■スポンサードリンク
隠蔽捜査
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
隠蔽捜査の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全201件 181~200 10/11ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
警察庁長官官房室課長・竜崎伸也は本物のエリートである。エリートとは選民である。だが、そのエリート意識が私欲に向かず、国民に奉仕するという国家公務員法遵守に向かうところが特殊である。この特殊なキャラクターをガッチリ構築したことが、本作の最大の魅力だ。 東大以外は大学じゃない、という切り捨て意識が、次第にすがすがしくさえ思えてくる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容が分かりやすく、リズミカルに話が進み、 さくさく読める。 痛快な展開で読み終えた後は、すっきりするが、 うまくまとまり過ぎている感があり、こころに 引っ掛かる感じがあまりなかったのが残念。 内容もさほど重いものではないと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
素晴らしい。 今野敏の警察ものは、おもしろいけどちょっと軽すぎるというか空想小説みたいな、色のシリーズしか読んでいなくて、 実はそんなに期待していなかった。警察ものなら佐々木譲とか横山秀夫とかが外れなし!なんてね。 主人公は東大以外は認めない!俺はエリート!出世命! と、最初はものすごく嫌な奴。 でも、その理由がふるってる。真のエリートだからこそ、誰よりも努力する。選択肢を広げるために最高の場所に行く。 エリートなのだから他の人が嫌がることをやるのは当然・・ ページをめくるたびに、主人公が好きになった。 続編もあるらしく、本当に楽しみ。 ぜひ、次も読みたい! この本を読むべき人、この世の中にたくさんいるんじゃない? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の生き様に感動した。警察小説もいろいろあるが、ここまで感動を覚えた本はなかった。 感動で、涙がにじむシーンがいくつもあった。 スピード感ある展開でかつ読みやすい文章。あっという間に読み終えてしまった。 次回作も絶対読みたくなった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
警察庁長官官房総務課長・竜崎と警視庁刑事部長・伊丹は幼なじみにして警察官僚の同期生。性格と立場の異なる二人は,ある連続殺人事件の中で対立し,お互いの正論を譲らない。 警察官僚(キャリア組)同士の対立を軸にした小説は非常に新鮮で,グイグイと引き込まれるようにして読み進めた。真実を白日の下にさらすことの是非について,竜崎も伊丹もそれぞれ説得力のある理論を展開していくが,二人の警察官僚としての姿がまるで実在の人物であるかのように表現されており,ひさびさに面白い警察小説に出会うことができた。 ただ,物語の結末については若干の疑義が残るところであるが,一読をお勧めしたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東大以外は価値がない、と言い放ってしまう主人公に唖然としつつも、軸のぶれない生き方に魅了されます。読後感も爽やかで、日々社会で戦っているものを励ましてくれます。文章も短めで、リズム感がよく、読みやすい仕上がりになっています。警察小説と言うよりも心理小説、家族小説といったほうが良いかも知れません。名前買いのできる作家が少ない中、久々に筆力のある小説に出会うことが出来ました。今後の作品にも期待大です。吉川英治文学新人賞もしごく妥当だと思います。今年の一押しにやっと出会えた感じです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今野敏という作家の本を読んだのは初めてである。本書は吉川栄治文学新人賞を受賞した作品。タイトルもさることながら、たまたま彼の作品がドラマ化されていたことを思い出し、手にとってみた。切れのある短文は読みやすく、好印象だ。主人公の人生観や思考様式が繰り返し強調され、いささか冗長のような気もしたが、著者本人の熱いメッセージであると理解した。竜崎と伊丹という似て非なる性格の二人を中心に繰り広げられる連続事件の捜査。男たちの生々しい戦場とでもいうべき警察機構をめぐる組織哲学も興味深いものがあった。「警察小説の歴史を変えた」という表現にも特に異論はない。 とはいえ、扱われている事件内容それ自体は、ある意味ではありがちのケースではないか。犯人像とその絞り込み、またそれが次なる事件を引き起こすといったハラハラするようなダイナミックな展開では必ずしもないような印象も受けた。彼の本は初めてゆえ、まだ十分に読み込んでいないせいもあるだろう。とはいえ、主人公の一人である竜崎という警察キャリア官僚の、あくまでも合理的・原則的に生き抜こうとする生き様にはなぜか安堵感めいたものを感じてしまった。人は彼のことを「変人」と呼称する。国家官僚や警察機構の失態が日常茶飯事になる昨今だが、そうした状況とはいわば無関係に自らの思考を貫徹させようとする竜崎の存在は、私には一服の清涼剤のように映った。現実には彼のように生きることは難しいかもしれない。でも「信念」は曲げない。終盤における、小学生の同級生である伊丹との会話も見応えがあった。竜崎の妻が的確に見抜いていたように、二人はなかなかのコンビであった。なお読後感は爽快、数時間で読み終えた。時間ができたら次回作も読んでみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
解説の北上次郎氏の「正論の人(主人公)を、警察組織の中に置いたらどうなるか、を描いたのが本書なのである。」という文章が、この小説の特色を見事に言い当てている。 主人公竜崎伸也のキャラクターが存在していなければ、まったく面白みのない小説だったに違いない。作者のセンテンスの短い事務的で乾いた文章も竜崎のキャラクターを引き立てるのに一役買っている。 本当にこんな人物がキャリア官僚としてやっていけるのか、という疑問は抜きにして、小説として楽しむことができた一冊だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山本周五郎賞、ミステリーグランプリ2008のW賞の果断―隠蔽捜査2から作者の作品をスタートし、原点を読み返しました。 期待を裏切らない展開の速さと登場人物の繊細な表現は、できのいいTVドラマを見ているようです。主人公、竜崎伸也は、今流行の警察官僚で、枠からはみ出そうな官僚主義の苦悩を描いております。 ストーリーは、官僚と家庭、幼馴染とあるトラウマ、そして出世と自分への嘘の間で、主人公は、揺れ動きます。最後に読み終わって、将来の選択が、すがすがしい気持ちにさせてくれました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白かった。 ただし、題名から受ける印象とは裏腹に、推理もの、いわゆる警察モノと思ったら大間違い。 基本的に犯罪捜査はほぼありません。犯人推理もなければ、逮捕劇もほぼなし。 だから、この「隠密捜査」という題名の印象だけで手に取ると、えらく期待とは違うものになる。 一方で、面白いんですわ。 抵抗感もありますけどね。 なにで、二言目には東大以外は人間ではない、というような発言が出るし、態度にも出るんだから。 エリート官僚であることを、遠慮会釈なく前面に出す警察官僚。 にもかかわらず、ストーリーにぐいぐい引き込まれながら、そうかぁ、こんな官僚が必要なんだってね。思うようになる。 そして、その一点の曇りもない、官僚中の官僚が、人間臭く、家族を正面から見つめることになる。 何というか、面白い。 捜査をする警官、官僚。たとえエリートだろうと、国家権力の担い手だろうと、とどのつまり一個の人間であるという、当たり前のことが実に新鮮に映る。 なかなかのストーリーテイラーが、新しい境地を開いたような気がします。 うれしいことにシリーズ物となるとのこと。次作が楽しみ楽しみ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
警察官僚の竜崎に、公私に起こった事件について、どう対応するのか? ミステリーではない。 だから、犯人探しが目的ではない。 また、主人公の竜崎は、警察庁の警視長というエリートだが、スーパースターではない。 組織防衛を優先して、自分の出世を優先する。 そのため、家庭をまったく顧みない。 竜崎の”正義”と思うことが、結果として、周りを幸せにするとは限らない。 それでも、彼はそれを突き通すのか? それとも、周りの幸せを考え、自分の信念を曲げるのか? アクション性はまったくないが、わくわくする作品だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
所轄で進む連続殺人事件の捜査によって浮かび上がってきた犯人は,一つ取扱いを誤れば警察全体が大打撃を受けかねない存在。保身しか考えない上司らには適切な対応がとれていない。 他方,たまたま同時期に浮上した息子の不祥事は,主人公(警察庁総務課長)のエリート官僚としての身を滅ぼしかねないスキャンダルだった。同期の警視庁刑事部長に相談すると,「握りつぶせ」とアドバイスされるが・・・。 この公私にわたる難問をいかに解決するか,というストーリー展開は,文字通り手に汗握るもので,発熱でダウンした状態なのに先が気になって仕方なく,一気に読み通してしまった。特に,事件に対する警察庁・警視庁の対応は,国松警察庁長官狙撃事件を扱ったドキュメント『警察が狙撃された日』を読んでいたときのような興奮すら覚えた。 また,組織人として組織を動かすにはどうしたらいいか,という視点を非常にリアルに提供してくれてもいたように思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白く読んだ。ただ、数時間で読めてしまうのは、やはり軽いからか。映像イメージが自然に出てきてしまうのも、ヘビーではないからだろう。 主人公にも、その家族にも共感が持てるのだが、いまどき「東大一直線」みたいなイメージをみんな持っているのだろうか。社会だって、いまさら東大でもないと思う。このあたりも掘り下げが足らない感じだ。キャリアとノンキャリの問題については続編で出てくるのだろうが、それなら「踊る大走査線」のほうがけっこう感動的だったりするし。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公・竜崎は警察官僚(キャリア)。キャリアにとことんこだわっていて、東大以外は大学じゃない、家庭の事は妻の仕事、部下でも信用しない、と考えている。最初は嫌なタイプだと思いながら読んでたけど、ここまで信念が強いと逆にあっぱれと思えてくる。でも彼は仕事熱心で、国家を守るために身を捧げるべきと考える男。そうなると面白くなってきた。 連続して起こった殺人事件。被害者は過去に少年犯罪を犯して出所していた。やがて浮かび上がる容疑者。そんな中、息子が不祥事を起こしてしまう。もみ消しか、真実を明らかにするか?キャリアにこだわる竜崎は悩む。後半の刑事部長とのやりとり(説得)のシーンは熱くなって力を込めて読んでいた。ラストも良く、続編を読んでみようと思える作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なんか見たことあるよなぁと思いながら、ページを繰っていて、 カレンダーのところで、やっと、 この作品TVの二時間ドラマになってたようなぁと気付いた。 気付いたときには、興味が半減したが、 かまわず読みすすめていくうちに、 どんどん物語りにのめりこみ 一気読みしていた。 重い話を、さくさく読めるようにしている筆力がいい。 人物も書けているし、読後感もさわやかである。 吉川英治文学新人賞の名に恥じない作品である。 不祥事における危機管理って、つまるところ、 ぶっちゃけちゃえってことなんでしょう。 昨今のTVを見てると、そう思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公警察庁官僚、竜崎伸也の人物像が前半から丹念に描写され、 それが後半の山場に生きてくるのですが、もって行き方のうまさに好感が持てました。 作中の短い期間で主人公の結果の成否にかかわらず、何かを掴み成長する姿を描く ストーリーは私の好きなテーマです。 本作のもうひとつのテーマは、巨大組織における危機管理にあると思います。 組織の危機に対しとかく、「大人の選択」や「清濁併せもつ対応」が官庁のみならず 民間にあっても取られがちな選択となっています。はたして正論が通じない 危機に際して私たちは世の中のほうが間違っていると言えるか? どんな対応が正しいのか。どんな策を講じるにしても組織のコンセンサスと戦略が ものを言います。本作ではそのひとつの答えが提示されていると思います。 単なる警察小説としてだけでなく、企業で何らかの責任を負っている方であれば、 自分の部署がどんな選択を取るべきかのひとつの事例として読んでおいて 損はない作品であると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
’05年、「このミステリーがすごい!」国内編第20位にランクインした吉川英治文学新人賞受賞作。 竜崎伸也警視長は、46才。警察庁長官官房の総務課長をつとめる、いわゆるエリートキャリアだ。物語の前半では、かなり毛色の変わったコチコチの人物のように描かれる。 都内と近郊で起きた3件の殺人事件。被害者はいずれも少年時代に凶悪な事件を起こしながら、法律に守られ短い刑期で社会復帰してきた者ばかりだった。 彼はマスコミ対策に遺漏の無い様に事件の推移を見守っていたが、犯行の間隔から現職警察官の犯行ではないかと考える。 捜査はその通りに進み、容疑者が特定され、ある警察官が自白するが、この警察組織を揺るがす大事件に、予測される警察批判を怖れた警察庁上層部の一部が、真相を隠蔽しようと動きはじめる。竜崎は断固これに反対する。 一方竜崎家でも問題が発生する。彼の息子がヘロインを使用していたのだ。もみ消すか、自首させるか、表ざたになれば自分の築き上げてきた地位も仕事も崩れ、娘の縁談もご破算になってしまう。迷った末に彼が選んだ道は・・・。 私たち庶民から見れば、鼻持ちならない超エリートだが、特権ある者は重い責務を負うということをモットーに、竜崎はすべてに原理原則で向きあい、正義を全うしようとする。 本書は、今までになかったキャリア官僚を主人公に据えた、警察という特殊な組織の中でのエリート官僚の動きを追った、異色警察官僚小説である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公である警察官僚の竜崎伸也は、自分を弱い人間だと言います そして、だからこそ確固たる原理・原則に則った行動行動が必要だと喝破する 国家・国民に奉職する官僚として、子を持つ父親として、組織の一員として苦悩しながらも 物事の原理・原則は何かを考え行動する主人公の信念に★5つを贈りたいと思います | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自らの意志で警察官僚を選び、できるだけ速やかな出世を望む主人公・竜崎。 こう書くと保身に汲々とする軟弱な官僚っぽいが、彼にとっての出世とは、偉くなることでもなく給料が増えることでもなく、「権限が増えること」。権限が増えれば、自分の信じる正義を実践できる程度が増える。 彼にとっての「エリート」とは、中世の貴族のようなもの。大きな権限を持つ故に大きな義務を負う。それ故、警察庁全体を揺るがす大きな「警察の不祥事」が発生すると、無かったことにしようとする上層部と彼は対立し、自らの正義を貫こうとする。 上層部との対立、というのは警察小説によくある話だが、戦い方が違う。彼は「エリート」だ。やみくもに理想を振りかざすのではなく、入念な根回しやギリギリの取引きを駆使しながら、現実的に戦う。 そんな竜崎を姑息で鼻持ちならないヤツと見るか、理想に忠実な戦略家と見るかは、読者によって違うと思う。ただ、キャリア組が事件とどう向きあい、何に葛藤を覚えるのか、それを知るだけでも面白い小説なのではないか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉川英治新人賞を受賞しているのも道理。よくできた長編警察小説だ。 警察小説といえば、古くは松本清張からずいぶん最近までノンキャリアの刑事(それも所轄)を主人公にしたものが多かった。 そこに警視庁の捜査課と所轄の対立うんぬんが導入され。 さらには、警察庁に属するキャリア警察官僚も登場するようになり。 キャリアの落ちこぼれを主人公にした「新宿鮫」の影響もあるだろう。 「踊る大捜査線」もそうだったし。 そこに事務方や監察官や女性警察官までを登場させてニュー警察小説と呼ばれたのが横山秀夫。 で、この「隠蔽捜査」は、エリート警察官僚小説なのだ。 主人公もそのライバルも上司も部下も、ぜーんぶキャリアのエリートばかり。 国家公務員上級甲試験とかT種とかの合格者。そういう特殊社会での推理小説なんですよね。そこが面白い。 国松警察庁長官狙撃事件で小杉巡査部長の自白を闇に葬られた事例を下敷きにしながら、驚嘆すべきストーリーが生まれていく。 結末も洗練されていて、カタルシス十分。 堅物で変人のエリートが変容していくあたりも読みどころ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!