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下山事件 最後の証言
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下山事件 最後の証言の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全66件 21~40 2/4ページ
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スケールの大きな殺人事件 誰が善人で、誰が悪人か…恐ろしい時代を生きた人たち | ||||
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衝撃的なノンフィクションです。 今まで昭和史の大きな謎だった下山事件。その関係者の一人の孫がジャーナリスト となり、全貌を関連写真を紹介しながら明らかにして行く内容に引き込まれ、一気 に読破しました。しかし読後はしばし呆然とさせられました…….。 今まで松本清張を始め下山事件には諸説が入り乱れていましたが、完璧に犯人が特定 されており、また戦前戦後の関係者達の黒い歴史や人間を簡単に消す事ができた時代。 著者はそれを行動的な取材と緻密な調査、鋭い観察眼と判断で解き明かしていきます。 そしてこの時代ほど直接的ではないにせよ、今日でも権力の恐ろしさを感じさせます。 登場人物が多い為付箋を付けながら読みました。 | ||||
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なぜなら一連の報道の中の「彼」こそは、実は「私」なのである。 序章の一文は衝撃的だ。矢板玄との対峙も緊張感が伝わる。墓場まで持っていこうとする人たちから証言を引出そうとする様には執念を感じるし、(血縁者というアドバンテージがあるにせよ)得られた証言は貴重だ。「最後の証言」と銘打っても大げさではない。 ただ、文庫への修正等については、他に指摘がある通りだろう。 | ||||
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作者の親族が下山事件に関係しているかもしれないという思いから、時間をかけた調査が始まりこの事件の核心に迫っていく。 読み応えのある力作だと思う。それにしても某大物右翼が作者に放った言葉が忘れられない。「おもえも政治家だけにはなるなよ」と。 | ||||
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著者の新作『下山事件 暗殺者たちの夏』を読むための予備知識として、本書(2005年刊行)を読み始めたが、予想以上に面白く、一気に読み終えた。著者の祖父が事件の関係者かもしれないとの疑念を出発点に調べ始めたという点がユニークである。本書を読んでの感想は、結局のところ下山事件は、従米国家というレジームの下での戦後日本の方向付けが決まった重大事件だったということである。 下山事件については、自殺説対他殺説、GHQ主謀説対共産党主謀説、戦前の特務機関人脈暗躍説(731部隊を含む)、その他諸説が入り乱れている。たとえば、GHQ主謀説(実行部隊は日本人)は松本清張『日本の黒い霧』が代表的であり、この本をずっと昔に読んだ評者も、そんなものかとある程度は納得した記憶がある。 本書の著者の祖父・柴田宏は、かつて特務機関員であり、戦中から陸軍関連の軍需会社「亜細亜産業」の幹部社員だった。戦後復員してからその亜細亜産業の総帥・矢板玄に誘われ、再び幹部として活躍する。著者の叔母や母親も事務員として同社に就職する。こうして一族が深く関わった亜細亜産業と下山事件の関わりがふとしたことから明らかになり、著者の事件探索の旅が始まる。親族だけでなく、多くの関係者へのインタビューや各種の資料から著者は、事件の独自の全体像を明らかにしている。特に、めったなことでは会えない矢板玄との面談は本書の圧巻である。 著者は、事件を探索する上で、人・金・物・情報などがすべて亜細亜産業に関連している(つまり「ハブ」である)ことを改めて確認する。戦時中に国内や国外で強制的に回収された貴金属(少なくともかなりの部分)が亜細亜産業に保管され、拠点であるライカビルの一室には金の延べ棒が隠されていたという複数の証言が紹介される。この金を目当てに、保守・共産を問わず政治家、GHQ関係者、旧軍関係者、情報屋などを含む魑魅魍魎がこのビルに出入りしていた。その中には、事件の当人である下山貞則も含まれる。また、旧軍関連の利権で得た資金により、亜細亜産業は多くの子会社・工場を北区などに有し、中国での謀略に暗躍した鉄道専門家や731部隊関係者にも人脈を持っていたという。 著者の事件全体像は、GHQが主導して実施しようとしていた外資による国鉄取得から国鉄(利権)を守るため、日本政府首脳筋により下山総裁が抹殺されたのではないか、というものである(ただし、文庫版ではこの筋書きが入れ替わっているとのこと)。その目的は、謀殺をCIAによるものと見せかけてスキャンダル化し、単独講和や日米安保条約の締結を白紙に戻そうというものである。CIA謀略説を確からしく見せるためにGHQとCIAの対立関係が巧妙に利用され、またありとあらゆる謀略情報が意図的に流された。謀殺の実行組織は亜細亜産業である。にわかには著者の説の当否は判断できないが、戦後史の流れの中で一読に値する。 下山事件は、アメリカの権力を巧妙に利用し、日本の政治家や官僚、それにつながる財界や右翼が利権を確保する、という今も続く日本の戦後レジームの原型とも言える事件である。同時期の三鷹事件や松川事件との関連も気になる。本書で示された事件の全体像がどこまで明らかにされるのか、著者の新作『下山事件 暗殺者たちの夏』を読むのが楽しみになってきた。 | ||||
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この本は凄いです 戦後のどさくさの日本の様子が良くわかりました。 | ||||
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矢板玄、この人の名前はよく憶えておくべきでしょうね。 登場人物が多いので、自分でよく整理せなあきません。 でも最後まで読ませます。 | ||||
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戦後のいわゆる国鉄三大ミステリー事件の一つと言われるこの事件に、実は作者の祖父が関係していた? その真実を究明すべく、取材を重ねていく。フィクションという形を取りながら、実は限りなくノンフィクションに近い小説である。作者のその緻密な検証には定評がある。 興味深いのは、当時のいわゆる国鉄利権の構造は、そのまま現在の電力会社の利権構造とほとんど同じだということだ。戦後の電力会社分割に絡む利権をたどれば、おそらく深い闇に踏み込んで行くことになるだろう。 日本の政官財利権は、明治の国策会社の払い下げや、戦前の満州利権の時代、そして今日の利権に至るまで、様々な人間を巻き込みながら、脈々と生きている。 そう、利権はいつも闇の中。 さて、作者の出した「下山事件」の結論は、、、是非本書を読んでください。 | ||||
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ジャーナリストとして、作家として緻密な取材と現実的な結果を推察しています。まさに完全版ではと思いました。この書籍の参考資料も併読すると現在の政権の動きや未来予想もできるかなとおもいました。 | ||||
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友達に聞いて読んで見ました。江戸時代の日本橋について調べていたのですが、地下通路があるという記述が興味深いです。 | ||||
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下山総裁の殺害事件を、多くの資料と壮大な視野から探った本である。 たくさんの人物が登場するが、索引と人物相関図は是非必要と感じました。 事件の中で登場したのは、国鉄民主化同盟の数人もそうであった。京都大学を出て重臣のカバンもちをした経歴があり、大陸にもいたことがある児玉直三は、次期総裁との連絡役でもあった。総裁の替え玉に似た人物と鉄道の中で目撃された森田という人物は、事件の日に大金を手にしたが、その後人工的な細菌に感染し死にそうになった。総裁が宿泊した、連れ込み旅館の経営者は、事件のあとで急に羽振りが良くなった。このような材料が出されているが、それについての推理は深くされていない。その辺を松本清張が生きていたらどう推理するのかと思う。 最近発行の、別人の書いた、白州次郎の嘘と言う本では警察上層部の方針が分裂し、左翼の大量逮捕にブレーキがかけられ、自殺とすることで、真犯人追及をさせなかったという説が出ていた。多くの鉄道事件が起こることにより、警察の体制が分散し捜査が弱体化したように感じられた。作者には、もう一度決定版を書いて欲しいと思った。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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他殺を無理やり自殺説を出したり変な事件ですね。 何冊か読みましたが、一番真相に近いと思います。 | ||||
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元もとこの事件にあまり関心は無かった上に、こちらのレビューの批判的な文章も読んだ上なので、特に期待もせずに読んでみたら、予想した以上に面白かった、という感想です。 (それならなぜ読もうと思ったかと言いますと、一種の懐古趣味です。この本に鈴木金属という会社が登場するらしいと知って、少し関心を持ちました。その昔、鈴木金属の工場の近くに住んでいたので。) 実は松本清張氏の「日本の黒い霧」(の「上」だけ)も読みました。その理由も同様で、その昔の最寄駅だった赤羽駅の周辺のことが描かれているらしいと知ったためです。もっとも清張氏は「北区のある場所」とか「ある駅」と言うのみで、赤羽駅と明示していません。米軍に遠慮したのでしょうかね。 清張氏の本に「人が入れる大きさの四角いオイルカン」という推定が書かれていますが、「それほどの大きさで四角い缶なんてあるのかな?」と思いました。そういう缶は、鉄板を相当厚くしないと強度を維持できないはずなので、コストから考えても現実的ではない、と感じました。 その点、柴田氏の本では「ドラムカンを縦に二分したもの」という推定と、その実例も描かれていて、この点は「柴田氏の勝ち」だと思いました。(40年以上の時間差があるのでフェアな勝負ではないかもしれませんが。) 矢板氏の口を通して描かれる形のキャノンの人物像が生き生きと(?)していて面白かったです。 と同時に、柴田氏が「私が知る限りで、矢板玄ほど人を魅了する術に長けた人物はいない」と書いている通りに、矢板氏の人物像も伝わってきます。 この本によると、キャノンはガダルカナル島攻防戦のアメリカ側の指揮官だったとのことで、そうだとすると、「シン・レッド・ライン」という映画でニック・ノルティ氏が演じた人物のモデルなのでしょうかね。映画では実際よりかなり高齢に描かれていたようです。 八重子さんが夫と別れた理由を「ここで書くべきことではない」と書いていますが、その少し前で、簡単に ですが、書いていますよね… で、結論としては、私の理解では、政権与党や右翼の収入源だった国鉄を改革し、与党の汚職も公表しようとしたらしい下山氏を、与党と彼らを支持するCIA・右翼が共謀して排除した、ということのようです。 まあ、そうかもしれないし、そうでないのかもしれません… で、鈴木金属は、柴田氏の考えでは、マスコミや警察をミスリードするためのおとりで、実際の犯行現場は綾瀬駅近くにあった亜細亜産業の工場内らしいと… 熊井啓監督の映画では、(名前は変えてありますが)ピアノ線を作っている会社が、胡散臭い場所として登場するようです。 その後、「日本の黒い霧」の「下」を読み始めたら、最初がダイヤモンドの話で、柴田氏の本のダイヤの話の背景がよくわかる気がしました。 柴田氏の本では、矢板氏がダイヤを埋めたのは戦後の話ですが、清張氏の本では「海軍が二万カラット以上のダイヤを、昭和19年に、那須地方のある個人宅に埋めたことがある。…黒磯事件と呼ばれた」とあります。一応別の話なのでしょうかね。 →どうやら全く別のできごとのようでした。 | ||||
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ホントに? と眉唾ながらも、面白く読みました。 史実に残らないことっていっぱいあるんだろうなぁ。 浦沢直樹の『BILLY BAT』なんかは、こういう本を読んでから読むともっと面白いと思う。 | ||||
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私が生まれる前のことなので、内容としても興味があったので面白かった。ただ、少し難しいかも。 | ||||
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完全版しか読んでいないゆえ、十分楽しめました。 近親者からスタートし、展開して行くノンフィクションはこれまでにも多々あり、珍しくはないが、が日本現代史重大事件ということになると、生存者もいるし、なおかつ以前極秘にされていることも実際に多く、かなり困難な作業だったことは容易に想像がつく。 その分、記憶の曖昧さや、歪みもあるだろう。 それを立ち止まり立ち止まり、解きほぐし、悩み、追求していく姿勢は共感が持てる。 GHQ、政治家、CIA、左翼、国鉄、右翼、財閥、それらが実名で登場するノンフィクションならではの醍醐味はじゅうぶんにあじわえる。 しかし、歴史というのは怖いものだ。 ほんの最近のことでさえ、隠蔽され、歪められ、真実を見えなくする。 そしてその上に また歴史が積み重ねられて行くのだから、ディスクロージャーや政治への監視、ジャーナリズムの適正な機能の重要性を痛感せずにはいられない。 | ||||
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早く、気持ち良い対応でした。これからも機会があればよろしくお願いします。 | ||||
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下山総裁は、他殺か自殺か。 いままでの研究史を踏まえれば、100パーセント発作的自殺と断言できます。 発作的自殺説の決定版は佐藤一『下山事件全研究』です。 このレビューをご覧の方々、あるいはこの柴田哲孝氏の本に書いてあることが事実だと思われた方々が、佐藤一『下山事件全研究』をお読みになれば、発作的自殺説が正しいことを、おそらく99パーセント程度の方はご納得いただけるのではないかと思います。 佐藤さんは松川事件の被告として逮捕・起訴され、14年間の法廷闘争の末に無罪判決を勝ち取った人物であり、完璧な左翼の方です。松川事件と同時期に起きた下山事件も、GHQあるいは日本政府による他殺と当初は考え、「下山事件研究会」の事務を引き受けたわけですが、調査を進めるとどう考えても発作的自殺説しかありえないという結論に至ります。 他殺の根拠とされた物証について、地道な調査に基づいてほぼ完ぺきな反論に成功しております。 占領史研究会という、占領期を研究する左翼歴史家の大きな研究者グループがありますが、この研究者グループも、佐藤一氏の説がまったく正しいと結論付けております。 なんでもかんでもGHQ・保守政権が悪かったと言いたい左翼の研究者グループですら、佐藤説を支持しているほど、発作的自殺説は強力です。 もともと他殺説が世間に広まったのは、松本清張氏の著作によるものですが、これはGHQの文書を、英語もあまり読めないのに都合よく解釈するなどとんでもない作品です。 私は松本清張氏は嫌いではないですが、下山事件他殺説という荒唐無稽な説を広げた罪は否定できません。 多くの方々が、佐藤一『下山事件全研究』をご存じない中で、国民的作家である松本氏の主張が国民に浸透してしまったことは残念です。 さて柴田哲孝氏のこの本ですが、フィクションの読み物としては面白くできていると思います。その点は、松本清張氏と同じです。 柴田氏は賢明な方だと思いますので、下山総裁が発作的自殺であることは百もご承知だと推測します。 しかし、下山総裁が発作的自殺説だという事実を本にしても、本が売れないですから(そもそも出版すらできないですから)、他殺説をもっともらしく見せるあの手この手を使って見事なフィクションをお書きです。 日本推理作家協会にご所属の優秀な推理小説作家柴田氏ですからその点はよくできています。 柴田氏の、人を楽しませようとするサーピス精神を美徳として評価し(勿論皮肉の意味ですが)、星5つにいたします。 | ||||
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『下山事件 最後の証言』(柴田哲孝著、祥伝社文庫)は、下山事件に関心を持つ者にとっては、見逃すことのできない一冊である。なぜなら、「GHQ(占領軍総司令部)の特務機関員だった私の祖父が、この事件の実行犯だ」と主張する著者・柴田が、事件の真相に迫った型破りのドキュメントだからである。 この作品と松本清張の「下山国鉄総裁謀殺論」(松本清張著、文春文庫『日本の黒い霧』<上巻>所収)を併読することによって、さらに知的好奇心を満足させることができるだろう。清張は、敢えて小説の形はとらずに、事実の部分と推理の部分とを書き分けた、と述べている。この戦後のアメリカ占領下に起きた怪死事件の裏に蠢く大きな謀略に肉薄しようとする清張の執念たるや凄まじい。 | ||||
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