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密室の鍵貸します
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密室の鍵貸しますの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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烏賊川市シリーズの第一作です。ブレイク作「謎解きはディナーのあとで」にいたるまでの軌跡の第一歩として読みました。 主人公流平の紹介から、彼女に就職先が知れて振られるあたりまでの青春ドラマの書き方は切れのよいコメディで、爽快です。文体が楽しめます。 が、殺人事件が始まってからは、丹念すぎる説明、まじめな「論理の詰めかた」に文章を注ぎこむあまり、やや平板になり、速読したくなった部分も。 ラストに明かされる第一の殺人事件のトリックはえっ、と驚くもので、ややアンフェアな気もしますが納得。第二の殺人事件の犯人は、ほんとうに肩すかしで、「脱格」ならぬ「脱力系」か・・・と。 しかも犯人のアリバイ作りの本来の理由が、突然降って湧いたようでもあり、こじつけではないけれども、そこまでは伏線になっていなかったように思いました。 けれどもこの作家の人気の意味がよくわかりました。 ひとつは、人物それぞれの暖かい味。ストレートで素直な大学生流平。とぼけたうさんくさい探偵、鵜飼。うだつの上がらなそうな刑事のふたり組 砂川と志木。いずれも肩肘張ったところがなく、どこかマイペースなおちついた重心を持ち、読んでいて気持ちがいい。 そしてもうひとつはそれとも関連しますが、作者の「ミステリ」コンシャス。登場人物はみな探偵小説、刑事小説を意識して、我が身と引き比べたりしながら、自分につっこんだりしています。書いている作者自身も、ミステリ小説の書き方について弁解をしながら、書き進めており、「このあたりまで来たら、もう紙数の関係で、事件が解決に向かうのはおわかりだろう」というような文章も出てきます。言ってみれば、「楽屋落ち」と「メタなツッコミ視点」が、この物語には常駐しており、それが作者のユーモアの本質だ、ということです。そして私はこの手の、パロディとメタ視点が大好きです。 ミステリとしてひととおりうまく決まっているし、このシリーズ、さらに続きを読みたいと思います。 | ||||
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「謎解きはディナーの後で」でこの作家の推理小説に対する真摯な態度を感じたので読むことにしたが、相変わらず丁寧な作りが好感。 トリック的にはかなりありきたりなのだが、それに若干のひねりを加え、マニアをうならせる作りはさすが。 多少トリックの弱さ、トリック作りの力不足はあるものの、読者を舐めない丁寧さは、他のクソ作家に見習わせたい。 犯人やトリックは多分大抵の読者に見破られるハズ。でも、伏線がしっかりしているので馬鹿にされることはないだろう。かくいう自分も、時間調節の手段が分からなかったのだが、まさかアレの為にあんなことをしていたとはね。 | ||||
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残念ながら、第1の事件(流平の元恋人が殺された事件)のあと すぐにトリックは分かってしまいました。 ある程度推理小説を読んでいる人なら難しくない謎解きだと思います。 ただ、文体は好きです。 みなさん言われているように、コミカルで楽しい。 わかりやすいギャグ、ボケ、ツッコミ。 難しく考えずにテンポよく読めます。 他の作品も読んでみようと思います。 | ||||
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2つの殺人事件と,それに巻き込まれた大学生. 密室あり,アリバイトリックあり,逃亡劇あり,古典的な謎解きありと 盛りだくさんなミステリーである. どことなく赤川次郎がブレイクしたころを思わせるテイストがなつかしい. 肩ひじ張らずに読める作品でありながら トリックは現代のミステリーとして十分なクオリティを備えている. 動機もなかなかに現代的かつユーモアセンスがあっていい. 完成度の高いユーモアミステリーといってよいだろう. | ||||
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本屋大賞をとった作家さんなので読んでみました。ストーリー自体はいいと思います。十分楽しめました。ただ文体がコミカルに書いてるつもりなんでしょうが、古臭く、幼稚、薄っぺらに感じました。 あと皆さんがおっしゃってるユーモアですが笑い所ってどこにありました?1〜2箇所しか笑いませんでした。 自分とはツボがズレてる作家さんのようです。 | ||||
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ユーモアミステリーという新しいジャンル。 ミステリーというジャンルは、どちらかと言えば人間の暗い部分を扱っていることが多く、個人的にはユーモアが感じられる要素が少ないジャンルだと思っていました。 しかし本書はところどころにユーモアをおりまぜながら、殺人事件をPOPに描いている印象でした。 ユーモアが展開を邪魔せず、適度なスピード感を楽しみながら最後まで読むことができます。 登場人物の心情の描き方も、他の作家とは違い新しさを感じます。 最後まで読ませるだけの魅力はありましたが、ミステリーには不可欠な「事件をおこす、人の動機・心情」「トリック」など、納得できるものではありませんでした。 ミステリーの核となるそれらの部分は、最後にきて台無しにしてしまっているイメージです。 ユーモアをおりまぜるのはいいけれど、はずせない部分はミステリーなのだから真剣に描いていくれないと共感は得られませんでした。 読者もミステリー世界の登場人物と同じ人間なのですから。 | ||||
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ソフトタッチで軽い文面。ミステリーなので殺人事件は起こるもののドロドロした後味の悪い感じは全く無い。 読者のご想像にお任せします的な何か尺前としない感じも無いし普段ミステリを読まない人にオススメ。 突然、作者が読者に語りかけてきたり、ユーモアが散りばめられていながら、しっかりとトリックも入っている。 私的には全部入りミステリと言った感じ。 謎解きはディナーの後でよりも個人的には秀作。 みなさまも是非いかがわしい世界へ。 | ||||
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本当にこれがデビュー作?と、疑うくらいテンポが良い作品です。私は『謎解きはディナーのあとで』が東川作品の入り口で、著者のシリーズものに興味をもち本作を購入しました。やはりというべきか・・・、コメディー感は最高です。登場人物が極端に少ないので、他でありがちなミステリ作品のように「あれ?この人誰だっけ??」と、ページを遡る必要が無いので読み進めが楽です。私のように記憶力が弱い人間に大変やさしい構成になっています。とはいえ、しっかりミステリ作品として仕立て上げられています。しかしこの作品、読み終えた後に若干の物足りなさを感じます。腹八分目と言うことでしょうか?早速次作の『密室に向かって撃て!』を購入してしまいました。やられました。 | ||||
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有栖川有栖の46の密室と動機の部分で少し似たようなところがあって 楽しめました。 | ||||
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いちいち表現や語り口が古臭くて漫画ちっく、昭和の頃に夢中になった同系統の本(赤川次郎のユーモアミステリなど)を思い浮かべつつ読み進みましたが、ラスト近くなるとおっ?と意表を突かれまくりでした。これぞミステリの醍醐味。有栖川さんを信じて良かった。 | ||||
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冗長でつまらないと評判の映画『殺戮の館』のビデオ を、先輩といっしょに、彼の部屋で鑑賞した戸村流平。 ビデオ鑑賞後、風呂に入った先輩がなかなか出てこないことを不審に思った 流平が、様子を見に行くと、なんと先輩は、服を着たままで、刺殺されていた。 現場は、ドアと窓が内側から施錠された密室状況で、流平と死体以外、誰もいない。 対処に困った流平が、友人に電話をかけると、さらに悪いニュースを聞かされてしまう。 なんでも、流平を手ひどく振った元カノが、何者かに殺されたため、動機の点 で、流平が第一容疑者として浮上し、警察は彼を捜し始めているのだという。 このままでは、二つの殺人事件の犯人にされてしまう。思い余った流平は……。 巧みな伏線の配置とその回収、そして真相究明のためのユニークな手がかりが特長の本作。 完全防音のホームシアターでのビデオ鑑賞、というシチュエーションに仕掛けられた作者 の企みには、素直に驚くと同時に、映画好きだからこそ出る発想だなあ、と感心しました。 あと、トリックが煩雑で、動機が突拍子もないのは気にならないですが、 アクシデントが発生したにもかかわらず、計画を続行した犯人の行動が、 結果的に動機と矛盾した事態を生んでいるというのは、不可抗力という ことでいいのでしょうか? | ||||
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お手軽なミステリーとして楽しめます。リーダビリティも高いしそこそこ満足できます。しかしこのトリックはどうなんでしょう? 労力の割には穴だらけというか・・・。かなり綱渡りですね。 | ||||
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題名はコメディ映画の名作「アパートの鍵貸します」のもじり。作中にも映画の話題が散りばめられる。主人公の流平は烏賊川市(=いかがわし)立大の映画科の3年生。来春の卒業を控え、恋人の由紀にフラれてヤケ気味。前半の入りは烏賊川市の名前の由来を初め、ユーモア満載で楽しめる。 その由紀の殺人事件と、流平の先輩の部屋で起きた密室事件がほぼ同時刻に発生する。チェーンロックが掛かった密室には先輩の死体と失神した流平が居るだけ、と言うのがミステリ的趣向。2重の容疑者となった流平は、元義兄の探偵鵜飼と共に事件を探るが...。流平と鵜飼、そして奇矯な担当刑事がトボケタ言動を繰り広げるので、無条件に笑えるし、この脱線振りが読者への煙幕になっている。 2つの事件を同時に解決する手段は一つしかないので、ミステリ的興趣が薄くなる所を、真相をカバーする練達した語り口で巧みに物語を紡いでいる。冒頭からきちんと伏線も張ってあり、見かけに比して、本格ミステリに掛ける本気度はかなり高いと思えた。動機も疎かにしない(?)丹念さ。それを包むユーモア感覚も秀逸で、楽しみな作家が増えたと言う実感を覚えさせる快作。 | ||||
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舞台は 烏賊川市(いかがわし)。 そのネーミングからこの作者のセンスが分かります。 ところどころに 笑えるところを用意しつつ、 しっかりミステリーとして 読ませようとしている。 恋人に振られた青年が。 その恋人が殺される。 が、その時彼は先輩の家でビデオ鑑賞。 が、その先輩が密室状態で殺される。 恋人殺しの疑いをかけられていることを知った青年は アリバイを証明してくれる先輩をも殺され、 元義兄の探偵に助けを求める・・・。 若干、事件の結末が え〜、それあり?という感じだったのが残念です。 犯人の動機の面にしても なんか弱いなぁ〜ってな気もしましたが、 それを忘れさせるほどの 面白さがあったので良しとします。 | ||||
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かつてイカの水揚げに湧きそれを運んだ川のある町. だから街の名前は烏賊川町.それが市なって烏賊川市(いかがわしい). こんなダジャレをマジメに語るプロローグで物語はスタート. 登場するのは地味目の大学生と,彼を助ける頼りない探偵. なんとも魅力に欠けると思いきや,そこは『ユーモア本格ミステリ』と銘打たれた作品. 語り部がじゃまにならない程度に軽妙なジョークや突っ込みで彼らをフォローします. トリックや犯人などはそれほど難しくないですし分厚さも手ごろ. とはいうものの,ユーモアだけでなくミステリもしっかりあります. 気張らずお手軽に読める,そんな1冊だと思います. | ||||
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どうなんでしょう?私にはイマイチな印象が残りました。 ユーモアミステリというジャンルでしょうか? 確かにプロット、ストーリーは本格の定石なのですが、結末があまりにご都合主義というか、論理性に欠けます。 セリフ回しも単にジョークが多いというだけで気のきいた、というわけではありませんでした。 著者のデビュー作なので、他の作品も読んでみようとは思いますが、積極的にという意味ではありません。 | ||||
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本書は光文社カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト<KAPPA—ONE>レーベルの第一弾として’02年4月に同時刊行された4作品の内のひとつである。 とある関東の地方都市・烏賊川市(いかがわし)の貧乏大学生戸村流平は、カノジョ紺野由紀から、彼の就職内定先に不満を持たれ、手ひどくフラれてしまう。酔っ払って荒れる流平。 そんなある夜、由紀が背中を刺された上、アパートの4階から突き落とされて殺害される。その時彼は目と鼻の先の先輩のところで先輩と一緒にビデオを観ていた。ところが本来アリバイを証明してくれるはずのその先輩は、ふたりきりの完全な密室状態の中、浴室で刺殺されてしまう。ふたつの殺人の重要な容疑者となった流平は、姉の元夫、私立探偵の鵜飼杜夫に助けを求める。 かくして、警察の追及から逃がれながら、流平・杜夫の真相究明が始まる。 全編にわたって、飄々としたユーモアをベースにしながらも、コアの部分である不可能犯罪の解明は決しておふざけではなく、正統的な「本格ミステリー」として、真面目で論理的なものになっている。伏線も上手くきちんとちりばめられているあたりも実にフェアーである。 読者はユーモア小説を笑いながら楽しんで読んでいるうちに、「本格ミステリー」の謎解きに、知らぬ間にたどり着いているという趣向である。 私も久しぶりにキレのいい「本格パズラー」を堪能した。しかもユーモアという味付けと共に。本書は「ユーモア」と「本格パズラー」が見事に融合した、2重にオイシイ小説である。 | ||||
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面白いです。 じわりじわりとした可笑しみではなく、 明らかに作者が狙った面白さがあります。 特筆したいのは東野圭吾「超殺人事件」や、最近のミステリーにある 本格推理のパロディ的なユーモアではないことです。 落語のような言葉使いに、映画のコメディのようなシーン。 それでいながらきちんと本格もののミステリーになっています。 映画館で映画がはじまるまでに読むには丁度いい作品です。 | ||||
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身も蓋もなく、類似作品で紹介してしまうのが本作の場合、非常に分かりやすいでしょう。石崎幸二や『フォックスの死劇』に代表される霞流一のバカミス、氷川透のロジックとメタ嗜好などをミックスしたような感じのミステリです。中でもミステリに自覚的な登場人物の発言や、たまたまかもしれませんが、映画関係の蘊蓄が少々入っているので、霞流一との距離が非常に近くなっています。下手をすると霞流一の作品と言われても分からないのではないでしょうか。デビュー作だけあって文章はあまり巧くないかもしれませんが、特に読んでいる途中に気になるほどではありません。タイトルを見てもセンスが伺えますが、ミステリマニア向けの趣向や、バカ具合が巧い具合にカモフラージュ(カバー)になっているのでしょう。肝腎のトリックは、私はある程度の方向性は合っていたものの、それを上回る複雑かつロジカルかつ、少しバカな真相で、読んだ時間の元をしっかりとれる内容でした。次作も期待できそうです。 | ||||
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殺人の嫌疑をかけられた主人公はなんとも情けない人物であった。自分で自分の首をしめるような行動ばかりなのだが、「バカな主人公ほどかわいい」と感じさせる。無駄な描写だと思っていたものが布石となっており、あとで「ああ、あれはこういう事だったのか」と納得してしまう所がいくつもあり、楽しめた。名探偵!は出てこないけれど、味のある登場人物が束になって事件を解決してくれる。 | ||||
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