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容疑者たちの事情



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【この小説が収録されている参考書籍】
容疑者たちの事情 (創元推理文庫)

容疑者たちの事情の評価: 3.60/5点 レビュー 5件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(4pt)

殺人容疑者たちの心理に深く踏み込む英国産‘大人の愛のミステリー’第1弾。

著者自身の故郷であるイギリスのコーンウォール島を舞台にアラフォーの未亡人で写真家兼画家ローズ・トレヴェリアンの素人探偵としての活躍と第二の恋愛に踏み出す姿を生き生きと描く名物シリーズの第1弾です。本シリーズはユーモアが控え目な真面目系コージー・ミステリーに分類出来ると思いますが、この種の物語のヒロインには夫に先立たれた未亡人という設定が本当に多いなあと改めて感じました。本書のヒロイン・ローズ・トレヴェリアンは四年前に最愛の夫デイヴィッドを癌による病死で喪ってから写真家兼画家として悠々自適の人生を歩んで来ましたが、今回の事件をきっかけに心境の変化を感じ新たな人生の一歩を踏み出す事となります。
ローズはコーンウォールの土地に移り住んだばかりの夫人と仕事を通じて知り合い、彼女の開いたパーティーへの招待に応じたが、その夜偶然にも女主人の転落死体の発見者となってしまう。やがて殺人事件と断定した警察から自身も犯人の疑いを持たれたローズは身の潔白を証明する為にも自ら調査に乗り出して行く。
本書のミステリーとしての面白さは、ロンドンで別居中の夫や息子とその婚約者の女性に夫の不倫相手や地元の家政婦等の容疑者たちの心理をそれぞれの独白体で記す事によって思惑や本音の部分が見え隠れする心理描写の巧みさでしょう。勿論殺人の告白こそ無い物の根は真面目な罪のない人物と異常なねじれた性格の人物の描き分けは中々に見事だと思います。そしてコージー・ミステリーのもう一つの傾向は主人公と犯人の対決をクライマックスに持って来る事だなあと本書を読んで再認識しました。私が本書を‘大人の愛のミステリー’と考える理由はヒロイン・ローズの第二の恋愛模様で、ローズを昔から深く愛しながら気持ちを思い遣り過ぎて消極的な態度で友人にしかなれない内気な独身男バリー・ロウと逆に押しの強さで大胆に攻めまくる経験豊富なバツイチ男ジャック・ピアース警部とではハナから勝負にもならず、恋の勝利者は決定的に思えますしラスト近くでは二人が大人同士の男女関係になる様子がサラリと描かれています。
著者が深く愛するコーンウォール島の素晴らしい自然の姿が楽しめて緻密な心理描写に満ちた大人の小説を読む味わいが感じられるシリーズは大いに期待が持てそうですので、これから既訳作品をどんどん読み進んで行こうと思います。

容疑者たちの事情 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:容疑者たちの事情 (創元推理文庫)より
448819804X
No.2:
(5pt)

共感

人によって受け取り方が違うかもしれませんが、私は主人公の考え方が自分と似ていてびっくりしました。心の内面が丁寧に描かれてます。登場して来る人物はそれぞれ個性的で、この人はこんな顔といった具体的な顔までうかびます。主人公が40代という年齢なのかストーリーは静かに進むのがドタバタの嘘くさいストーリーに飽きてる人には新鮮かも。私は好きです。
容疑者たちの事情 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:容疑者たちの事情 (創元推理文庫)より
448819804X
No.1:
(4pt)

大人の事情

ヒロインの周囲の人たちが抑制の効いた大人で、そのへんがほろ苦ないい味になっています。
ストーリー運びには欠点もあり、ミステリー的な完成度はイマイチです。
しかし本書の魅力は、いかにもイギリスらしい人生をかいま見ることができる点にあります。
ゆったり身をゆだねれば、心地よい読後感を味わえると思います。
容疑者たちの事情 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:容疑者たちの事情 (創元推理文庫)より
448819804X

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