襲を挙げないのか?。山本長官が真珠湾を考える大きな要因の一つです。 日本の将官は弱気なんて何を根拠にしているのでしょう。そもそも例に挙げられた作戦の失敗も後ではなんとでもいえます。どの国にも強気な将官、弱気な将官はいたはずです。どの国に弱気な将官が多いかまで私は知りませんが。そもそも「弱気」と「慎重」、「強気」と「無鉄砲」とどう評価しているのでしょうか?。ミッドウェーで孤軍奮闘して最後に空母飛龍と最後をともにした山口多門は闘将として有名です。レイテ海戦で小沢艦隊の囮にまんまとひっかかったハルゼーは「弱気でない」ことを見越してたてた囮作戦にまんまとひっかかったのです。それに全滅を前提に指揮をした小沢司令を弱気と言えるでしょうか?。真珠湾で第二次攻撃隊を出さなかった南雲長官を弱気と評価することはできますが、これも結果論であり、所在不明のアメリカ空母を無視して攻撃を続行したらこのときにミッドウェーと同じことが起こったかもしれません。そもそも山本長官の真珠湾やミッドウェー作戦はいずれも博打にすぎる、つまり強気すぎるとして大本営から反対されていた将官です。 特攻隊員は「皆」自ら軍人となることを希望したというのも当時は徴兵制度でしたから間違いです。希望しなくても軍人にさせられ、半強制的に特攻隊員にさせられた人たちも多いのです。 ストーリーの骨子はできすぎとも思えますが、感動的な話ではあります。このこと自体はいいストーリーだとは思いますが、著者はそもそも戦記物は初めての様ですが、戦記をかなり勉強されたのはよくわかります。しかしその知識を有機的に結びつけられなかったのではないかと思います。知識の羅列のようです。 戦記物の初心者には悪くないですが、ちょっと誤りが多すぎます。 | ||||
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ゼロ戦の小説、こういう物語が欲しかった。 今まで数々の戦争物を読んできた。 特に「指揮官たちの特攻」が心に残るが、 現代小説として多くの青年に読んでもらえるものがでないかと願っていた。 まさにその願いに叶うものだった。 デビュー作とのことで文体の硬さが目につくが、 元兵士の語りは真に迫り、圧倒的なパワーで読み手を戦時に誘う。 ちりばめられているエピソードも、はずせない有名なものが多く、 まんべんなく戦争の悲惨と青年達の熱誠を現している。 懸命に生きた。 しかし恐ろしい時代が奔流の如く荒れ狂う。 誰もが、死にたくて死んだのではない。 愛する人々を守るため、それだけだ。 家族・恋人を残し、言葉も交わせず、 この世を去ることがどれほどの悲しみであったことか。 日露戦争の時にすでに兆していた軍指導層の傲慢、保身、狭量、臆病、 そしてそれらを決して直視しない(できない)人間的未熟さ。 苦労を知らないエリートを上に持つ恐ろしさが猛威をふるっている。 2度と忘れてはならない。 こういう指導層を持つために明治維新があったのではないはずだ。 そして新聞記者・高山とのくだり。 現代にも一部ある論難を喝破するやりとりに熱くなる。 それにしても、わからない者にはわからない。 それは、戦時のエリート指導層にも通じる通弊ではないだろうか。 そういう”人の心”をわからない者が世を誤った方に導いてゆく。 元整備兵・永井がいう。 「日本は戦後、素晴らしい復興を遂げました。」 「それは生きること、働くこと、そして家族を養うことの喜びに 溢れた男たちがいたからこそやと思います。」 「宮部さんのような男たちが尊い血を流したからやと思います。」 あの至純な青年達の思いを受け継ぐべきは今の青年しかいない。 未来を担う世代にこそ、読み継がれていくべき小説だ。 ※よく練られた構成に著者の力量を感じますが、 浅田次郎「壬生義士伝」に似た感をぬぐい去れませんね。 (壬生義士伝も、子母沢寛をベースにしてると思われますが) それでも十二分に読み継がれる価値のある小説だと思います。 | ||||
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現代に生きる世代側として登場する人物の描写が素人作文のように浅い。 戦争世代側として登場する老人たちの描写も、 いかにも軍国者タイプ老人が現代の「平和で弛んだ若者」を口撃する幼稚な構図、 回想途中で涙ぐんでごめんなさいと言わせる昭和昼メロのような演出、小説の文章として読むに耐えなかった。 登場人物の一人である単純で低い知性の新聞記者の「人物設定」に驚いたが、描きたかった構図があるにしても、 こんな人物を創ろうとした発想は、作者自身の知的感度の鈍さを示しているようにも思えた。 TVの戦争特集番組で、太平洋戦争時の兵士と現代テロリストを比較する番組をトンデモ企画しそうな、作者の そういったセンスの鈍さが終始付きまとった読後感だった。 | ||||
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戦争について、深く深く考えるようになりました。読んでよかったです。 最後は号泣でした。電車で読まなくてよかったです。。。 | ||||
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「パールハーバー」という映画が何年か前にヒットしました。あの映画でゼロ戦が真珠湾に向かって飛んで いくシーンを覚えておられる方も多いと思います。あの時のゼロ戦は実にカッコよかった。 たくさんの人が感動したと書かれているこの小説の主役はゼロ戦です。 粋がよく、最高のパフォーマンスで他を圧倒するゼロ戦が次々に出てくる新しい後進に抜かれて老いていき、 そして・・・。 確かにこの作品は”命””戦史””愛”といった視点で読むのもいいし、ミステリーとしてもよくできてい ます。何人かの方も書かれていますが、読後、しばらく残ります。 「いい本だったなぁ」と後々思える秀作です。 | ||||
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この本を読む前に他の方のレビューを読んだが、ゼロ戦の誕生から終焉までの戦いをうまく描いている、というより回想録形式で中国戦線から沖縄特攻までの流れだが、真珠湾、ミッドウェー、ラバウル、レイテ、沖縄とゼロ戦の活躍については数限りなく色々な作家が色々な角度から描いているので、この辺の流れは新しい物ではない。全編の約8割は回想録形式の流れである。私の父親はゼロ戦のパイロットであった。ゼロ戦二一、二二〜五二、紫電改を愛機としてお国のために戦った。予科練時代の話、空中戦の話、化け物かと思ったF6Fの話は父親がしてくれた。ただし、特攻の話は一切口を噤んだ。同期の艦爆、艦攻のパイロット、偵察員、通信員は沖縄、硫黄島等に出撃したからである。 話はそれたが、この本が何故1位なのかよくわからない。 確かに主人公のパイロットとしての生涯は卑怯者、臆病者と罵られているが、何故最後に特攻に行かなくてはならないのか、、、、しかも土壇場で機種を部下と変えてまで出撃する必要はあったのか???私はこの本を読んだ後、父親にもぜひとも読んでもらい、感想を聞きたかった。が、他界して早8年。真実を知る機会に巡り合えなかった。ただ、生前父親が言っていた言葉、「特攻はお涙頂戴の茶番劇ではない、誰も好んで爆弾積んで空母目がけて体当たりでお国のために御奉公と願う奴はいない」という言葉がが頭をよぎった。 | ||||
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この本を読んで、ほかの方のレビューを読ませてもらった。 主には星の少ない方だったが、あまりの批評にちょっと反論めいたことを書きたくなった。 いわく「これを読んでいいという人は本をあまり読んでいない人だ」 この本は過去に出版された戦記の再構成だという。そのとおりである。だから、何だというのだろうか。その戦記を読めばいいとでも言うのだろうか。戦記は戦記であって小説ではない。時に戦記はこの作者が訴えたいテーマとは別のテーマを持っている。この批評は、自分が何者かである、という前提に立った具にも着かぬ批評だ。 いわく「主人公とも言うべき人間とその姉のストーリーが陳腐だ」という。そのとおりである。だからこの小説のテーマがぼけるといいたいのだろうか。なにをこの本から読もうとしたのだろうか。 この本のテーマは、戦後60年以上がたって、時に愛国心が叫ばれるとき、先の戦争でなくなった人を敬いこそすれ、その死を徒に美化する論説にあったとき、今一度深く一人ひとりが考えなければならない、ということではなかっただろうか。靖国に参って記念館を見るのもいい。知覧を訪れ、遺書に涙するのもいい。しかし、皆が皆、天皇陛下万歳などと信じて死んでいったのでないということ、国という得体の知れないものに殉じていったのではないということ、それよりも、自分の家族やもっと漠然とした愛している人のために、自分に残された少ない道を選択して言ったのだということを、繰り返し訴えているということに思いを致してほしい。 いくつかの本のサマリーといった点もあるのだが、きっとこのテーマを繰り返し訴えるエンターテーメント性に、もしそのテーマに考えがいたったならば、帰着することを願う。 | ||||
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私の職場ではこの夏5人がこの本を読みました。 評価をわけたところ、★4が2人、★3が3人。で平均して3、4 その理由は戦争小説としてはタッチが軽くて時代の違和感をおいかけてしまうのと あとは主人公の調査に入る過程が唐突だったと気がします。 でもこれだけ売れたのですが、百田さんにはたくさんの戦争もののオファーが来ているんじゃないでしょうか。 私なんかよりもう十歳、下の世代は読みやすいと思っているかもしれませんし、 どんどん挑戦していってください。ボックスよりこっちのほうが私はのめりこめました | ||||
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本屋で平積みされていたので、なんとなく手にとり、買ってしまった本です。その日の夕方から読み始め、あくる日(休日でした)のおひるまでに、3回読んで、何度も泣きました。 わたしは、読書が趣味ですが、他の人が鳴くような本でも、めったに泣きません。この10年間に読んだ本のなかで、もっともうつくしいすがすがしい読後感をもちました。 この本に出会えて、幸せです。 | ||||
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それなりに面白く、泣ける作品ではある。その意味で☆3つ。 ただ、構成等において、浅田次郎の「壬生義士伝」に似すぎている。 多数の人物の語り口調なのはいいとして、主人公の死が序盤で明らかにされ、それを生き残りの話で追っていく点、 歴史を順に語っていく点、さらには主人公を含む登場人物の性格等まで似ているというのは??? まあ偶然と信じたいけども。 また、結局なぜ特攻に行くことになったのかがはっきりと解明されていない点も気にかかる。 一番の謎だったはずだが……。 あと高山(新聞記者)がいくらなんでもレベル低すぎる点はどうかと。 | ||||
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フィクションとノンフィクションを交えながらぐいぐい引っ張っていくストーリー。 戦争を知らない世代は読んでおくべきだと思う。 第二次大戦で日本兵が何人亡くなったのか、 そういう史実さえ知らない自分がいた。 読みやすかった。そして号泣した。 | ||||
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単行本として上梓されたのは06年。文庫化されたのを機に今回初めて手にとってみたが、確かに評判通りの巻を措く能わずの一冊だった。捻ったラストを含めて構成の見事さを素晴らしいと感じた。その上で私は「戦争」「特攻」というキーワードをはずして“非業の死を遂げた祖父の謎を探っていく物語”と単純化すると判り易いのだが、この本は家族愛、夫婦愛を中心とする“慈しむような愛”を描いているのだと思った。主人公宮部久蔵の葛藤は国家への愛とパーソナルな愛の、本来できない整合にあるという訳だ。こうした苦悩を、決断を強いる“戦争”を悪として描いているのだから自ずと反戦小説と云っていい『永遠の0』だが、ただそうしたカテゴリーを排し、それぞれの愛のエピソードを楽しめばいいと思うね。私は元海軍整備兵曹長、永井清孝のモノローグ(第六章ヌード写真における妻が繕い物をするシーンです)に最も心打たれました。といって瑕疵がない訳ではなく、それは多くの方が指摘している新聞記者高山の言動だ。おそらく高山が属するジャーナリズムの責任と罪に言及し、かつ彼に代表される戦後教育の過ちを指摘する都合上展開したのだろうが、あまりにも稚拙で興醒めすること甚だしい。とはいえ不自然さを感じたのはこの箇所くらいで、読書の楽しみを存分に味わった一冊でした。どなたかも云っていましたが、映画化するとしたらキャストはどうなるでしょうか。これしかないというのは影浦老人役の安藤昇だけで、他が難しいね。私が考えたのは以下の通りですが皆さんは如何ですか。佐伯健太郎(小栗旬)、佐伯慶子(黒谷友香)、宮部久蔵(坂口憲二)、大石松乃<青年期>(仲間由紀恵)、大石賢一郎<青年期>(瑛太)、大石賢一郎(宇津井健)、藤木(大森南朋)、高山(及川光博)、井崎源次郎(田中邦衛)、永井清孝(蟹江敬三)、景浦老人(安藤昇)。 | ||||
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本を読みながら泣いたのは、本当に久しぶりでした。終盤になって涙が止まらなくなってしまいました。 戦争体験者の高齢化とともに、先の戦争の記憶が風化してしまいがちな昨今ですが、とても貴重な作品に出会えたと思っています。 思想的な議論はよく耳にしますが、左翼と呼ばれる人の意見も民族派の意見もどこか違和感を感じていました。やはり、後世の人間が想像で物語る時には、そこには虚構が紛れ込むからでしょう。 誰よりも妻子のために生きて帰ることを望んでいた男が、意を決して特攻したのはなぜだったのか?その本当のところは今も私には分かりません。いや、本当のところなどというものは存在しないのかもしれません。ただ、ただ、大勢の人が戦地で内地で亡くなった先の大戦に悲しみを感じるのみです。 今も我が国は、右往左往を繰り返し同じような過ちを続けています。でも、私はこの作品を読んで思うことは、空気に支配されない人間になりたいと思ったということです。反中・親中・自虐などなど、いろんな風潮的な思想がありますが、これからの日本がどういう状況におかれようとも、周囲の意見や雰囲気に惑わされない人間になりたいと願うのみです。 | ||||
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面白かったと思います。 すらすら読めて最後は泣いてしまいました。 ただ、小説というよりも調べた資料をまとめた感が否めません。 語り手達の話は宮部のことではなく戦争の細部や戦術を説明することに重きを置いている印象です。 すらすら読めたのもそういった戦闘機の話が面白かったからで肝心の「なぜ宮部は死んだか」は曖昧なままでした。 というか宮部が「完璧」に描かれすぎてちょっとリアリティが無く、彼の心情が浮かんでこなかったです。 他の方も書いておられますが孫たちの描写のチープさ、語り手以外の心理描写の甘さなどをみると「小説」としては あまりレベルの高いものとは思えませんでした。 戦争小説の入門としては素晴らしいんじゃないでしょうか。 | ||||
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特攻への参加を頑なに拒否していた一人のゼロファイターエースが最後に神風特別攻撃隊に参加、戦死するまでの過程を彼に関わった人々の証言をつなげていく手法で丁寧に描いている。その中で、彼がどうして生き抜こうとしたのか、そして一転して特攻を選んだのか少しずつ明らかになっていく。 彼の心の動きを理解するためには当時の状況(=戦況)を知っておかなければならないが、物語と平行して真珠湾攻撃から終戦間際までの航空戦の概要も大変分かり易く描かれているので、戦争や特攻に一方的なイデオロギー的フィルターをかけてしか観ることができない(作品中の新聞記者のような)ごく狭い視野の人以外は、特攻に散っていった若者たちの心情を察していくことが出来るのではないだろうか。「聞け、わだつみの声」を読んでも分るように、特攻機に乗っていった若者の多くは「御国のために死んで来い」、「はい分かりました。喜んで行きます」という狂信的で単純な考えしか持っていない操り人形ではなく、非常に優れた知性と豊かな感性を持った前途有為の人々であった。非戦闘員も容赦なく銃火にさらされる未曾有の国難の渦中で「自分の死」が現状を救う何らかの意味を持つと信じて、或いは無理にでも信じようとして出撃していったのだろう。 「特攻なんて犬死だ」、確かに客観的に見て当時の神風攻撃は鉄壁の防備を敷く米艦隊に対して余りに無謀であった。戦争指導者たちが、自分たちの無能無策をこのような非道な作戦を美辞麗句で飾って覆い隠したのは間違いない。「なぜ拒否しなかったのか」、自分と同じ或いは自分よりも年下の若者たちが次々と戦死していく、そして愛する者たちが無慈悲な攻撃にさらされて、無抵抗のままに殺されるかもしれないという絶望的状況、そのなかでなお自分は何もしないでいることが果たして出来るのか? 私は、特攻を賛美するつもりは毛頭ない。ただ、作品中にも指摘されているが、太平洋戦争の大事な局面で、下手な作戦指揮をやって甚大な損害をもたらした上に、おめおめと生き残って戦後に回想録などを書いている馬鹿共には本当に怒りを覚える。 最後、主人公は魂魄となって愛する妻の元に返ってくる。出来すぎといえばあまりに出来すぎのラストだが、こうでもしないと読んでいるこちらも救われないとも言える。ただ、実に多くの人々がそれぞれに沢山の思いを残して死んでいかなければならなかったというあの戦争の悲惨さを考える時、ここはむしろ書かなかったほうが良かったかなと思う。予定調和的に話を完結してしまうと「最後にみんな救われました」というハッピーエンドになってしまいかねない。 | ||||
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