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飛ぶ男、堕ちる女
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飛ぶ男、堕ちる女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ノベルスで91年に出たっきり文庫にもなってなく、著者もこれ一冊だけしか出してないので、本来なら誰も見向きもしないような作品だが、乾くるみの蒼林堂古書店へようこそで取り上げられて、その墜落死の不可能性に引かれて手に取った人がほとんどだと思われる。 著者は同志社大学推理研究会出身で有栖川有栖氏と交流があり、東京創元社などのパーティなどではけっこう名の知れたアマチュアだったようだ。 有栖川氏のコネありの新本格ブーム最盛期だから世に出たような作品であり、いわゆるブーム時の青田刈り泡沫作品である。 コピーライターが本業の著者らしく、広告業界を舞台にしているが、江戸川乱歩賞作品のような重厚さは全くなく、素人臭いミステリーマニアが何とか書き上げたB級素人臭さ満点の作品であり、お世辞にも作品の質は高いと言えないが、こういうブーム時にどさくさに紛れて出た泡沫作ならではの空気管が逆に今となっては味わい深い。 飛び降りた男性が女性の墜落死体となって発見された!という不可能興味は強烈だが、これはどうも地味な本作の何とか売りにしようと編集部が無理やり売りにしようとした感じで、作者自体はこの墜落死トリックはメインとは考えていないようで、トリックも扱いも実にあっさりしている。むしろ広告を利用したダイイングメッセージやアリバイ作りトリックの方に重点が置かれているようだ。 飛び降りた男性が女性の墜落死体となるトリック自体だけ見ると、何だそれはというつまらないトリックなのだが、下手くそながらも妙に味わいのある作品に仕上がっている。 まあ、これ一本しか出なかったのも納得するものがあるが、鮎川哲也氏の推薦エッセイが巻末にある。あまり誉めることはなさうだが。 | ||||
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