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プールの底に眠る



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プールの底に眠るの評価: 3.73/5点 レビュー 11件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.73pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(4pt)

内省的と言われればそうかも…

殺人の罪で取り調べを受ける男。彼は、13年前の高校生の頃、命を絶としていた少女との出会いの時を振り返る。

「イルカ」と「セミ」と呼び合い親交を深める主人公と少女。並行して語られるのは、主人公の親友である女子高生との日々。

多感な10代のひとときを切り取った青春小説である。エキセントリックな二人の女子との交流は、微妙な恋愛もどきが上手く表現されている。翻訳小説のような、ちょっと洒落た会話が好み。

30歳となった主人公の回想が、現状にどうつながっていくのか、がミステリ風味。読み進めると、さりげない伏線が、さりげなく回収されていくのが分かる。大仕掛けはなくとも愉しめるだろう。

現代の主人公が何の罪を背負っているのか、が判明する件は、賛否分かれるかもしれない。その分、ラストで取り返してくれたとは思う。内省的と言われればそうかも…。

【メフィスト賞】
プールの底に眠る (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社ノベルス)より
4061826972
No.10:
(3pt)

切なさは確かにあった

まー、田園都市線の青葉台が舞台なんだろうが、青葉台のアッパーミドル階級からこぼれ落ちた主人公の日常の謎&ラブストーリといったところか。そうは言ってもメフィスト賞だけあって、ちょっとブラックなところがあった。ゆやたんをものすごく上品にした感じかな。。。
プールの底に眠る (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社文庫)より
4062775026
No.9:
(5pt)

2009年版デビュー作

手直しが入る前の2009年出版版です。後に出るバージョンとはやや異なり、荒削り感は否めませんが、将来性を感じさせるいい作品です。
プールの底に眠る (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社ノベルス)より
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No.8:
(5pt)

デビュー作の加筆修正版

2009年デビュー作を加筆修正した新バージョン。綺麗にまとめられ、将来性を感じさせる作品。私を知らないで ばかり有名ですが、私はデビュー作の方が好きです。
プールの底に眠る (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社ノベルス)より
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No.7:
(4pt)

小説でなければ表現できない作品

本作に驚きや感動は特に感じませんでした(あくまで私は)。
ミステリー要素はおまけ程度であり、
散りばめられた伏線は少し粗削り感が否めずもう少し自然な感じで欲しかった。
また、登場人物は比較的若いにも関わらず大人びた話し方、
年齢的に見て非現実的な観察力など少し無理があるように感じました。

しかしながら本作は何故か完読した後になんとも言えない感じにさせてくれました。
「心を失った人の人格に恋をする」とでもいうのでしょうか、
人格そのものは、その人間の心が形成するものだと
私は思っておりますが、それでは「心を失った人」という定義自体が間違いになってしまいます。
うーん、自分で言っててよく分かりませんが、
つまりは人を好きになる上で理屈などないのでしょうね。
性格がいいわけでもないのに(どちらかというと変人)
ヒロインと何気ない日々を過ごす事で次第にひかれていく描写がよく描かれていたと思います。
その描写が絶妙だからこそ、後半では切なくさせるのでしょうね。
帯に書かれていた「切なさの魔術師」はまぁ嘘ではないのかなと思いました。

たぶん私もヒロインのセミみたいな娘が好きなのでしょう。
また、本作は映像での表現は無理でしょう(特に最後)。
小説であるからこそ可能なその構想は素直に評価したいと思います(予想できたのが残念でしたが)。
最後のまとめ方も救いようがあってよかったです。
好きな人は好きになる小説でしょう。
私は好きな方です。
プールの底に眠る (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社文庫)より
4062775026
No.6:
(4pt)

本格推理小説ではないが軽く読める作品

私が所属する推理小説研究会の課題作となった作品である。結末を知った上で、すぐに再読を始めたのは長い読書経験がある私も初めての経験である。どこに伏線があったのか、見落としてなかったかを詳細に検討しながらである。
 残酷な殺人も無ければ、血みどろな死体も無い。しかし、推理小説として立派に成り立っている。推理小説の苦手な人が読んでも、違和感なく読めると思う作品だ。
プールの底に眠る (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社ノベルス)より
4061826972
No.5:
(3pt)

良い話にまとめてはいるものの…

『第42回メフィスト賞』受賞作.09年12月のノベルスから大幅に改稿されての文庫化になります.

七日間(と一日)を七つの章に分け,序章と終章で挟んだ全九章構成で進められていく物語は,
抽象的で意味ありげな序章から,13年前を回想する形で本編へ滑り込んでいく流れとなっており,
淡々とした少年の語り口は彼の『内面』をうまく現しており,全体的に落ち着いた印象を受けます.

また,少年と少女,二人のニックネームになぞらえ,綴られるやり取りは時に詩的でさえもあり,
この賞に多いミステリ要素はなく,少年が失った自らを取り戻す青春小説の雰囲気となっています.

ただ,13年前からさらに数年前へ,つまり回想の中での回想にはちょっと混乱することがあり,
さらには,店や持ち物の細かい部分にいちいち触れるなど,冗長さがあったのは気になるところ.
年齢の割には達観した彼らの話し方や考え方,シャレた言い回しにも既視感があるのは否めません.

また,いくつかの情報が不自然に伏せられているため,却ってそちらへの意識が向いてしまい,
その結果,それらが明らかになっても,驚きが抑えられてしまったのはもったいなさが残ります.
終章の展開も唐突な感があり,良い話にまとめてはいますが,特別に強いものが残るまではなく….
プールの底に眠る (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社文庫)より
4062775026
No.4:
(2pt)

盛り上がらない

まるで凪ぎの海を漂っているかのような、
スローなペースに支配されている物語でした。
つまらなかったわけではないのですが。
伏線の回収もなされているし、
それなりにうまく書けていると思います。
だけど、最初から最後までいまいち盛りあがりにかけた
感は否めませんね。

プールの底に眠る (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社ノベルス)より
4061826972
No.3:
(3pt)

切ない話。

主人公が話す、イルカの話が不思議な雰囲気をつくっており、どんどん物語に引き込まれてしまった。話の構成が面白く、奥行きのある立体構造のようだった。また登場人物が魅力的で、読んでいて好感が持てた。(幼馴染の由利だけはあまり好きにはなれなかったけれども)ただ、読み終わった後に、あんまり印象に残らなかった。このシーンが好き!とか、そういうのが薄かったような気がする。
プールの底に眠る (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社ノベルス)より
4061826972
No.2:
(3pt)

読みやすい

文章が平易で読みやすいです。
ただ、村上春樹の影響が強いことは否めません。
内容ですが、主人公の終盤での行動はいくら考えても理解できませんでした。
また前半の謎の理由もミステリとしては少し弱いような気がしました。
純文学として楽しむには、村上春樹の件も含めて文章、キャラに既視感があるのが残念です。
ミステリとして楽しむには少し弱い、短編にすべき内容になってしまっています。
しかし小説としての完成度は高いので今後に期待したいとは思います。
プールの底に眠る (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社ノベルス)より
4061826972
No.1:
(5pt)

純文度の高めなボーイミーツガール青春ミステリ

第42回メフィスト賞受賞作。
デビュー時の座談会で述べられていたように、村上春樹の影響が見られます。
青春小説としての完成度がかなり高く、
ミステリとしても洗練されています。
メフィスト賞受賞作の中では『空を見上げる〜』『冷たい校舎〜』に近い作風ですが、
幼稚な模倣に走らない春樹チルドレンという点で、
舞城王太郎等とも共鳴する部分が多いように感じました。
主人公の「僕」が留置所の中から昔を思い出す語りで始まります。
夏の終わり、裏山で出会った自殺直前の少女「セミ」。
「僕」の幼馴染で、どっちちかずな付き合いの由利。
由利の彼氏の寛一。
様々な因縁・事件と悲劇・人間性が絡み合い、群像交差的な構造が立ち上げられ、
作者の提示する寓意が織り交ぜられます。
物語の軸は「僕」と「セミ」のボーイミーツガールなので視点のブレも
あまりありません。
人物像の掘り下げとミステリ要素が見事に合致しているところが
一番の長所でしょうか。
春樹の影響の表れ方については割とデリケートな問題だと(個人的には)
思いますが、慎重さと丁寧さが表れているので割合好感が持てました。
青春ミステリ作家として、才能と成長がかなり期待できる新人だと思います。
プールの底に眠る (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:プールの底に眠る (講談社ノベルス)より
4061826972

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