八日目の蝉

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評判

八日目の蝉の評価:

4.06/5点 レビュー 425件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.06pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全735件 481〜500 25/37ページ
No.255
(5pt)

ノンフィクションのような

ノンフィクションを読んだような気がした。本当に希和子は存在しているようなそんな気がした。子を持つ親としては希和子の純粋な薫への愛情が優しく、悲しかった。
八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257
No.254
(5pt)

共感したくないけど二人の運命が気になり読む手が止まらない

主人公(きわこ)は実に身勝手でエゴイストだと思う。
現実から目を背けて、子供との生活に酔いしれているとしか思えず、正直読んでいて
胸糞が悪かった。
しかし一方魅力的でもあり、許せないと思いつつも、きわこと薫との限りあるであろう生活が
もろくて愛おしくて、繊細で、豊かで、きっと実の母と暮らしているよりも、丁寧に丁寧に
育てられているのだろうな、なんて考えつつ(私は4歳の娘をもつ母親だから、そんなこと認めたくないのだけど)ついつい引き込まれてしまいました・・・
複雑な心境のまま読み進めながらも、それ故に二人を待ち受ける運命がどんなものなのか、
この目で早く見届けたい!その一心で一気に読み終えてしまった・・・
読み終えてからも、薫がどんな風に人生を送っていたら本当に幸せだったのか、幸せが何であるのか、
善悪は何によって決められるのか、何を信じて生きるべきなのか・・・・
いろいろな事を深く考えさせられました。
どういった意味ではとても興味深い作品でありました。
八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257
No.253
(3pt)

親子ってなんだろう…。

角田さんの作品を読むと、いつも分からなくなる。
親子ってなんだろう…。

基本的に不倫が絡むお話では奥さん側に感情移入してしまうので、読んでいて辛いことが多いです。
ただこの作品では、誘拐された側の夫婦が分かりやすく嫌な人間として描かれているので、そこまで同情できませんでした。
誘拐は犯罪であり、一般的に希和子のほうが悪だとは思いますが、この夫婦、特に父親に対しては「自業自得だろうが」という念が強かったです。
というか、この夫婦の状況で妹が生まれていることが少々疑問でした。

むしろ第2章の薫の不倫のほうが、「奥さんは?」の考えが出てしまい、ちょっと辛かったです。
なので、薫と千草の二人のシーンは、読んでいてほっとしました。
ラストは爽快、とも言えないのかもしれませんが、すっきり終わっていて良かったです。

八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.252
(3pt)

親子ってなんだろう…。

角田さんの作品を読むと、いつも分からなくなる。
親子ってなんだろう…。

基本的に不倫が絡むお話では奥さん側に感情移入してしまうので、読んでいて辛いことが多いです。
ただこの作品では、誘拐された側の夫婦が分かりやすく嫌な人間として描かれているので、そこまで同情できませんでした。
誘拐は犯罪であり、一般的に希和子のほうが悪だとは思いますが、この夫婦、特に父親に対しては「自業自得だろうが」という念が強かったです。
というか、この夫婦の状況で妹が生まれていることが少々疑問でした。

むしろ第2章の薫の不倫のほうが、「奥さんは?」の考えが出てしまい、ちょっと辛かったです。
なので、薫と千草の二人のシーンは、読んでいてほっとしました。
ラストは爽快、とも言えないのかもしれませんが、すっきり終わっていて良かったです。

八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257
No.251
(5pt)

娘の気持ち

初めに映画で見て、希和子の気持ちとリンクしていましたが、
原作を読んでビックリ。薫の気持ちが痛々しい。。

こういう大変な生い立ちではなくても、大なり小なり自分の出自やそこから来る劣等感はあり、そこに
折り合いをつけて、みんな大人になるしかないって感じました。

よくも、悪くも。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.250
(4pt)

人は愚か。それでも生きる

第0章は、希和子が不倫相手の子供を拐うシーン。息をつめて読んだ。
第1章は、子供を誘拐して逃走するシーン。ハラハラ、ドキドキとして読んだ。
第2章は、拐われた子供(恵里菜)が成長して、その彼女のストーリーとなる。

最後まで引きつけられて一気に読んだ。

「日野OL不倫放火殺人事件(1993年)」を思い出した。(ただ、この事件の
犯人は不倫相手の子供二人を放火によって焼殺してしまう)

これはフィクションであるのだから、実際の事件を取材して小説化したものではない。
作家は、私たちの日常の周辺で起こっている事件をヒントに小説を書くものだと思う。

しかし、子を拐うとき、逃亡するときの希和子の心理描写、そしてさまざまな
シーンでの情景描写は実に巧みである。

終わりかたも、ある意味で巧妙であった。読者に、しっかりと余韻を残す術を著者は
知っていつのではないかと思われた。

読んで、せつなかった。でも、読んでよかった。

八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.249
(5pt)

娘の気持ち

初めに映画で見て、希和子の気持ちとリンクしていましたが、
原作を読んでビックリ。薫の気持ちが痛々しい。。

こういう大変な生い立ちではなくても、大なり小なり自分の出自やそこから来る劣等感はあり、そこに
折り合いをつけて、みんな大人になるしかないって感じました。

よくも、悪くも。
八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257
No.248
(4pt)

人は愚か。それでも生きる

第0章は、希和子が不倫相手の子供を拐うシーン。息をつめて読んだ。
第1章は、子供を誘拐して逃走するシーン。ハラハラ、ドキドキとして読んだ。
第2章は、拐われた子供(恵里菜)が成長して、その彼女のストーリーとなる。

最後まで引きつけられて一気に読んだ。

「日野OL不倫放火殺人事件(1993年)」を思い出した。(ただ、この事件の
犯人は不倫相手の子供二人を放火によって焼殺してしまう)

これはフィクションであるのだから、実際の事件を取材して小説化したものではない。
作家は、私たちの日常の周辺で起こっている事件をヒントに小説を書くものだと思う。

しかし、子を拐うとき、逃亡するときの希和子の心理描写、そしてさまざまな
シーンでの情景描写は実に巧みである。

終わりかたも、ある意味で巧妙であった。読者に、しっかりと余韻を残す術を著者は
知っていつのではないかと思われた。

読んで、せつなかった。でも、読んでよかった。

八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257
No.247
(5pt)

文学の力

久々に「文学の力」を見せつけてくれる現代文学に出会った気がしました。あらすじから見ると、もしこれがニュース番組で伝えられたら不倫相手の子供を誘拐した犯人が悪くて、子供を奪われた夫婦は被害者で、と、奥行きも見る事も考える事も無く終わると思いますが、実際に本を読むと、そんな一筋縄では行かないということが分かり、人間の感情の複雑さに圧倒されます。両親そろっていれば幸福、とか、血のつながったもの同士なら分かりあえる、とか、そんな生易しい事は通じないと思い知らされることが多いのが現代社会だからです。

偶然、最後の部分は通勤の電車内で読みましたが、希和子が逮捕直後に叫んだことを読んで泣いてしまいました。また、最後も登場人物がこれからも思索を重ね、かつ生きていくというのが暗示されていて、「サバイバル」という意味以外での力強さを感じました。

子供のいる人、いない人、辛い恋愛をした人、その他家族の意義について、あえて文学(考え抜かれた言葉を通じて語られた作りごと)を通じて考えたいという方々すべてにおすすめいたします。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.246
(5pt)

文学の力

久々に「文学の力」を見せつけてくれる現代文学に出会った気がしました。あらすじから見ると、もしこれがニュース番組で伝えられたら不倫相手の子供を誘拐した犯人が悪くて、子供を奪われた夫婦は被害者で、と、奥行きも見る事も考える事も無く終わると思いますが、実際に本を読むと、そんな一筋縄では行かないということが分かり、人間の感情の複雑さに圧倒されます。両親そろっていれば幸福、とか、血のつながったもの同士なら分かりあえる、とか、そんな生易しい事は通じないと思い知らされることが多いのが現代社会だからです。

偶然、最後の部分は通勤の電車内で読みましたが、希和子が逮捕直後に叫んだことを読んで泣いてしまいました。また、最後も登場人物がこれからも思索を重ね、かつ生きていくというのが暗示されていて、「サバイバル」という意味以外での力強さを感じました。

子供のいる人、いない人、辛い恋愛をした人、その他家族の意義について、あえて文学(考え抜かれた言葉を通じて語られた作りごと)を通じて考えたいという方々すべてにおすすめいたします。
八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257
No.245
(5pt)

ママさんは、余計入り込めると思います。

前半、不倫相手の子供をさらって逃亡する希和子。
後半、希和子が捕まった後の薫、恵理菜の幼児〜大学生について書かれています。

私は、2歳の娘を持つ母親なので
すごく複雑な気持ちでこの作品を読んでいました。
さらわれた瞬間は、こんな可愛い時期に許せないと言う
気持ちで一杯でした。

しかし読んでいくと希和子の目線での
話となっていくので一生懸命育てている希和子に共感していく方も
多いかと思います。
しかも本当の両親より希和子の方が理想の親には近い存在なので
余計そう思わされます。

後半、薫の思考、心情を読んでいて辛くなる事が多かったです。
それでも最後は、過去と向き合い、新しい人生を
スタートさせる事が出来て本当に良かったと思っています。

最後の薫と希和子のニアミスシーンはすごく
現実味を感じてすごく良かったです。

各々の立場で真剣に考える事が出来て
胸に響く、面白い作品でした。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.244
(5pt)

ママさんは、余計入り込めると思います。

前半、不倫相手の子供をさらって逃亡する希和子。
後半、希和子が捕まった後の薫、恵理菜の幼児〜大学生について書かれています。

私は、2歳の娘を持つ母親なので
すごく複雑な気持ちでこの作品を読んでいました。
さらわれた瞬間は、こんな可愛い時期に許せないと言う
気持ちで一杯でした。

しかし読んでいくと希和子の目線での
話となっていくので一生懸命育てている希和子に共感していく方も
多いかと思います。
しかも本当の両親より希和子の方が理想の親には近い存在なので
余計そう思わされます。

後半、薫の思考、心情を読んでいて辛くなる事が多かったです。
それでも最後は、過去と向き合い、新しい人生を
スタートさせる事が出来て本当に良かったと思っています。

最後の薫と希和子のニアミスシーンはすごく
現実味を感じてすごく良かったです。

各々の立場で真剣に考える事が出来て
胸に響く、面白い作品でした。
八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257
No.243
(3pt)

ドラマの方が・・・?

檀れいさんの出ていたドラマ版を見たのち、本を読ませていただきました。
ドラマ版では演出の都合か、細かいセリフやエピソードが足されていたようで、本の方は全体的に平坦な印象。
登場人物の心情の描写が少ないのかぼんやりしているのか、あまり共感できませんでした。

本を読んでいまいち共感できなかった方はドラマで見てみることをお勧めします。
ドラマ・映画の原作としては評価できる作品です。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.242
(3pt)

ドラマの方が・・・?

檀れいさんの出ていたドラマ版を見たのち、本を読ませていただきました。
ドラマ版では演出の都合か、細かいセリフやエピソードが足されていたようで、本の方は全体的に平坦な印象。
登場人物の心情の描写が少ないのかぼんやりしているのか、あまり共感できませんでした。

本を読んでいまいち共感できなかった方はドラマで見てみることをお勧めします。
ドラマ・映画の原作としては評価できる作品です。
八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257
No.241
(4pt)

センセーショナルな静けさ

映画化もされた角野光代の中央公論文芸賞受賞作品。

第一章
不倫相手との子供を堕した希和子は、その直後、彼と妻との間に子供ができたことを知り愕然とする。
やがて、彼女は衝動的に彼の家を訪れ、その娘を連れだしてしまう。
だが、そんな二人に行くあてなどあるわけもなく、彼らは放浪の末、ある宗教施設のやかっかいになることになり……。
第二章
大学生になった恵理菜は、家族との距離感に苦しみつつ、妻子ある男性との不倫生活を続けていた。
そんなある日、昔同じ施設にいた千草と名乗る女性が彼女の前に現れる。
恵理菜にとって過去は、何の記憶もなくただ家族との間の溝を作ったものでしかない。
それゆえに、昔を知りたいと語る千草に嫌悪感を覚える恵理菜。
だが、自らが妊娠していることを知り、彼女自身も過去と向き合うことを決め……。

扇情的にも、感情的にも書けるだろう題材を扱いながらも、作者は決してその方向へ進もうとはしない。
ただ淡々と丁寧に描かれるのは、その時における人物たちの状況と心情だけ。
それゆえか、出てくる「人の情」や「優しさ」「美しさ」などが自然と心を打つ。

ここには「悪意」を目指した「悪意」がどこにもない。
悪人が一人もいないと言ってもいい。
それでも、運命は彼らに「絶望」をもたらす。

第三章を描かなかった点も素晴らしいと思った。
大抵の作家ならまず間違いなく第三章を書いたはずである。
それが読者の望むであろう章だとわかるからだ。
けれど、角野光代は敢えてそれを描かない。
そのことが、この作品を物語を超えた「何か」にしているのだと思う。

もちろん、読み終わって感じる不満がまるでないわけではない。
最後のエピソードは第三章を描かない以上、不要だと思ったし、
伏線が張りっ放しになっている部分が目立つのも気になった。
第二章で文章がやや感傷的になっているところがあるのに気づく人もいるだろう。
ただ、そういったことを全部「どうでもいい」と思えるほどの力をこの作品は持っている。

小説とは最終的に作者のものなのか。読者のものなのか。
そういったことまでも考えさせられる、とても面白い作品だと思った。

※ほか、ちょっと。
・池澤夏樹さんの解説には唸らされた。確かにこの作品に出てくる「男」にろくなのはいない。
・桐野夏生さんの「残虐記」も同様な体裁をとっているが、あれよりももっと淡々としていて静かに心に響く。
・映画のほうは観ていないのでわかりません。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.240
(4pt)

センセーショナルな静けさ

映画化もされた角野光代の中央公論文芸賞受賞作品。

第一章
不倫相手との子供を堕した希和子は、その直後、彼と妻との間に子供ができたことを知り愕然とする。
やがて、彼女は衝動的に彼の家を訪れ、その娘を連れだしてしまう。
だが、そんな二人に行くあてなどあるわけもなく、彼らは放浪の末、ある宗教施設のやかっかいになることになり……。
第二章
大学生になった恵理菜は、家族との距離感に苦しみつつ、妻子ある男性との不倫生活を続けていた。
そんなある日、昔同じ施設にいた千草と名乗る女性が彼女の前に現れる。
恵理菜にとって過去は、何の記憶もなくただ家族との間の溝を作ったものでしかない。
それゆえに、昔を知りたいと語る千草に嫌悪感を覚える恵理菜。
だが、自らが妊娠していることを知り、彼女自身も過去と向き合うことを決め……。

扇情的にも、感情的にも書けるだろう題材を扱いながらも、作者は決してその方向へ進もうとはしない。
ただ淡々と丁寧に描かれるのは、その時における人物たちの状況と心情だけ。
それゆえか、出てくる「人の情」や「優しさ」「美しさ」などが自然と心を打つ。

ここには「悪意」を目指した「悪意」がどこにもない。
悪人が一人もいないと言ってもいい。
それでも、運命は彼らに「絶望」をもたらす。

第三章を描かなかった点も素晴らしいと思った。
大抵の作家ならまず間違いなく第三章を書いたはずである。
それが読者の望むであろう章だとわかるからだ。
けれど、角野光代は敢えてそれを描かない。
そのことが、この作品を物語を超えた「何か」にしているのだと思う。

もちろん、読み終わって感じる不満がまるでないわけではない。
最後のエピソードは第三章を描かない以上、不要だと思ったし、
伏線が張りっ放しになっている部分が目立つのも気になった。
第二章で文章がやや感傷的になっているところがあるのに気づく人もいるだろう。
ただ、そういったことを全部「どうでもいい」と思えるほどの力をこの作品は持っている。

小説とは最終的に作者のものなのか。読者のものなのか。
そういったことまでも考えさせられる、とても面白い作品だと思った。

※ほか、ちょっと。
・池澤夏樹さんの解説には唸らされた。確かにこの作品に出てくる「男」にろくなのはいない。
・桐野夏生さんの「残虐記」も同様な体裁をとっているが、あれよりももっと淡々としていて静かに心に響く。
・映画のほうは観ていないのでわかりません。
八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257
No.239
(5pt)

楽園と失楽園のはざま

母親が娘を誘拐し、そのまた娘は未婚のまま子供を身ごもる。
そこには「擬似母娘」の関係が成立する。
おなかを痛めた子が幸せか、それとも血はつながっていなくてもなめるように可愛がった子供が幸せか?

舞台が昭和末期〜平成前夜からはじまるところから、「女性に性としての快楽を失われていた世代」がまざまざと書かれている。
それは希和子が転々とした居場所にある「においのなさ(=生活感のなさ)」に描かれており、希和子が一時身を寄せた連れ込み宿での男女のリアリティ。
そしてお祭りにまぎれたお遍路さん。そして希和子がまた、母親に「きたないから手を洗いなさい」と言われていたというところにも。
(ただ世情的にある団体を思わせる描写が出てくるが、それがこの小説のリアリティを増しているのかもしれない)

2章の「娘」は、「私」という一人称で書かれ、「愛する人」に対する必死さというものはまた違うところにある。
「8」という数字にはいろいろな暗喩がある。
物語がサスペンスだから多くは語れないが、そのひとつに「輪廻」があるのではないか。
解説の池澤夏樹氏の文章が秀逸だが、これはジェンダー論の話であると私は思う。

よけいな詮索のない楽園と、人情味が反転する失楽園の矛盾。名前も、戸籍も、ときには記号でしかない。それでもひとは生きられるという哀しさ。


女性よりもむしろ男性に読んで欲しい。




八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.238
(1pt)

何だったのかなー?

ミステリーじゃないし。

この小説に感動するポイントがわからないです。

不倫してる女や男の、グジグジした言い訳をよく聞く立場としては、
不倫ってご都合主義です。所有欲のかたまり。

この小説も変です。
不倫して、でも幸せに生きていく、みたいな? 
読み終わってあまりの気分の悪さにレビューを初めて書きました。



八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.237
(5pt)

忘れられない作品に。

TVドラマ、映画、原作の順番で読みましたが、やはり原作が総ての集大成。
素晴らしかったです。
決して気持ちのよい話ではありませんが、これほど母娘の関係について考えさせられたことはありませんでした。
主人公、娘、実母、それぞれの立場で女が抱える闇と希望を味わえた気がします。
忘れられない作品になりました。
八日目の蝉 Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉より
4120038165
No.236
(5pt)

楽園と失楽園のはざま

母親が娘を誘拐し、そのまた娘は未婚のまま子供を身ごもる。
そこには「擬似母娘」の関係が成立する。
おなかを痛めた子が幸せか、それとも血はつながっていなくてもなめるように可愛がった子供が幸せか?

舞台が昭和末期〜平成前夜からはじまるところから、「女性に性としての快楽を失われていた世代」がまざまざと書かれている。
それは希和子が転々とした居場所にある「においのなさ(=生活感のなさ)」に描かれており、希和子が一時身を寄せた連れ込み宿での男女のリアリティ。
そしてお祭りにまぎれたお遍路さん。そして希和子がまた、母親に「きたないから手を洗いなさい」と言われていたというところにも。
(ただ世情的にある団体を思わせる描写が出てくるが、それがこの小説のリアリティを増しているのかもしれない)

2章の「娘」は、「私」という一人称で書かれ、「愛する人」に対する必死さというものはまた違うところにある。
「8」という数字にはいろいろな暗喩がある。
物語がサスペンスだから多くは語れないが、そのひとつに「輪廻」があるのではないか。
解説の池澤夏樹氏の文章が秀逸だが、これはジェンダー論の話であると私は思う。

よけいな詮索のない楽園と、人情味が反転する失楽園の矛盾。名前も、戸籍も、ときには記号でしかない。それでもひとは生きられるという哀しさ。


女性よりもむしろ男性に読んで欲しい。




八日目の蝉 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 八日目の蝉 (中公文庫)より
4122054257