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Twelve Y. O.
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Twelve Y. O.の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全59件 21~40 2/3ページ
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少し前に話題になった「亡国のイージス」の作者、福井晴敏のデビュー作。 個人的には「亡国のイージス」の作者だからという事より、江戸川乱歩賞の受賞作というところからこの小説に対する期待を抱いていた。 今まで読んできた江戸川乱歩賞受賞作はどれも秀作ばかりだったので。 読破してからの感想は、「些か期待外れ」だった。 途中で読むのをやめさせるような退屈さは無く、一応最後まで読ませはするのだが、「面白かった」、「感動した」等の読後感を得られない。 何とも中途半端な小説である。 その第一の要因は「作者の政治的主張が前面に出過ぎている」という所にあるのではないだろうか。 作者が自分の小説に何らかの主張を込めることは良くあることであり別にそこがマイナス評価にすぐ繋がる訳ではない。 しかし、その主張はあくまで「小説という形」をとる以上「小説の中で表現されるストーリーの中」で自然に、さりげなく語られなければならない(と、自分は思っている)。 だが、この小説はあまりにも作者の主張が前面に出すぎている為、作中の登場人物はただ「作者の主張のままに動いている」という印象を受け、全く登場人物が「生きていない」。 登場人物が生き生きしていないというのは作者の人物描写の下手さ(特にヒロインのウルマの魅力が上手く書けていないのが痛い)から来ているところもあるのだが。 なかなか上手く書けているアクションや軍事関連の描写にも上記の欠点を補うほどの魅力は無い。 | ||||
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「おもしろい」たしかに、おもしかった。後半部分での戦闘シーン、アパッチとの死闘、そして黒幕との戦い。「川の深さは」の静かなドラマ的感はあまりなく、本作はハードアクション的な雰囲気を醸し出している。それによってエンターテインメント性(つまり娯楽性)も高くなっており、ハリウッドアクション映画のようだ。だが・・・ だが。 しかし。 「川の深さは」で重要な意味を持っていた「メッセージ性」が少ない。娯楽性をあまり重視しなければ、もっと現実感のある小説に仕上がっていたと思う。作品ひとつひとつにメッセージがあるのが福井小説の本来の姿であると思う。 内容はよかった。 現実味に欠けているのが残念。 | ||||
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話を大きく広げすぎた。 その分、前年の乱歩賞候補作「川の深さは」より小説としての感動は少ない。 登場人物も多すぎる。 乱歩賞のページ数の制約だろうが、一人一人の書き込みが浅い。 「ウルマ」、「キメラ」、「BB文書」、「GUSOH」等小道具ばかり出てくる割には、 現実感のない少女戦闘員とか、存在感の希薄な、傍観者のような主人公と なってしまった。 中途半端な作品になってしまったのは残念。 | ||||
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な非常に優等生然とした作品ですね・・・SFもしくはファンタジーとして。描写が非常にビジュアル的というかぁ映像的というか。アニメ臭を 感じてしまいます。中途半端に現実をリンクさせたような感じではなく。完璧に別の世界感を作りあげた上で書けばそはそれで読めたと思いますよ・・・ | ||||
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2005年は福井晴敏原作の映画が3本公開されましたが、原点ともいえる作品がこの「Twelve Y.O.」日本という平和に慣れきってしまっている国に対して憂いをもつ兵士たち。国と国の戦争よりも、もっと暗い戦争。狭間に産み落とされた人間。BB文書の秘密。たった一人の人間の手によって2つの国が右往左往するさまは滑稽そのものである。しかしその決して本性を現さない顔にはなんともいえぬ恐怖も覚えるから不思議だ。 | ||||
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第44回江戸川乱歩賞受賞作品 本当にもう、ヤバイくらいおもしろかったです。 しかも、ただおもしろいだけではなく、読書中に「現代の日本とは…」「人の命とは…」「人生とは…」「愛とは…」等々、様々なことを考えさせられました。 そして、軍事的な専門用語がずらりと並んでいるにもかかわらず、ものすごく人間くさいドラマが展開されるというギャップがもうたまりません。 因みに、本作は福井晴敏の形式的デビュー作です。実質的デビュー作『川の深さは』と本作には内容的にリンクがあるので、先ず『川の深さは』を読んでから本作を読んだ方がより楽しめると思います。 さらに、映画の「ローレライ」や「亡国のイージス」で福井晴敏氏のことを知った方も、是非『川の深さは』と本作を読んでみてください。 強烈にお勧めします。 ソレデハ… | ||||
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福井作品を「亡国のイージス」⇒「終戦のローレライ」⇒「川の深さは」⇒「Twelve Y.O.」の順で読み、「川」⇒「Twelve」⇒「亡国」がシリーズ物ということに「Twelve」を読んでいる途中で気がつきました。 「川」が「Twelve」の続きというのは「Twelve」のあとがきに書いてあったので「Twelve」を読む前に気がついたのですが、「Twelve」が「亡国」につながっていることはどこにも出てなかったのでこれから読む人は注意が必要でしょう。 ※出版社はもっと気を使ってほしいものです。 続けて4作も似たような設定の作品を読むとさすがに食指ぎみとなりますが、タイトルとなっている「Twelve Y.O.」にこめられた作者のメッセージは重く、福井ワールドを語るには江戸川乱歩賞受賞作のこの作品は必読です。 | ||||
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結局のところ、人ってのは、絵に描いたようなヒーロー、ヒロインによって紡がれる、白々しいまでの単純なストーリーを欲していると思う。けど、実際にそれを見せ付けられると、「そんなことあるかよ!」と、素直になれず背を向けてしまう。 (素直に”世界の中心で愛をさけぶ”に感動できる人もいるけど、大抵の人は素直になれず「けっ! バカバカしい!」となってしまう) 福井晴敏は、壮大なかつ緻密な世界観、大胆かつ繊細なプロットで、キャラクターたちのチープな愛憎劇包み込み、人が本来読みたい物語を照れずに読ませることを手法としている。 これは、すなわち福井氏が敬愛するガンダムの方法論であり、映画ローレライのパンフレットの中で氏が、「僕は、恥じることなくガンダムをやりたい」と語った部分だと思う。 しかしながら、この手法は世界観の壮大さと、キャラクターのチープさの微妙なバランスの上に成り立っており、このバランスを読み違えると、途端に物語が冷め、白々しく感じてしまう。 ガンダムの作者、富野由悠季氏も、ガンダム、イデオン以降、この失敗を幾度となく繰り返している。 大作「終戦のローレライ」、またこの作品の前作にあたる「川の深さは」では、このバランスが上手く取れているように感じたが、この作品においては、それが失敗しているように感じる。 特に物語のキーとなるウルマ、トゥエルブキャラクター設定があまりにチープ、空疎であり、終盤に近づくにつれ「ついていけない」と、感じさせられた。 あるいは、公募作品ということで制限された作品の長さが、福井氏の構想通りの物語を許さなかったのかもしれないが、非常に惜しい作品になってしまった、というのが素直な印象だ。 | ||||
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「亡国のイージス」を読んでとても面白かった!!ので同じ作家の作品ということでTwelve YOを読みました。 テーマも人物のプロットもよく似ています。仙石曹長と平、如月と里沙・・・など同じキャラのように思えます。ストーリーは全く違うのに、2つの作品がだぶって見えます。 ということで、「亡国のイージス」を楽しめた人は楽しめると思います。この二つの作品の持つ雰囲気、テンポの良いストーリー展開大好きです。「沈黙の戦艦」を観て、「沈黙の要塞」も観たくなって、観てみたら面白かった! そんな感じです。 | ||||
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圧倒的迫力で、読む者を惹きつける。だが、この作品の根底に流れるのは、人間の心の奥にひっそりと存在していた悲しみだった。「12」こと東馬修一。父を愛することも、父に愛されることも知らずに育った彼の求めたもの、それは親子の絆ではなかったのだろうか。国家の思惑に翻弄された一人の男の憐れさ。「BB文書」の正体が明らかになった時、その思いはいっそう強まった。「死ぬな!生きろ!」かつて東馬に命を救われた平が、東馬に言われた言葉だった。平はそれと同じことを若い二人、護と理沙に叫ぶ。平の思いが、この二人に届くことを願った。 | ||||
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読み出すと面白く、あっという間に読みました。 設定がとても深く最後に謎が解けるとすっきりします。 これを読んでから『亡国のイージス』を読むと、そこに至るまでが良く分かります。 ただ、終わり方が個人的には少し不満が残りました。 | ||||
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漫画的な(在りえない)ストーリーに共感を持てる人と持てない人で賛否両論判れるんでしょうね。設定が「川の深さは」と似ているのも、判断の分かれるところだと思う。それと、自衛隊という特殊な構造を説明する為か、説明が長い。娯楽作品としては楽しめますが、心に残る物は、ありませんでした。 | ||||
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マンガなら気にならなかったのかもしれないが。 若者にはウケるのだから、あんたの感性がオバさんなのだと言われるのかもしれないが。 読後、不快感しか残らなかった。人間さ、「そんなこと」が動機で「こんなこと」しないと思うよ。 動機がとっても人工的。 無理やりこじつけたような動機だから、まあ、説明すること説明すること…。 これが読みにくさに拍車をかけているだけでなく、 説明されればされるほど、読者、しらけます。 登場人物の動機なんてものは、ちょっとした一行の表現中に「感じとる」ことにこそ小説の醍醐味があり、感動があるのだと思う。まあ、このテーマやモチーフでは所詮ムリ。 兵器描写やアクション描写だけを楽しむつもりなら面白いのかも。 | ||||
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なによりタイトルのつけ方がうまい。登場人物のコード名となっているこの名称が、実は 終戦後にはかれたあの歴史的に有名な科白からきているとは…物語が半ばすぎて意味が明 かされるまで不覚にも気づかなかった。 処女作から本作、さらに「亡国のイージス」や「終戦のローレライ」まで一貫して基調と して流れる戦後日本への視点を考えると、これ以上ふさわしいものは無いと思える。 だが、実はこの歴史的発言も日本の精神性を揶揄したものではなく、むしろ日本の独自性 を認めた上での潜在的能力の高さを表現するのが真意だったいう見方があります(吉田茂 『回想十年』など)。いずれにせよ、タイトルに込められた思いにまず共感してしまった。 | ||||
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この本は、私が読んだ初めての福井作品ですが、非常に面白かったです。 この本は、内容紹介の文章の中に「米海兵隊」「米国防総省」「テロリスト」などの言葉が出てきます。なんだか政治だとか、世界情勢だとか、堅苦しい文章なのではないか?と思うかもしれませんが、そんな事はありません。登場人物も皆、魅力的ですし、誰でも一度読み始めたら最後まで非常に楽しく読むことが出来ると思います。 | ||||
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最初は「沖縄から米軍撤退」の内容に惹かれて買い求め、読み出したら現代日本の外交の弱腰さと決して表に出る事のない日本近現代史の裏を知ったような気がする。また、登場人物の熱い思いも伝わって来て、読み進みながら何度も泣いてしまった。単なる軍事エンタメ小説かと思ったら全然違う、しっかりとしたテーマ性のある内容は読んで損はないと思う。 | ||||
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川の深さと主人公のキャラクターや筋書きのテーマが似ているような気がするが、作品の緊張感、展開どれをとってもすばらしい。 おっさんと若手工作員の一見奇妙なコンビが心を通わせ通じ合っていく本当に熱いやりとりは、幾許かのくささを感じさせるも、物語の深さを感じさせるのに寄与している。 通常のミステリーと異なり、若干専門的な世界でとっつきにくい印象が最初はあるが、一度はまれば抜け出せない。 | ||||
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福井さんの「亡国のイージス」に惚れ込み、本作を読んでみました。 先に「亡国の~」を読んでしまったせいか、本作の登場人物や話の流れが“ちょっと似てるかなぁ・・・”という印象を受けました。 もちろん本作も娯楽として十分価値あるものと思います。が、やはり内容の類似は否めず、また物語のスピード感を比較してしまうと、星4つかな、という感じです。 ただ「亡国のイージス」の話の始まりが、この「Twelve.Y.O」の結末であり、両方をシリーズとして見るとなかなか面白いな、と思います。(具体的に書くとネタバレしてしまうので控えます。興味のある方は両方読んでみて下さい。 | ||||
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福井氏のデビュー作ではあるのだが、実質的な前作にあたる「川の深さは」を先に読んだので、そちらとの比較を踏まえて・・・。「国防」というテーマ、魅力的なアクションシーン、それどころか登場人物の平、護らも「川の深さは」に出てくる桃井、保らに似ている部分があり、多少「ん?」と思った部分があるにはある。が、「川の深さは」では、無気力な警備員の桃山が、結局、国防を巡る話に巻きこまれ・・・と多少、大きく広げ過ぎたのだが、こちらでは平は(挫折した)自衛隊員。遠回りだった部分が解消され、よりメッセージ性が増した印象。勿論、最初にも書いたように魅力的な展開で、娯楽作品として十分に通用する範囲内で。「川の深さは」の実質的な続編にあたり、登場人物も共通する者が出て来たり、とそちらを先に読んだ方がより楽しめると思うのだが、十分にパワーのある作品なのは間違い無い。 | ||||
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初めて福井作品を読んだが文句なしに星5つ。まず、娯楽作品として面白い。 米軍へのサイバーテロ、軍用ヘリの空中戦、機密文書をめぐっての陰謀などなどエンターティンメントとしても一級品でハラハラしどおしで楽しめる。しかし、福井が凄いのは単にエンターティンメントとして終わらせず、その中に骨太なテーマを内包させている事だ。 国家とは何か?自衛隊とは?日米関係とは? 非常に難しいテーマを盛り込んでいる。 下手をすると政治色が前面にでる扇動本になってしまう。福井は娯楽性を損なう事なく重いテーマも見事に両立させている。 凄い作家が出てきたものだ。 | ||||
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