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永遠の0
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永遠の0の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2077件 1981~2000 100/104ページ
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| 65回目の終戦記念日に合わせるように読み終えた。 2週間前に購入し、 以来、通勤途中や細切れの時間を見つけて読み続け、 今日の終戦記念日に読み終えたばかり。 『永遠の0』の「0」とは、零戦の「ゼロ」のこと。 もしかしたら「すべてが無になる」という意味の「ゼロ」かもしれないが。。。 零戦。 正確には「零式艦上戦闘機」。 物語は、その零戦パイロットで最後には特攻隊で死んでいった宮部久蔵という人物を インタビューによって浮かび上がらせる。 「生きて帰る」。 生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」と蔑まされながら 零戦での戦闘にあけくれた凄腕のパイロットであった宮部。 その彼がなぜ終戦間際に特攻によって死ななければならなかったのか? 物語は、彼の孫たちがかつての彼の戦友たちへインタビューすることによって進行していく。 読み進めながら明らかになる宮部の生き様。 戦争という非情な世界に身を置きながら、人間らしく生きようとする矛盾と葛藤。 自分だったら宮部のように「十死零生」という過酷な状況の中で、 冷静に、しかし苛烈に生き様を貫いて生きていけるだろうか。 読みながら自分が試されている気がした。 「お前はしっかり生きているか」と。 この小説は物語を楽しむと同時に、 太平洋戦争という戦争を改めて学び直すきっかけにもなる作品である。 零戦という当時、世界最高の戦闘機を生かし切れなかった理由も分かる。 最高の戦闘能力を持ちながら、防御に対する配慮は皆無に等しい。 ここに日本軍の戦いに対する思想が如実に表れている。 そこには零戦に乗るパイロットへの生命への配慮などない。 撃たれて戦闘機がダメになっても、 パイロットが生きていればまた戦闘機に乗ることができる。 しかし、日本軍は防御機能を極端に減らしたことで、 攻撃を受けた零戦の死傷率は極めて高かった。 さらに助かって敵の捕虜になるくらいなら自爆せよ!という考え方をしていた。 戦陣訓の「生きて虜囚の辱めを受けず」の教えだ。 これでどれだけ無駄な命が損なわれたことだろう。 日本軍は零戦とともに優秀なパイロットも失っていくのである。 最後は促成訓練したパイロットを特攻隊で死なせていくのである。 促成されたパイロットが敵の攻撃をかいくぐって、 目的の艦隊へ突入できたのは、ごく稀なことだったという。 特攻隊といいながら、その目的を果たせずに打ち落とされた零戦パイロットたち。 宮部は日本軍の愚劣な戦争遂行に異を持ちながらも、 最後は特攻の任に就くことを選ぶのだ。 物語の最後の驚愕の真実に胸が熱くなり、 涙が流れる。 この物語を読んで良かった。 戦争を知らない世代こそ読むべき小説だ。 戦争というもののリアリティが失われた現代人こそ この濃密で清冽な物語を読むべきだろう。 宮部久蔵という人間の生き様に教えられることは多い。 そして、 「二度と戦争は起こしてはならない。」 その思いをこの小説を読んであらたにした。 | ||||
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| たまたま売り上げランキング上位ということで購入したのですが、この本に出会えて本当によかったです。 | ||||
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| 65年目の終戦記念日にこの作品を読み終わりました。 特攻に関する本は初めて読みました。 フィクションなのでしょうけれど、よく調べて書かれたものだと思います。 読みながら、何度も涙がこぼれ、本を閉じ、また開き、一歩一歩物語を進んできました。 東京大空襲を経験した祖母と、陸軍兵士として南方に出征した経験のある祖父のことを思い出しました。 兵士を含め、戦争で亡くなった全ての人に家族があり、愛する者があり、人生がある。 そんな当たり前のことを、強烈に目の前に突きつけられた感じです。 日本人として読んでおくべき本だと思いました。 祖国と愛する者を守るため勇敢に戦い抜いた英霊達に合掌。 | ||||
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| 本書に描かれている回想録が事実だという前提の上で、太平洋戦争の現場の一端を伝えるという意味では、とても意味のある作品であると思う。 戦争というものがどういうものであったかというのを、自分のような考えようともしていなかった人間にきっかけを与えられるというのは、どれだけの意味があることだろうと考える。 ただ、ひとつの小説の作品の評価となると個人的には別の感想を持った。 単純にこの物語は何を描こうとしているのかという部分については、正直今ひとつ分からなかったというのが本音なのである。 文庫本の中に「百田尚樹の世界」というパンフが入っており、そこには「『誰のために生きるのか』そのことを現代に問おうとした作品です」との記述がある。 そうだったの? そういう印象なのである。 そして、そうだと見ると自分の中で結末に対して「?」な意見が残るのである。 そのような部分も含めて、多くの人に読んでもらい、意見を聞いてみたい作品かもしれない。 | ||||
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| 百田尚樹は、今、気になる作家である。「BOX!」も「風の中のマリア」も「モンスター」も、全く違う題材を扱いながらそれぞれ面白く読めたし、レビュー上にも書き込ませて頂いた。ただ、デビュー作の今作は、今まで手に取る機会がなく未読であったが、文庫化され、評判になっていると聞き、ようやく購入、終戦記念日である本日、読了した。 あらすじについては言うまでもないだろう。第2次世界大戦終戦直前に特攻隊員として若くして戦死したひとりの零戦乗りの男の軌跡と生き様を追いながら、兵士たちは何の為に戦い、何を思い、散っていったのか、そして、平和とは、戦争とは、家族とは、国家とは、愛国心(道徳心と言い換えても良い)とは、を読む者たちに否応なしに問いかけ、考えさせる作品となっている。 この本の魅力は、巻末の解説で、児玉清氏が余す事なく語っている事に尽きるので、私如きがくどくどと申し上げるまでもないが、ひとつだけ言わしてもらうと、それは構成の妙であって、現代を生きる戦争を知らない若者が、生みの祖父とも言える人物を調べるとの設定を取った事で、祖父を知るかっての“戦友”たちが、祖父との接点を思い出しつつ、生き残った者として、自らの体験を振り返っていく処だ。 真珠湾、ミッドウェー、ラバウル、ガダルカナル、沖縄、第2次大戦時の激戦地での壮絶かつ凄惨な史実が、時系列通りに詳細に語られる事によって、私たちがイメージとしてしか捉えられていなかった戦争の悲惨さと本質が見えてくる。 思えば、作者は、ボクシング、蜂と昆虫の生態、美容整形と人相学、と他作でもその綿密なレクチャーぶりを感じたものだが、今作も、その取材力に感心した。 もちろん、今作はフィクションであり、これが戦争の全ての真実とは思わないが、戦争の証言者たちの言葉を借りての、作者の思いがひしひしと伝わってくる熱い1冊、若い世代にも是非読んで欲しい。 | ||||
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| 内容は既出のとおり戦記物の繋ぎ合わせ感が強く、ドキュメンタリーとして捉えた方がよいかと思います。 私も昨年本書を読む前に大叔父の戦死日から所属飛行隊を追いかけ、最後の様子も判らぬまま散っていった英霊が大半を占める中、僥倖に恵まれ記録(戦闘行動調書)を発見するに至りました。 現実には、残された手紙等には検閲の為所属部隊は記載されておらず、想像力を働かせながら丹念に資料を調べ、割り出し作業をしなければなりません。機種・部隊編成や用語等の総合的な知識が無いと調査は難しいものがあります。 記録についても終戦時に大量に焼却が行われせいで偶然焼却を逃れ進駐軍に接収され、さらにそこから返還された物のみとなります。 また所属をつきとめたものの、戦後60年以上が経過し戦友会は高齢の為既に解散して連絡不能となっており、当時の出来事を当事者から直接聞くことは未だかなっておりません。 偶然本書と同じ様な体験をさせて頂きましたが、フィクションとはいえ羨ましく感じました。 | ||||
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| 毎年この時期(8月中旬)になると戦争を題材とした小説が書店の店頭に並ぶが、 旅行する時期とも重なることから、今回も急ぎ手にした本が「永遠のゼロ」 であった。昨年は、横山秀夫の「出口のない海」、共に特攻隊が描かれた小説を 選んでいたとは偶然だろうか?と不思議な感慨を持った。 零戦にまつわる話は聞きかじっていた程度で、第二次大戦の初期段階で日本の 快進撃を支えた立役者であったこと、また、その戦闘能力と引き換えに防御と いう点では全くお粗末そのものであり、戦闘員の命を全く顧みない構造であった ことなど。 小説ということで物語りは展開していくが、そこにははかなく散っていった兵士の あまりにも悲しい惨状を描き出していた。 真珠湾から始まり、ミッドウェイ海戦、ガダルカナル島の死闘、最後には本土上陸 の砦として九州各地の特攻基地とそれぞれの戦況が回想という形で語られており、 そのまま戦記として充分に読み応えがあった。 実際には激戦地を生き抜いた兵士の中には未だに口を閉ざしたままであるという ことだが、生き残ったという負い目と戦後の扱われ方が心を閉ざした原因となって いたこともよく理解出来た。 いづれにしても玉砕を指示した当時のエリート集団たる大本営の歪んだ思想は、 果たしてどこから来るのか全く持って理解出来ないし、また激しい憤りを感じた 一冊だった。 | ||||
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| 七年前に亡くなった私の父は大正14年生まれ、戦時中は陸軍の兵士として朝鮮半島→満州→台湾で従軍し日本に帰国しました。父から聞いていた戦争の悲惨さ愚かさ狂気はこの書に書かれていることと同じでした。とりわけ当時の指導者の戦況を見る目のなさ、かつ奇妙なエリート意識ゆえにたたき上げの現場の声を無視した行動はとりわけエリート官僚が現代日本をダメにしたのと重なります。 また「特攻隊はテロ、今で言うイスラム教の自爆テロと同じ!」と断罪する登場人物には、こんな奴らが戦後の日本では文化人と称賛され思想の中心だったことに哀れみを感じます。終戦記念日に近い今日この頃、この本に出会えた幸運を感じます。本来であればこの主人公のように特攻隊として尊い命を落とした戦没者や、本書に出てくる南方の戦線で誤った首脳陣の犠牲となって餓死した方々、彼らの犠牲のもとに今日の日本の平和があるのだとあらためて感じました。 | ||||
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| 回想ものだが、80才前後の老人たちが、あれほど事細かに思い出を話せるはずはなく不自然。また、人物も類型的な面が多く、茶髪の青年が祖父の話で号泣するとか、元やくざが老人でありながら、組の若いものみたいな言葉遣いをするとか、いろいろ小説としての欠点はある。しかし・・・・・。 近年、これほど涙しながら読んだ本はない。途中から涙で文面が見えなくなってしまった。しかし、涙をぬぐう時間も惜しいまま読み進めた。こまかいことは言いません。とにかく読んでほしい。自分の祖父を犯罪人のように習ってきた最近の子供たちにもぜひ読ませたい。 | ||||
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| 先日、ベトナムの戦争資料館に行ってきました。 そこで友人と話題になったこと。 「ベトナムの子供はみんなここに来るんだろうか?日本の子供は修学旅行でディズニーランドなんていってる場合じゃないよな。」 小説としての。。。というご意見があるようですが、読ませて伝える、という意味でこれだけの情報量を今の若者に短時間で伝える手段として見ると成功している著書だと思います。 私は涙が止まりませんでした。 太平洋戦争で亡くなった300万人全ての人に、家族や友人とのストーリーがあったんだと思うと、本当に戦争は罪だと思いました。 | ||||
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| 久々に感動する物語を読んだ。特攻隊員として終戦直前に命を落とした義祖父の最期の姿を姉弟が追う、と言うやや月並みな題材を用いながら、愛・信頼・矜持と言ったものの尊さを謳い上げた作品。義祖父宮部は真珠湾以来の凄腕のパイロットとして知られていたが、同時に「臆病」との陰口を叩かれていた。それは、宮部が妻子(姉弟にとっては祖母と母)のために、「生きて帰る」事に執着していたからである。それでは何故終戦直前になって、宮部は特攻を志願したのか ? これが本作のテーマである。 物語の殆んどは、宮部を知る元軍人達の回想談によって構成される。前半は、私の様な世代の者にとっては冗漫な気がするが、若い読者のために敢えて丁寧に太平洋戦争という物を説明したかったのだろう。最初は単なる戦記ものかと思ったが、重厚な描写に次第に惹き込まれて行った。宮部の関係者以外は実名で登場し、書かれている戦闘等も史実に基づいている。タイトルにもなっている零戦がある意味では本作の主役とも言え、性能分析や戦法紹介が緻密になされている。グラマン社が回収した零戦を分析した話も実話で、グラマンの技術者は「これなら(搭乗員の命を軽視するなら)我々でも作れる」と語ったという。零戦は良くも悪くも日本軍の象徴だったのだ。元軍人達の口吻に海軍への批判が読み取れるものの、作者自身には思想的背景はないと思う。回想談を読み進めるうち、宮部という男の清廉さや仲間との交誼に共感を覚えるが、その中に巧みに伏線が張られているのが上手い所。そして、最後の証言者によって明かされる感動の秘話。 戦争という現実の重みの中で、愛や友情や矜持と言った理想主義的なものの素晴らしさを感じさせる作品である。「永遠の0」と言う題名は世代を乗り越えてこのような精神が続いて欲しいとの願いであり、「現代はどうか」との問い掛けでもあろう。 | ||||
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| 小説としてどうか、という視点から見ると色々なご意見があるのは良く分かります。 が、中学生の自分の子供には読んでおいて欲しいということは強く思いました。 彼らには(もちろん私もですが)想像もつかないような時代が実際にあったということを感じてほしい。 今彼は隣で読んでいますが、最後まで読み切ってほしいと願います。 | ||||
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| 特攻隊といえば、ついてない時代に生まれたついてない人達という認識があったし 読み終えてその考えが変わるということはない。 読後に残るのは他の戦争物と同じようなどうしようもない遣り切れなさ。 主人公は絶対死なない、生きて帰る、と公言し他の旧式軍人の中で異彩を放つが 現代人から見れば親近感があり、だからこそ彼の最期の選択には想像を超えるもの があり大粒の涙を流させた。 | ||||
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| こんなに熱くなる小説は久しぶりです。 バラバラになった記憶の断片が、最後にあんな展開になるとは! 間違いなく面白い。 この暑い夏に読むことをオススメします。 読み終わった後に見上げる青い夏空は、ずいぶんと違って見えます。 | ||||
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| この本を読み終えたのは、ちょうど旅順に203高地を訪れる前の日、大連のスタバだった。 ひとめもはばからず泣ける、とはこのことかとばかりむせび泣き。 読み始めから関連する関連DVDを借りてきてイメージを広げながら 読んでいったがそうした脳の中の映像化がしやすいストーリーなのだろう。 史実を再度確認するひとつのきっかけにもなった。 | ||||
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| あのですね いい本だと思いました そこら辺の資料読むより これから戦争を知ろうとする人にはいい本だと思います。 実際 私、何も知らずにこの本を頂いて読み始めたのですが、 フィクションと気付いたのが中盤に差し掛かった頃で... お恥ずかしい 実在の撃墜王、西沢飛曹長が架空のおじいさん 宮部さん の事を “見習わなくてはな” なんて言うし その他、坂井三郎とか その他の著名な撃墜王達が出てくるんですから 結構戦記物が好きで 日本の著名なパイロットの事は知っているつもりでしたが “宮部”なんて言う こんな凄いパイロット 居たんだ なんて思ってしまいました。 その辺の過去のお話は ◎ でしたが、 姉と弟の辺の描写や男と女の関係が少々白々しく、その辺から ?? これは本当に実話か? と思ってしまいました。 過去の話のリアリティーと現在の話のリアリティーの無さに少々ギャップを感じてしまったんですよね。 でも 良かったですよ この本。 フィクションですが今の自分より若い、当時の若者達の思いが上手い事書かれているあたり 涙ぐむとことか有りましたし。 読む価値はあると思いました 特に戦争を知らない今の若者達には | ||||
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| 読み終えた後、他の方にも薦めたくなる本です。寸暇を惜しんで読みたくなる小説でした。話の大筋はカバーに載っている数行の紹介文で、だいたいわかってしまっているのです。しかしそうではあっても、読んでいて爽快でした。感動し、涙しました。本の中に挟まれた小さなパンフレットに著者の言葉が載っています。小説を通して「読者に『生きる勇気』『生きる喜び』を与え」たいというのです。まさにそんな小説だと思います。よく調べて書いていますね。巻末の「主要参考文献」にはありませんでしたが、『失敗の本質』も当然読んで書いていますね。その内容がコンパクトに出てきています。もしかしたら、靖国神社(アレルギー反応をもたないでいただければ幸いです)の社務所で販売している『英霊の言の葉』(兵士たちの遺書を集めた冊子です。7年ほど前ですと第八巻まで出ていたと思います)も読んでいるのではないでしょうか。その第一巻もお薦めしたいです。例えばその中の「愛児への便り」は特攻で亡くなった25歳の若者の遺書です。この若者たちが守ろうとして死んでいった日本で、今自分がすべきことは……?著者がそんなことを考えたように思うのは勝手な推測でしょうか。この小説を読むと、目の前の小さな悩みや心配が遠のいていきます。命まではとられない、自分はまだ幸せだ、そう思えます。また主人公のように、人々を幸せにしたい、そう思いました。 | ||||
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| 戦記物はわりと好きで結構読んでます。本中で紹介されるエピソードはほぼ知っているものでした。巻末の参考文献の欄を見てなるほどと。読んだことある本がたくさん並んでました。作品の構成は、戦時のエピソードを軸に、そのエピソードの周辺にいたという設定の架空の人物が思い出話を語る部分が9割で、元特攻隊員の祖父について調べる現代を生きる姉弟の物語が1割って感じですかね。作品の殆どを占める戦時の思い出話部分には特に目新しいものはなく良く知られるエピソードをしっかりなぞったという感じ。その視点、切り口にも特段新鮮に感じるものはないけど、代わりにというか昔の同僚か上司の孫を相手に彼らの祖父との思い出を語るには明らかに語りすぎでしょうと思われるところが多々あります。まあその辺は作者も分かっていながら敢えて書いているんだろうとは思いますが。残り1割ほどの作者の完全な創作部分である現代の姉弟の物語については、はっきりいって白々しいというかなんというか、正直、素人小説っぽいです。「小説」としては出来のよい本ではないかなというのが偽らざる感想です。 ただ、この本がいいなと思うのは、ありきたりなことですが、今のこの恵まれた時代を再発見でき、頑張らなければという気持ちにさせられるところですね。さらに生意気なことを言わせて貰えれば、戦記物に興味を持っていない人や抵抗がある人って多いのではないかと思うのですが、そういう人に小説というスタイルで、戦時を生きた方々のエピソードを伝え、残酷で過酷な戦争の現実や、そういう時代を生きざるを得なかった人たちの生き様、想いを伝えることができるだろうと思われることです。言うなれば小説作品としての評価は??ですが、メッセージ性に富み、読む価値は高い(という類の)本であると思います。 最後に不満を少々。多少ネタばれ要素ありで・・・。明らかに語りすぎと思われるところがあると前に言いましたが、語りすぎ過ぎでちょっと不問に付せないところがふたつほど。ひとつは、老人が戦時の思い出を語る中で、「その夜狂ったように妻を抱きました」というようなことを語るシーンです。会ったばかりの他人に、奥さんとの過去の密かな営み、しかも狂ったようにという恥ずかしいことまで赤裸々に語る人間がこの世にいるでしょうか?さらに言えば80才を超えた老人が。その手の調査だというなら分かりますが、昔の同僚か上司の孫に祖父の思い出話をしているわけですから、自分の妻との性交体験談は全く関係ないんです。作品を情緒的に膨らませたいという作者の気持ちは分かりますが、現実離れの許容範囲を明らかに超えていると思います。もうひとつは最後の、誰にも言わず墓まで持っていこうと思っていたという亡き妻(姉弟からすると祖母)の秘密の過去の話。その話は、娘には語れないなら孫にはもっと語れない内容です。最後にヒネリを効かせたいと思った作者の意図は分かりますがはっきりいって強引すぎてシラケました。ヒネるんだったら別にそこに至る背景を語る必要はなく、単に「やくざ風の男に転落しそうな危機を救われた。その男は「生きろ」と財布を投げ渡し名もいわず立ち去った」で十分だったんではないですかね。背景は推して知るべしで。 | ||||
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| 戦争を知る人も知らない人も、 日本人であるなら読んでおくべき名作です。 生きて行くこととは何か、人を愛することとは何か その問いかけに作者が真正面から向かい合い、 全身全霊をもって練り上げられたことがわかります。 単純な戦争批判や追悼に偏らず、一歩引いた視点から「人生」をかたるのですが その根底には深い「人間愛」が脈々と流れています。 圧倒的なリアリティを備えた描写力は読む者を虜にします。 本作が小説デビュー作とは思えないほど構成力は高く、 作中に散りばめられたエピソードがもつれ合いながら物語は結末へと向かいます。 最後の2章は鳥肌を立てながら読みました。 小説でこれほどの感動と衝撃は久しぶりです。 恐らく数十年後には学校の教科書で紹介されることになるでしょう。 唯一残念なのは60年前の人物と比較して、現在の主人公たちの人物像があまりに薄っぺらいことかな。 | ||||
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| この原稿を最後まで読んで本にする決断をした編集者が偉い。その人が偉いと思う。わたしなら最初の50ページで捨ててしまった。 なんといっても現実味に乏しいストーリー。 戦後60年たって主人公の生前の言動を鮮明に記憶する80代の高齢者が、数人もいるなんてまずありえない。可能性は1パーセントもないだろう。この小説の「孫」がどういう方法を用いたのか知らないが、最も効率がいいのは国会図書館に寄贈されてある戦友会の記録をあたること、靖国神社に協力依頼することだが、作中で「孫」がやったようにひと月やふた月でできることではない。 また「エリート」として出てくる新聞記者。おそらく朝日か毎日をさしているのだろうが、1970年代じゃあるまいし、今時こんな考え方をする奴はいない。「エリート」といわれるなら防衛や世界史、国際関係論をもっと現実的に見る。この作品のように「特攻とアルカイダは同じ」とするやつが全国紙の東京本社で企画担当記者になれるわけがない。日本の新聞社は「SAPIO」で小林よしのりがいうほどに馬鹿ものだらけではない。 それでもこの小説は面白い。なぜだろう。おそらく、文庫のあとがきに児玉清氏が書いているように「心を洗われる感動的な出来事や素晴らしい人間と出逢いたい」という私たちの願望を、見事に叶えてくれたからだろう。登場人物が善人で純粋な人ばかり。「こんなはずはないだろう」と思いつつも面白く読み進める。 これは戦記文学ではないのに、そのように論じるレビューが目立つ。物を知らなすぎる人の意見だ。日本には吉田満や大岡昇平や長谷川四郎などの多数の優れた「戦記文学」が、世界に誇れるレベルですでに存在している。一方、この作品はただの、しかしよくできた、エンターテインメントである。地平が異なる。そこをきっちり強調しないと、罪深い情報を存在させることになる。 この作品が今の読者に受け入れられると感じた編集者は、やはり褒められなければならない。著者の筆力を早々に評価したのだろうから。本当に偉い。そこでだが、私は著者に歴史物の続きを期待したい。ボクシングもいいが、やはり逢坂剛なみに緻密なものを望みたい。たしか筆者はフルトヴェングラーマニアでなかったか。その辺を題材にとった作品は私の知る限り、日本にはなかったはず。期待しています。 | ||||
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