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からくりからくさ
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からくりからくさの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 41~44 3/3ページ
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| 「からくりからくさ」は、「西の魔女は死んだ」「裏庭」の中のやわらかさ・透明感・命の温かな存在感をそのままに伝えながら、それ以上の力強さとの美しさを持った作品である。人間が、女が、民族が、生きることの、怨念や情念、祈りや慈しみを重層的に描きながら、それらが澄んだ一つのトーンを創っていく。梨木香歩の作品は、独特の世界があり、体と心にしみるように入ってくる文章なのだが、そこにどこか手作りの初々しさがあるように思う。それは、この作者の登場人物達がみな「手仕事」を愛おしんでいるからであろうか。文庫版390ページの老婆の温かさが、忘れられない。 | ||||
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| 個人的には「裏庭」よりも好きな作品。「染め織り」や「能面」など日常ではなかなか触れることのない要素が新鮮だった。また、日本家屋や植物たちがなんともいえない生活の匂いを出していて、私はそれらの関わり合いや主人公らの暮らしぶりを楽しく読ませていただいた。今度はりかさんの物語も読んでみたいと思う。 | ||||
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| この著者の魅力のひとつは、植物の描写だ。「からくりからくさ」はその魅力が存分に盛り込まれている。そして、その描写のおかげで場面が鮮やかに頭の中に描かれる。 | ||||
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| からくりからくさ 「からくりからくさ」/梨木香歩 新潮社 1999/5/20この小説をには「時間」がある。蛇のようにぐるぐるといつまでも絶えることのない時間が。それは日常を肯定する。 私はいつか、人は何かを探すために生きるんだといいましたね。でも、本当はそうじゃなかった。 人はきっと、日常を生き抜くために生まれてくるのです。 そしてそれを伝えるために。 クルドの人々のあれほど頑強な戦いぶりの力は、おそらくそのことを否定される抵抗から来ているのでしょう。 生きた証を、生きてきた証を。 井乃川の家意識も、きっと。しかし、この小説はけしてそれらを単に肯定するわけではけしてない。それらは絶えず変化しつづけるがゆえに、肯定されるものとなる。 時間というのは二種類ある。と何かの授業で習ったことがある。それは円環する時間とまっすぐにのびていく時間である。前者は周期を持ち、後者ははじめと終わりを必要とする。いま僕らが持っている時間は、後者の方だろう。キリスト教的な天地創造-終末にかわって我々は、ビッグバン(虚数エネルギーの連鎖的変換?)-エントロピーの増大による熱量死、という新しい物語を持ってはいるが、基本的な構造は少しも変わっていない。それはある日はじまり、ある日終わりを告げるのだ。 前者の時間…。あらゆる事がすでに起こったことであり、そして再び起こる。その途上に流れていく時間。そんな時間にぼくはあこがれる。 | ||||
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