八日目の蝉

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八日目の蝉の評価:

4.06/5点 レビュー 425件。 A ランク

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平均点4.06pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全735件 661〜680 34/37ページ
No.75
(4pt)

母とは

女の核心部分をついてくるような小説だ。
角田さんのつむぐ言葉は、平易で、シンプルでいて、女の心をすっと突く。
痛い部分をまさぐられるのに、決して責められているわけじゃない。
いいんだよ、と許され、なぐさめられている感じがする。
女の、あっちへこっちへたゆたう不安や、分かっていても流されてしまう弱さを、
これほどまでに精緻に、そのありのままに、書いている小説があろうか。
女の、男性に対する女としての部分。
子に対する母としての部分。
友人に対する部分。
多面体の女が、この小説には裸にされている。
とくに、子供に対する母親の感情。
その描写はすさまじい。
子供を持ったことのない私でさえ、鳥肌がたつくらいの、ぴしゃりとはまる表現。
母親のシンプルな愛。
涙が出てしまう。
とても弱いのに、とても強い。
とても賢いのに、とても愚か。
そんな、いとしい女たちの、等身大の小説が、ここにある。
おもしろかったです。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.74
(3pt)

釈然としない

誘拐された子どもが戻った本当の家庭が荒れていたのは、子どもの父親が
不倫し、その結果子どもが誘拐されて、空白の時間が出来た
のがそもそもの大きな原因ではないかと思え、感動できませんでした。
誘拐した子どもを愛したことはわかります。「まだ朝ごはんを食べていない」という
言葉にも泣けました。でも私なら(あくまでも私ならですが)、
いくら愛しているからとはいえ、保健証もない、学業保障もない、衣・食・住も
危うい環境で子どもを育てなければならなくなった場合、子どもは手放すと思います。
不倫が悪いとは思いませんが、大人がしたことで子どもが犠牲になるのは
美しいとは思えません。
元の家庭に戻ったのに、きちんと家庭を再生する努力を怠る両親だったことが不幸だと
思います。
ラストで子どもを産み、元の家庭で育てることで、元の家庭ごとやり直し、
生きていこうとする主人公が頼もしく、凛々しく感じられたのが救いでした。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.73
(4pt)

生々しい人間描写

 人間って完璧になりたいけれどなれない苦しい存在なんだなーって思ったのが読んだ後の感想でした。
希和子も不倫相手の男もその妻も・・。でも、与えられた「役割」をこなさなくちゃいけなくて、でも上手く出来なくて。。本人だけでなく子どもも周りも苦しい。。そんな描写がリアルすぎて、涙が出ました。
 どんな役割だって、与えられて上手く出来るときもあるし、出来ない時もある。当たり前の事なのに、成功例ばかりを見ちゃっているから出来ない自分にびっくりしたり、失望したりすることが多いです。で、出来ない自分に折り合いをつけていくのがまた難しいのだと思います。。
 希和子は犯罪を犯して、与えられた自分でなく「なりたい自分」になれたのだと思います。だから、過酷な状況でも薫にとっては、最上の母親であったし、二人共幸せだったのだと思います。本当は捕まって欲しくなかった。したたかに、戸籍を誤魔化して、島の男性と結婚して欲しかったです。。
 
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.72
(4pt)

とても好きですが、ちょっと逃げた印象を受けます・・

以前から読みたいと思っていましたが、NHKのドラマをちらっと見たのがきっかけで
1Q84を読み終えたタイミングで購入しました。
私自身が2歳の男の子の父親であることもあって、とても感情移入してしまいました。
けっこうウルっと来る部分が多く、電車で読んでいる時など、ヤバかったです。
(「幼児誘拐など何があっても許されない!」という気持ちに蓋をする努力は必要でしたが。。)
全体的に、意図的か分かりませんが、描写が少しずつ足りない為、脳内補完が必要な
シーンが多く、しかしそのおかげで逆に、感情移入が深まった要素はあるように思います。
火事のくだりなどは、あえて(?)踏み込まれていないことで、色々な解釈が可能ですし、
うまいんじゃないでしょうか。
ですが、ラストについては、、、
嫌いではないのですが、この部分だけは、もう少しはっきりした結論が欲しかったなと、個人的には思います。
多くの人がレビューで言われてるように、私も「涙の再会」のようなラストは陳腐だな、とは
思いながら読んではいましたが、
しかしやはり、何らかの形で再会を果たしたところを、読者に想像させるだけでなく、
書き手の言葉で見せて欲しかったなぁ、、、と。
この手の作品で、ある程度以上はっきりした結論を出した場合、多かれ少なかれ賛否が
別れるだろうと思われますが、それを避ける為でしょうか(?)万人から否定されようのない、
抽象的なラストで、きれいにまとめてしまったなぁ、という印象を受けます。
ここは、逃げずに、勝負して欲しかったですね。。。個人的には。。
実際、勝負した場合、相当な確率で陳腐になり、そうしたことで安っぽくなった小説というのも
良く見ますので、現状がベストなのかもしれないですが。。。
しかしやはり、最後に号泣したかったなぁという欲求不満が残ったのも、個人的には事実ですね。。
でも、良い本だと思います。
他人には薦めたいです。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.71
(5pt)

他の著作も読みたくなります

 大人になった恵理菜は、希和子を「あの人」と呼んでいる。また、小さいころの恵理菜も、希和子に対して普通の家族以上の感情は持っていないように思えた。テレビドラマでは親子両思いで幸せの象徴のように描かれている小豆島時代も、原作ではそれほどではないように見えた。希和子の香に対する感情は片思いだったのだろうか?
 他の登場人物の中には(例えば、恵理菜の両親)、非常に動物的あるいは自分本位なものに描かれている人がいる。もし仮にそんな登場人物像に、著者の他人像が込められているとすれば、著者自身が人間不信なゆえに、そのような人物像を描いたのかもしれないと思ってしまう。太宰治の「人間失格」を思わせるような文章や場面がいくつもある。希和子は著者の偶像なのかもしれない。
 ストーリーはシンプルで、淡々と展開される場面も多いが、時折差し込まれる文章や情景に胸がしめつけられる。この本を読んだだけでは、著者が人間をどのようにみているのか分からない。不信なのか、本当は愛すべき存在だと考えているのか。他の著作も読みたい。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.70
(5pt)

まだ読んでいない人へ

一気に読み終えるまでの時間を確保することをお勧めします。
仕事や睡眠のために読むのを中断しても、続きが気になって仕事がおろそかになったり眠れな
かったりする恐れがあるためです。
「不倫相手の子供を誘拐して、自分の子として育てる小説」ということを聞いただけでどのよ
うな結末になるのかが気になり、本書を一気に通読しました。登場人物達の心情は静かに、重
たく、そして鈍い音を出すようなドアノックのように読者の心を打ちます。それらの心情は、
まるで自分の中に重さをもったかのようでもあります。
子を育てる人に、そして家族を持つ人に読んで貰いたいです。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.69
(1pt)

感動作ですか?

不倫相手の妻の子を誘拐して育てる・・・
いくら愛情を注いでも、保障のない逃亡生活。おそらくあのままではまともな教育も受けられなかったでしょう。
その衝動にかられた理由は同情しますが、そもそも原因は自分自身にもあり、利己的なふるまいで何人もの人生をめちゃめちゃにする権利はないと思います。
結果として、本当の両親はかなりひどい人みたいに書かれていて、希和子に育てられてよかったみたいな感じになっていますが、それは違ううんじゃないでしょうか?
なんだか救いようのない話のようで・・・
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.68
(2pt)

どうしても…

希和子が手放した預金通帳からホームは早々と預金を引き出したはずです。 希和子たちが2年半も安穏とホームで暮らしていたなんて警察は指名手配犯の口座を押さえなかったのか?逃亡犯が逃亡資金を引き出すとは考えなかったのか?逃亡犯ではなく第三者が預貯金引き出しに訪れても事情聴取もしないのか?どうしてもこの部分が気になり、そこからは文章に入り込めませんでした。 全体的に詰めの甘い作品と感じました。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.67
(5pt)

この一言で・・・

一気に読みました。
もう真夜中になったころだというのに、
「その子は朝ごはんをまだ食べていないの。」
という一文で、涙が止まりませんでした。
現在妊娠中の私にとって、とても心が震える作品でした。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.66
(4pt)

切ない気持ちになります

描写や感情がリアルに追いかけられるので、特に前半は読むのが辛くなります(男性であっても辛くなるんです)。最後に、どこか希望の扉が開いている感覚があって、それが救いになっていると思います。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.65
(5pt)

忘れ物を取りにいくように・・。

NHKテレビドラマ放送をきっかけにそして主役の壇れいさんのファンということもありこの小説を読みました。
誘拐を肯定出来ないにもかかわらず読み進むうちに希和子と薫の生活が少しでも長く続くことを願う自分が
いました。戸籍なく健康保険証もなく日本で生活していくのはかなり困難です。そのような制度に守られて
平穏に暮らしている事をありがたく思いました。しかし外界から閉ざされてはいるものの、しがらみを捨てて
生きていくエンジェルホームに(固定観念にしばられている自分に悩む私は)惹かれるものもありました。
逃亡中のワンシーンですが老婆の家に居候させてもらっている時に米や味噌を購入する場面があります。私には
印象的なシーンで自分の視野が広がった気持ちになりました。米や味噌を買う事は明日からの平和な生活が
待っているからと表現されていました。その事に希和子は強い願望をみせています。あたりまえのように平穏な
毎日が繰り返されスーパーマーケットで食品を買う日常がこんなにも気高いことに表現される文章にはじめて
出会いました。その後、薫が3歳まで続く生活も温度感や臭いがしてくると思うリアリティに満ちていました。
社会保障のない状況で、けれども恵まれた出会いの中で深い愛情をそそいで子育てしていく姿に私にないものを持つ
希和子を感じました。そしてさらに周囲に感謝する自分でありたいと忘れ物を取りにいくように小説を読む事が
出来ました。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.64
(5pt)

感動のあまりラストは涙がこぼれた

本を読みながら
涙を流してしまったのは
重松清さんの『流星ワゴン』以来。
帰宅途中の電車の中で
「これは大変なことになる」
頭の中に感涙ランプが点灯。
自宅について
ラストまで一気に読みきり
涙を流しながらおもわず、
拍手をしてしまいました。
ここは映画館じゃないんですどね(苦笑)
NHKのドラマキッカケで
読み始めたのですが、
ドラマは原作と多少内容を変える様子。
ラストをどうするのか、
キャストをどのようにするのか、
とても楽しみが膨らんできてしまいました。
秀逸な原作に負けない
ドラマになることを期待しています!!
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.63
(5pt)

読み手で変わる小説

これほどまで親子の描写、特に、薫の心情を描けた作家がいただろうか。
特にフェリー乗り場での希和子と薫が警察官によって引き裂かれる場面。
胸がぐ〜っと締め付けられる思いをしました。
でもこんな風に読めるのは、自分に子供ができたからじゃないかな?
とも思います。
薫の一つ一つの言葉、行動が目に浮かびます。
とてもかわいらしい薫の笑顔が目に浮かびます。
もし私が独身であったら、こんなにも感情移入できなかったのではないか。
そう思い、子供の『いる』『いない』で(全く差別的な感情はありません)、読後の感想が変わってくるだろう小説だと思いました。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.62
(2pt)

あの事件の小説化

この小説は、日野OL不倫放火殺人事件という実際にあった事件ですよね(wikiに記事があります)。不倫相手の妻が女主人公に浴びせた言葉、人物の年齢や経歴、性格などの設定や人物関係など、そっくりそのままなのです。それを公表せずに、自分の創作であるようにするのは、作家の態度として如何なものかと思います。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.61
(5pt)

主人公

ずいぶん前に読みました。
その時の衝撃はレビューも書けないほどでした。
まるで自分の人生を角田さんが見ていたのかと思うほど、恵理菜は私でした。
もちろん誘拐などではありませんが、私も4歳の時、家族と思っていた人達から引き離され、実の両親だという人達の家に連れてこられました。穏やかで優しくて、笑いの絶えない家で、末っ子として家族みんなから甘やかされて暮らしていた私は、人間関係の難しい、怒鳴りあいや罵り合いや陰口の絶えない家で暮らすことになりました。180度変わってしまった環境と、なにより親という存在が別人に変わってしまったことの混乱は、自身が親となり、思春期の子供たちと向き合う今になっても障害となっています。恵理菜が思い描く種子島の思い出は、私が今でも思い描く幸せだった頃の薄の海と同じものです。
でももし、あの幸せだった記憶がなければ、今、こんなに苦しく無かったのかもしれない。今、優しい夫がいて、かわいい子供達がいて、幸せを十分自覚しているのに、あの頃の混乱が止まずに私の中にあるのです。
希和子を主人公と読む人もいるでしょう。
私にとって薫としてではない、恵理菜が主人公でした。そして恵理菜の何もかもがまるで自分の姿でした。今度ドラマ化されるそうです。みようかどうしようか、少し考えています。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.60
(5pt)

切ないけれど、前向きです

 希和子の考えること、薫・恵理菜の考えることや体験してきた
 ことは、淡々と描写されているのですが、
 
 家族や友人等とのかかわり方というのは、自分自身の体験や環境と
 部分的に重なることも感じられてとても切ない気持ちがしました。
 また、それでいて、自分や家族、その他の人々・環境を許容して
 いくようになる、あるいは許容せざるを得ないと気づいていく
 ところは、人の生命力・前向きなさわやかさを感じさせます。
 こんな気持ちを持つのは小説の醍醐味でもありますし、
 これからのいい糧にもなった気がします。
 誘拐とか、宗教団体というのは仕掛けであって、
 それ自体はこの小説の主題ではないのだと思いますが、
 面白かったです。
 
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.59
(5pt)

男もはまる。

妻に勧められ読みましたが大変おもしろかったです。
浮気ができなくなります。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.58
(4pt)

感情移入しまくり

不倫をしていた佐和子が、相手の家庭に産まれた赤ちゃんを
誘拐して逃亡生活を送る第一章と、誘拐された薫が成人した
20年後の第二章とに分かれています。
前編は、自分の子のように大切に薫を育てる佐和子の
切実な愛情に何度も泣かされ、重犯罪なのに、このまま
逃げおおせたらいいのに、と祈ってしまうくらいでした。
そんな感傷を断ち切るように、後編は狂わされた運命に苦しむ
薫の目線で描かれています。
本当の親の元に戻ったものの、とても幸せとは言えない
家庭になってしまい、家族全員がこんなはずじゃなかったのに、
ともがいている姿が痛々しい。
不器用に、それでもなんとか前に進んで行こうとする薫を
愛しく感じました。
普通の人なら知らずに済んだはずの薫の体験を、
普通の蝉なら見ることのない「八日目」になぞらえたタイトル。
「無駄な経験など何もない」なんて言うと綺麗ごとだけど、
きっといつか見えてくるものがあるのかな。あるといいな。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.57
(4pt)

賛否両論あるものの…。

主人公が不倫相手の赤ん坊を連れ去り、
共に生活していく…。それだけを論点に
するなら共感する人など少数なはず。
でも作品としてとても良かったです。
一気読みでしたし。それだけ文章もよかった
ということだと思います。
やってはいけないことをやってしまった人を
“お前が悪い”と言うことは簡単だし言い切る正義感も
大切。だけどその裏にはこんな物語があったとしたら…
それが小説の醍醐味だと思います。
もう一回読んでみたいと思います。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.56
(2pt)

誰にも感情移入できなかった(ただしドラマはいい!)

子供のいる友人に、「子供がほしくなるような本を教えて」と頼んで勧められた本です。
期待して読み始め、先が気になり一気に読めましたが、最後まで登場人物の誰にも共感することができませんでした。
子供を育てるっていいもんだなと思えたらいいなと思って読んでみましたが、ムリでした。
ただ、希和子が薫に見せてやりたいと願ったものと、薫が生まれてくる子供に見せたいと思ったものが同じだったという点が、
「親子とは血のつながりではないのだ」という作者のメッセージだったと思います。
一番不可解だったのが、「新緑の頃に生まれる」と医師に言われただけで、ころっと考えを変え、出産を決意する薫です。
これにとどまらず、この本の登場人物は論理的に物事を考える力が欠如しすぎていると思うところがたくさんありました。そこが一番イライラしました。
薫の妹の真里菜ちゃんが一番マトモで、一番かわいそうだったと思います。でも、彼女のことは余り書かれていませんでした。
(追記)今、NHKでドラマ化されていますが、こちらはとてもおもしろくなっています。この長いストーリーをうまく短くしてあり、登場する女たちのそれぞれに共感できるところがあります。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165