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(短編集)
雪が降る
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雪が降るの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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短編集。「テロリストのパラソル」で、狂ったように夢中になったので騎虎の勢いでこの本に飛びついたのですが、やはりというか短編という尺の関係か、相変わらずスタイリッシュでハードボイルドでプライドのある男性群が続々と出でくるのですが…「テロパラ」ほどには陶酔できませんでした。 陶酔するには愚かでありすぎ、反発するにはかっこよすぎ、という感じでしょうか。 藤原伊織作品の主人公は、どうみても愚かな行動の結果、自分で人生を破壊する傾向①は指摘したいです。ネタバレないように恐る恐る書きますが「テロリストのパラソル」でもそれはありましたし、この中のある短編でも、ヒロインが急ぎでもないのに高速道路に乗ることは、ちょっと慎重に考えれば、この作品の展開を避けることが出来ていた危機管理です。 もう一つは、我を忘れてと見せかけて、避けられた破滅を自ら好んで引き寄せている傾向②です。 「台風」「紅の樹」どちらも穏便に事を済ませようとすれば可能だったはずで、こういう白けたことを申したら作品が台無しになるのでこの感想はKYかも知れませんが、前者は人生の目的が確定しているのに、後者は人生に嫌気がさしているとしても無為にそうした選択に飛び込むのは…大望を前にして選択を誤っているか、あるいは…自己陶酔なのか。 すみません。どうしても匹夫の勇にしか思えず、乗り切れない体質なので申し訳ない。 その奥にあるものは破滅願望で、その意味での成功作なのですが、中間管理職経験者のせいか、「世の中はこういう破局を起こさせないための努力もけっこうあるんだけどなあ…でも、そんなのロマンにもドラマにもなりはしないしなー」と刑事コロンボのごとく(古い)頭をボリボリ掻くのでありました(苦笑) ハードボイルドは古典のハメットからチャンドラーから全く未読なので無知のままですが、藤原先生は全共闘的なテイストがあるとはいえ、このスタイリッシュさが破滅願望と結合しているとすれば、それはこの主人公たちの品格と矜持とともに、同時に生命を軽視する態度とも結合しているのではないかと思わざるを得ませんでした。(これは藤原伊織先生特有かもしれませんが) とすれば意外とこの「死ぬことと見つけたり」武士道とも親和性があり、藤原伊織は特攻隊を書かせたらとんでもない未曽有の視点から書かれた傑作をモノしたかもしれません。ただの空想ですが…。 そのスタンスは現実の軽視でもあります。 「ダリアの夏」「トマト」の素っ頓狂な設定、例えばダリアの花が埋め尽くす庭を下りてくるアンニュイ美女、みたいな非現実的な美しさにもつながるもので、アンニュイでハードボイルドで品格のあるスタイリッシュは、現実の無視&生命の軽視から出来ているんじゃないかしら、と思った次第でした。 と、いう訳で、私的ベストはこれまた非現実的な軽井沢の美女とバングラデシュ美青年と、反面のバブル経済が混然一体となる傑作「銀の塩」でした。 非現実的設定と、リアルな現代社会が完璧に合致したバランス良い佳作だと思います! | ||||
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頭が良すぎる作家さんなのか、長編だと、良くあるキャラクターたちに読者の期待通りの役割をさせて面白く物語を仕上げる反面、ものすごく良くできた箱庭で遊ばれているようなすっきりしない読後感を残す作風でした。 短編でも、長めの作品ではその傾向が見えますが、「ダリアの夏」のような短めな作品では、賞をとった初期作品「ダックスフントのワープ」のような淡い味わいのストーリーを見せてくれます。 人気投票をしたら、サラリーマン受けして高得点をマークしそうな表題作や「赤い樹」よりも、このような小品のほうが印象に残りました。 | ||||
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短編ってそうなのかな。中途半端な感じ。 | ||||
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なぜ途中で発売しちゃったんですかね。 知らない人が買ったらビックリですよ。 | ||||
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非常に良いと言うほどではなかった。他のショップの、良い、程度だと思う。 | ||||
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彼の過去の作品の中で、「短編集」というジャンルでの挑戦に興味を持った。というのは、藤原氏は「テロリストのパラソル」で「燃え尽きてしまったのではないか」という印象を持っているので。 新しい世界への紹介を挑戦しながら、結局は、20〜30年前の「過去へのこだわり」というテーマを外せないという「愚直さ」が気になった。 「過去」のない話を書くことが出来ないのであろうか? | ||||
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ひとつひとつ「よく出来た小品」です。ファンなら読んで損はなし。 全て同じ静かなトーンで話が進んでいき、人物造詣もかなり似ています。 自分の作ったパターンを模倣している感じはすこしあります。 あくまで、好きな人には好きな作品集。 日本のハードボイルドは、どうにも同じ匂いになってしまって残念。 私立探偵沢崎のように新作が出るたびに輝きを失ってしまう。 作者の筆力には疑いがないだけに、チャレンジしていって欲しいと感じます。 | ||||
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ひとつひとつ「よく出来た小品」です。ファンなら読んで損はなし。全て同じ静かなトーンで話が進んでいき、人物造詣もかなり似ています。自分の作ったパターンを模倣している感じはすこしあります。あくまで、好きな人には好きな作品集。日本のハードボイルドは、どうにも同じ匂いになってしまって残念。私立探偵沢崎のように新作が出るたびに輝きを失ってしまう。作者の筆力には疑いがないだけに、チャレンジしていって欲しいと感じます。 | ||||
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