しっかりものの老女の死
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英国南西部コーンウォール地方を舞台に、画家のローズが活躍するミステリ・シリーズ第2弾です。1冊目「容疑者たちの事情」では、最愛の夫を亡くしたばかりでなんとか立ち直ろうとしているローズの事情やその人柄、彼女を取り巻く友人たちの紹介に多くのページが割かれていました。そちらがメインで、ミステリはサブ的な扱いといった印象でしたが、一通りの説明が終わったということか、この2冊目はミステリ要素に重きが置かれて、本格ミステリらしくなってきました。 年老いてはいるものの、頭もはっきりして自立して一人暮らしをしていたドロシーが不審な状況で亡くなります。警察は自殺の判断に傾きますが、生前親しかったローズはどうしても納得がいきません。恋人の刑事ジャックに訴え、彼はひそかに捜査を始めます。 ドロシーには2人の息子がいて、溺愛されていたのは次男、やや疎遠になっていた長男、そしてその妻はドロシーが早く死んで遺産が手に入れば、自分たちの生活がもっとよくなるのにと思っています。また、かつてドロシーに求愛していた農夫や、食料品店の主ミッチャム、ドロシーの持っていた値打ちものの絵画を買い取りたいと訪ねてきたらしい謎の男たちなど、それぞれが何かを知っている、または秘密を抱えているようで、誰も彼もが怪しく見えてしまいます。そんな時、ローズのところに「首を突っ込むな」という脅迫電話が何度もかかるようになり・・・。 ラスト、勇気と無謀は紙一重というか、またも犯人と差し向かいになってしまい危険にさらされるローズ、スリリングなそのシーンにはどきどきしました。 私生活の面でも変化があり、妥協した商業主義的な仕事は一切やめて、油絵だけに打ち込むことにしたローズ。そして相変わらずコーンウォールの自然描写が大変美しいです。このあたり、翻訳者安野玲さんの丁寧なお仕事が効いています。続きがさらに楽しみになってきました。 | ||||
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最愛の夫亡き後写真家兼画家として暮らす中偶然に殺人事件に巻き込まれ素人探偵となって謎解きに腕を振るう強いアラフォー女性ローズの活躍を描くシリーズ第2弾です。前作の最後では事件で知り合ったピアース警部と大人の関係になり、そのまま幸福に結ばれるかに見えたローズでしたが、意外にも本作では早くも心境の変化があり愛に翳りが見え始めています。彼女の性格や生き方については人それぞれに好き嫌いが分れる事と思いますが、本書を読み終えて彼女は真に強い女性だなあという印象が前作にも増して深まりました。 ローズは親しかった友人の老女ドロシーと会う約束の日に訪ねた屋敷で何と変死体となった彼女を発見してしまう。薬物の服用による死の状況から警察は自殺と断定するが、ローズはショックで悲嘆に沈みながらも老女の自殺がどうしても信じられず、隠れた殺人者を見つけるべく被害者の家族や友人関係の容疑者達に対し独自で聞き込みを開始する。 本書の設定は前作とやや似通ってはいますが、著者はミステリーのテクニックとしては前作より格段の進歩を遂げていて、容疑者達それぞれの語りに加えて微妙な死の状況によって自殺他殺のどちらなのか読者に最後まで絞らせない魅力的な謎を構築しています。今回も複数の容疑者達が心に何かを秘めているのが朧気には察せられるのですが、それが果たして老女ドロシーの死とどう関連するのか理解が出来ずさっぱり想像がつきません。そして本書の最大の読み所はクライマックスのローズの行動が招き寄せてしまう正気と狂気が紙一重の危ない異常心理の爆発で、著者が仕組んだ意地悪な場面転換により空白状態に置かれた読み手は真剣にハラハラドキドキさせられるでしょう。奇しくも前回と同じ轍を踏んでしまったローズはその場では深く反省するのですが、気が強く向こう見ずな性格からかやっぱり今後も勢い余って繰り返してしまいそうな気がします。最後にローズの愛についてですが、彼女がピアース警部との愛に終止符を打とうと決意した理由は正確にはわかりませんが、それは彼女の心でのみ感じ取れる判断なのでしょう。そして一度決意したら感傷に溺れる事無くきっぱりと相手に事実を告げる態度は、男らしいとさえ言えそうな生来の芯の強さを感じます。新たな男性との出会いはまだ愛と呼ぶには早過ぎると思いますが、大人の彼女が常に前向きな姿勢で臨む恋愛や人生模様とまたもや殺人事件に巻き込まれ玄人顔負けの活躍を見せてくれる事を期待して次作も楽しみに読もうと思います。 | ||||
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1作目の主人公にもすごく共感しましたが、2作目は更に素晴らしい。 内容も主人公の友人が謎の死を遂げ、怪しい人がいっぱい出て来て犯人はこの人かな?と楽しめます。 ミステリーだけでなく恋愛小説でもあり、他の方のコメントで煮え切らないとありますが、人生の中で重要な決断をする難しさや自分の相手が生涯をともにすべき人かと迷う事がすごくリアルに描かれていると思います。 今回かなり好感のもてる登場人物も出てきます。 竹を割った様な性格の方が恋に悩む女性の機微(男性でも良いですが)を学べる本だと思います。 | ||||
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この小説を読む少し前に「ラヴェンダーの咲く庭で」という、 やはりイギリスのコーンウォール地方が舞台となった映画を見ました。 おかげで、小説の中に出てくる風景が目に浮かんでさらに楽しめました。 1作目と間違えて2作目の本書から読みましたが、十分楽しめます。 謎解きとしてはそれほど凝ったものではないのですが、 いろいろな人物の思惑が交差するところは面白い! ただ、主人公のローズがどうにも恋愛で煮え切らないのが じれったかったので(笑)、☆3つとしました。 | ||||
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