■スポンサードリンク
永遠の0
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
永遠の0の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2076件 1881~1900 95/104ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いくつかのレビューにもある通り、老人達の述懐で最後に人物像があきらかになる・・壬生義士伝などとカブリます!都合良すぎる点もあります!ただ誰もが読みやすい形で「太平洋戦争とは何だったのか?」・・に興味を抱かせるキッカケにはなります!NHKの(坂の上の雲)が人気ですが、その後のポーツマス条約に対しての報道の無責任な煽り→5・15事件(首相暗殺にもかかわらず、助命嘆願報道で嘆願書が集まり処刑者なし!)→2・26事件→開戦へ・・この流れがわかりやすく書かれているだけでも読んでもらいたい作品です!尖閣のビデオ流出事件についても各新聞の扱いに興味が持てますよ? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
30代、主婦です。歴史物は大好きでたくさんよんでいて、太平洋戦争に関してもミッドウエーとか、ガダルカナルとか、どれだけ悲惨か知っているだけに途中は読んでいて苦しかったです。しかし、零戦などに関する知識はあまりなかったので本当にリアルで興味深く読みました。たった65年前のことではありますが、これがどれくらい実態に近いものであるのかはもはやわかりません。しかし、最近よくでている、「特攻隊員たちの手紙」的な本の行間が読むことのできなかった私、あの手紙には検閲もあり、正直な気持ちなどかけなかったのですね、また、熱烈に志願して、迷わずいったとおもっていたことも誤りですね、実際はこの本にあるようにいかざるを得なかったのですね、自分の身にリアルに置き換えたときにそう考える方が自然です。特に若い人たちは生きたいというのは一番基本的で一番強烈な本能としてもっているものです。それを理性で絶つのはどれほどの苦しみであったことか。でも、やむを得ずいったと考えると、余計つらいです。いっそ宗教的魔術にでもかかっていれば少しは楽でしたでしょうに。しかし、こういう本がちゃんとベストセラーになるということに少し安堵しました。戦争とか生きるということとか命の重さとか、これからの日本のこととか、きちんと考えたくもなるというものです。よい本でした。こういう書き手が朝日放送の放送作家さんなんだ〜とおもうと少し意外な感じがしました。テレビの方ももう少し、まともな番組が視聴率をとれる日本になってもらいたいものです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本の読む際は、3人の心の動きを感じながら読むと良い。零戦パイロット、彼の孫、そして読者自身の。事前に「戦闘機の空中戦(ドックファイト)」と「日本軍の敗北への邁進」についての予備知識があった方が、より深く理解できると思う。私の情報ソースは「エリア88」と「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」。こちらもあわせてどうぞ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の祖父がどのような特攻隊員だったのか・・・・ 彼を知る、生き残りの兵隊たちの話を通して、徐々にあきらかになっていく・・・・ 物語だけでなく、ガタルカナルの戦い、ラバウルの様子・・・・戦争についても 知ることができる一冊。 涙なしには、よめません。 大福のくんだりで大号泣。 暇つぶしに…という感覚では読めない一冊。 土日に読むことをお勧めします。 この作品に出合って、気持ちが引き締まりました。 読後は、まったく眠れませんでした。(読み終わったのが夜だったのですが・・・) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
海軍航空隊がいかに戦ったか、という点をうまくはないが纏められた本だな、とは思います。ただし、この本に書いてある内容を全て鵜呑みにするのは危険です。極論が方々に見受けられます。情報は様々なソースから引っ張って比較検討すべきでしょう。小説のような形ではなく、ドキュメンタリーとして作ればより面白かった。小説としては、表現力、描写、人物の設定などがあまりに稚拙です。あと何回かは推敲して、内容を練っていただきたい。海軍の問題点が現在の官庁や企業にも当てはまるのではないか?という指摘は的を射ていると思います。マスコミの責任(戦争に限らず全てにおいての報道責任)についても然り。ただし、それらが全て極論で語られているところに、違和感を感じました。一点付け加えるとすれば、読後感の悪さ、でしょうか。ただ、個人的な意見からすれば、特攻隊は決して美談で語られてはならない、という思いがあるので、それはそれで良いのかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は’06年太田出版から刊行された百田尚樹のデビュー作である。’09年講談社で文庫となり、そして’10年、全国の読書のプロ“カリスマ書店員”が選ぶ「2009年最高に面白い本大賞文庫・文芸部門第1位」の帯をつけてブレイク。夏をピークに売れに売れた“泣ける”感動作である。 本書は、4年連続で司法試験に落ちてニート状態の佐伯健太郎26才が、フリーライターの姉とふたりで、太平洋戦争で戦死した、実の祖父にあたる宮部久蔵ことを調べるべく、当時のことを知る生き残りの戦友たちを訪ねてインタビューする物語である。 それらの話は驚くべきもので、零戦戦闘機乗りとして凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに「生」に執着する祖父の姿が語られる。戦後65年を過ぎたにもかかわらず、祖父の逸話として語られる数々の戦闘は、リアルでありディテールにこだわった、当時の男たちの魂の叫びであった。真の男らしさとは何なのか。男が女を愛するとは何なのか。何度本を置いて涙をぬぐったことか。 間接的な読者としてこれほど感動するのだから、インタビューのその場にいて話を聞くものが魂を揺さぶられるのももっともだろう。元戦友の、20才そこそこのヤンキーっぽい孫が自らの生き様を反省したり、ヤクザの若いモンが襟を正したり・・・。そして最後に明かされる、奇縁のめぐり合わせの後に、健太郎がいま一度司法試験にチャレンジしようと思い、仕事と結婚の狭間で揺れ動く姉慶子が愛に生きようと決心する。 緻密な取材力で太平洋戦争の空の絶望的な戦いを描き、しかも単なる戦記ものに終わらず、とてもデビュー作とは思えない、読むものに“感動”と“涙”と、“勇気”すら与える百田尚樹とは・・・いやはや凄い作家がいたものである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第二次世界大戦における、零戦での過酷な戦闘などがとても緻密に描かれています。 もちろん、フィクションですから、真実とは異なる部分も多いでしょうが、 これまで見てきた太平洋戦争の資料と重なる部分も多いことから、詳細な調査のもとに 書かれたものであることがひしひしと伝わってきます。 そして、その過酷な戦況の中で、生き、死んでいった人たち。 死を心の底から望んでいた人はほとんどおらず、半ば強制的な志願で死ぬための特攻を行った人たちの心情も丁寧に描かれています。 戦争を美化するつもりはありませんが、絶体絶命の状況下で、必死に戦いぬく人の行動はやはり胸を打つものがあります。 ただ、結局なぜ宮部氏が特攻を拒まなかったのか(そして、生き残ることを望んでいたにもかかわらず、故障機を人に譲ったのか)の理由がよくわからず、そこだけがもやもやとしていますが、エピローグの特攻シーンもまた凄まじい。 そして、「特攻隊はテロとは違う」「戦前の軍国主義や戦後の日本の誇りの無さは誤ったジャーナリズムによるところが大きい」というのは、私も常々思っていたことなので、胸がすく思いでした。戦争の過ちは確かに正していくべきですが、領土を侵犯されても土下座外交を繰り返す現在の政治の在り方も決して正しいものとは思えないからです。 話が逸れましたが、本書は物語としても大変読みやすく、面白かったので、☆5つでは足りないくらいです。戦争を知らない世代にこそ、読んでほしい本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
長編小説であったが、一気に読み通した。込み上げてくる悔しさ悲しさが、これほどまでに物語の域を超えて心に残る戦争関連作品は、『二つの祖国』(山崎豊子)以来、久し振りのものであった。 会ったことのない祖父の影を追って、祖父を知る老人達を訪ね歩く。人生を終えようとするかつての軍人の話から浮かび上がるのは、65年前、多くの若者たちがどのように国を、家族を想って戦い、散っていったか。帝国陸軍・海軍が、どのように米国相手に戦い、敗れたか。そして、祖父が一体どのような人物であったか、どれほど家族を愛していたか。 まるで、現実の世界で、祖父世代から戦争の話を聞いているかのような錯覚に陥る。それらの話がどれほど「真実」を映しているかは、正直分からない。しかし、戦争を知らない日本人には必読の物語の一つではないかと思う程に、悔しく悲しく清々しい作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ストーリーは出来過ぎ。 小説ですから。 フィクションの中に史実を交え、大東亜戦争を語る。 その中に登場する人物が泣かせる善人ばかり(小説ですからね)。 最近は戦後の自虐史観も改められ、是々非々の論調になったことはいいと思います。 この本もその点を踏まえ、当時の兵士の考え,思いを素直にぶつけた、よい小説です。 そうですね、戦争を知る世代から若い世代まで、満遍なく感動できる佳作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の祖父についての物語を関わった人たちによって語らせるという作風はいいが、なにぶん説明くさい。 私は戦争について詳しくないので「そうだったのか」と感心させられることも多々あり、わかりやすくはあったのだが、語っている人の心情がそれで薄れてしまい、作中の語り部への感情移入をしきれない場面が何度かあった。 また、新聞記者の偏った考え方による傍若無人な態度、これは後に姉弟とひと悶着あるのかなと思ったら …え?それで終わり?という肩すかしのような締め方。 一番気になったのは主人公の姉弟の会話。 現実味をまったく感じさせない。一体なんの少女マンガよ!?という不自然さ。読んでるこっちが恥ずかしくなる。 …と文句を書き連ねたが、著者の場面描写は秀逸で、読み進めているその場面がまさに目の前に広がり、空中戦の場面などは本当にぐいぐい引き込まれていく。 作品の全体像も戦争時代を生き抜いた、あるいはそれぞれの想いを抱きながら亡くなっていった人々の清く勇ましく美しい物語であり、いやな感じは受けない。 宮部はなぜ死んだのか?もう少しでわかりそうなのに、すり抜けていくような感覚。 ラストにつながる伏線。「ああ」とおもわず声を出してしまったことも。 宮部の思いや無念を思うと胸が締め付けられ、エピローグまでぐっと涙をこらえなければならないものだった。 それだけに、前半に書いたマイナス点が残念で仕方がない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルを見ても、「0」が何を意味するのかわかりませんでした。読み始めるとそれは明らかになりましたが、ゼロ戦のことは初めて知りました。 その程度の知識ですから、史実としての戦争は知っていても、どのように日本軍が戦っていたのかは詳しく知りませんでした。話が魅力的ですから、時間を忘れて読めます。読み進めていくにつれ、ストーリーに引き込まれていきましたが、同時に、自分の無知さに恥じ入りました。 様々なレビューを拝見しましたが、現代の場面における人物描写についての批判がありました。物語中では好意的に描かれていない司令官への解釈についても指摘がありました。 小説を読む視点は、さまざまな角度があってしかるべきです。しかし私は、著者の作品によって新たな見方を得ることができたので、高い評価を示したいと思います。 小説を読み終えたとき、ふと現実に戻ると、周りの風景が全く違って見えたり、深く見直したりすることがあります。これを感じさせてくれる小説が、良い小説だと思っています。 「永遠の0」に登場する宮部を初めとする人物は、私の心に深く残り、また新たな見方で周りを見させてくれました。 その機会を与えて下さった著者に、感謝したいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は30代半ばで太平洋戦争の事も学校の授業で習った程度のことしか知らない。 本書を通じて、私を含め若い世代が戦争を知る良いきっかけにはなったとは思うが、小説としての構成にはやや不満が残る。 主人公がインタビューをさせてもらう戦争体験者の言葉が、資料を読んでいるかのようにすらすらと出てきて現実味を感じなかった。 また、名乗り出てくれる人たちの話がちょうど亡き祖父の記憶をきれいに並べて貼り合わせたかのように前の語り部の話の続きの話となっていて、いかにも作為的な匂いを醸してしまって気持ち的に作品に入り込むのを邪魔してしまった。 太平洋戦争に駆り出された若者たちの気持ち、ゼロ戦乗りの現実、意外性のある結末など、見るべきところが多く感動したため、作品に入り込むための仕掛けについてはしっかり練りに練ってほしかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語は熟練のゼロ戦パイロットであり、特攻隊員として終戦間際に亡くなった主人公を軸に彼に関わる人々の様々なエピソードが紡ぎ合わされ、構成されています。放送作家だった百田尚樹さんの文章は人物、情景を非常にリアルに描き出し、落ち着いた筆致にも関わらず、どんどん物語に引きずり込まれていきます。主に戦友だった人々の思い出から彼の人物像が鮮やかに浮かび上がります。フィクションでありながら、作品には実在の有名な戦闘機パイロットたちも多数登場し、ノンフィクションの面持ちを持っています。戦争の惨さ、当時の軍首脳部の兵隊や民間人を人間とは思わない身勝手さを、人々の無念の想いが随所に語られ、戦争が個人の意思や人生を抹殺する絶対悪であることを改めて認識させられます。終章で個々の物語は一気に繋がります。先の大戦で亡くなった多くの人々の無念の思いの上に現在の平和の礎が築かれていることを思いました。戦争ものでありながらヒューマニズムに溢れた素晴らしい作品です。次代を担う若い人々にも是非読んでもらいたいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
レビューを読み購入を迷っていたこの本を、結局街の書店で見かけたときに購入しました。正直もっと安く買えたかもしれないと思ったのですが、読み始めると定価以上のものを手に入れた感がありました。 この本の感想は、戦争を知らない私が語るのがおこがましい気がします。「特攻隊がテロリストと同じ」というくだりがあり、確かに目や耳に入る情報だけならそういう解釈もできるかなと最初は思いましたが、この本を読んでいるうちに、自分が浅はかだと思いました。そして今私たちがテロリストと呼んでいる人々についても、自分は何も知らないのにその人たちを悪人、狂人扱いしている分がかなりあると思いました。 戦争の時代、今の民主主義とは程遠い思想の世界のなかで殆ど人生の選択肢もなかった若者がそれでも気丈に死を覚悟して帰ることができない戦場に赴く。そんな人たちからみれば今の日本の姿は信じられないかもしれません。また、どこかで落胆されているかもしれません。。。 この本を読んでただ1つ切に思うのは、多くの人々の命をなくしてしまう戦争は二度と起こしてはならないということです。戦争という状況下、人間らしく思い、感じ、生きることがどれだけ難しいことなのか。そして人間らしく生きたがために、皮肉にも死を選ぶことになってしまった「宮部さん」は戦争の犠牲者です。多くの「宮部さん」が戦争で亡くなりました。今もどこかで多くの「宮部さん」が、もがき苦しんでいると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あまり戦争ものの作品を読まないがこの本は読む手が止まらず、素晴らしい作品だと感じた。 昭和の戦争の時代をその時代に生きた人間と現代人だけでなく、日本とアメリカに至るまで 多面的に客観的にどちらの視点からも捉えて描かれていると思う。 それでいて登場人物に感情移入しやすく、話に入り込むことが出来る。 後半部分では感動や悲しみ、やりきれなさなど様々な感情が交じり合い、 涙なしには読むことが出来ない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まるで映画を見ているように、戦場の様子が目に浮かびました。読み進むにつれ、宮部さんたちを始めとする海軍パイロットや陸軍兵士たちが幹部の無謀な作戦によって使い捨ての駒のようにいいように使われていく様を見て、憤りと共にあまりの絶望ぶりに苦しくなりました。 この本は翻訳されて、全世界の人に読んでもらうべきものだと思います。 少なくとも神風はテロリストでは決してないということだけでも知ってもらいたいです。 この本は愛国心を教えてくれました。筆者の百田さん、そして当時の世代の全ての方へ感謝申し上げます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
祖父を調べる動機がありきたりで少々がっかりしました。 それとどうしても主人公の語り口が淡々としていて中々感情移入できません。 もっと主人公と言う切り口からストーリーを広げてほしかったし、姉のキャラも弱かった。 飛行機乗り、整備兵達の話しは鬼気迫る物があり、とても良かったです。 ただ、体験記みたいな感じなので、ストーリー性を求める人には物足りないかと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『永遠の0』は、戦争の小説だ。戦争、と聞いただけで少し隔たりを感じるかもしれないが、 語り手は現代を生きる若者で、若者が自らの祖父を調査する、という筋なので、徹底して昔の様子が描かれるわけではない。 現代と、戦時中が交差しながら、「物語」という形で、鮮やかに、私たちの前に戦争はその姿を現していく。 戦時中の舞台では、今を生きる私たちと何ら変わらない、「生きたい」という希望を持った一人の無名の戦士の人生にスポットが当てられる。 読めば読むほど、時代の壁や、世代の壁を超えて、そこにいるのは、かけがえのない人だ、と痛感していく。 随分前に歴史の授業で耳をすべりぬけた、戦時中には何万人、何百万人の人が死んで・・・という温度のない言葉が、急にそら恐ろしく思い出された。 あのときはどうしても自分に近しいことに思えなかった真実が、この小説では、恐ろしいくらい身近で、決して他人ごとではない、自分のことのように、苦しいことに思えた。 今の時代も、人を愛する気持ちには変わりがない。無名のたった一人、一人が、自分の愛する人だったら、と考えると、胸がつんざかれるような気がする。戦争の時代は、決して遠い出来事ではない。今も私たちの世代に脈々と受け継がれている、それぞれのおじいさん、おばあさんの、かけがえのないたった一つの人生の、たくさんの集まりなんだ、と思う。それは決して他人ごとではない。 ヒトゴトで終わってはいけない。今一度深く考えるべきだ、と強く思わされた。 今の時代が戦争の時代の続きに存在していることに。愛する人を愛せる、愛する人から愛されるこの幸せに。日本という国のありかたに。 現代を舞台にした部分については描写が足りない、と思うところはあったけれど、小説の「テーマ」は十分に大きく伝わって、静かに考えさせられた。 今年一番感動した小説だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
サッカー日本代表の松井が「日本人として知っておかなきゃならない」的なことを言ってたけど、なかなか戦争物は避けてきたというのが実際。 どのくらい史実に忠実なのかはわからないけど、「評判のいい本」ということが背中を押してくれて読むこととなりました。 資料をもとに描いているせいなのか、しつこい部分や重複する部分が気になりましたが、全体的に引き込まれてゆきました。 宮部という人間に強く興味がわいたせいかもしれません。 姉弟の話やその婚約者の話など、どうでもいい部分(急に文章が下手になる??)もありましたが、 ラストの持って行き方はキライじゃありません。 でも、ヤクザの財布の件は、いらないかなー?? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦争のイメージって? 国と国の利権の取り合い? 殉教精神の貫徹? 積年の恨み辛み? カッコつけて戦争を語る前に、改めて 考えなければならないこと。 それは、生と死のはざまで、もがき苦しむ 戦士が必ずいるということ。 そして、その戦士にはほとんど必ず家族がいるということ。 「命の洗濯」ではなく「命の選択」。 生きるか死ぬか、選択できない状況が想像できるか? 不治の病ならいざ知らず、他人から死になさいと言われる ことが現代日本であり得るだろうか? 今作はフィクションであるが、そういう時代・史実が 確かにあったことを忘れてはいけない。 日本の作戦の無謀さがあったかどうかはどうでもいいし、 現実は違ったのかもしれない。 ありきたりに、「戦争の悲惨さ」のみで語りたくない作品であり、 日本人のみならず、現代人には読んでほしい、というより 読まなければならない作品だと思った。 ミステリー要素が、テーマの戦争に輪をかけて感涙を呼ぶ。 斜に構えて、現代の平和を謳歌している我々が恥ずかしいと 思うとともに、先達の功績と犠牲の上に成り立っている 現代社会と、先祖や家族への無類なき感謝を胸に、 「生きている」実感をかみしめて、生きていかなければならない。 選択なき人生を全うしていった諸先輩方に報いるために。。。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!