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未踏峰
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未踏峰の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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うまくいきすぎる部分がありますが、それだけに安心して読めます。 | ||||
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著者のものを読むのは『グリズリー』(2004)以来です。 こんな山登りの小説を書いているなんて知りませんでし た。本作を読み終えてから、世評高い『還るべき場所』 (2008)を手にとりました。ヒマラヤ・ブロードピークから の生還をめぐり、戻る側とそれを待つ側互いの焦燥感と 絶望感とが、まるで映画のカットバックのごとく交互に 書き分けられていて、思わず手に汗握る迫力がありまし た。けだし傑作というべきでしょう。 それに比べると本作は、スケールが小さくなった感は 否めません。ただし、それを補うかのように派遣労働者、 発達・知的障害者の三人を主人公に据えて、新機軸を 出そうとしています。山に挑戦することが人生の可能性 を開くというテーマは前作と共通ながら、主人公達の世 間での生きにくさが強調された分、読後感は違ったもの になりました。(アスペルガー症候群を病むサヤカの調 理へのこだわりは、本物志向で快いものでした。それに しても昨年は、映画でも『南極料理人』、『のんちゃんの り弁』などと食へのこだわりがトレンドでした。何故なん でしょうか。) 山岳小説といえば、わたしには新田次郎や吉村昭の ものしか思い浮かびません。しかし、それは記録小説 と呼ぶべきものでした。フィクションとしての山岳小説、 それは新境地と言ってよいと思います。著者に期待し ています。 【もう一言】 『その峰の彼方』 2014 ★★★★は、著者 渾身の山岳小説。峰とはアラスカ・マッキンリーのこと で、彼方には何があるのか?狷介なクライマーがその 謎に兆みます。その彼の兆戦と妻や親友らに広がる様 々な波紋の両方を、力を込めて書き込んでいます。か の地のインディアンの示唆も奥行を深くしていて、著者 のひとつの到達点を示していると思います。ただし時々、 「長過ぎるんだよネ」と愚痴も出ました。あしからず。 (2014/03) | ||||
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前作の『還るべき場所』が面白かったので、期待して読んだのだが、残念ながら期待はずれだった。 前半はまあまあ面白い。登山を人生に見たて、山への挑戦を人生への挑戦になぞらえるモチーフはありきたりながら、それなりに読ませてはくれる。登場人物の設定もありがちながら、会話等もそれなりにリアリティを持っている。 しかし、後半の未踏峰への登山のシーンとなると、リアリティが激減する。 いくら世界トップクラスのクライマー(しかし現役を退いて30年!)の厳しいレッスンを受けたからと言って、既踏峰ならともかく、経験の乏しい素人集団があんなにも簡単に未踏峰に登れるはずはない。 高度順応もほとんどおこなっていないにもかかわらず(それまでの最高高度は富士山)、大した高山病にも悩まされていない(しかも無酸素)。 未踏峰で詳しい地図もなく、情報も乏しいにもかかわらず、経験乏しい彼らが初見で的確なルートファインディングを行って危険を避けているが、はたしてそんなことが可能なのだろうか。 結局、大した困難に出会うこともなく登り切ってしまう。(これを読んで、素人でも少し訓練を積み、ちょっと頑張れば、ヒマラヤにでも登れるのだ、などとくれぐれも勘違いしないように。) 山とはもっと危険で峻烈であるからこそ、それを登り切った喜びも大きいのである。 著者は、どの程度の実際の登山経験を持っているのだろうか。 山についてよく調べてはいるのだが、登頂の困難さや危険さといった肝心のところで、残念ながら全くリアリティを感じられない。 私は、ハイキングをたしなむ程度だが、それでも山の厳しさを経験し、実感している。 はたして本当のクライマーたちはこの小説をどう読むのであろうか、意見を聞きたいところである。 | ||||
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