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八日目の蝉
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八日目の蝉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 41~48 3/3ページ
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小説なので、感情移入できたかできなかったとかどうでもいいのですが…第2章の駆け足がもったいない気がします。描写よりも説明が多かったのが残念。登場人物の性格や現況は、長〜い説明文よりも描写で表現してほしかったです。0〜1章がすごくテンポよく読めただけに、だんだん飽きてしまいました。1章の終わり方が良かった。むしろ、1章+αくらいの長さ(ボリューム)でよかったのでは…??「対岸の彼女」や「愛がなんだ」の方が好きです。 | ||||
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誘拐された子どもが戻った本当の家庭が荒れていたのは、子どもの父親が 不倫し、その結果子どもが誘拐されて、空白の時間が出来た のがそもそもの大きな原因ではないかと思え、感動できませんでした。 誘拐した子どもを愛したことはわかります。「まだ朝ごはんを食べていない」という 言葉にも泣けました。でも私なら(あくまでも私ならですが)、 いくら愛しているからとはいえ、保健証もない、学業保障もない、衣・食・住も 危うい環境で子どもを育てなければならなくなった場合、子どもは手放すと思います。 不倫が悪いとは思いませんが、大人がしたことで子どもが犠牲になるのは 美しいとは思えません。 元の家庭に戻ったのに、きちんと家庭を再生する努力を怠る両親だったことが不幸だと 思います。 ラストで子どもを産み、元の家庭で育てることで、元の家庭ごとやり直し、 生きていこうとする主人公が頼もしく、凛々しく感じられたのが救いでした。 | ||||
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最後まで一気に読んでしまいました。 最初の主人公は彼の浮気相手であり、衝動で子供を誘拐してしまう、 なんだか登場する全ての人物が救いようのない暗い過去を持っているのですが、 その人物の主観になって読んでしまう。 意外と前向きなラストシーンは良かったと思います。 | ||||
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残念ながら私は希和子には不倫のゴタゴタに関しては同情する部分はあっても、たとえ希和子と薫の生活の光景が温かであっても、何も知らない子供を一時の感情で大人の不倫のゴタゴタに巻き込んだ行為は好ましいとは思えず、0章、1章で読者を希和子に感情移入させるかのように描かれているのがどうも気に入りませんでした。 結局その子供:恵理菜は成長する過程で自らが巻き込まれた事件に苦しめられることとなります。 2章で、成長した恵理菜が苦しみつつも事件と向き合い受け入れようとする姿は素晴らしいと思いました。 しかし、フェリーに乗る部分での恵理菜の心理描写は、彼女が事件と向き合ってきた結びの部分として重要であるにも関わらず、やや描写が粗く、急ぎ足のようになっていたのが残念でした。 | ||||
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新生児誘拐事件を被害者と加害者の両側から描いた作品。犯罪を起こしてしまう心理、逃亡生活、宗教とセクシュアリティ、犯罪被害、トラウマ、報道…これでもかというほど多くのテーマが含まれています。途中まで犯人の視点に引き込まれてどんどん物語に入っていきますが、後半になって、被害者の眼から事件が語られていきます。ラストは被害者と加害者がある意味交錯(敢えて再会とは言いません)する場面で終わっていますが、最後に全てのテーマを無理に収集したような印象もあり、胸に迫る、というほどではありませんでした。ただ、後半、事件の背景が語られると、数年前実際に起こった、女性が不倫相手の自宅に放火した事件を思い出し、何とも言えない気持ちになりました。 | ||||
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第一章が素晴らしい。いずれは捕まるだろうと思っていても、展開が気になるし、スピード感がある。しかし、第二章の最後が物足りないのだ。角田さんが書きたかったのは、突然の出来事によって不幸にされた人達(犯人も含めて)の心の描写とその再生ではないかと私は思った。その再生のためには誰かが八日目の蝉になって仲間とは違う光景を見つめ、伝える必要があるのだ、と。しかし肝心の家族一人ひとりの描写が足りない。大きくなった恵理菜が恵理菜として生きるには家族の痛みを理解するのが不可欠だからだ。また希和子と会うことの意味も上記のことから理解出来るのだが、紙面が足りないために、結果メロドラマ風になってしまったのが残念。リアルな人物像だっただけに本当に残念だ。 | ||||
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不倫相手の家に忍び込み、生後6ヶ月の赤ん坊を連れ去った希和子。 自分の子供が生まれていればつけるはずだった「薫」という名前を その子につけ、二人で生きる決心をする。何も知らずに育った薫 だったが、やがて自分の本当の名前を知る日が・・・。 子は親を選べない。育つ環境も選べない。与えられたものの中で 生きるということが子供にどんな影響を及ぼすのか、考えると ぞっとする。本当の両親のもとから連れ去られ、「薫」として育て られた恵理菜。希和子との生活は、本当の母と娘の生活のようだった。 それに比べると、実の父母や妹とのギクシャクした関係は、恵理菜には 耐えられないもとなる。彼女の心につけられた傷の深さは計り知れない。 大人の身勝手な行動が引き起こした悲劇。「八日目の蝉」のタイトルの 意味が見えたとき、とても切ない気持ちになった。これからの恵理菜の 人生が、幸せなものでありますように・・・。 | ||||
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本の帯に「角田光代が全力で挑む長編サスペンス」とあるが、これはそのつもりで読むと肩透かしにあう。サスペンスは読者が謎を探るものだが、この本は誘拐事件が元になっているだけで、読み進めていくと焦点がサスペンスとはずれてくる。 赤ちゃんを誘拐した女の逃走より、育児に不安定な母親の内面を描いているような展開だからだ。 自分が産みもしてないのに自分が産む筈だった子供と摩り替えて誘拐した子を育てていこうとする女は、一度失っただけに子どもに自分の人生を捧げて育てる。自分の全財産も、将来も、何もかも棄てて、この子と少しでも長く一緒にいたい献身な育児の反面、このままでは小学校にさえ行けない子どもの将来を気に病む。 子どもが産めないと思った女の逃走劇は、生後6ヶ月から3才までの一番可愛いときを両親から奪う。 第1章でその女を、第2章でその誘拐された女の子を描いたこの本は、人に感想を聞かれたら、人の人生を滅茶苦茶にした女の利己主義に共感出来るならいいんちゃうと逃げてしまうと思う。 それは、赤ちゃんは可愛いし3才までなら子育てをしてみたいのが気持ちでは分かるのだが、人として親としての責任を背負わなくてもいい3才までの時間だけを奪う女の心理に嫌悪が走るからだ。 | ||||
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